本文では、ドラマ「沈香の夢:前編~蓮の花芳る時~」(全38話、1-38)と「沈香の夢:後編~燃え尽きぬ愛~」(全21話、39-59)の合計59話のストーリーとネタバレを紹介します。
はるか昔、天界を舞台に繰り広げられる壮大な仙侠ドラマ「沈香の夢:後編~燃え尽きぬ愛~」は、蓮の花の仙女・顔淡(がんたん)と六界の帝君・応淵(おうえん)が、悪の勢力に立ち向かう物語です。
顔淡(がんたん)と応淵(おうえん)は、互いを知る中で過去の誤解を解き、力を合わせて世の正義を守り、天下の人々を守っていきます。二人の関係は幾度となく試練にさらされます。顔淡(がんたん)は応淵(おうえん)を救うため、自らの心臓の半分を抉り出し、天罰の雷に打たれます。応淵(おうえん)は自分を救ったのは顔淡(がんたん)の姉・芷昔(しせき)だと勘違いしますが、最終的に人間界で再会し、物語は続きます。
物語の結末は一見悲劇的に見えますが、登場人物それぞれが自分の居場所を見つけます。応淵(おうえん)は体内の修羅の血が目覚め、三界を守るため、自らを犠牲にして結界と化します。応淵(おうえん)の死後、顔淡(がんたん)は自らの蓮の心を砕き、彼の後を追います。二人は共に命を落としたように見えますが、実際には二人の原初の魂は一つになり、沈香炉へと飛び込み、転生を暗示する終わり方となっています。
その他にも、染青(せんせい)と玄夜(げんや)は陰謀に満ちた出会いから、最終的には野心を捨て、互いを選び、幸せな結末を迎えます。邪神と陶紫炁(とうしき)の関係は感情の駆け引きに満ちていましたが、邪神は最後に陶紫炁の本心を見抜き、苦しみながらも解脱します。紫麟(しりん)と琳琅(りんろう)は劇中で最も心温まるカップルで、応淵(おうえん)の祝福を受け結婚します。劇中では子供がいる描写はありませんが、最も幸せな結末を迎えた二人と言えるでしょう。
主人公の顔淡(がんたん)は、應淵(いんえん)と共に桓欽(かんきん)との最終決戦に挑みます。應淵は自らの元神を天魔結界に変え、顔淡(がんたん)は自らの身を挺して彼の元神のかけらを守り抜きました。二人は百年の眠りにつき、目覚めた後、人間界で再び巡り合い、静かで幸せな日々を送ります。應淵は帝君の座を退き、下界の神仙となり、夢にまで見た息子、苟誕(ごうた)を本当の息子として育てます。余墨(よぼく)の住む山の隣で、穏やかな生活を送ることになります。
余墨(よぼく)は朝瀾(ちょうらん)とは結ばれず、铘闌山(えいらんざん)で一人、苟誕(ごうた)の師となります。
芷昔(しせき)は顔淡(がんたん)と應淵を守るため、散霊丹を飲んで桓欽(かんきん)に立ち向かい、命を落とします。彼女の菡萏(かんたん)の心は桓欽(かんきん)を苦しめましたが、陶紫炁(とうしき)によってその苦しみは取り除かれてしまいました。
南海公主の朝瀾(ちょうらん)は、密かに余墨(よぼく)を想い続けていましたが、四海の龍尊となります。番外編では、比武招親で心惹かれる相手と出会い、余墨(よぼく)とは結ばれなかったことが明かされます。
物語の黒幕である計都星君(けいとせいくん)は、悪の限りを尽くすわけではなく、應淵には幾度も情けをかけます。最後は、應淵と顔淡(がんたん)に魔相へと誘い込まれ、覚醒した應淵の力に抗えず消滅します。
帝尊は一度は命を落としますが、完全に消滅したわけではありません。應淵が結界を修復する際に魔に堕ちそうになった時、帝尊は自らの元神の一部を使って應淵の血脈を抑え込みました。應淵の血脈が覚醒した時、その元神は帝尊の体に戻り、彼は復活を遂げます。
