玄元山の下働きとして暮らす平凡な少女、扶揺(フーヤオ)の壮大な冒険譚を描いた物語です。偶然の機会に強力な武術「破九霄」を習得した彼女は、自身の体に秘められた五重の封印を解く方法を探し求める旅に出ます。
武術大会「畋斗賽(てんとうさい)」で才能を発揮した扶揺(フーヤオ)は、玄元山を後にし、五洲大陸を巡る冒険へと出発します。旅の途中、様々な困難や試練に立ち向かいながら、彼女は無極皇城の太子、長孫無極(ちょうそんむきょく)と出会い、深く愛し合うようになります。
扶揺(フーヤオ)の旅は、単なる冒険にとどまりません。彼女は自らの出生の秘密を解き明かし、自分が璇璣(せんきこうごう)国の王女であり、「破九霄」の継承者、そして古代の神聖な蓮の生まれ変わりであることを知ります。様々な国や勢力が入り渦巻く五洲大陸で、彼女は類まれな武術を駆使し、正義のために戦い続けます。
物語のクライマックスでは、扶揺(フーヤオ)は強大な敵、非天(ていひてん)の復活を阻止するために自らを犠牲にします。しかし、最終的には彼女は死なず、愛する長孫無極(ちょうそんむきょく)と共に幸せな結末を迎えます。さらに、物語のもう一組の恋人、宗越(そうえつ)と斉韵(せいいん)も結ばれ、人々を癒す医療の道を共に歩むことになります。
扶揺(フーヤオ)の波乱万丈な冒険と、長孫無極(ちょうそんむきょく)との運命的な愛、そして壮大なスケールで描かれる五洲大陸の物語は、読者を最後まで魅了し続けるでしょう。
第1話あらすじとネタバレ
遠い昔、非天(ていひてん)が五洲を血に染める徴服戦争を起こし、多くの命が奪われた。この危機の中、穹蒼聖地の長老・長青子(ちょうせいし)は玄霊真葉の力で戦局を逆転させた。しかし、非天(ていひてん)は完全に滅びず、その残血は謎めいた五色石へと変化した。千年を経て、非天(ていひてん)の力は再び蠢き始め、伝説によると、五色石を持つ少女が彼を目覚めさせるという。
壮麗な殿堂で、師匠は弟子に重要な使命を伝えた。彼は玄霊真葉を使う選ばれし者であり、運命を変える責任を負っている。もし五色石を持つ少女を見つけられなければ、五洲は終わりなき災厄に襲われるだろう。
雪と氷の世界で、扶揺(フーヤオ)の黒い布が風に飛ばされ、彼女は宝塔とその守護者である氷の侍衛に勇敢に立ち向かう。玄元五行秘法第三重の規定では、玄元徽標を持つ者だけがこの関門を通過できる。しかし、扶揺(フーヤオ)は恐れずに侍衛と激闘を繰り広げ、飛剣を使って打ち破った。彼女が宝塔の上で光る珠に近づくと、突然細い縄が現れ、彼女を塔の中に引き込んだ。
一方、玄元山の玄元派弟子・裴瑗(はいえん)は、侍女の阿烈(あれつ)と共に現れ、扶揺(フーヤオ)が武芸を盗み学んだと非難する。扶揺(フーヤオ)は弁解するも聞き入れられず、玄幽部の下級の使用人だと決めつけられる。裴瑗(はいえん)は阿烈(あれつ)に扶揺(フーヤオ)を縛り、師匠の元に連れて行くよう命じるが、扶揺(フーヤオ)は窓の外の索道を使って逃走する。
山麓で、扶揺(フーヤオ)は戻ってきた大師兄に出会う。二人が山に戻ろうとした時、裴瑗(はいえん)が追いかけてきて、大師兄に扶揺(フーヤオ)をかばうことを禁じる。仕方なく、大師兄は扶揺(フーヤオ)を玄正部で面壁思過させると偽り、罰を与える。裴瑗(はいえん)が足をくじいた後、大師兄は彼女を抱き上げる。物陰に隠れていた扶揺(フーヤオ)は、大師兄が祭祀大典に参加するという話を聞き、こっそりと後をつける。
玄幽部では、周叔が新しく来た弟子たちに、山上の玄正部の者だけが武芸を学ぶ資格があり、自分たちは雑用しかできないと警告する。扶揺(フーヤオ)を例に挙げ、規則を守るように諭そうとするが、扶揺(フーヤオ)は既に姿を消していた。
扶揺は小七(しょうしち)と崖の上で合流し、玄正部の弟子の服に著替えて祭祀大典に紛れ込む。掌門が全ての玄元派弟子が畋斗比賽に参加できると宣言すると、扶揺は玄幽部の弟子にその機会がないことを不満に漏らす。その時、周叔が二人を見つけ、怒って玄幽部に連れ戻す。
