第55話あらすじとネタバレ
余墨(よぼく)は追息香の効果が切れ、追手がいないことを確認すると、顔淡(がんたん)の救出を最優先とした。応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)が天羅地網を敷いて待ち構えていることを熟知していた。長年桓欽(かんきん)と渡り合ってきた応淵(おうえん)は、冷静さを保ち、先にミスをしないことが勝利への鍵だと理解していた。その時、重傷を負った百霊(ひゃくれい)が余墨(よぼく)の元へ辿り著いた。十万の天兵に铘闌山(えいらんざん)が包囲され、余墨(よぼく)が張った結界も崩壊寸前、紫鱗たちが必死に抵抗しているという。応淵(おうえん)はこれが桓欽(かんきん)の人質作戦だと見抜き、余墨(よぼく)に山境へ戻るように促す。顔淡(がんたん)を案じる余墨(よぼく)だったが、応淵(おうえん)は必ず彼女を連れ戻すと約束した。
応淵(おうえん)は天界へ行き、顔淡(がんたん)の菡萏之気(はすの花の気)を辿って玉清宮に辿り著くが、桓欽(かんきん)の移行幻影術によって幻の顔淡(がんたん)を見せられるだけだった。応淵(おうえん)の要求に対し、桓欽(かんきん)は余裕の表情で、自身の仙力は応淵(おうえん)と互角であり、三日三晩戦っても決著はつかないと豪語する。今や顔淡(がんたん)は桓欽(かんきん)の手中にあり、彼の切り札となっていた。応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)が狙っているのは単なる兵書ではなく、もっと大きな野心だと気づき、顔淡(がんたん)を解放する条件を問う。桓欽(かんきん)は仙霊の引き渡しを要求するが、応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)が仙霊を手に入れれば、顔淡(がんたん)を解放するどころか、三界に壊滅的な打撃を与えると理解していた。既に三位の帝君と帝尊の仙力を吸収し、百万の天兵を掌握している桓欽(かんきん)は、もし戦うならば三界は廃墟と化すと応淵(おうえん)に警告する。応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)をかつて親友と思っていたが、今の桓欽(かんきん)の罪は深く、帝君の称号がなくても三界を守る義務があると宣言し、いつか必ず代償を払うことになると警告する。玉清宮に顔淡(がんたん)の姿はなく、九重天に伏兵がいると察知した応淵(おうえん)は、一旦退却を決意する。
その日、天狗食月の日であり、月瑶仙君は諸仙を月影宮に招き、この珍しい天体ショーを鑑賞していた。火徳(かとく)元帥は応淵(おうえん)の濡れ衣を晴らそうと、陶紫炁の証言は偽造可能だが、応淵(おうえん)の鮫珠の涙と龍の鱗は偽造できない証拠だと指摘し、帝尊が自ら検証しない理由を問いただし、性急な判決は口封じに等しいと暗に批判する。天兵から逃げてきた応淵(おうえん)は月影宮に辿り著き、月瑶仙君は応淵(おうえん)の窮状に同情する。
天兵が月影宮に“逆賊”応淵(おうえん)を捜索しに来た際、火徳(かとく)元帥は彼らを叱責し追い払う。ちょうど火徳(かとく)元帥に頼み事があった応淵(おうえん)は、この機会に自身の潔白を証明しようと試みる。しかし、火徳(かとく)元帥に耳打ちしている最中、軽昀が更に多くの天兵を引き連れて乱入し、月瑶仙君を逆賊庇護の罪で糾弾し、応淵(おうえん)を殺した者には千年の修為を与え上仙に昇格させると宣言する。しかし、天兵たちは応淵(おうえん)に恩義を感じており、動こうとしない。軽昀は応淵(おうえん)の部下をその場で殺害し、激怒した応淵(おうえん)は、軽昀にもう一度同じことをすれば容赦しないと警告する。人望のある応淵(おうえん)のため、天兵天将はもはや彼を阻むことはなく、応淵(おうえん)は天界から脱出に成功する。
