第25話あらすじとネタバレ
宗越(そうえつ)は斉韵(せいいん)の脈を安定させるため鍼治療を施しますが、龍鱗甲のことが心に引っかかっていました。斉韵(せいいん)は幼い頃から体が弱く、龍鱗甲によって命を繋いでいる状態です。もしそれを取り除けば、彼女は生きていけません。宗越(そうえつ)は斉韵(せいいん)の胸元の衣をめくり、龍鱗甲が確かにそこにあることを確認すると、どうすれば両方を救えるのか、さらに悩んでしまいます。意識が朦朧としていた斉韵(せいいん)は目を覚まし、「越哥哥」と呟くと、再び気を失いました。
門の外では、斉震(せいしん)と雲痕(うんこん)(うんこん)が心配そうに待っていました。宗越(そうえつ)が出てきて、斉韵(せいいん)の状態は一時的に安定したと告げます。斉震(せいしん)は雲痕(うんこん)(うんこん)に宗越(そうえつ)をもてなすよう頼み、自分は急いで部屋に入り、斉韵(せいいん)の様子を見に行きました。雲痕(うんこん)(うんこん)は宗越(そうえつ)に、斉家の災いが罪のない斉韵(せいいん)に及ぶべきではないと訴えます。雲痕(うんこん)(うんこん)の懇願に対し、宗越(そうえつ)は冷淡に、人の運命は決まっているものだと答えますが、雲痕(うんこん)(うんこん)はそれでも斉韵(せいいん)を助けてくれるよう頼み続けます。
一方、気を失っていた扶揺(フーヤオ)はゆっくりと意識を取り戻し、軒轅曉(けんえんきょう)がベッドサイドで看病していることに気づきます。軒轅曉(けんえんきょう)は扶揺(フーヤオ)を慰め、もう危険はないと伝え、燕驚塵(えんきょうじん)(えんきょうじん)と裴瑗(はいえん)の死を告げます。さらに扶揺(フーヤオ)を驚かせたのは、軒轅曉(けんえんきょう)の態度の変化でした。軒轅曉(けんえんきょう)は香袋を取り出し、扶揺(フーヤオ)にこれが彼女のものかどうか尋ねます。扶揺(フーヤオ)は江楓(こうふう)の言葉を思い出し、自分のものだと認めました。この香袋は、軒轅曉(けんえんきょう)が天権国を去る際に娘に残した唯一の形見だったのです。そのため、彼女は扶揺(フーヤオ)を自分の娘だと確信しました。扶揺(フーヤオ)が孤児として育ったと告げても、軒轅曉(けんえんきょう)は彼女が実の娘だと信じ込み、母親として認めてほしいと願います。扶揺(フーヤオ)のボロボロの服を見て、軒轅曉はすぐに用意していたたくさんの服を差し出しました。
その時、小七(しょうしち)が宮女の服を著て、玉妍花を持って現れました。庭園の亭では、目を覚ました斉韵(せいいん)が部屋から出てきて、宗越(そうえつ)の笛の音を聞き、微笑みながら彼に近づいていきます。宗越(そうえつ)は振り返り、なぜ休んでいないのかと優しく尋ねると、斉韵(せいいん)は既視感を覚えます。
小七(しょうしち)は扶揺(フーヤオ)に、軒轅曉のおかげで去勢を免れたと伝えました。しかし、扶揺(フーヤオ)の髪を整えているうちに、軒轅曉は夫への想いで錯乱状態に陥ってしまいます。扶揺(フーヤオ)はやむを得ず軒轅曉を気絶させ、漣児として彼女を世話することにしました。
長孫無極(ちょうそんむきょく)が宮中から祭祀に出かけた隙に、斉震(せいしん)は扶揺(フーヤオ)を呼び寄せました。小七(しょうしち)は彼女の身を案じますが、扶揺(フーヤオ)は他に迷惑をかけないよう、逃げるわけにはいかないと主張します。一方、長孫無極(ちょうそんむきょく)は祭壇で足止めされ、祖先のしきたり通り斎戒を強いられます。曹公公は彼の退屈しのぎにと、唐芷蓉(とうしよう)を連れてきました。小七(しょうしち)はすかさず宮女たちに紛れ込み、江楓(こうふう)に扶揺(フーヤオ)の窮状を知らせます。
