揚州(徉州)の裕福な布商の娘、柳玉茹(リウ・ユールー)は、病弱な母、冷酷な継母、そして自分に無関心な父の間で、慎ましく15年間を過ごしてきました。結婚に淡い憧憬を抱いていた彼女でしたが、家の都合で、街で有名な放蕩息子、顧九思(グー・ジウスー)に嫁ぐことになります。顧九思(グー・ジウスー)は、玉茹が権勢欲しさに自分に近づいたと誤解し、冷たく突き放します。
しかし、玉茹はそこで諦めずに、顧家の母から商売の手ほどきを受け、自らの力で道を切り開こうと決意します。持ち前の才覚で商売は次第に軌道に乗り、同時に、顧九思(グー・ジウスー)の隠された純粋で優しい一面を知り、二人の心は徐々に惹かれ合っていきます。
ところが、揚州(徉州)の支配者の横暴によって、民衆は苦しみ、顧家は逃亡を余儀なくされます。この経験を通して、顧九思(グー・ジウスー)は一夜にして成長し、役人として民のために尽くすことを決意。捕吏から戸部尚書にまで上り詰め、志を同じくする仲間と共に悪政を正し、税負担を軽減していきます。玉茹もまた、貧しい人々のための施設を建て、商取引を活性化させ、人々の暮らしを支えました。二人は共に、平和な世の中を築き上げていくのです。
物語は全体的にハッピーエンドを迎えますが、いくつかの悲しみも描かれています。顧九思(グー・ジウスー)と柳玉茹(リウ・ユールー)は、左相と実業家として成功し、可愛い息子にも恵まれ幸せに暮らします。周高朗は弟の周イエ(ジョウ・イエ)に帝位を譲り、自身は軍務に専念。周イエ(ジョウ・イエ)は皇帝になりますが、愛する秦婉之(チン・ワンジー)を失った悲しみから生涯独身を貫きます。悪役の洛子商(ルオ・ズーシャン)は、最期に自らの過ちを悔い、父と共に自害します。葉韻(イエ・イン)と沈明(シン・ズミン)は子供を授かり、幸せな家庭を築きます。範玉(ファン・ユー)は周明朗に脅迫され禅位書を書かされますが、命は助かり、愛する西鳳(シーフォン)と共に去っていきます。
第1話あらすじとネタバレ
大栄王朝は二代を経て、既に幾重もの危機に直面していました。国内では黄河の氾濫、国外では敵対勢力の侵略の脅威、そして十三州の節度使がそれぞれ独立して兵を擁し、朝廷の地方への支配力は日に日に弱まっていました。加えて国庫は空虚で、財政問題は喫緊の課題となっていました。この窮状を緩和するため、皇帝は公主を江南一の富豪、顧家のひとり息子である顧九思(グー・ジウスー)に嫁がせることを決定し、顧家の財力を得ようとしたのです。この知らせは顧家の人々を不安にさせましたが、大雪による道路の封鎖と運河の霧のため、梁(りょう)王が派遣した使者は長風渡口で足止めされ、顧家には対策を考える時間ができました。
一方、顧九思(グー・ジウスー)は友人である陳尋(チェン・シュン)、楊文昌(ヤン・ウェンチャン)と共に学堂を抜け出し遊んでいました。彼らは教師の朱学究が両親に告げ口するのではないかと心配していましたが、顧九思(グー・ジウスー)は気にしていませんでした。彼は父親がいつも自分を葉世安(イエ・シーアン)と比較することにうんざりしており、二人の友人も揚州(徉州)中の女性が葉世安(イエ・シーアン)に憧れているとからかい、顧九思(グー・ジウスー)は不機嫌になりました。
布衣商家の柳家の娘、柳玉茹(リウ・ユールー)は葉世安(イエ・シーアン)の幼馴染であり、憧れる女性の一人でした。彼女は葉世安(イエ・シーアン)との縁談を六年も待っていましたが、未だに正式な決定がなく、不安を感じていました。ある日、家から大夫人が重い病気にかかったという知らせが届きます。大雪の影響で薬の値段が高騰し、月 (ユエ)姨娘が帳簿を厳しく管理しているため、大夫人は薬を買うために装飾品を売らざるを得ませんでした。柳玉茹(リウ・ユールー)は非常に焦り、自分の少ない貯えでは足りず、月 (ユエ)姨娘の店で展示されている白狐の毛皮を取り戻すしかありませんでした。この貴重な毛皮は彼女が葉世安(イエ・シーアン)への贈り物として手作りしたものでした。しかし、白狐の毛皮が既に月 (ユエ)姨娘によって値引きされて顧九思(グー・ジウスー)に売られたことを知ると、柳玉茹(リウ・ユールー)は顧九思(グー・ジウスー)の居場所を突き止め、毛皮を取り戻そうと決意します。
蘭笑坊で遊んでいた顧九思(グー・ジウスー)は、柳玉茹(リウ・ユールー)の侍女である印紅(インホン)に呼び止められ、白狐の毛皮を返すように要求されます。誤解から、顧九思(グー・ジウスー)は男装した柳玉茹(リウ・ユールー)を葉世安(イエ・シーアン)と間違え、気まずい会話が繰り広げられます。最終的に真相を知った顧九思(グー・ジウスー)は謝罪しますが、同時に柳玉茹(リウ・ユールー)がなぜ葉世安(イエ・シーアン)に惹かれているのか疑問に思います。顧九思(グー・ジウスー)の問いに柳玉茹(リウ・ユールー)は答えられず、怒って顧九思(グー・ジウスー)を責め、彼を恥ずかしい思いにさせます。
