概要/あらすじ
『魔道祖師』は、魏無羨(ウェイ・ウーシエン)が転生後、藍忘機(ラン・ワンジー)と共に数々の謎を追う物語です。鬼道を修めたことで仮噬を受け転生した魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、旧友の藍忘機(ラン・ワンジー)と共に、意思を持つ片手を手がかりに、前世と現世にまたがる謎を解き明かしていきます。物語は回想と現在が交錯する構成で、主軸となるサスペンスの深まりと共に、義城(ぎじょう)編で描かれる過去の人間模様が切なく胸を締め付けます。
物語の舞台は、温氏が勢力を振るう時代。仙門の義士たちは「射日の徴」を掲げ、温氏討伐に乗り出します。魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は温氏打倒に多大な貢献をしますが、常道を逸脱した強大な力を持ちすぎたがゆえに人々の嫉妬と陥穽に遭い、最終的には献舎(けんしゃ)によって転生することになります。転生した魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は、藍忘機(ラン・ワンジー)や江澄(ジャン・チョン)といったかつての仲間たちと再会し、怪異な手の秘密を追う中で、前世の因縁の真相を明らかにしていきます。
物語の中心人物は魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と藍忘機(ラン・ワンジー)。自由奔放で人を惹きつける魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と、冷静沈著で禁欲的な藍忘機(ラン・ワンジー)。二人は謎解きと怪異との戦いを繰り広げる中で互いの想いを確かなものとし、最終的に道侶(どうりょ)となります。
藍忘機(ラン・ワンジー)と魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は結ばれ、穏やかで幸せな日々を送ります。物語の終盤、黒幕である金光瑤(ジン・グアンヤオ)の正体が暴かれ、彼は命を落とします。死の間際、金光瑤(ジン・グアンヤオ)は藍曦臣(ラン・シーチェン)を救い、藍曦臣(ラン・シーチェン)の心に複雑な感情を残します。魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は江澄(ジャン・チョン)と和解し、これまで彼にかけられていた濡れ衣も晴らされ、世間の非難から解放されます。そして、藍忘機(ラン・ワンジー)と魏無羨(ウェイ・ウーシエン)は新たな人生を歩み始めます。
魏無羨(ウェイ・ウーシエン) 年表(逆順)
この年表は、架空の世界を舞台とした物語「魔道祖師」の主人公、魏無羨(ウェイ・ウーシエン)の人生を年齢順に逆向きに辿ったものです。作中の年は仮想であり、現実世界の年号とは対応していません。
35歳：
- 魏無羨(ウェイ・ウーシエン)と藍忘機(ラン・ワンジー)は道侶(どうりょ)となる。雲夢の観音廟で互いの想いを確かめ合った二人は、小苹果と共に各地を旅し、助けを求める声に応えていきます。三ヶ月後、二人は雲深不知処に戻り、藍家の家宴に参加。そこで長老たちは二人の道侶(どうりょ)としての関係を認めます。
- 観音廟で全ての真相が明らかになる。藍忘機(ラン・ワンジー)の戒鞭痕と烙印の由来、そして彼の想いを知った魏無羨は藍忘機(ラン・ワンジー)に告白します。金子勲を操っていた真犯人は蘇渉(スー・ショー)であり、窮奇道での襲撃事件の首謀者の一人であることも判明します。観音廟に封印されていた遊女たちの怨霊は、金光瑤(ジン・グアンヤオ)が放火によって殺害したものでした。二度目の乱葬崗での戦いの理由、そして金光瑤(ジン・グアンヤオ)が父、兄、妻、子、師、友を殺害した事実も明らかになります。