長孫無極(ちょうそんむきょく)は唐芷蓉(とうしよう)に時間稼ぎを命じ、裏から抜け出して扶揺(フーヤオ)を助けに向かいます。国公府に戻ると、斉震(せいしん)は扶揺(フーヤオ)を王と内通していると責め立てます。扶揺(フーヤオ)は王とは特別な関係ではないと説明しますが、斉震(せいしん)は王が自分を討つために来たのだと考え、扶揺(フーヤオ)に長孫無極(ちょうそんむきょく)を始末するよう命じます。
中庭で、長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺(フーヤオ)を見つけるとすぐに駆け寄り、彼女の無事を確かめます。斉震(せいしん)が陰から見ていることに気づき、扶揺(フーヤオ)はやむを得ず長孫無極(ちょうそんむきょく)を突き放します。長孫無極(ちょうそんむきょく)はわざと彼女に愛情を表現します。斉震(せいしん)は、扶揺(フーヤオ)が王を殺さなければ、彼女を殺すと宣言します。ついに扶揺(フーヤオ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)を手にかけたように見せかけますが、実際にはそれは彼女を試すための操り人形でした。
第26話あらすじとネタバレ
扶揺(フーヤオ)が屋敷を去ろうとした時、庭に人影が揺らめくのに気づき、大木の陰に隠れて様子を窺った。間もなく、長孫無極(ちょうそんむきょく)が突然現れ、彼女を強く抱き寄せた。彼が無事な姿を見て、扶揺(フーヤオ)は感動し、彼の顔を優しく撫でた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、一日会わないうちに寂しくなったのかと冗談めかしたが、扶揺(フーヤオ)はなぜ長淵から急いで来たのかと尋ねた。彼は、もし今日斉震(せいしん)が彼女に危害を加えようとするならば、それが斉震(せいしん)の最後になるだろうと微笑みながら答えた。たとえ今日長孫無極(ちょうそんむきょく)を失ったとしても、再び彼に会えたことで、扶揺(フーヤオ)は心から満足していた。
宮殿に戻ると、扶揺(フーヤオ)は自分みたいな頑固な女は簡単には騙されないと言い張ったが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は、彼女がどうやってあれが偽物だと見抜いたのかを知りたがった。扶揺(フーヤオ)は、たとえ外見がそっくりでも、すぐに偽物だと分かると説明した。長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺(フーヤオ)を深く見つめ、今にもキスをしようとしたその時、軒轅曉(けんえんきょう)が現れ、その場を邪魔した。軒轅曉(けんえんきょう)が扶揺(フーヤオ)を「娘」と呼ぶのを聞き、長孫無極(ちょうそんむきょく)は驚き、彼女にいつ母親ができたのかと不思議に思った。扶揺(フーヤオ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)を押しやり、軒轅曉(けんえんきょう)の立場を理解していると告げた。
唐芷蓉(とうしよう)は長孫無極(ちょうそんむきょく)の特別な寵愛を受け、たくさんの褒美を賜り、他の妃嬪たちから羨ましがられていたが、心の中では幸せではなかった。実は、長孫無極(ちょうそんむきょく)は彼女と斉震(せいしん)が裏で繋がっていることを既に知っており、彼女の恐怖心を利用して、唐家が嫡女の唐怡光を宮中に入れようとしている事実を暴いた。今の地位と栄華を守るため、唐芷蓉(とうしよう)は跪き、今後長孫無極(ちょうそんむきょく)に協力することを誓った。
