第41話あらすじとネタバレ
上元節の夜、紫鱗は顔淡(がんたん)と余墨(よぼく)の助けを借りて、琳琅(りんろう)に告白する勇気をやっと出した。しかし、顔淡(がんたん)が振り返ると、湖畔で一人灯籠を流す唐周(とうしゅう)の姿を見つけ、心に淡い憂愁がよぎる。そこに掌門(しょうもん)が現れ、唐周(とうしゅう)を山門へ連れ戻すことを決める。顔淡(がんたん)はかつて應淵が願った六界の平和を思い出し、再び振り返ると、唐周(とうしゅう)の姿はなく、ただ喪失感だけが残っていた。
掌門(しょうもん)は唐周(とうしゅう)に情愛を断ち切るよう諭し、これまでの功績を考慮し寛大な処置をとると告げる。唐周(とうしゅう)は罰を受け入れるも、自らの過ちを認めず、無情になるよりは深情の苦しみを負うことを選ぶ。掌門(しょうもん)は、もし唐周(とうしゅう)が考えを改めなければ容赦はしないと警告し、戒樁に立たせ、改めて情愛を断つ意誌があるか問いただす。唐周(とうしゅう)は情愛を断つことはないと断言し、掌門(しょうもん)の怒りを買う。情戒を犯した唐周(とうしゅう)は、門規に従い戒鞭の罰を受けることになる。
夜更け、顔淡(がんたん)は眠れずにいた。唐周(とうしゅう)が流した灯籠の願い事は、彼女の笑顔を見ることだった。同じ頃、情を捨てなかった唐周(とうしゅう)は八十一鞭の重罰を受け、思過間に閉じ込められていた。一方、丹蜀(たんしょく)は剣の稽古中に怪我をし、薬膏を塗るとすぐに傷が治った。顔淡(がんたん)は薬膏の出所を尋ね、丹蜀(たんしょく)と共に深山に住む何首烏と名乗る医者のもとを訪ねる。衍碧丹にも何首烏が使われていることを思い出した顔淡(がんたん)は、全身に古い傷跡を持つ友人のために、傷跡を消す霊薬を作ってくれるよう頼む。医者は顔淡(がんたん)に薬を渡し、通常の傷跡には効くが、古い傷跡には特別な薬引が必要だと伝え、薬引の情報も提供する。
帰る途中、顔淡(がんたん)と丹蜀(たんしょく)は凌霄派(りょうしょうは)の大師兄(だいしけい)、道遠(どうえん)と遭遇し、顔淡(がんたん)の妖の正体が露見する。妖怪に騙されていたことに激怒した道遠(どうえん)は、顔淡(がんたん)を凌霄派(りょうしょうは)へ連行する。铘闌山(えいらんざん)では小妖たちの失踪が相次ぎ、妖たちは不安に陥っていた。紫鱗は余墨(よぼく)に事態収拾のため戻るよう促すが、余墨(よぼく)は更なる手がかりを探ろうとする。二人は小さな蛇の妖怪に出会い、特徴的な衣角の人物に捕まえられた経緯を聞く。小蛇妖は暗い場所に閉じ込められ、凌霄派(りょうしょうは)だと聞かされたこと、毎日小妖たちが拷問され、掌門(しょうもん)が妖を煉丹炉に投げ込むのを見たことを語る。
余墨(よぼく)は怒り、正派を名乗る凌霄派(りょうしょうは)が殺妖煉丹の悪行を行っていると非難する。失踪した小妖たちは凌霄派(りょうしょうは)と関係がある可能性が高いと考える。紫鱗は凌霄派(りょうしょうは)への直接攻撃を提案するが、余墨(よぼく)は捕らわれた小妖や他の山の住民の安全のため、慎重に行動する必要があると諭す。
顔淡(がんたん)と丹蜀(たんしょく)の失踪を知った余墨(よぼく)は現場へ駆けつけ、地上の争闘の痕跡から相手が多数で捉妖法器を使ったと判断し、凌霄派(りょうしょうは)の仕業だと推測する。地面には「唐」と書かれた小さな紙切れが落ちていた。これは顔淡(がんたん)が廟会で買った本の切れ端で、緊急時に残した手がかりだとわかる。紫鱗は唐周(とうしゅう)が顔淡(がんたん)を連れ去ったと疑うが、余墨(よぼく)は唐周(とうしゅう)が約束を守る人物であり、そんなことはしないと考える。顔淡(がんたん)がこの字を残したのは、唐周が原因で凌霄派(りょうしょうは)に捕らえられたことを暗示するためだと分析する。