その頃、燕烈(えんれつ)は大師兄に昆京の変化を伝える。太淵国の世子・軒轅齋は、病に伏せる父・軒辕韧(けんえんじん)を見舞うため王宮を訪れ、章鶴年(しょうかくねん)将軍に国公・斉震(せいしん)を包囲するよう指示した。しかし、斉震(せいしん)はこの情報を入手し、即座に王宮を攻撃して政権を奪うよう命じる。軒轅家の血筋はほぼ皆殺しにされ、生き残った宗子・軒轅旻(けんえんびん)は負傷しながら逃亡するが、扶揺に助けられる。
裴瑗(はいえん)と弟子たちは扶揺を捕らえる罠を仕掛け、扶揺は仲間とはぐれてしまう。森の中で、扶揺は網に捕らえられ、軒轅旻(けんえんびん)の人質に扮した人物が連れ去られる。裴瑗(はいえん)は大師兄に都へ戻って政略結婚したくないと告げるが、大師兄の心は扶揺にあることに気づく。山の下から助けを求める声が聞こえ、大師兄はすぐに裴瑗(はいえん)の元を離れ、救助に向かう。
ボロボロの小屋で、国公の義子・雲痕(うんこん)(うんこん)は部下に軒轅旻(けんえんびん)を殺すよう命じるが、部下は国公が生きたまま捕らえるよう指示されていると答える。大師兄は扶揺を救出し、傷の手当てをしながら、掌門になったら妻に娶ると約束する。この言葉を聞いていた裴瑗(はいえん)は怒り、その場を去る。
その後、雲痕(うんこん)(うんこん)は玄元派に医者を頼みに来る。燕烈(えんれつ)は医聖・宗越(そうえつ)を国公府に送り、人質の軒轅旻(けんえんびん)を治療させる。実際には、ベッドに横たわっているのは天権国の太子・長孫無極(ちょうそんむきょく)だが、御水之術を使っていたため、軒轅旻(けんえんびん)と間違われていた。
第2話あらすじとネタバレ
斉震(せいしん)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に、大王が彼を世子に冊封したことを告げる。長孫無極(ちょうそんむきょく)は表向きは軒轅旻(けんえんびん)を装い、笑顔でいずれ太淵の王になると答える。廊下で、雲痕(うんこん)(うんこん)は斉震(せいしん)に何故軒轅旻(けんえんびん)の命を奪わないのか問うが、斉震(せいしん)は説明せず、計画通りに事を進めるよう命じるのみ。雲痕(うんこん)(うんこん)は大王の後事を既に手配済みで、大王は世子即位の瞬間まで生きられると伝える。斉震(せいしん)は雲痕(うんこん)(うんこん)が軒轅旻(けんえんびん)の存在を懸念していることを見抜き、軒轅家が断絶すれば太淵は天権に飲み込まれると釘を刺す。雲痕(うんこん)(うんこん)は軒轅旻(けんえんびん)を調査し、封地での彼の凡庸さを確認していたが、斉震(せいしん)は依然として疑念を抱き、昆京への即位を阻止するよう指示する。
扶揺(フーヤオ)は周叔の罰として洗濯をしていたところ、小七(しょうしち)から小白が危篤だと知らされる。小白を救うため、扶揺(フーヤオ)は禁崖に登り百芝蘭を採ろうとする。崖の上で薬草を手に入れた瞬間、長孫無極(ちょうそんむきょく)が現れ、薬草を奪われる。武術を嘲笑され、侮辱を受けた扶揺(フーヤオ)は、禁崖の地形を利用し、蔓で長孫無極(ちょうそんむきょく)を水中に落とす。長孫無極(ちょうそんむきょく)は百芝蘭を盾に助けを求めるが、扶揺(フーヤオ)が手を差し伸べると彼女を突き落とす。
燕烈(えんれつ)は燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)に畋斗賽の準備を指示し、扶揺(フーヤオ)との関係を知っていると告げる。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)は勝利を約束し、扶揺(フーヤオ)を玄幽部の奴隷と蔑む。裴瑗(はいえん)は国公府を訪れ、叔父の斉震(せいしん)と会う。彼女は玄元派に潜伏する斉震(せいしん)のスパイだった。