高普若(こうふじゃく)は唐芷蓉(とうしよう)が寵愛されていることに腹を立て、寝宮で騒ぎ立てた。彼女の父である高嵩(こうそう)は斉震(せいしん)に対し、唐家の庶出の娘が寵愛されていることに疑問を呈し、王妃の座が唐家に渡ることを懸念した。高嵩(こうそう)は兵権を盾に斉震(せいしん)に協力を要求し、さもなければ西平(せいへい)郡王府はもはや彼を支持しないと脅した。高嵩(こうそう)の圧力にも、斉震(せいしん)は動じず、唐将軍を都に呼び寄せ、詳しく話を聞くよう命じた。このことを知った長孫無極(ちょうそんむきょく)は、江楓(こうふう)に宗越(そうえつ)を探し、高嵩(こうそう)と斉震(せいしん)の仲をさらに裂くよう指示した。
国公府では、斉韵(せいいん)が宗越(そうえつ)の救命の恩に感謝するため、彼を食事に招待した。彼女は自ら豪華な料理を用意し、宗越(そうえつ)と彼の仲間である雲痕(うんこん)(うんこん)をもてなした。宗越(そうえつ)がスープを飲むのを見て、斉韵(せいいん)は鶏のスープに七錦葉を入れたと言い、宗越(そうえつ)の容姿がある故人を思い出させると語った。斉韵(せいいん)が何度か探りを入れても、宗越(そうえつ)は自分の正体を明かさず、腕を見せてアレルギー仮応がないことを証明してみせた。斉韵(せいいん)は信じず、深い悲しみに暮れた。彼女は幼い頃の兄はもうこの世にいないと確信していたからだ。
部屋に戻ると、宗越(そうえつ)はすぐに気を巡らせ、七錦葉によるアレルギー症状を抑えた。彼は斉韵(せいいん)の言う兄だったが、彼女と認め合うつもりはなかった。雲痕(うんこん)(うんこん)が追いかけてきて、斉韵(せいいん)を傷つけないでほしいと跪いて懇願した。彼は宗越(そうえつ)こそが斉韵(せいいん)の心にいる人だと知っていたからだ。宗越(そうえつ)は雲痕(うんこん)(うんこん)が家を裏切り、仇の娘を愛したことを責め、家族が皆殺しにされた夜を思い出した。彼は復讐のために長年耐えてきたと言い、たとえ雲痕(うんこん)(うんこん)が実の弟であっても、自分の計画の邪魔をするならば、ためらいなく殺すと歯ぎしりした。
扶揺(フーヤオ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に会いに来て、毎晩唐芷蓉(とうしよう)を寵愛しているわけではないのなら、なぜ自分に会う時間があるのかとからかった。長孫無極(ちょうそんむきょく)は玄霊真葉を取り出し、軒轅曉(けんえんきょう)の天権国での出来事を調べてほしいと扶揺(フーヤオ)に頼んだが、扶揺(フーヤオ)は断った。彼女は自分を真心で接してくれる軒轅曉(けんえんきょう)を騙したくなかったのだ。
唐伯年(とうはくねん)は、斉震(せいしん)から五万の精兵を率いて都に入るよう命じられたという知らせを受け、大変驚いた。彼が迷っているところに、雲痕(うんこん)(うんこん)が現れた。彼は宗越(そうえつ)の命を受け、伝言を伝えに来たのだった。
第27話あらすじとネタバレ
唐伯年(とうはくねん)は内堂で雲痕(うんこん)(うんこん)を迎え、斉震(せいしん)の密書に記された兵を率いて昆京へ進軍する件の真偽を問いただした。雲痕(うんこん)(うんこん)は肯定し、長年計画してきた大業が実行に移されると告げた。唐伯年(とうはくねん)の表情は厳粛になり、謀仮かと探りを入れると、雲痕(うんこん)(うんこん)は五万の精鋭を率いて昆京へ秘密裏に進軍し、斉震(せいしん)の軍と三方から包囲するよう指示した。
しかし、行軍中、唐伯年(とうはくねん)は娘の唐芷蓉(とうしよう)への手紙の返事が来ないことを不審に思い、進軍を一時停止し、軍を整えて連絡を待つことにした。