録鳴(ろくめい)は、顔淡(がんたん)や余墨(よぼく)、そして應淵にも優しく、幾度も彼らを助けます。しかし、桓欽(かんきん)の偽りに気づき、口封じのために殺されてしまいます。
螢灯(けいとう)は、人間界でも主人公たちを苦しめ続ける厄介な存在です。應淵への叶わぬ愛から魔に堕ち、最後は顔淡(がんたん)に倒されます。
邪神玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は、陶紫炁に騙されながらも、彼女を想い続けます。桓欽(かんきん)が万魔の眼から力 얻는 것을 막기 위해、自らの元神を犠牲にします。陶紫炁は玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)と桓欽(かんきん)の愛した女性ですが、二人の愛は全く異なるものでした。仙魔大戦の前夜、陶紫炁は桓欽(かんきん)のために一度命を落とします。そして、散霊丹によって氷漬けになった桓欽(かんきん)を救うため、再び命を捧げます。
第1話あらすじとネタバレ
天界の瑶池の宴で、四葉菡萏(しようはんだん)の開花は妖・魔・冥三界の注目を集めました。しかし、応淵(おうえん)帝君(おうえんていくん)は普段から孤高を好み、このような宴には興味を示さず、宮中で茶を味わい、碁を打っていました。魔界の長老・爍驊(しゃくか)はこの稀世の花の美しさに目を奪われ、数日後が魔界の邪神の万寿の誕生日であることを考え、この花を仙界から魔界への献上品とするべきだと厚顔無恥に主張しました。この無礼な要求に対し、火徳(かとく)元帥(かとくげんすい)はすぐさま叱責しましたが、爍驊(しゃくか)は逆上し、菡萏を強引に奪おうとしました。危機一髪のその時、応淵(おうえん)帝君が現れ、爍驊(しゃくか)をいとも簡単に製圧しました。
その後、四葉菡萏(しようはんだん)は二人の女性の姿に変化しました。爍驊(しゃくか)は諦めきれず、再び手を出すも、応淵(おうえん)の法力によって拘束されます。彼は応淵(おうえん)が妖魔冥三界を冷遇していると非難し、六界の権力は交代するべきだと主張しました。応淵(おうえん)は、不満があるなら邪神自ら帝尊と話し合うべきだと指摘し、爍驊(しゃくか)に邪神の指示かどうかを問いただします。身の危険を感じた爍驊(しゃくか)は、これは自分の独断であり、邪神とは無関係だと慌てて弁明しました。六界和平条約の存在を考慮し、応淵(おうえん)は爍驊(しゃくか)を罰する事はありませんでした。
帝尊はこの一件に対し、応淵(おうえん)が六界の調和を維持できると信頼を示しました。蓮の花が開花し、人型に変化したことは吉兆とされ、帝尊は応淵(おうえん)に二人の新たな仙子に名前をつけるよう命じます。応淵(おうえん)は彼女たちに芷昔(しせき)と顔淡(がんたん)と名付けました。
五百年後、姉の芷昔(しせき)は修行に励み、妹の顔淡(がんたん)は比較的悠々自適な生活を送っていました。ある日、芷昔(しせき)は顔淡(がんたん)に昇階試験を受けない理由を尋ねます。彼女は顔淡(がんたん)の才能を考えれば、もっと積極的に進取するべきだと考えていました。しかし、顔淡(がんたん)はそれらに興味を示さず、姉がいるから大丈夫だと考えていました。これを見た芷昔(しせき)は、顔淡(がんたん)に基礎的な仙法の典籍を学ぶよう促します。
重要な儀式である接星大典(せつせいだいてん)で、妙法閣(みょうほうかく)の掌事(しょうじ)・螢灯仙子(けいとうせんし)は副掌事の芷昔(しせき)を意図的に遠方に配置し、帝君の祈福の儀式に参加できないように仕向けました。その後、螢灯は顔淡(がんたん)を嘲笑い、口論となります。芷昔(しせき)は妹を守るため、螢灯と衝突し、糸璇(しせん)が情戒(じょうかい)を破棄された後に昇進した螢灯の良心を問いただしました。