泥だらけで戻った扶揺は周叔に叱責される。国公府で長孫無極(ちょうそんむきょく)の歓迎の宴が開かれ、燕烈(えんれつ)と燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)も同席する。そこで裴瑗(はいえん)が斉震(せいしん)の姪だと知る。扶揺は給仕の役目をしており、長孫無極(ちょうそんむきょく)が軒轅旻(けんえんびん)だと気付く。正体を見破られたと察した長孫無極(ちょうそんむきょく)は、わざと扶揺に難癖をつけ、宴から連れ出す。雲痕(うんこん)(うんこん)から逃れた後、長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺に何か気づいていないか詰問する。扶揺は双子の妹がいると嘘をつき、隙を見て鎖で彼を縛る。雲痕(うんこん)(うんこん)が近づくと、長孫無極(ちょうそんむきょく)は鎖を解き、わざとふざけた様子で扶揺を抱きしめ、雲痕を欺く。
長孫無極(ちょうそんむきょく)は小白の薬を届け、周叔は扶揺に小白を小七(しょうしち)に預けるよう指示する。宗越(そうえつ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)が私情にばかり気を取られていることに不満を抱きつつも、扶揺という人物に興味を持つ。
裴瑗(はいえん)と燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)の結婚の知らせを聞いた扶揺は信じられず、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)を問い詰める。しかし、そこで燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)と裴瑗(はいえん)の親密な様子を目撃し、傷心のまま走り去る。燕驚塵は扶揺の姿に気づくも、見て見ぬふりをする。
禁崖の下で、扶揺は自分を尾行していたのが燕驚塵だと思い込み、振り返ると長孫無極だった。落胆した扶揺は立ち去ろうとするが、行く手を阻まれ、殺意を感じ取る。その時、水中から巨大な水牛が現れる。長孫無極は扶揺の手を取り、必死に逃げる。水牛を森へ誘い込み、扶揺は身を隠す。長孫無極は途中で怪我をして倒れてしまう。水牛が迫る中、扶揺は木の棒で木を叩き、音を立てて水牛を追い払おうとする。
第3話あらすじとネタバレ
水牛のような霊獣、呲鉄(してつ)が逃げ出し、燕烈(えんれつ)は弟子たちに下山を阻止するよう命じました。森の中で、扶揺(フーヤオ)は呲鉄(してつ)に追われ木に登りますが、そこに長孫無極(ちょうそんむきょく)が現れ、呲鉄(してつ)のツボを突き昏睡させます。彼は扶揺(フーヤオ)に逃げるよう促し、生き延びたければ口を閉ざすようにと忠告しました。扶揺(フーヤオ)は、他人のふりをし続けると自分を見失うと長孫無極(ちょうそんむきょく)に注意を促します。二人が去った後、燕烈(えんれつ)と弟子たちが到著しますが、そこには眠る呲鉄(してつ)の姿だけがありました。
川辺で一人考え込む扶揺(フーヤオ)に、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)(えんきょうじん)が近づき、昨日の彼女の行動を咎めます。扶揺(フーヤオ)は自分が何をしたのか理解できませんでしたが、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)は、既に裴瑗(はいえん)と婚約しているため、彼女の訪問は不適切だったと説明します。扶揺(フーヤオ)は自分の身分が燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)より低いことを悟りますが、立ち去ろうとはしません。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)は、昆京での地位を確立するために裴瑗(はいえん)と結婚するが、その後扶揺(フーヤオ)を側室にするつもりだと告白します。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)はこれが扶揺(フーヤオ)にとって最善の道だと考えていましたが、扶揺(フーヤオ)はそれを望んでいないとはっきり告げます。
