沈香の夢前編、後編あらすじ39話・40話、ネタバレ

第39話あらすじとネタバレ

唐周(とうしゅう)の体には三大神器が埋め込まれ、裂魂の症はだいぶ良くなりました。玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は唐周(とうしゅう)に何か言いたげな様子を感じ、率直に話すよう促します。唐周(とうしゅう)は玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)に、上神であり魔族の長である玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)が、一人の人間の女性のために万民を犠牲にしたことを後悔していないか尋ねます。玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は、確かに後悔もあると認め、邪神でありながら魔族を滅亡から守れなかったことを深く悔やんでいます。陶紫炁との身分の違い、そして仙魔の対立という大きな壁を前に、陶紫炁は罪悪感からこの愛から逃げようとしますが、玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は彼女を引き戻そうと決意しています。

玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は、心の愛に従うと決めたからには、最後まで貫き通すべきであり、そうでなければ全てが無駄になると考えます。彼は唐周(とうしゅう)に、もし顔淡(がんたん)が生死の危機に瀕したら、全てを投げ打ってでも彼女を救うかと問います。唐周(とうしゅう)は迷わずそうすると答えますが、捉妖師であり、未来の凌霄派(りょうしょうは)掌門(しょうもん)として、人妖の道を違える以上、情を断ち切らなければならないと苦悩します。しかし玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は、たとえ道が違えど、最後は同じ場所に至ることもあると言い、今を大切にし、後悔を残さないよう忠告します。

唐周(とうしゅう)はもはや逃避しないと決意し、余墨(よぼく)に会い、顔淡(がんたん)に想いを伝えようとします。余墨(よぼく)は、凌霄派(りょうしょうは)の未来の掌門(しょうもん)である唐周(とうしゅう)と妖である顔淡(がんたん)の関係が明るみに出た場合の結果を考え、三思するよう忠告します。唐周(とうしゅう)は、身分が変わろうとも顔淡(がんたん)を守ると誓い、もう後悔はしないと断言します。余墨(よぼく)は唐周(とうしゅう)の決断を尊重しますが、顔淡(がんたん)を傷つけたら許さないと警告します。

花畑を抜け、唐周(とうしゅう)は顔淡(がんたん)のもとへ、掌門(しょうもん)の座を捨て、本当の自分として生きる決意を胸に歩み寄ります。そして告白しますが、途中で遮られてしまいます。記憶を取り戻した顔淡(がんたん)は、応淵(おうえん)が決して自分の責任を捨てることはできないと悟り、夢の中の人間に公平かと唐周(とうしゅう)を問い詰めます。唐周(とうしゅう)は龍王からもらった喚憶珠を壊し、過去の記憶を満天の星のように消し去ります。顔淡(がんたん)は偽りの愛は現実にはならないと言い、唐周の想いを拒絶し、立ち去ります。唐周は一人残され、悲しみに暮れます。

唐周は新しい服で顔淡(がんたん)の気を引こうとしますが、その服は彼女にとって辛い記憶を呼び起こすものでした。顔淡(がんたん)は唐周にその服を著ないでほしいと頼みます。顔淡(がんたん)が沉花簪をつけているのを見た唐周は、過去を思い出し、胸を痛めます。顔淡(がんたん)は沉花簪を壊し、明日神霄宮(しんしょうきゅう)を去るから歩離鎖を解いて二度と会わないようにと言い放ちます。唐周は顔淡(がんたん)に去ってほしくなく、歩離鎖を発動させ、彼女と離れないようにしようとします。顔淡(がんたん)を抱きしめようとしますが、拒絶されます。唐周は以前のように友達に戻ろうと提案しますが、顔淡(がんたん)は記憶を取り戻したことを明かし、唐周に歩離鎖の禁製をかけます。

唐周は二人の過去の繋がりを考え、何か共通の記憶がないか探ろうとします。顔淡(がんたん)はそれを否定し、天界で彼に仕えていた頃は、彼は高高とした帝君であり、自分は身分の低い仙侍で、繋がりなどなかったと言います。今の唐周は法環に縛られ、将来は天条にも縛られる、今回の下凡はただの修行で、いずれ天界に戻る身だと告げます。