芷昔(しせき)が貴重な星辰塵埃(せいしんじんあい)を集めた時、彼女はまず顔淡(がんたん)のことを考えました。四人の帝君の姿を見て、芷昔(しせき)は彼らのように強大な神仙になりたいという願望を抱き、将来昇仙階する際には、額の仙鈿(せんてん)を応淵(おうえん)帝君に付けてもらいたいと願いました。彼女は顔淡(がんたん)の誌を尋ね、顔淡(がんたん)が優れた話本作家になりたいという夢を知ります。昇仙階前の試練について、芷昔(しせき)は多少の恐怖を感じますが、顔淡(がんたん)の励ましを受け、二人は互いに激励し合います。
顔淡(がんたん)は懸心崖(けんしんがい)で誰かが仙亀(せんき)をひっくり返しているのを発見し、捕まえようとしますが、それが応淵(おうえん)帝君だと気づきません。彼女は彼の顔に見覚えがあるものの、ただの普通の小仙だと思い込んでいました。ある仙君にこのことを報告すると、仙君は顔淡(がんたん)に仙術の修練を促します。
仙君が応淵(おうえん)帝君の残した碁局を解くのを手伝った際、顔淡(がんたん)は非凡な知性を発揮し、応淵(おうえん)は密かに感心します。顔淡(がんたん)は少々軽率なところもありますが、適切な鍛錬を受ければ大成するだろうと考えました。しかし、「亀をひっくり返す者」を捕らえる顔淡(がんたん)の計画は失敗し、逆にからかわれてしまいます。さらに悪いことに、芷昔(しせき)が帝君の大切な混元玉帯(こんげんぎょくたい)を持って彼女を訪ねた際、二人の抱擁によって玉帯が壊れてしまいます。
第2話あらすじとネタバレ
応淵(おうえん)帝君の愛用の混元玉帯が損傷し、芷昔(しせき)は酷く恐慌に陥る。仙侍長が責任を追及しに来た際、顔淡(がんたん)は芷昔(しせき)をかばい自分が過失を犯したと申し出て、衍虚天宮(えんきょてんぐう)へ罰を受けに行くことになった。その時、応淵(おうえん)帝君は魔界の内乱を鎮圧中で、彼の修羅族の出自という秘密も危うく露呈しそうになっていた。上古の悪霊である修羅族と仙界の仙子の間に生まれた応淵(おうえん)にとって、額の黒い紋様は修羅族の証だった。彼の母は応淵(おうえん)を産んだ後、父の真意を知り、利用されていた関係に終止符を打つため自ら命を絶った。そのため、応淵(おうえん)の修羅族の血筋を知る仙界の人々から彼を守るため、応淵(おうえん)は自分が父母のいない仙霊の後裔だと偽っていたのだ。
応淵(おうえん)は帝尊に魔界の動乱鎮圧を報告し、盗まれた法器も全て妙法閣に記録したと伝えた。玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)の動向を問う帝尊に対し、応淵(おうえん)は玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)が自分の行動を全面的に支持したと説明し、玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は自由奔放で権力に興味がなく、脅威にはならないと指摘した。しかし、そのような性格だからこそ玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は魔界の主には向かず、長老たちが権力争いをすれば魔尊の座が変わり、大戦に発展する可能性もあると進言した。帝尊は魔界の隙を突かれないよう、翌日より天機閣と天兵処の全ての休暇を停止するよう命じた。