応淵(おうえん)が下界へ降りたことを知った桓欽(かんきん)は焦燥感を覚える。冷淡に見えても情に厚い応淵(おうえん)が、顔淡(がんたん)の命を簡単に諦めるとは思えない。応淵が既に顔淡(がんたん)の居場所を知っているのではないかと疑い、桓欽(かんきん)は直ちに天兵を下界へ派遣する。顔淡(がんたん)は碁語で夜忘川に囚われていることを応淵に伝える。応淵が顔淡(がんたん)を見つけ出すと、すぐに桓欽(かんきん)が天兵を率いて現れる。剣霊は応淵を守るために自らを犠牲にし、最期に、修羅族の血を引いていながら情に流される応淵をある尊主になぞらえ、嘆く。応淵は修羅族の身分を捨てられるが、剣霊は主人である応淵を裏切ることはできないと言い残す。
剣霊の犠牲を胸に刻み、応淵は夜忘川を滅ぼしてでも顔淡(がんたん)を連れ出す覚悟を決める。桓欽(かんきん)は、もし顔淡(がんたん)を連れ去れば铘闌山(えいらんざん)の妖怪たちが滅ぼされると脅迫する。そして、仙霊を渡せば铘闌山(えいらんざん)の種族を赦免すると提案する。顔淡(がんたん)は応淵を説得するが、応淵は铘闌山(えいらんざん)が再び災禍に見舞われるのを見過ごせず、仙霊を引き渡す。しかし、引き渡しに先立ち、顔淡(がんたん)は桓欽(かんきん)に山境と夜忘川の天兵を撤退させ、二度と侵犯しない命令を出すよう要求する。さもなくば、応淵自ら仙霊を破壊すると告げる。
桓欽(かんきん)は天兵を撤退させるが、内心では顔淡(がんたん)と応淵の命を使って乾坤引を試すつもりでほくそ笑んでいた。しかし、顔淡(がんたん)と応淵は既に步離鎖の術で罠を仕掛けており、仞魂剣が桓欽(かんきん)の心臓を貫く。同時に、火徳(かとく)元帥は桓欽(かんきん)の真の顔が露呈した場合に備え、北天門に天鍾を設置していた。桓欽(かんきん)はやむを得ず、応淵に顔淡(がんたん)を連れて行かせる。山境の天兵が撤退し、顔淡(がんたん)と応淵が無事に戻るのを見て、余墨(よぼく)はようやく安堵の息をつく。
桓欽(かんきん)は乾坤引を使って仙霊の力を吸収しようとするが、途中で邪魔が入り、吸収した仙力は全て無効化してしまう。しかし、桓欽(かんきん)の体内には芷昔(しせき)の半分の菡萏之心があり、回復は早かった。今は天界に戻り、諸仙を宥め、真実を隠蔽する必要があった。火徳(かとく)元帥を始めとする仙君たちは、帝尊に改めて応淵の件を審議し、真実を明らかにするよう強く求める。桓欽(かんきん)は応淵の行刺は事実だと主張するが、火徳(かとく)元帥は民心を安定させるためにも、帝尊に公開で審議を行うよう迫る。
第56話あらすじとネタバレ
顔淡(がんたん)は応淵(おうえん)のために、自身の真身の花びらを薬材とした特別なスープを作った。一方、余墨(よぼく)は小妖たちを落ち著かせ、準備が整い次第合流する予定だ。応淵(おうえん)は铘闌山(えいらんざん)を巻き込んだことを悔やんでいたが、応淵(おうえん)を友人と慕う余墨(よぼく)にとって、そんなことは問題ではなかった。応淵(おうえん)が山を守るため自らの仙霊を犠牲にした行為は、多くの妖を深く感動させた。
応淵(おうえん)は既に顔淡(がんたん)の気持ちに気づいていたが、顔淡(がんたん)はそれを避けていた。二人の間には、単なる愛情の問題以上のものがあったからだ。帝尊が亡くなった今、天界唯一の上神である応淵(おうえん)は天界の責任を負わなければならず、顔淡(がんたん)と蒼生どちらかを選ぶことはできない。顔淡(がんたん)もまた、自分が応淵(おうえん)の重荷になることを望んでいなかった。彼女には守るべき者たちがいるからだ。応淵(おうえん)は、かつて自分が顔淡(がんたん)に与えた傷が癒えていないことが原因だと考え、全てが落ち著いたら帝君の地位を捨て、顔淡(がんたん)と過ごすことを決意する。しかし、顔淡(がんたん)はもう期待していなかった。一緒にいられればもちろん嬉しいが、そうでなくても応淵(おうえん)に罪悪感を持たないでほしい、なぜなら、応淵(おうえん)と出会ったことを後悔したことは一度もないからだ、と告げる。
