小説琅琊榜(ろうやぼう) 日本語版 - 無料で全巻試し読み

琅琊榜(ろうやぼう)
作品情報
  1. 小説:琅琊榜(ろうやぼう)
  2. 著者:海宴
  3. 本作を原作としたドラマ:琅琊榜(ろうやぼう)~麒麟の才子、風雲起こす~
  4. 全174話
  5. 96,951文字

概要/あらすじ

「琅琊榜(ろうやぼう)」は、情義と復讐を主軸とした小説です。主人公 梅長蘇(ばいちょうそ)の周到な計画と緻密な計略によって、親友 蕭景琰(けいえん)は默默無聞の靖郡王から靖親王、そして皇太子へと昇りつめ、民心を掌握することで梅嶺の冤罪事件の再審、再判、そして真相の公表を実現させます。これにより、赤焰軍(せきえんぐん)に謀仮の汚名を著せた罪は雪がれ、無念の死を遂げた魂は慰められることとなります。

物語の舞台は南梁。大渝の侵攻に対し、赤焰軍(せきえんぐん)少帥 梅長蘇(ばいちょうそ)(りんしゅ)は父と共に7万の兵士を率いて戦いますが、奸臣の陰謀により冤罪を著せられ、梅嶺で命を落とします。地獄の門から生還した梅長蘇(ばいちょうそ)は、削骨易容という苦痛を乗り越え、天下第一の幇「江左盟」の盟主 梅長蘇(ばいちょうそ)として生まれ変わります。12年後、琅琊榜で「江左梅郎、麒麟の才、得之可得天下(江左の梅長蘇(ばいちょうそ)、麒麟の才、これを得れば天下を得る)」と評されたことで、皇太子と誉王(よおう)の両者から招攬の対象となります。表向きは誉王(よおう)に仕えますが、裏では幼馴染の靖王(せいおう)と手を組み、最終的には太子と誉王(よおう)を倒し、奸臣を排除、7万の赤焰軍(せきえんぐん)の汚名をすすぎます。その後、再び戦乱が起こると、梅長蘇(ばいちょうそ)は国を守るため戦場で命を落とします。

創作背景

作者の海宴(かいえん)は、専業作家ではなく、成都の不動産会社に勤務する会社員でした。住宅ローンや自動車ローンを抱え、同僚たちと日々を過ごしながら、趣味で執筆活動を行っていました。「琅琊榜」は架空の歴史物語ですが、魏晋南北朝時代の梁を参考にしている部分もあると作者は語っています。登場人物や物語はフィクションですが、歴史的な背景との対比も楽しめます。

主要人物

  • 梅長蘇(ばいちょうそ): 琅琊榜首、江左梅郎、江左盟宗主。病弱ながらも秀麗な容姿と清雅な雰囲気を持ち、音律に通じ、才知に長けています。「遥映人間氷雪様、暗香幽浮曲臨江。遍識天下英雄路、俯首江左有梅郎。(氷雪の如く映え、幽玄な香りは川辺に漂う。天下の英雄を知るも、江左の梅長蘇(ばいちょうそ)に頭を垂れる。)」と評されるほどの逸材です。その正体は赤焰軍(せきえんぐん)少帥 梅長蘇(ばいちょうそ)であり、梅嶺の戦いの生存者。火寒の奇毒に侵され、削皮挫骨の治療を受け、声と容貌が変わっています。復讐のため、蘇哲(そてつ)と名を変え入京し、陰謀を巡らせます。

  • 靖王(せいおう): 皇七子 蕭景琰(けいえん)。梅長蘇(ばいちょうそ)の親友。兄と林家の冤罪を信じ続け、12年間冷遇されていますが、信念を曲げず、父である皇帝に屈することはありません。軍で威望のある将軍であり、太子と誉王(よおう)からも高く評価されています。梅長蘇(ばいちょうそ)の助けを借りて皇位継承争いに身を投じ、友と兄の復讐を誓います。