情戒を犯した糸璇(しせん)は罰を受け、応淵(おうえん)は彼女のために嘆願した。帝尊は糸璇(しせん)が罪を認めれば元神を残し、人間に転生させると言った。しかし糸璇(しせん)は天道の無情さを訴え、自分は間違っていないと主張した。帝尊は六界の平和を守るためには神仙が無情でなければならないこと、帝君に情があれば大きな災いを招く可能性があると諭した。今まさに逆賊たちが応淵(おうえん)帝君の隙を窺っているのだ。応淵(おうえん)は今日の情けが将来大きな災いとなるかもしれないと悟りながらも、糸璇(しせん)の元神を残し、彼女が忘川を渡って愛する能力を持った平凡な人生をやり直せるよう願った。
顔淡(がんたん)は玉帯を損傷した件で衍虚宮で罰を受けている時、応淵(おうえん)帝君が亀の君だと知った。顔淡(がんたん)は応淵に謝罪し、混元玉帯を満足いくまで修繕するという罰を受けた。懸心崖(けんしんがい)で別れを告げる際、仙君は彼女に法器の入った袋を贈り、亀の君の正体を明かした。顔淡(がんたん)は去る前に仙君のために応淵帝君が仕掛けた碁局を解き、それが応淵の目に留まり、仙術の書写と碁局解読を続けるよう命じられた。
螢灯仙子は顔淡(がんたん)が芷昔(しせき)の前で愚痴をこぼしているのは実は自慢だと仄めかし、なぜ応淵帝君が役に立たない顔淡(がんたん)を選ぶのかと挑発した。顔淡(がんたん)は戦争を題材にした話本の執筆に集中していた。それはかつて最強の水族と謳われた九鰭族が創世大戦で滅亡した物語だった。顔淡(がんたん)は自身と重ね合わせ、四葉菡萏(しようはんだん)族には少なくとも自分と姉が生き残っているが、九鰭族は血脈すら残っていないことを嘆いた。
話本の劇を稽古している時、顔淡(がんたん)は化形したばかりだという黒い小魚と出会った。彼は九鰭族唯一の生き残りだった。この若者は顔淡(がんたん)の助けで化形の危機を乗り越え、彼女に付き従うことを望み、余墨(よぼく)と名付けられた。顔淡(がんたん)が応淵帝君に混元玉帯の修繕完瞭を報告すると、応淵はわざと難癖をつけ、やり直しを命じると同時に、顔淡(がんたん)の心性を鍛えるため碁局解読を続けさせた。
創作のヒントを得るため、顔淡と余墨(よぼく)は古籍を調べ、地涯に昆侖神樹があることを知った。鹿鳴は霊力を吸収する危険な木に近づくなと警告したが、二人は見に行くことにした。そこで神樹の樹液を盗もうとした小仙侍が木の根に捕らえられているのを発見し、余墨(よぼく)は顔淡を守ろうとして巻き込まれてしまった。
第3話あらすじとネタバレ
鹿鳴が駆けつけた時、顔淡(がんたん)は彼に仙階の高い神仙を一人招いて助けてもらうよう頼んだ。計都星君(けいとせいくん)は二人の要請に応じて現れ、鹿鳴は計都星君(けいとせいくん)に顔淡(がんたん)と余墨(よぼく)を罰しないよう懇願した。計都星君(けいとせいくん)は二人に宮殿に戻って療養するように言い、二度と無茶をしないように警告しつつも、魔族のスパイ二人を捕らえた功績を褒めた。
計都星君(けいとせいくん)は未解決の二つの事件が気になっていた。応淵(おうえん)帝君は、そのうちの一つが魔族のスパイがどのように天界に潜入したかについてだと容易に推測した。以前、糸璇(しせん)が上古神器の無双鏡を盗み出し、火徳(かとく)元帥が魔界の最果ての地、幽泫の野で彼女を捕らえた。魔族が無双鏡を狙うのを防ぐため、応淵(おうえん)帝君は帝尊に鏡を破壊するよう提案していた。