唐周は天界に戻りたくなく、人間界に残りたいと願います。900年前、顔淡(がんたん)はこの言葉を夜忘川で待っていましたが、今はもう遅すぎました。彼女は、唐周が帝君の記憶を取り戻せば、同じ選択はしないと確信しています。唐周は記憶を取り戻しても顔淡(がんたん)を愛し、彼女と共にいると誓いますが、顔淡(がんたん)は信じず、去っていきます。

偶然この場面を目撃した余墨(よぼく)は、唐周が応淵(おうえん)であり、顔淡(がんたん)が再び運命の人に出会ったことを知り、自分が一歩遅かったことを悟ります。土砂降りの雨の中、歩離鎖のせいで唐周は遠くから顔淡(がんたん)を見守ることしかできません。余墨(よぼく)は顔淡(がんたん)と出会い、彼女が記憶を取り戻したことを知ります。顔淡(がんたん)はまた同じ人を好きになったと自嘲しますが、もう昔の自分ではなく、愛が全てではないと言います。

余墨(よぼく)は顔淡(がんたん)に、彼女が二度目に天刑台に上がった時、応淵(おうえん)は火徳(かとく)元帥に免責天書を用意させており、彼女を傷つけるつもりはなかったと伝えます。顔淡が許せないのは、応淵(おうえん)が二人の記憶を消し、全てを忘れさせてしまったことです。余墨(よぼく)は顔淡が過去の隠蔽を責めるのではないかと心配しますが、彼女は責めず、むしろ铘闌山(えいらんざん)での穏やかな日々を過ごせたことを感謝します。顔淡は録鳴(ろくめい)が昇仙階に上がったこと、そして螢灯の最後は芷昔(しせき)の仕業であることを知っており、姉の心にまだ自分がいることを知り、満足しています。芷昔(しせき)は妙法閣の掌事となり、顔淡は姉の静かな生活を邪魔したくありません。

記憶を取り戻した顔淡は、余墨(よぼく)に贈った蓮の花の印を消し、もう主公と蓮卿の物語は続けられないことを告げます。彼女は去ることを決意し、余墨(よぼく)の人生を縛るのを止めます。余墨(よぼく)は売身契を出し、期限が来ていないため契約は破棄できないと言います。顔淡は謝罪し、去る決意は固く、明日以降は別々の道を歩むことになります。

第40話あらすじとネタバレ

顔淡(がんたん)は歓喜戯班で芝居を見に行きますが、普段は創作熱心な彼女が、今回は愁いを帯びた顔で一人酒を飲んでいます。一方、余墨(よぼく)はついに琳琅(りんろう)、紫鱗、百霊(ひゃくれい)に会います。彼らは铘闌山(えいらんざん)で顔淡(がんたん)と親友になった仲間たちです。顔淡(がんたん)を引き留めるため、余墨(よぼく)と仲間たちは彼女を探し出し、皆の真剣な眼差しに、顔淡(がんたん)は一旦残ることを承諾し、丹蜀(たんしょく)の誕生日を一緒に祝います。

しかし、翌朝、顔淡(がんたん)はすでに船を用意して静かに出発しようとしていました。駆けつけた余墨(よぼく)は、彼女の決意が固いことを知り、護身用として異眼(いえん)を渡そうとします。しかし顔淡(がんたん)は、異眼(いえん)がないと余墨(よぼく)の九鰭の力が不安定になることを知り、その申し出を断ります。余墨(よぼく)はかつて顔淡(がんたん)を探すために異眼(いえん)を交換したことを思い出し、今はもう役に立たないと湖に投げ捨ててしまいます。それを見た顔淡(がんたん)は、ためらうことなく湖に飛び込んで異眼(いえん)を拾い上げます。陰ながら彼女を見守っていた唐周(とうしゅう)は助けようと思っていましたが、弟弟子たちに止められます。