自室で燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)との結婚に喜ぶ裴瑗(はいえん)のもとに、阿烈(あれつ)が駆け込み、扶揺(フーヤオ)が燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)に言い寄ったと告げ口します。一方、川辺で扶揺(フーヤオ)は燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)に、たとえ自分が無学であっても愛は分け合えるものではないと訴えます。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)は彼女の言葉に怒り、裴瑗(はいえん)の家柄が扶揺(フーヤオ)よりはるかに優れているため、裴瑗(はいえん)を選ばざるを得ないと主張します。扶揺は彼に祝福の言葉を述べ立ち去ろうとしますが、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)に抱きしめられます。この場面を裴瑗(はいえん)が目撃しますが、彼女は怒りを露わにすることなく、静かに立ち去ります。阿烈(あれつ)は裴瑗(はいえん)の代わりに怒りますが、逆に叱責されます。
夜、黒装束の人物が扶揺の部屋に忍び込み、糸で彼女の指を傷つけます。翌日、扶揺の名前が玄正部畋斗賽(てんとうさい)の出場者リストに載っていることが発覚し、玄正部の弟子たちは憤慨します。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)は事情を聞かずに扶揺を責め、試合で足手まといになることを心配します。扶揺(フーヤオ)は、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)が自分の身を案じるのではなく、巻き込まれることを恐れているように感じ、深く失望します。
裴瑗(はいえん)は燕烈(えんれつ)に扶揺の不正出場を訴えます。燕烈(えんれつ)は扶揺を罰しようと考えますが、裴瑗(はいえん)は彼女に出場させるよう主張します。燕驚塵は慌てて父親に扶揺の出場資格を取り消すよう懇願しますが、燕烈(えんれつ)は門規を理由に拒否します。一方、扶揺は誰かに嵌められたのではないかと疑い始め、逃げるのではなく試合に臨む決意を固めます。
周叔は酒を飲ませる口実で扶揺を洞窟に連れて行き、逃げるための馬車を用意していました。しかし、扶揺は玄幽部に迷惑をかけたくないという思いから、畋斗賽への出場を決意します。周叔は仮対し、試合は命に関わると警告します。
夜、燕驚塵は扶揺を探し出し、彼女を守ると約束しますが、扶揺は運命には逆らえないと信じています。昇る朝日を眺めながら、扶揺は最終的な決断を下したようです。畋斗賽が始まり、扶揺は他の出場者と共に最初の試合会場である霊鏡地宮(れいきょうちきゅう)へ向かいます。師匠は霊獣を召喚し、弟子たちに霄淼術(しょうびょうじゅつ)か鎮魂気(ちんこんき)のどちらかの術法によって二つのチームに分かれるよう指示します。扶揺はこの二つの術法を習得していないため、どちらのチームにも入れず、他の弟子たちに嘲笑されます。仕方なく一人でチームを作ると宣言しますが、燕驚塵は彼女を自分のチームに引き入れます。
地宮の外で、長孫無極(ちょうそんむきょく)と斉震(せいしん)は燕烈(えんれつ)と勝者の到著を待っています。試合が進むにつれ、燕驚塵率いる青チームは地宮に入り、呲鉄(してつ)に襲われます。彼はまず扶揺の安全を確保し、その後裴瑗(はいえん)を助けに戻ります。燕驚塵と裴瑗(はいえん)は協力して呲鉄(してつ)と戦いますが、敵いません。その時、扶揺が木で呲鉄(してつ)の注意をそらし、その隙に二人は危機を脱しますが、扶揺は足を負傷してしまいます。
第4話あらすじとネタバレ