寝宮では、唐芷蓉(とうしよう)が父の書状を受け取り、すぐに長孫無極(ちょうそんむきょく)に報告した。謀仮に加担すれば一族が滅亡すると悟り、長孫無極(ちょうそんむきょく)に対処法を尋ねた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は冷酷にも、唐伯年(とうはくねん)の兵を自分の配下に入れれば罪を問わず、褒美を与えると告げた。唐芷蓉(とうしよう)は涙ながらに斉震(せいしん)の指示に従い、父の入城を約束した。長孫無極(ちょうそんむきょく)は唐芷蓉(とうしよう)を抱き起こし、彼女の安全を保証した。
唐芷蓉(とうしよう)の返書が届くと、長孫無極(ちょうそんむきょく)は彼女を永嘉殿夫人に封じ、さらに昭元王后の称号を与えた。金銀財宝に囲まれた唐芷蓉(とうしよう)は冷笑し、父に恨み言を言うのではなく、仕えた主君を間違えたのだと、自分はただ体面を保って生き延びたいだけだと呟いた。
娘からの手紙を受け取った唐伯年(とうはくねん)は、昆京への進軍を急いだ。しかし、郊外で待ち伏せに遭い、刺客に射られた唐伯年(とうはくねん)は落馬した。
夜、長孫無極(ちょうそんむきょく)が一人で灯火の下で囲碁を打っているのを見た江楓(こうふう)は、扶揺(フーヤオ)との仲は修復したのかと尋ねた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は江楓(こうふう)のお節介をたしなめ、扶揺(フーヤオ)に甘すぎたと語った。
翌日、雲痕(うんこん)(うんこん)は斉震(せいしん)に唐伯年の独断での進軍を伝え、長孫無極(ちょうそんむきょく)と共謀して謀仮を起こしたと思わせた。斉震(せいしん)は雲痕(うんこん)(うんこん)への依存を強め、行動を起こさざるを得ないと考えた。
羽樹の図騰が記された密書を受け取った斉震(せいしん)は、指定の場所へ向かった。一方、江楓(こうふう)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に唐伯年の軍隊の消失を報告し、同席していた唐芷蓉はそれが長孫無極(ちょうそんむきょく)の仕業だと悟った。
捕らえられた唐伯年の元へ、宗越(そうえつ)と雲痕(うんこん)(うんこん)が文懿世子(ぶんいせいし)の末裔として面会に訪れた。罠にはめられたと知った唐伯年は高笑いし、因果応報だと呟いた。宗越(そうえつ)の追及により、唐伯年は斉震(せいしん)と軒辕韧(けんえんじん)が共謀して文懿世子(ぶんいせいし)を謀仮の罪で陥れた事実を明かした。宗越(そうえつ)は斉震(せいしん)が龍鱗甲を奪ったのは斉韵(せいいん)を救うためだと知り、唐伯年は過去の罪を償うべきだと悟った。
庭園で、長孫無極(ちょうそんむきょく)は江楓(こうふう)に今後の情勢への不安を語り、王位を失う可能性を示唆した。章鶴年(しょうかくねん)は定遠侯府の残存兵力の指揮を命じられ、曹公公が外套を取りに行った際、長孫無極(ちょうそんむきょく)は章鶴年(しょうかくねん)に太淵で動乱が起きると告げた。
斉震(せいしん)は天権国の第一皇子、長孫平成と密会し、自分が太淵の王位に就いたら、長孫平成の天権国皇太子位を支援する約束を取り付けた。この会話を盗み聞きした斉韵(せいいん)は、父の背信行為に衝撃を受けた。
長孫無極は章鶴年(しょうかくねん)に、斉震(せいしん)が天権皇城の人物と通じていることを明かし、先手を打つ必要があると強調した。
第28話あらすじとネタバレ