- 蓮花塢で更なる真相が明らかになる。金光瑤(ジン・グアンヤオ)と秦愫(チン・スー)の真の関係、金光善(ジン・グアンシャン)の本当の死因、そして江澄(ジャン・チョン)の金丹が修復された真相、魏無羨が鬼道を修めることになった理由、それは魏無羨が岐山温氏(きざんのウェンし)の優秀な医師である溫情(ウェン･チン)に頼み、自分の金丹を江澄(ジャン・チョン)に移植したためでした。
- 二度目の乱葬崗での戦い。金光瑤(ジン・グアンヤオ)は様々な仙門の子弟を乱葬崗に誘い込み、蘇渉(スー・ショー)と共謀して彼らを魏無羨にけしかけます。魏無羨は自らを囮として、藍忘機(ラン・ワンジー)や血の池から蘇った温氏の血屍と共に、皆を救います。
- 再び姑蘇へ。藍忘機(ラン・ワンジー)に連れられて雲深不知処に戻った魏無羨は、藍家の家規を破ろうとしますが失敗に終わります。莫家荘で鬼手の霊を鎮めた後、魏無羨と藍忘機は手がかりを求めて下山します。
- 大梵山でかつての仲間と再会。莫家荘を離れた魏無羨は、大梵山で夜狩(よがり/よかり)をしている最中に、師姉の息子である金凌(ジン・リン)、そして師弟である江澄(ジャン・チョン)と出会います。食魂天女との戦いの中で、金凌(ジン・リン)の魂が奪われそうになりますが、魏無羨は笛の音で温寧(ウェン・ニン)を呼び出し、金凌(ジン・リン)を救います。江澄(ジャン・チョン)は莫玄羽(モー・シュエンユー)の体を魏無羨が乗っ取っていると確信し、彼を捕らえようとしますが、藍忘機は魏無羨の笛の音で彼だと気づき、守るために藍家に連れて帰ります。
- 魏無羨、転生する。魏無羨が死んで13歳、莫家荘で金光善(ジン・グアンシャン)の隠し子である莫玄羽(モー・シュエンユー)によって献舎(けんしゃ)され、転生します。同時に莫家荘では、姑蘇藍氏(こそランし)の子弟が邪気を祓いに訪れ、そして何者かによって怨念のこもった鬼手が持ち込まれます。
25歳：
- 莫玄羽(モー・シュエンユー)、金麟台を追放される。金光瑤(ジン・グアンヤオ)の密室で魏無羨の献舎(けんしゃ)の禁術が記された手稿と赤鋒尊(せきほうそん)の頭蓋骨を見たことで、莫玄羽(モー・シュエンユー)は精神に異常をきたし、金麟台を追放されます。
24歳：
- 金光善(ジン・グアンシャン)が急死。金光瑤(ジン・グアンヤオ)によって粛清された薛洋(シュエ・ヤン)は傷を負い、義城(ぎじょう)付近で曉星塵と阿箐(アーチン)に助けられます。
23歳：
- 抱山散人(バオシャン・サンレン)の弟子である17歳の曉星塵は世を救うために下山します。櫟陽常氏が滅門され、曉星塵は犯人である薛洋(シュエ・ヤン)を捕らえ、金麟台に送ります。聶明玦(ニエ・ミンジュエ)は薛洋(シュエ・ヤン)の処刑を主張しますが、その後、不幸にも命を落とします。常萍(チャン・ピン)が証言を翻したため、薛洋(シュエ・ヤン)は釈放されます。薛洋(シュエ・ヤン)は宋嵐(ソン・ラン)が修行していた白雪観を滅ぼし、宋嵐(ソン・ラン)の両目を奪います。曉星塵は宋嵐(ソン・ラン)を背負い、師である抱山散人(バオシャン・サンレン)のもとへ治療を乞いに戻ります。
22歳：
- 一度目の乱葬崗での戦い。魏無羨は死亡。不夜天の戦いの3ヶ月後、陰虎符(いんこふ)を破壊しようとした魏無羨は、四大仙門と百家による乱葬崗への襲撃を受けます。温氏の残党は滅ぼされ、魏無羨は怨霊に仮噬され、粉々に砕け散ります。彼の佩剣「随便」、鬼道の秘伝、そして破壊しきれなかった半分の陰虎符(いんこふ)は蘭陵金氏の手に渡り、鬼笛「陳情」は江澄(ジャン・チョン)が手にします。