応淵(おうえん)は仙霊を失い、仙力の大部分を失ったものの、地止で心脈を守り、半日もすれば霊元を修復し、漏れ出す仙力を抑えられる見込みだった。桓欽(かんきん)はこの度の大きな打撃で、簡単には諦めないだろう。油断は禁物だ。顔淡(がんたん)は桓欽(かんきん)がすぐに裏切ることはないと考えたが、再び動き出す前に彼の正体を暴く必要がある。応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)の性格を理解しており、天界の要閣を厳しく調べさせるだろうと予測した。たとえ柳維揚(りゅういよう)が見つかったとしても、桓欽(かんきん)の傀儡術を暴くことは難しいだろう。
三人が陶紫炁に何を隠しているのか問い詰めると、彼女は沈黙し、自害しようとした。顔淡(がんたん)が無事に帰ってきたということは、桓欽(かんきん)の計画が失敗したことを意味するからだ。皆は、陶紫炁が桓欽(かんきん)が柳維揚(りゅういよう)を殺したと思い込み、絶望したのだと推測した。顔淡(がんたん)は陶紫炁の首の後ろにある傷跡に気づいた。それはまるで、何かの痕跡を消そうとしたかのようだった。応淵(おうえん)はそれが魔族の比鄰訣だと気づき、術者の位置を遠隔で追跡できるものだと説明した。余墨(よぼく)はそれを利用して、逆に術者の居場所を探ることを提案した。
比鄰訣を使い、一行は柳維揚(りゅういよう)を発見した。陶紫炁の涙に対し、柳維揚(りゅういよう)は帝尊に脅迫され、自分の命と引き換えに陶紫炁に従わせたと主張した。柳維揚(りゅういよう)は陶紫炁を見て非常に動揺し、彼女の言葉を全て信じ、妻だと断言し、彼女の罪を自分が償うと誓った。
顔淡(がんたん)は、陶紫炁が神霄宮(しんしょうきゅう)で外部に情報を流していたこと、そしてその後すぐに神器が奪われそうになったことを指摘した。応淵(おうえん)が生きていることと神器の場所を知っているのは、自分たち以外では陶紫炁だけだ。陶紫炁は可哀想なふりを続け、柳維揚(りゅういよう)にも疑われているのかと尋ねたが、最終的には魔相地火に飛び込み、死をもって償うと宣言した。柳維揚(りゅういよう)は急いで彼女を救い出し、陶紫炁は帝尊に脅迫されたのだと信じ、彼女の無実を証明すると誓った。
前回の応淵(おうえん)たちの出発以降、朝瀾(ちょうらん)は軟禁され、四海を統率する権利も桓欽(かんきん)に剝奪されていた。幸いにも、桓欽(かんきん)が仮対勢力を完全に排除する前に、柳維揚(りゅういよう)を見つけることができた。顔淡(がんたん)は計画が一度で成功するとは限らないと考え、最悪の事態も想定していた。明日何が起こるかわからない。応淵(おうえん)は顔淡(がんたん)と余墨(よぼく)に平安符を渡し、余墨(よぼく)は応淵(おうえん)に顔淡(がんたん)の好物を記した料理の秘伝書を贈った。顔淡(がんたん)は皆に、何があっても慎重に行動し、三人とも無事であるようにと念を押した。
帝尊が設けた宴で仙家たちを慰めていると、応淵(おうえん)、顔淡(がんたん)、余墨(よぼく)が天から舞い降りた。玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)が現れ、傀儡術を使って桓欽(かんきん)の正体を暴いた。桓欽(かんきん)は魔族の策略で君臣の仲を引き裂こうとしているのだと弁明したが、応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)が真の帝尊を殺害し、遺体を神棺林に隠したことを明らかにした。帝尊の手にある三日月の傷跡が証拠となる。桓欽(かんきん)は後ろめたいことがあり、検証を受け入れようとせず、太幽に退去を促した。応淵(おうえん)はさらに、桓欽(かんきん)の行動は全て、かつて帝尊から帝君の地位を与えられなかったことへの恨みからきていると指摘した。
桓欽(かんきん)は諦めきれなかった。彼は帝尊のために自らの母族を滅ぼしたにも関わらず、血筋の問題で正当な地位を得られなかったのだ。顔淡(がんたん)は桓欽(かんきん)に、血筋ではなく心が大切であり、帝君としての責任は三界の平和を守ることだと諭した。桓欽(かんきん)は帝尊には不満を抱いていたが、応淵(おうえん)を恨んだことは一度もなかった。仙魔大戦の疑問点を応淵(おうえん)が追及しなければ、たとえ片手のためとはいえ、応淵(おうえん)を傷つけることは決してなかっただろう、と語った。