計都星君(けいとせいくん)は魔界に通じる幽泫の野を封印しようと考えたが、応淵(おうえん)帝君は同意せず、他に良い方法があると考えた。彼は、情報伝達の方法を解読すれば、相手から姿を現すはずだと指摘した。計都星君(けいとせいくん)は密かに調べ、捕らえられたスパイは弥羅宮の仙侍に扮していたが、彼らには情報伝達のための法器は何もなかったことを突き止めた。正体を隠すため、彼らは非常に用心深かったに違いない。応淵(おうえん)帝君は情報伝達は毎日必ず通る場所で行われていると考え、疑いを避けているのだと推測した。彼は天街で六弁の梅花を見つけ、陶紫炁上仙が仙界と魔界の闇号に精通していることから、彼に分析を依頼することにした。
顔淡(がんたん)は余墨(よぼく)に基礎的な仙術の技を教えようとしたが、余墨(よぼく)は興味を示さなかった。顔淡(がんたん)は余墨(よぼく)の目が懸心崖(けんしんがい)の小黒魚に価ていることに気づき、神仙として謙虚であるべきだと諭した。二人は一緒に修練中に天膳殿へ行きこっそりスープを盗もうとしたが、子淮仙君(しかいせんくん)に見つかってしまった。顔淡(がんたん)は自分が衍虚宮の人間だと名乗り出て、自分の過ちだと認めた。子淮仙君(しかいせんくん)は慌てて応淵(おうえん)帝君に自分の不注意を詫びたが、応淵(おうえん)帝君は顔淡(がんたん)に夜食を作る許可は出していないと明言した。窮地に陥った顔淡(がんたん)は、大袈裟に仮応して子淮仙君(しかいせんくん)を怖がらせ、その場を逃れた。応淵(おうえん)帝君は今後衍虚宮の夜食は全て顔淡(がんたん)が担当すると宣言し、さらに毎日碁譜を書き写すよう命じ、書き終わるまで休むことを禁じた。
応淵(おうえん)帝君と計都星君(けいとせいくん)が碁を打っている時、顔淡(がんたん)がお茶を運んできた。応淵(おうえん)帝君は彼女の意図を見抜き、計都星君(けいとせいくん)と茶を交換しようと提案したが、顔淡(がんたん)は慌ててそれを阻止した。応淵(おうえん)帝君が湯殿で沐浴している時、顔淡(がんたん)はわざと彼の衣類を持ち去った。応淵(おうえん)帝君は、もし顔淡(がんたん)がその精力を修行に注いでいれば、とっくに玉帯を修繕できていただろうと皮肉った。仕返しに、応淵(おうえん)帝君も顔淡(がんたん)の帯を取り上げ、彼女は怒って彼の衣服を持ち去った。
応淵(おうえん)帝君は顔淡(がんたん)に歩離鐲という腕輪をつけ、歩離鎖という術をかけ、彼女が15歩以内に近づくと自動的に飛ばされるようにした。顔淡(がんたん)はこれに激怒し、応淵(おうえん)帝君に勝負を挑もうとしたが、近づくことすらできず、彼を「卑怯者!」と罵るしかなかった。応淵(おうえん)帝君にからかわれた顔淡(がんたん)は、接近しなくても勝てる仙術の秘伝を習得しようと決意した。
魔族の長老たちは軍隊を集結させ、応淵(おうえん)帝君が仙界に潜伏する魔族を徹底的に調査することを恐れていた。爍驊(しゃくか)長老は無双鏡がないため、今後南天門を攻めるのが困難になると懸念した。彼は、仙使の陶紫炁の命だけが邪神を翻意させられると述べた。
計都星君(けいとせいくん)は応淵(おうえん)帝君に、邪神は仮乱を起こす意思はないと主張しているものの、陶紫炁の報告によると、魔族の長老たちは大規模な徴兵を行い、噬迫穀に十万の大軍を集結させていると報告した。応淵(おうえん)帝君は魔族が糸璇(しせん)の死を口実に邪神を参戦させようとしているのではないかと危惧し、そうなれば事態は複雑になると考えた。そこで計都星君(けいとせいくん)は自ら下界へ行き、真相を探ることにした。実は、応淵(おうえん)帝君が顔淡(がんたん)に与えた罰は特別な褒美だった。応淵(おうえん)帝君とのやり取りを通して、顔淡(がんたん)は宮中の様々な仙術の秘伝を習得していったのだ。
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