- 莫玄羽(モー・シュエンユー)、蘭陵金氏へ戻る: 金光善(ジン・グアンシャン)の嫡子、金子軒(ジン・ズーシュエン)が窮奇道で命を落とした後、14歳の私生子である莫玄羽(モー・シュエンユー)が蘭陵金氏に迎え入れられました。
21歳
誓師大会、不夜天城の惨劇: 窮奇道の襲撃事件後、各世家は不夜天城に集結し、魏無羨討伐の誓いを立てました。魏無羨が誓師大会に現れた時には、既に金光善(ジン・グアンシャン)によって温寧(ウェン・ニン)姉弟は挫骨揚灰に処されており、翌日には魏無羨と残りの温氏一族への討伐が開始される予定でした。魏無羨は自ら出向き交渉を試み、金子勲に呪いをかけた者の調査を求めましたが、逆に包囲攻撃を受けます。そして、目の前で江厭離(ジャン・イエンリー)が命を落とすのを目撃した魏無羨は、ついに理性を失い、陰虎符(いんこふ)を完全に操り、殺戮の限りを尽くしました。血に染まった地獄絵図と化した不夜天城は、後世に語り継がれる惨劇となりました。
12月：窮奇道での襲撃: 金凌(ジン・リン)の満月宴に招待された魏無羨は、温寧(ウェン・ニン)と共に窮奇道を通過中に、金子勲率いる300人余りの襲撃を受けます。温寧(ウェン・ニン)は反撃して全員を殺害しますが、暴走状態に陥り、金光瑤(ジン・グアンヤオ)に騙されてその場に居合わせた金子軒(ジン・ズーシュエン)をも誤って殺してしまいます。溫情(ウェン･チン)は魏無羨を術で制止した後、温寧(ウェン・ニン)と共に金麟台へ赴き、罪を償うことを選びました。
11月21日：金凌(ジン・リン)誕生: 魏無羨の甥であり、雲夢江氏の江厭離(ジャン・イエンリー)と蘭陵金氏の金子軒(ジン・ズーシュエン)の間に、金凌(ジン・リン)が誕生しました。「如蘭」という金凌(ジン・リン)の字は、魏無羨が名付けたものです。金氏は祝宴として満月礼を催し、魏無羨も招待されました。
20歳
異名の誕生: 魏無羨が温寧(ウェン・ニン)の意識を回復させてからわずか3日で、江家を離反し夷陵に拠点を築いた魏無羨が、これまでで最も強力な凶屍を作り出したという噂が、ほぼ全ての世家に広まりました。その凶屍は動作が素早く、怪力無双で、何物も恐れず、冷酷非情な上に、完全な知性と意識を備えており、夜狩(よがり/よかり)においては無敵を誇りました。こうして、魏無羨は「無上邪尊夷陵老祖」、温寧(ウェン・ニン)は「鬼将軍」という異名を得ることになりました。
夷陵での再会: 江家を離反して数ヶ月後、魏無羨は夷陵の小さな町で藍忘機と「偶然」再会します。藍忘機は魏無羨に、江厭離(ジャン・イエンリー)が7日後に結婚することを伝えました。藍忘機が魏無羨にこのままでいいのかと問うと、魏無羨は「……是非は己にあり、毀誉は人にあり、得失は問わず……」と答えました。魏無羨は温寧(ウェン・ニン)の意識を回復させ、温氏一族は大喜びで、皆で初めて一緒に食事をし、語り合いました。魏無羨は、その夜多くの酒を飲みました。
雲夢江氏からの離反: 窮奇道の事件から5日後、江澄(ジャン・チョン)は魏無羨に決闘を申し込みますが、交渉は決裂し、激しい戦いが繰り広げられました。この戦いの後、江澄(ジャン・チョン)は「魏無羨は一族を裏切り、公然と敵対したため、雲夢江氏は彼を追放し、今後一切の関係を断つ。今後、彼がどのような行動を取ろうとも、雲夢江氏とは一切無関係である！」と宣言しました。