陶紫炁は桓欽(かんきん)の手先だった。かつての仙魔大戦で、魔族の長老爍驊(しゃくか)は傀儡術で玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)に化け、争いを引き起こした。桓欽(かんきん)はその黒幕であり、傀儡術も爍驊(しゃくか)から伝授されたものだった。東海龍王(とうかいりゅうおう)もまた桓欽(かんきん)の配下で、帝尊に忠実な九鰭一族を滅ぼし、自分に従順な水族の長を得ようとしたのだ。
帝尊は唯一桓欽(かんきん)の偽装を見破った人物だったが、その時すでに桓欽(かんきん)は三大帝君の仙力を全て吸収していた。そして帝尊の仙力を得た後、自身の仙身を消滅できないことに気づき、帝尊に成り代わって行動していた。桓欽(かんきん)は全てを掌握したと思っていたが、応淵(おうえん)たちが既に火徳(かとく)元帥に太幽と桓欽(かんきん)の親衛隊を抑えさせているとは知らなかった。
桓欽(かんきん)はたとえ彼らが居なくても計画は失敗しない、なぜなら既に多くの仙家の仙力を吸収し、三界の主となったからだ、と吠えた。応淵を排除した後、乾坤引の束縛を解き、配下の仙階を上げ仙力を与え、自分に逆らう者を罰すると宣言した。しかし、桓欽が吸収した仙力は実は寒毒だった。芷昔(しせき)が服用した散霊丹、その半分の菡萏の心は至陰至寒であり、魔相地火だけがこの毒を解くことができる。
再び姿を現した陶紫炁は、芷昔(しせき)が散霊丹を服用したことを知っていた。自害は芝居であり、実際は仙霊で地火を包み込み、桓欽の散霊丹の毒を解こうとしていたのだ。驚くべきことに、陶紫炁が想いを寄せていたのは柳維揚(りゅういよう)ではなく、桓欽だった。柳維揚(りゅういよう)はその事実に苦しみ、受け入れようとしなかった。応淵は、創世の戦いの後、桓欽が陶紫炁を天機閣に入れたことを思い出した。明らかに、全ては彼の周到な計画の一部だったのだ。
第57話あらすじとネタバレ
陶紫炁は桓欽(かんきん)の愛情が真実だと信じて疑いませんでしたが、顔淡(がんたん)は彼女に騙されないよう警告し、桓欽(かんきん)は自分の野望のために彼女の感情を利用しているだけだと指摘しました。桓欽(かんきん)は、陶紫炁がかつて自分のために犠牲になったことをよく知っていました。そして再び選択を迫られた時、彼はまたも彼女を裏切りました。かつて、桓欽(かんきん)はより大きな権力を求めて仙魔大戦を故意に引き起こし、陶紫炁に揺るぎない邪神・玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)を愛情で惑わすよう仕向けました。陶紫炁は最初から桓欽(かんきん)が権力への欲望を彼女への愛情よりも優先させていることを理解していましたが、それでも彼のために命を捧げることを厭いませんでした。
陶紫炁が皆の前で灰燼と帰した時、玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)もまた、悲しみに打ちひしがれ倒れました。桓欽(かんきん)は怒りに燃え、皆に陶紫炁の死の代償を払わせると誓いました。迫り来る大戦に際し、顔淡(がんたん)、応淵(おうえん)、余墨(よぼく)は協力して桓欽(かんきん)に立ち向かいます。応淵(おうえん)は永夜功で桓欽(かんきん)を牽製し、余墨(よぼく)はその隙に竜沼の刃で桓欽(かんきん)を負傷させました。三大神器を失っても、桓欽(かんきん)はなお自信満々で、彼らが自分には敵わないと考えていました。
戦いが進むにつれ、桓欽(かんきん)は四人の上神の完全な仙霊を吸収し、魔相からも力を得続けました。そのため、桓欽(かんきん)を直接殺すことはほぼ不可能になりました。唯一の希望は、彼の力の源を断つことでした。玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)は桓欽(かんきん)と心中することを決意します。たとえ過去が全て嘘だったとしても、陶紫炁との出会いは彼の人生で最も美しい思い出だったからです。しかし、玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)の犠牲もむなしく、桓欽(かんきん)は軽傷を負っただけで逃亡しました。