実は、顧九思(グー・ジウスー)は既に白狐の毛皮を街の乞食にあげており、彼自身もその行方を知りませんでした。柳玉茹(リウ・ユールー)はそれを聞いてさらに怒り、友人である葉韻(イエ・イン)からお金を借りるため、その場を去ります。顧九思(グー・ジウスー)は身に覚えのない非難を受けましたが、柳玉茹(リウ・ユールー)の家の事情を知ると、友人たちに白狐の毛皮を探し出して柳玉茹(リウ・ユールー)に返すように頼みます。
その後まもなく、葉家の主母の誕生日がやってきました。多くの家族がこの機会を利用して葉家に取り入ろうとしており、柳玉茹(リウ・ユールー)も葉家の孫嫁になることを望んでいました。しかし、月 (ユエ)姨娘は柳玉茹(リウ・ユールー)を葉家の宴席に参加させようとはせず、柳の父親が介入したことで、ようやく月 (ユエ)姨娘や他の姉妹と共に参加することが許されます。葉家で、柳玉茹が贈った絵画は主母に気に入られ、一方、葉韻(イエ・イン)は顧家からの縁談について柳玉茹に相談します。柳玉茹は葉韻(イエ・イン)に、顧九思(グー・ジウスー)が嫌がるような行動をとることで、彼から縁談を断らせるように助言します。
顧九思(グー・ジウスー)と二人の友人が使用人の姿に変装して葉家に潜入した際、偶然にも柳玉茹と葉韻(イエ・イン)の会話を聞いてしまいました。規則を破ることになるのではないかと心配した柳玉茹は、急いで使用人を呼び、三人を追い出させます。月 (ユエ)姨娘はこのことを知り激怒し、柳玉茹を平手打ちしますが、葉家の主母が間一髪で止めに入り、柳玉茹を守ります。主母は柳玉茹を気に入り、その場で自分の翡翠の腕輪を贈り、葉世安(イエ・シーアン)との縁談を進めることを決めます。柳玉茹は驚きと感謝の気持ちでいっぱいでした。
第2話あらすじとネタバレ
柳玉茹(リウ・ユールー)は喜び勇んで葉家を後にしましたが、頬の掌印がその喜びに影を落としました。母親に心配をかけまいと、印紅(インホン)と共に胭脂屋(べによや)へ向かい、傷跡を隠せる胭脂を探します。懐具合が良くないため、安い品を選ぶしかありませんでした。ところが、そこで顧九思(グー・ジウスー)に遭遇してしまいます。
葉家で屈辱を受けた顧九思(グー・ジウスー)は、柳玉茹(リウ・ユールー)に八つ当たりすることで面目を保とうと、彼女を拦(さえぎ)ります。顧九思(グー・ジウスー)の挑発に対し、柳玉茹(リウ・ユールー)は葉家での行動は仕方なかったと小声で釈明し、許しを請います。しかし、顧九思(グー・ジウスー)はわざと好意を伝え、「君と結婚する以外考えられない」と宣言します。この場面を従者に目撃され、すぐに顧老爷に報告されてしまいます。
当初、柳玉茹(リウ・ユールー)の可憐な様子に同情した顧九思(グー・ジウスー)でしたが、友人にその外見に騙されるなと忠告され、柳玉茹(リウ・ユールー)に川に飛び込んで決意を示すよう唆します。柳玉茹(リウ・ユールー)は以前、葉韻(イエ・イン)に顧九思(グー・ジウスー)と結婚させられるなら川に飛び込むと語っていました。彼女をからかうため、顧九思(グー・ジウスー)は柳玉茹に葉世安(イエ・シーアン)を貶(けな)し、自分を褒め称えるよう要求します。仕方なく、柳玉茹はそれに従い、満足した顧九思(グー・ジウスー)は彼女を解放し、柳玉茹を含め、居合わせた人々に胭脂を振る舞います。
息子の結婚に頭を悩ませていた顧老爷は、顧九思(グー・ジウスー)が柳家の長女を気に入ったと公言したと聞き、家柄の違いはあれど、息子の意誌が固い以上、都で駙馬(ふま)になるよりましだと考え、受け入れることにしました。顧家主母は自ら柳家を訪れ、結婚を申し入れます。月 (ユエ)姨娘は豊富な結納品に目がくらみ、値踏みまで始めます。顧家主母は少々不快に思いつつも、結婚を成立させることを優先しました。
この知らせを聞いた柳玉茹は事の重大さに気づき、印紅(インホン)に葉韻(イエ・イン)に助けを求めるよう頼みます。葉韻(イエ・イン)は祖母に頼み込み、事態を打開しようとしますが、既に官府の書類が出されており、覆すのは難しそうでした。葉韻(イエ・イン)は柳玉茹の代わりに顧家に嫁ごうとしますが、柳玉茹は運命を受け入れるよう諭します。
一方、柳父は税金を滞納したため捕らえられ、厳しい罰に直面していました。柳玉茹は顧九思(グー・ジウスー)に助けを求め、父親を救い出し、土地の権利書を月 (ユエ)姨娘に渡らないよう自分の名義にするよう頼みます。
顧九思(グー・ジウスー)は柳玉茹の手紙を受け取り、驚きを隠せません。家に帰り父親に詰め寄りますが、結婚を破棄することはもはや不可能でした。梁(りょう)王の使者が顧家を訪れ、欺君の罪に問われる可能性を示唆し、顧老爷は結婚を破棄する考えを捨て去ることを決意します。
結婚式当日、花嫁轎(かご)から降りる際、柳玉茹は躊躇しますが、ついに轎を降ります。一通りの儀式を終え、新郎の出番となりますが、二度呼んでも顧九思(グー・ジウスー)は現れません。顧老爷は息子が婚礼から逃げるような無責任な行動に出るのではないかと、ひどく焦ります。
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