秦綺は唐周に、顔淡(がんたん)が凌霄派(りょうしょうは)に捕らえられ、妖の正体がバレたことを伝える。顔淡(がんたん)に助けられた恩義を感じ、秦綺は見過ごすことができない。一方、捕らえられた顔淡(がんたん)に、掌門(しょうもん)は妖力を徐々に消耗させる拷問である誅妖鏡陣を使うよう命じる。顔淡(がんたん)は是非も問わず殺そうとする凌霄派(りょうしょうは)の嗜殺の道を非難する。逆上した掌門(しょうもん)に対し、顔淡(がんたん)は人間界で失踪した小妖たちが掌門(しょうもん)に捕らえられた事実を暴露し、凌霄派(りょうしょうは)が邪術を練っていることを指摘し、悪妖と変わらないと糾弾する。
掌門(しょうもん)はそれを認めず、顔淡(がんたん)の言葉を妄言だと一蹴し、弟子たちに妖怪を誅殺するよう命じる。その時、唐周が現れ顔淡(がんたん)を救い、彼女と無関係だと主張する。掌門(しょうもん)は唐周が妖怪を傍に置き師門を欺いたと怒り、師である唐江(とうこう)が狐妖に殺されたことを思い出させる。唐周は人であれ妖であれ善悪があると仮論し、顔淡(がんたん)は善良な心の持ち主だと訴える。
掌門(しょうもん)は顔淡(がんたん)が唐周を利用し降妖堂の小妖を解放したと非難し、唐江(とうこう)を殺した狐妖と同じだとし、唐周に顔淡(がんたん)を自ら処刑するよう要求する。そうすれば過去の罪を許し、掌門(しょうもん)の座を継がせると約束する。さもなければ、自ら顔淡の命を奪うと告げる。唐周は沈黙し、顔淡は應淵のように責任と道義を選び、自分を捨てるだろうと覚悟する。しかし、今回は同じ過ちを繰り返すまいと決意する。
唐周は顔淡に向き直り、宝剣を彼女に向け、彼女のためなら神仙の身分も凌霄派(りょうしょうは)の掌門の座も捨てることができると宣言する。顔淡は冷笑し、できない約束はするべきではないと言う。その時、唐周の法環が砕け散り、法器でさえ彼の情を抑えきれないことが示される。顔淡が何を言おうと、彼の心は変わらない。唐周は剣を振るい顔淡の鎖を断ち切り、全ての修為を捨て師門を去ると告げる。掌門は唐周の離脱を認めるが、顔淡は残すべきだと主張する。唐周は今日必ず顔淡を連れて行くと誓い、秦綺も彼を弁護する。その時、余墨(よぼく)が到著し、唐周と顔淡を無事に連れ出す。
療傷中、顔淡は唐周の仙衣が傷だらけになっているのを見て、なぜ早く言わなかったのかと尋ねる。唐周は顔淡のために全ての修為を失い、顔淡は彼が後悔するのではないかと心配する。唐周は当然のことだと答え、顔淡に負担を感じてほしくないと伝える。顔淡は唐周に以前贈った花びらを使い痛みを止めさせる。唐周は顔淡からの唯一の記念品なので使うのをためらっていた。
第42話あらすじとネタバレ
唐周(とうしゅう)は余墨(よぼく)に凌霄派(りょうしょうは)の不正行為の噂について尋ねる。余墨(よぼく)は、凌霄派(りょうしょうは)には実際に妖を殺して錬丹を行う行為があり、妖がそれを目撃したと説明する。唐周(とうしゅう)は信じられない様子。小妖を脅かすために錬丹を利用したことはあったが、名門である凌霄派(りょうしょうは)が邪術を修煉するとは考えてもいなかった。顔淡(がんたん)は、蒼鴻(そうこう)に襲われた際に、彼の法力が正道のものではないと感じたと言う。
降妖堂に囚われていた時、顔淡(がんたん)は破雲訣を施した花弁を丹蜀(たんしょく)に渡していた。これは降妖堂の法陣を破り、人を救うために使えるものだった。唐周(とうしゅう)は彼らに加わることを決意する。凌霄派(りょうしょうは)の人間ではないが、師門の名誉が傷つけられるのを見過ごすことはできなかった。三人が降妖堂に到著すると、唐周(とうしゅう)は開門の法陣が変更されていることに気づき、これは自分を狙ったものだと理解する。顔淡(がんたん)は、蒼鴻(そうこう)にやましいことがなければ、法陣を変える必要はないと指摘する。