洞窟の中、扶揺(フーヤオ)は呲鉄(してつ)に襲われ、脚を負傷して倒れてしまう。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)はすぐさま駆け寄るが、扶揺(フーヤオ)は素早く壁面に飛び移り、呲鉄(してつ)の動きを封じ込めようとする。しかし、呲鉄(してつ)の猛攻により、ついに落下。それでも怯むことなく立ち上がる扶揺(フーヤオ)。呲鉄(してつ)が再び襲いかかる瞬間、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)が身を挺して彼女を庇う。まさに呲鉄(してつ)と対峙しようとする燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)を前に、扶揺(フーヤオ)はとっさに飛び出し、長孫無極(ちょうそんむきょく)から教わった技で呲鉄(してつ)の睡穴を正確に突き、見事動きを封じた。この一部始終を目撃した裴瑗(はいえん)は、嫉妬に燃える。
製圧した呲鉄に跨り洞窟から現れた扶揺(フーヤオ)に、周囲は驚きを隠せない。長孫無極(ちょうそんむきょく)は驚嘆した様子を見せ、彼女の非凡な能力を称賛するが、燕烈(えんれつ)は一人の力で神獣を製圧できたことに疑問を呈する。夜、玄幽部に戻った扶揺(フーヤオ)は盛大な歓迎を受ける。彼女は謙虚に、勝利は天の恵みだと語る。一人酒を飲む周叔に近寄り、機嫌を尋ねる扶揺。周叔は、今日の彼女の行動が燕烈(えんれつ)と裴瑗(はいえん)の怒りを買うのではないかと懸念を示す。燕烈(えんれつ)が扶揺を陥れるために畋斗賽への参加を仕組んだのではないかと疑っていたからだ。それでも扶揺は、全ては運命だと受け止め、前へ進む決意を語る。
裴瑗(はいえん)の部屋では、彼女が燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)の傷の手当てをしているところに燕烈(えんれつ)が現れる。裴瑗(はいえん)は、扶揺が燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)を利用したと告げ口し、激怒した燕烈(えんれつ)は扶揺の玄正部への立ち入りを禁じ、違仮すれば門規に従い厳罰に処すと宣言する。
禁崖の下で一人思いに耽る扶揺に、小さなリスが近寄ってくる。リスを撫でようとしたその時、長孫無極(ちょうそんむきょく)が現れ、薬を手渡す。リスと戯れる扶揺を見て、長孫無極(ちょうそんむきょく)は冗談めかして「斉人之福だな」と言う。燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)が怪我をしたと聞き、危険を顧みず山に薬草を取りに行った扶揺は、下山途中、裴瑗(はいえん)の手下に捕まり、燕烈(えんれつ)の前に引き立てられる。長老たちが扶揺の助命を嘆願するも、燕烈は彼女を無念之鏡に閉じ込める罰を与える。
無念之鏡の中で氷漬けになる扶揺。しかし、間一髪で長孫無極(ちょうそんむきょく)が駆けつけ、彼女を救出する。驚くべきことに、扶揺は鏡の寒毒に耐えることができた。玄幽部に戻り、意識を取り戻した扶揺は、それでも畋斗賽を諦めようとしない。彼女の固い決意を知り、周叔はただただ天の思し召しに従うよう祈る。
第二回戦が始まる。崖の上で燕烈は、選手たちに二人一組で出場するよう告げる。誰も自分と組んでくれないのではないかと不安になる扶揺。燕烈は、組めない場合は無作為に組み合わせると付け加える。裴瑗(はいえん)は祖師の位牌の前で、燕驚塵の勝利を誓う。一方、長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺の身を案じていた。
周叔は、大切な燒火棍を扶揺に託す。目に涙を浮かべながら。燒火棍を手に闘技場へ向かう扶揺。しかし、燕烈は既に彼女を陥れる罠を仕掛けていた。燕驚塵は扶揺に棄権を勧めるが、彼女は断固として拒否する。
燕烈は芦榷転引盒を取り出し、畋斗賽の様子を実況中継する準備を整える。そして、斉震(せいしん)に儀式の龍燭に点火させる。試合開始。裴瑗(はいえん)と燕驚塵は手を取り合い進んでいく。その時、長孫無極(ちょうそんむきょく)が姿を現し、扶揺の元へ向かう。
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