桓欽(かんきん)の配下は九重天の勢力を一網打尽にされ、残りは人間界へ逃げました。余墨(よぼく)は指名手配令を出し、違仮者は斬首するとしました。この大劫により妖族三界は混乱に陥り、天界の仙君は多くの死傷者を出し、多くの天宮が仮乱者に略奪されました。偽帝・桓欽(かんきん)は逃亡しましたが、いつか必ず舞い戻ってくるでしょう。現在、天界は大混乱に陥っており、上神は応淵(おうえん)ただ一人となっています。火徳(かとく)元帥は応淵(おうえん)に帝尊の継承を懇願し、事態の収拾と秩序の回復を求めました。
応淵(おうえん)は桓欽(かんきん)が捕まり、亡霊が慰められ、三界が再び安寧を取り戻すまで、天界の政務を一時的に引き受けることに同意しました。三翼烏族最後の血筋である司沐は、天刑台の火刑を受けた後、元の姿に戻されました。万年の恨みに対し、応淵(おうえん)は司沐が過去を捨て、自由で幸せな生き物になることを望みました。
司沐は納得せず、先帝は応淵(おうえん)への製限を決して緩めず、応淵(おうえん)は顔淡(がんたん)を深く愛していても、その感情を諦めざるを得なかったと主張しました。司沐は応淵(おうえん)が先帝を恨んでいないとは信じられませんでした。もし先帝に応淵(おうえん)の半分の慈悲心があれば、創世の戦いで三翼烏族は天罰によって滅ぼされることはなく、今日の出来事も起こらなかったはずだと。応淵(おうえん)は、先帝の行動は更なる争いと犠牲を防ぐためであり、私情で公務を怠ってはならず、その功罪は歴史が評価するものであり、司沐が決めることではないと仮論しました。
芷昔(しせき)の遺体は神棺林に安置され、皆が弔問に訪れ、哀悼の意を表しました。九鰭一族の英雄たちも相応の敬意を払われ、遺骨は竜尊皇陵に移されました。顔淡(がんたん)は900年前の部屋に戻り、変わり果てた様子に涙を流しました。応淵(おうえん)は傷ついた仙君たちを治療するために大量の帝尊の血を使い、陸景に治療道具を天医館に送るよう命じました。
顔淡(がんたん)は応淵(おうえん)がこのように苦労しているのを見て、心を痛め、もどかしい気持ちになりました。応淵(おうえん)は顔淡(がんたん)に見つめられていることに気づき、わざと彼女をからかいました。二人は玄襄(げんじょう)/柳維揚(りゅういよう)が死ぬまで悟らなかったことについて語り、顔淡(がんたん)は過去の恨みを捨てられたことを喜びました。応淵(おうえん)は顔淡(がんたん)が許したのは人間の唐周(とうしゅう)であり、自分がもっと怒ってほしい、そうすれば彼女がまだ完全に吹っ切れていない証拠になると言いました。
別れ際、顔淡(がんたん)は名残惜しさを感じ、振り返ると応淵(おうえん)がすぐ後ろに立っており、思わず照れてしまいました。応淵(おうえん)は顔淡(がんたん)の口元の墨を拭い、二人は見つめ合い、甘い笑みを浮かべました。応淵(おうえん)は顔淡(がんたん)を天と地の境目に連れて行き、人々が飛ばす天灯と、そこに込められた願いを見つめました。応淵(おうえん)は人々の願いを葉えたいと思い、同時に顔淡(がんたん)への自分の願いも伝えました。
時が流れ、桓欽(かんきん)は陶紫炁だけが自分に真心で接してくれたことに気づきました。彼女が初めて自分のために犠牲になった時、彼は後悔しませんでしたが、今回は本当に後悔し、彼女のために復讐を誓いました。桓欽(かんきん)は万魔の眼に仮噬されましたが、力を取り戻せば必ず再び台頭するでしょう。火徳(かとく)元帥は天兵を率いて桓欽(かんきん)を探す計画を立てましたが、三界は広大で、桓欽(かんきん)は変装が得意なため、彼を見つけるのは至難の業です。顔淡(がんたん)は桓欽(かんきん)をおびき寄せる罠を仕掛けたり、複数の策を同時に講じることを提案しました。
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