河辺で、斉震(せいしん)は長孫平成に軒轅旻(けんえんびん)の婚礼の日に挙兵する計画を明かした。その時、彼らは衛戍営と天煞、天権両国の軍隊と連携して王宮を攻撃し、軒轅旻(けんえんびん)の退位を迫るという。しかし、この会話は近くに隠れていた斉韵(せいいん)に偶然聞かれてしまい、彼女は父が謀反を企てているとは信じられなかった。彼女が立ち去ろうとしたその時、何者かに背後から殴られ気を失ってしまった。
浴室で、宮女たちは唐芷蓉(とうしよう)の沐浴を手伝い、大王の寵愛を受けている彼女の美貌を褒め称えていた。しかし、もうすぐ王妃に冊封される唐芷蓉(とうしよう)は喜んではいなかった。彼女は父を裏切ったことに心を痛めながらも、これが唐家に栄光をもたらす唯一の道だと考えていた。その時、突然何者かが現れ、彼女の胸に刀を突き刺した。唐芷蓉(とうしよう)は即死した。
江楓(こうふう)は長孫無極(ちょうそんむきょく)が唐芷蓉(とうしよう)を王妃に選んだことに疑問を呈したが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は「彼女が我々の役に立つなら、欲しいもの全てを与えてやる」と軽く言い放った。一方、密室で目を覚ました扶揺(フーヤオ)は、自分が王妃の礼服が置かれた部屋にいることに気づき、状況を把握できずにいた。これまでの出来事を思い出し、彼女は薬で眠らされここに連れてこられたことに気づいた。斉震(せいしん)が部屋に入り、扶揺(フーヤオ)に太淵の王妃になることを望み、婚礼の日に長孫無極(ちょうそんむきょく)を暗殺するという秘密任務を与えた。彼女は皆の中で最も疑われにくい人物だからだ、と。
唐芷蓉(とうしよう)の死を知った長孫無極(ちょうそんむきょく)は、斉震(せいしん)が行動を開始したことに気づいた。彼は江楓(こうふう)と共に宮中の人員を確認し、扶揺(フーヤオ)の姿が見えないことから、彼女が斉震(せいしん)に捕らえられたと推測した。この事態に対処するため、長孫無極(ちょうそんむきょく)は王妃の選定を一時保留し、表向きは国公府の義理の娘である宇文紫(うぶんし)を王妃に迎えることを拒否し、同時に斉震(せいしん)を捕らえる計略を立てた。
捕らえられた扶揺(フーヤオ)は元宝(げんぽう)に助けを求めて叫んだ。彼女の声は王宮に届き、元宝(げんぽう)はすぐに長孫無極(ちょうそんむきょく)に知らせた。その時、斉震(せいしん)は国公府で緊急の避難準備を進めており、明日の行動が露見して更なる犠牲者が出ることを避けるため、熬雲痕(うんこん)(うんこん)に斉韵(せいいん)をすぐに逃がすよう命じた。雲痕(うんこん)(うんこん)の心配をよそに、斉震(せいしん)は異様なほど固い意志を示し、彼を殴りつけた。
婚礼の日が来た。長孫無極(ちょうそんむきょく)は婚礼衣装を着て宇文紫(うぶんし)を迎えに行く準備をし、扶揺(フーヤオ)も侍女の手で王妃の礼服に着替えた。城外では、高嵩(こうそう)の軍隊が斉震(せいしん)の指令を待って王宮への攻撃準備を整えていた。婚礼の進行中、元宝(げんぽう)はこっそり扶揺(フーヤオ)に長孫無極(ちょうそんむきょく)からの手紙を渡し、特定の合図を聞いたらすぐに立ち去るように指示した。しかし、扶揺は複雑な儀式に従うことを望まず、宮殿前に直接向かい必要な儀式を済ませようとした。
吉時ではないにもかかわらず、長孫無極(ちょうそんむきょく)は大臣たちを招集し、婚礼の開始を宣言した。斉震(せいしん)はそれを阻止しようとしたが、扶揺は約束通り大殿に入った。大臣たちは困惑し、斉震(せいしん)も不意を突かれた。時間を稼ぐため、斉震(せいしん)は長孫無極(ちょうそんむきょく)の血筋を疑い、彼が軒轅王族の真の血筋ではないと指摘した。
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