概要/あらすじ
軽妙洒脱な語り口でユーモア溢れる時代小説『妾身要下堂(妾、離縁いたします)』は、許慕蓴(きょぼじゅん)が周君玦(しゅうくんけつ)に妾として売られた後、巻き起こる数々の出来事を描いた物語です。
許慕蓴(きょぼじゅん)は許家の令嬢でしたが、継母の虐待により、まるで薪を運ぶ娘のように扱われ、ついには周家に妾として売られてしまいます。婚礼当日、周君玦(しゅうくんけつ)はお茶の木を探しに出かけており、戻ってみると屋敷の裏庭は鶏小屋と化し、辺り一面に茶葉蛋(味付けゆで卵)の香りが漂っていました。さらには、通りには妾が屋台で売る茶葉蛋と混沌の匂いが立ち込めています。この状況を目の当たりにした周君玦(しゅうくんけつ)は、許慕蓴(きょぼじゅん)に対する態度を変え、二人の間にはユーモラスで心温まる交流が生まれていきます。
物語は波乱万丈、読者を惹きつけて離しません。周家での生活を中心に、許慕蓴(きょぼじゅん)は複雑な人間関係に対処しながら、自立を目指して茶葉蛋を売り、生計を立てていきます。やがて周君玦(しゅうくんけつ)は、彼女の才能と不屈の精神に気づき、徐々に惹かれていきます。当初は矛盾や誤解もあった二人の関係は、次第に互いを理解し支え合うものへと変化していきます。
そしてついに、許慕蓴(きょぼじゅん)は正妻の座へと上り詰めます。妾という立場でありながら、姑や夫からの様々な嫌がらせや不当な扱いにも、彼女は常に自分の信念と尊厳を貫き通しました。知恵と勇気を駆使し、徐々に家族からの信頼と尊敬を勝ち取っていきます。最終的に、あらゆる困難や対立を乗り越え、許慕蓴(きょぼじゅん)は見事正妻となり、彼女の悲願は達成されるのです。
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