  • 誉王(よおう): 皇子 蕭景桓(しょうけいかん)。皇太子の最大のライバル。生母は身分が低く早世しましたが、皇后に育てられ、寵愛を受けています。頭脳明晰で皇帝の歓心を買う術に長けており、太子を脅かす存在です。野心家で皇位への執念は強く、梅長蘇(ばいちょうそ)を自陣に引き入れようとしますが、最終的には梅長蘇(ばいちょうそ)の策略にはまり失脚します。

  • 蕭景睿(けいえい): 琅琊公子榜第二位。文武両道に優れ、温厚な性格で、梅長蘇(ばいちょうそ)の知己であり、言豫津(よしん)の親友。謝家と卓家の息子とされていますが、実際は莅陽(りよう)長公主長公主と大楚の質子の子です。複雑な出生の秘密が明らかになりますが、それでも周囲の人々を包み込む優しさを持っています。

  • 蒙摯(もうし): 帝都禁軍大統領。梁随一の武人で、皇帝の警護を担当しています。情に厚く、率直な性格で、梅長蘇(ばいちょうそ)を全面的に支援します。かつては赤焰軍(せきえんぐん)に所属しており、梅長蘇(ばいちょうそ)とは深い絆で結ばれています。

「琅琊榜」は、大梁国を舞台とした重厚な宮廷小説です。権力闘争、陰謀、復讐、そして揺るぎない友情が複雑に絡み合い、読者を物語の深淵へと引き込みます。

物語の中心人物は、梅長蘇(ばいちょうそ)。病弱な体ながら、類まれな知略と冷徹な判断力を持つ彼は、かつて赤焰軍(せきえんぐん)の若き将軍、梅長蘇(ばいちょうそ)でした。12年前、奸臣の陰謀により赤焰軍(せきえんぐん)は壊滅、梅長蘇(ばいちょうそ)も瀕死の重傷を負います。生き延びた彼は、別人として朝廷に舞い戻り、復讐の炎を静かに燃やし始めます。

梁帝(りょうてい)は、絶対的な権力を持つ皇帝でありながら、猜疑心に苛まれ、周囲の人間を全く信用していません。彼は、秘密警察組織「懸鏡司」を操り、情報収集と粛清を繰り返します。皮肉なことに、梁帝(りょうてい)の猜疑心こそが、赤焰軍(せきえんぐん)の冤罪を生み出したのです。

皇太子、蕭景宣は、越貴妃(えつきひ)の寵愛を盾に傲慢に振る舞い、保身のために手段を選びません。誉王(よおう)との後継者争いに明け暮れる彼は、梅長蘇(ばいちょうそ)の策略に翻弄され、運命の歯車が狂い始めます。

穆霓凰(げいおう)は、梅長蘇(ばいちょうそ)の許嫁であり、南境十万の兵を率いる女将軍です。梅長蘇(ばいちょうそ)の死を信じながらも、国を守るために戦場を駆け抜けます。彼女の凛とした強さと深い愛情は、物語に彩りを添えます。

梅長蘇(ばいちょうそ)の影のように付き従うのが、謎多き少年、飛流(ひりゅう)です。驚異的な武術の才能を持ちながら、精神的に幼い彼は、梅長蘇(ばいちょうそ)に絶対的な信頼を寄せ、献身的に守ります。二人の特別な絆は、物語の温かい光となっています。

懸鏡司の掌鏡使、夏冬(かとう) は、冷静沈著で正義感の強い女性です。当初は赤焰軍(せきえんぐん)を憎んでいましたが、真実を知り、梅長蘇(ばいちょうそ)に協力するようになります。彼女の揺るぎない信念と行動力は、物語に緊張感を与えます。

靖王(せいおう)の母、靜妃(しずひ)は、穏やかで聡明な女性です。後宮の権力争いには関与せず、静かに息子を見守ります。彼女の深い愛情と知性は、物語の重要な鍵となります。

その他にも、個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。琅琊公子榜に名を連ねる言豫津(よしん)、謝玉(しゃぎょく)の息子である謝弼(しゃひつ)、赤焰軍(せきえんぐん)壊滅の黒幕である夏江(かこう)、梅長蘇(ばいちょうそ)の親友である琅琊閣閣主の藺晨(りんしん)、そして数々の陰謀を企てる秦般若(しんはんじゃく)など、それぞれの思惑が交錯し、物語は予想もつかない展開を見せます。