窮奇道で温寧(ウェン・ニン)を救う: 百鳳山での狩猟大会から2ヶ月後、雲夢で魏無羨は再び藍忘機と共に姑蘇へ戻ることを拒否します。同日、魏無羨は蓮花塢の埠頭で溫情(ウェン･チン)と出会い、溫情(ウェン･チン)は温寧(ウェン・ニン)を救ってほしいと懇願します。彼らは窮奇道で、監督官に虐待されて命を落とした温寧(ウェン・ニン)を見つけ、魏無羨は温寧(ウェン・ニン)を操り、仇を討ちました。その後、魏無羨は温寧姉弟と一族を連れ、かつて3ヶ月間過ごした乱葬崗へと向かいました。
百鳳山での狩猟大会: 魏無羨が20歳の秋、射日の征が終わった後の百鳳山での狩猟大会。魏無羨は20年間守ってきた初吻を失いました。藍忘機は金子軒(ジン・ズーシュエン)の剣から魏無羨をかばいます。魏無羨は一人で獲物の3割を狩り、蘭陵金氏の金子勲の不満を買いますが、江厭離(ジャン・イエンリー)は魏無羨をかばい、金子勲に謝罪させました。
17-20歳
- 射日の征: 姑蘇藍氏(こそランし)が焼き討ちにあい、雲夢江氏が滅ぼされ、その他大小様々な世家が弾圧される中、金氏、聶氏、藍氏、江氏の四家は同盟を結び、「射日の征」の旗印を掲げて岐山温氏(きざんのウェンし)に戦いを挑みました。最終的に温氏の滅亡をもって、射日の征は終結しました。
17歳
鬼道の修練: 蓮花塢が滅びた後、逃亡中に江澄(ジャン・チョン)は捕まり、重傷を負い、温逐流(ウェン・ジューリウ)によって金丹を奪われます。魏無羨は蓮花塢に潜入し温寧と出会い、温寧の助けを借りて江澄(ジャン・チョン)を救出し、夷陵へ連れて行き溫情(ウェン･チン)に治療を頼みます。夷陵の町で江澄(ジャン・チョン)を待っている間に、魏無羨は温晁(ウェン・チャオ)たちに捕まり拷問を受け、乱葬崗に投げ捨てられます。乱葬崗での3ヶ月間、魏無羨は鬼道を模索し修練し、笛を吹いて屍を操り、凶屍や怨霊を意のままに操る術を身につけました。
蓮花塢の滅亡: 暮溪山での屠戮玄武討伐から蓮花塢に戻って約半月後、温氏は王霊嬌を江氏に送り込み、蓮花塢に温氏の拠点となる監視寮を設置しようとしますが、失敗します。江楓眠(ジャン・フォンミエン)と虞紫鳶(ユー・ズーユエン)は、化丹手温逐流(ウェン・ジューリウ)によって金丹を奪われた後、殺害され、雲夢江氏は滅亡しました。
藍忘機と協力して屠戮玄武を討伐: 17歳の魏無羨は、岐山温氏(きざんのウェンし)の教化司に強制的に送られ、教化を受けさせられます。暮溪山での夜狩(よがり/よかり)の際、魏無羨は藍忘機と協力して、400歳を超える巨大な妖獣、屠戮玄武を討伐します。二人は屠戮玄武の洞窟の底で7日間を共に過ごし、藍忘機は魏無羨に「忘羨」を口ずさみます。
16歳
- 射的競技で一位: 16歳の魏無羨は、岐山温氏(きざんのウェンし)が主催する百家清談大会に参加します。射的競技が行われた日、上位4名は魏無羨、藍曦臣(ラン・シーチェン)、金子軒(ジン・ズーシュエン)、藍忘機でした。藍忘機は魏無羨に抹額を引っ張られて怒り、競技を途中で放棄したため、本来はもっと良い成績を残せたはずです。
15歳
- 姑蘇藍氏(こそランし)へ遊学: 15歳の魏無羨は、師弟の江澄(ジャン・チョン)と共に姑蘇藍氏(こそランし)へ遊学し、藍忘機、聶懐桑(ニエ・ホワイサン)、金子軒(ジン・ズーシュエン)らと同級生になります。金子軒(ジン・ズーシュエン)と喧嘩をしたため、3ヶ月で雲夢に戻ることになりました。
9歳
- 江楓眠(ジャン・フォンミエン)に連れられ蓮花塢へ: 魏無羨は9歳の時に江楓眠(ジャン・フォンミエン)に連れられて蓮花塢へやってきました。魏無羨の両親が戦いに敗れて命を落としたという知らせを受けた江楓眠(ジャン・フォンミエン)は、長い間彼を探し続け、ついに夷陵付近で彼を見つけ、最初の弟子として迎え入れました。
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