秦綺は唐周(とうしゅう)の法環が再び震えていることに気づき、掌門(しょうもん)が言っていた鎮妖鏈の異変と関連付けて、これは唐周(とうしゅう)が俗念を抱いたためではないかと推測し、顔淡(がんたん)に心を動かされたのかと尋ねます。顔淡(がんたん)が異眼(いえん)を無事に見つけ出した後、彼女は余墨(よぼく)を叱り、余墨(よぼく)は慌てて謝り、二度と異眼(いえん)を投げ捨てないと約束します。

ところが、一人の弟弟子が陰で顔淡(がんたん)を襲い、玉珀氷蟾の毒を浴びせてしまいます。この毒は人間にはあまり影響がありませんが、妖にとっては命取りになります。唐周(とうしゅう)は顔淡(がんたん)の傍に残り、彼女の安全を守ると言い、後で戻って罰を受けると言います。秦綺はそうする価値があるのかと問いますが、唐周(とうしゅう)は心に従うまでだと答えます。秦綺は弟弟子から解毒剤を奪い取り、唐周(とうしゅう)は彼にもう一度卑劣な手段を使えば許さないと警告します。

余墨(よぼく)は毒に倒れた顔淡(がんたん)を神霄宮(しんしょうきゅう)に連れて帰り、玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)に護法を頼み、寒毒を自分の体に移そうとします。紫鱗と琳琅(りんろう)も寒毒を分け合おうとしますが、顔淡(がんたん)が毒に侵されたのは自分の不注意が原因だと、余墨(よぼく)は一人で引き受けようとします。

顔淡(がんたん)の氷漬けになった妖元を溶かすため、余墨(よぼく)と玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)はまず彼女の体の状態を安定させ、紫鱗と琳琅(りんろう)は炭火を探して温かさを保ちます。陶紫炁は熔炎を探して解毒を早めることを提案し、唐周(とうしゅう)はすでに熔岩を探しに出かけていました。ついに唐周(とうしゅう)は熔炎を手に入れ、帝君神器に収めて神霄宮(しんしょうきゅう)に送ります。

目を覚ました顔淡(がんたん)は、再び神霄宮(しんしょうきゅう)に戻ってきたことに驚き、紫鱗と琳琅(りんろう)が熔炎を取りに行ったことを知り、彼らの無私の助けに深く感謝します。同時に、余墨(よぼく)が自分の体内の毒素を引き出すために、より重い内傷を負っただけでなく、同族を食することを避けるため、蓮の葉の成分が含まれる薬を頑なに拒否していることを知ります。

顔淡(がんたん)は余墨(よぼく)の犠牲に感動し、あまり自分を責めないようにと慰めます。二人は共に、彼女が留まることを決めます。天界と铘闌山(えいらんざん)の友人たちは、彼女に数え切れないほどの助けと支えを与えてくれました。今去るのはあまりにも身勝手すぎます。余墨(よぼく)はそれを聞いて安堵し、顔淡(がんたん)の腕に花弁の印を残したいと提案します。

新年の近づく中、玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は尽歓坊(じんかんぼう)を仏霜に譲る準備をし、皆に新しい人生の目標を見つけるように勧めます。大晦日の夜、余墨(よぼく)、顔淡(がんたん)、そして仲間たちは一緒に川辺に座って花火を見ながら、それぞれの願い事を語り合います。顔淡(がんたん)は皆の願いが葉うこと、特に自分が書いた戯曲を皆に気に入ってもらえることを願っています。余墨(よぼく)は皆が今日のように幸せでいられることを願っています。唐周(とうしゅう)はただ黙って顔淡(がんたん)を見つめ、心の中で祝福します。

その後まもなく、紫鱗は小妖が捕らえられた時に残された衣の切れ端を見つけ、唐周(とうしゅう)が凌霄派(りょうしょうは)の人間を連れて山境の小妖を捕らえたのではないかと疑います。しかし、事情を聞くと、実は唐周(とうしゅう)が子炎(しえん)に規律を守るように教えていたことが分かります。唐周(とうしゅう)は自分の衣の切れ端は熔炎を取りに行った時に焼けたものだと説明し、約束を守り互いに幹渉しないと改めて言います。余墨(よぼく)は何も隠していないと正直に言い、唐周はずっと彼をつけていたのは、実際は顔淡(がんたん)の安全を確認するためだったと明かします。