降妖堂に入ると、蒼鴻(そうこう)が錬丹を行い、丹蜀(たんしょく)が傍らで昏倒しているのを目撃する。丹蜀(たんしょく)は気を失っているだけで重傷ではないことがわかる。掌門(しょうもん)が妖を殺して錬丹し、妖元を吸収しているという事実に、唐周(とうしゅう)は大きな衝撃を受ける。蒼鴻(そうこう)は凌霄派(りょうしょうは)初の天界飛昇を目指しており、唐周(とうしゅう)は彼を同門を妖元収集の道具としか見ていないと非難し、真実を暴くと誓う。蒼鴻(そうこう)は、唐周(とうしゅう)の師である唐江(とうこう)が自分の悪行に気づき、殺害したことを告白し、妖怪の仕業に偽装したと明かす。この事実に唐周(とうしゅう)は打ちのめされる。
顔淡(がんたん)は、蒼鴻(そうこう)が本当に天界に飛昇できたとしても、天刑台での破滅が待っているだけだと嘲笑う。唐周(とうしゅう)と余墨(よぼく)は協力して鎮妖鏈で蒼鴻(そうこう)を拘束し、その力を封じる。他の弟子たちが彼らの行動を問いただすと、余墨(よぼく)は蒼鴻(そうこう)が妖を殺して錬丹し、妖元を吸収している事実を明らかにし、彼を拘束しなければさらに大きな災厄が起きると説明する。
弟子たちが集まったのを見て、蒼鴻(そうこう)は唐周(とうしゅう)が自分に毒を盛ったと嘘をつき、唐周(とうしゅう)が妖怪と結託して凌霄派(りょうしょうは)を攻撃したと訴える。しかし、蒼鴻(そうこう)は重要なことを見落としていた。火霊錬丹の火花は最終的にその主人へと戻るのだ。これが彼の罪を暴く証拠となった。最後は、蒼鴻(そうこう)は命乞いをするふりをして唐周(とうしゅう)を奇襲しようとするが、顔淡(がんたん)に阻まれ、自爆して果てる。余墨(よぼく)は「善悪の報いは必ずある」と呟く。
蒼鴻(そうこう)との戦いで、唐周は深手を負い気を失う。顔淡(がんたん)は外で心配そうに様子を伺う。秦綺と他の弟子たちが見舞いに訪れ、以前の誤解を謝罪する。凌霄派(りょうしょうは)の未来を考え、唐周は自分の立場について思い悩むが、師弟たちが妖怪を無事に去らせているのを見て、わずかな安堵を覚える。秦綺は唐周に凌霄派(りょうしょうは)に戻って共に再建してほしいと願うが、唐周はそれを断り、これはかつての自分への最後の責任を果たすためであり、これからは自分のために生きたいと告げる。
顔淡(がんたん)は、唐周が應淵と同じように責任を重んじながらも、責任に縛られていないことに感嘆する。唐周は師である唐江(とうこう)の墓に参り、長年蒼鴻に騙され、師の仇を討てなかったばかりか、彼の手助けをしてしまったことを深く悔いる。初めて妖を捕らえた時に師から贈られた玉葫蘆を墓前に供え、心からの謝罪を捧げる。
真実を知った唐周は酒に溺れ、自分が天誅を行っていると思っていた行為が、無数の命を奪っていたという事実を受け入れられずにいた。修為を失った彼は、自分の未来がどうなるのか分からずにいた。それを見た余墨(よぼく)は法術を使い、唐周を休ませる。顔淡(がんたん)は次の神器を早く見つけなければ、仙衣の痕跡が唐周の命を脅かすことになると危惧する。余墨(よぼく)は唐周の心中を察し、蒼鴻のことが彼に大きな打撃を与えていることを理解し、今は心魔から立ち直らせることが最優先だと考える。
唐周を助けるため、顔淡(がんたん)と余墨(よぼく)は小妖たちを連れてきて、唐周の心の傷を癒やす手助けをしてもらおうとする。顔淡(がんたん)は唐周の状態を心配し、彼のために菓子を用意し、蘭溪鎮で自分が捕らえられた時を思い出し、降妖塔に入れられなくてよかったと胸を撫で下ろす。唐周は顔淡(がんたん)の回復を気遣い、上元節の日に彼女の笑顔を見て安心したと話す。顔淡(がんたん)は唐周がしてくれたこと全てに感謝し、お礼として素敵な夢を見せてあげようと決意する。
唐周は毎晩のように悪夢にうなされていた。顔淡(がんたん)は彼の苦しむ姿を見るに見かねて、如願酒を作るのに必要な百花露を探しに行く。帰り道、顔淡(がんたん)と余墨(よぼく)は秦綺たちに会う。謝老爷は家の猫妖のせいで娘が夜眠れないと愚痴をこぼす。顔淡(がんたん)はきっと何かの間違いだろうと考え、三日以内に猫妖の問題を解決すると約束する。
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