血の繋がらない3人の子供たちが織りなす、心温まる家族の物語――『家族の名において』。それぞれが複雑な家庭環境を抱えながらも、共に支え合い、傷を癒し、成長していく姿を描きます。
主人公の李尖尖(リー・ジェンジェン)は、天真爛漫で明るい女の子。兄代わりとなる凌霄(ソン・ウェイロン)と賀子秋(チャン・シンチョン)と共に、賑やかで愛情溢れる日々を過ごします。凌霄(ソン・ウェイロン)は家庭の事情で李尖尖(リー・ジェンジェン)の家に身を寄せ、物静かながらも、尖尖には特別な想いを抱いています。賀子秋(チャン・シンチョン)は母親に捨てられ、李尖尖(リー・ジェンジェン)の父親・李海潮(ドゥー・ソンイエン)に引き取られ、新たな家族に溶け込んでいきます。優しく、面倒見の良い性格です。
3人は、それぞれの過去の傷を抱えながら、本当の家族のような絆で結ばれていきます。しかし、血の繋がった家族との関係、そして過去の出来事の影は、彼らの心に暗い影を落とし続けます。得難い幸せを守るため、互いの心を守るため、彼らは親の干渉や葛藤といった試練に立ち向かわなければなりません。そして、過去と向き合い、愛と勇気によって心の傷を癒していくのです。
物語は、温かく、そして希望に満ちた結末を迎えます。紆余曲折を経て、李尖尖(リー・ジェンジェン)と凌霄(ソン・ウェイロン)はついに結ばれ、幸せを掴みます。賀子秋(チャン・シンチョン)は母親・賀梅(ホー・メイ)との誤解を解き、母との絆を取り戻すと共に、正式に李家の戸籍に入り、名実ともに家族の一員となります。凌霄(ソン・ウェイロン)の母親・陳婷(チェン・ティン)もまた、様々な出来事を経て心境の変化を遂げ、凌霄(ソン・ウェイロン)と李尖尖(リー・ジェンジェン)の幸せを認め、娘の小橙子を連れてシンガポールへ帰国します。
本作は、血縁を超えた家族の温かさ、そして支え合うことの大切さを描いた感動作です。様々な困難に直面しながらも、互いを理解し、支え合うことで、それぞれが本当の幸せを見つける物語となっています。血が繋がっていなくても、家族の愛と絆は何よりも強い――そんなメッセージが込められています。
第1話あらすじとネタバレ
1999年の夏、幼い李尖尖(リー・ジェンジェン)は自宅アパートの下で絵を描いていました。その時、凌霄(ソン・ウェイロン)一家がトラックで李尖尖(リー・ジェンジェン)と同じアパートに引っ越してきました。トラックがゆっくりとアパートに入ってきた時、椅子が荷台から落ちて、李尖尖(リー・ジェンジェン)のすぐ近くに転がりました。麺屋を営む李海潮(ドゥー・ソンイエン)は物音に気づき、娘の様子を見に降りてきました。凌霄(ソン・ウェイロン)の父親、凌和平(チャン・シーリン)もトラックから降りてきて、李海潮(ドゥー・ソンイエン)に謝罪しました。しかし、李尖尖(リー・ジェンジェン)が凌霄(ソン・ウェイロン)に笑顔を見せたにもかかわらず、凌霄(ソン・ウェイロン)は真顔で反応しませんでした。
引っ越し後、凌霄(ソン・ウェイロン)は家にある4人家族の写真をこっそり見ていました。ある時、母親の陳婷(チェン・ティン)がその写真を見つけ、激怒して写真を切り刻み、アパートの外のゴミ箱に捨ててしまいました。李尖尖(リー・ジェンジェン)はアイスクリームを凌霄(ソン・ウェイロン)にあげようと持っていましたが、ゴミを捨てに行く陳婷(チェン・ティン)にアパートの下で出会いました。李尖尖(リー・ジェンジェン)はアイスクリームを凌霄に渡そうとしましたが、陳婷(チェン・ティン)は受け取らず、息子はアイスクリームが好きではないと言い訳をして、李尖尖を置いて去って行きました。好奇心旺盛な李尖尖はゴミ箱の中を探り、陳婷(チェン・ティン)が捨てた写真の破片とおもちゃの箱を見つけ、家に持ち帰りました。
写真の破片を見て、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は凌和平(チャン・シーリン)の幼い娘が亡くなったのではないかと推測しました。亡くなった母親について尋ねる娘に対し、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は李尖尖に、母親は仙山に行ってもう帰ってこないのだと伝えました。実際には、李海潮(ドゥー・ソンイエン)の妻は1年前に出産で亡くなっていました。仲人のおばさん、銭さんの紹介で、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は子供を連れた賀梅(ホー・メイ)とお見合いをしました。しかし、李尖尖は継母ができることを受け入れず、賀梅(ホー・メイ)の息子の子秋に敵意をむき出しにしました。ある時、李尖尖は水鉄砲を買う時に子秋に会い、水鉄砲で子秋に水をかけました。「妖怪」と見合いをした父親に、李尖尖は帰宅途中に不満をぶつけました。
近所の人たちは凌和平(チャン・シーリン)の家からよく喧嘩声が聞こえてくると言い、銭さんはこのことに気づきました。陳婷(チェン・ティン)の家を訪ねた時、凌和平(チャン・シーリン)は家庭の事情を話したことを否定しました。お酒に酔った陳婷(チェン・ティン)は、夫に家にいるように要求し、同僚の代わりに仕事に行くことを許しませんでした。同僚の娘が病気だったからです。陳婷は亡くなった娘のことを悲しみながら語り、凌和平(チャン・シーリン)が娘の世話をちゃんとしなかったと責めました。
新しい家に引っ越してきた凌霄は、近所の子どもたちの輪になかなか馴染めませんでした。小学2年生の鵬鵬は凌霄のことを「おし」とからかいました。それを見た李尖尖は鵬鵬を叱りつけました。その後、鵬鵬の母親は凌家に抗議に来ました。その時、ちょうど賀梅(ホー・メイ)も訪ねてきており、凌和平(チャン・シーリン)はこの機会に鵬鵬に仲間をいじめるのではなく守るように諭しました。両親の度重なる喧嘩のせいで、凌霄は口数が少なくなりました。しかし、李尖尖の優しさのおかげで凌霄は警戒心を解き、李尖尖の家で遊ぶようになりました。二人は李尖尖の部屋でそれぞれの家族について話しました。李尖尖は自分の母親と凌霄の妹は仙人になったと信じていましたが、より大人びた凌霄は、二人は仙人になったのではなく、亡くなったのだと伝えました。
第2話あらすじとネタバレ
陳婷(チェン・ティン)は娘の死を未だに受け入れられず、情緒不安定な状態だった。そんな中、息子凌霄(ソン・ウェイロン)が最後に撮った家族写真をこっそり持っていたことが発覚し、陳婷(チェン・ティン)は激昂して写真を奪い返そうとする。凌和平(チャン・シーリン)は息子を守ろうとするが、逆上した陳婷(チェン・ティン)は、妹の死は凌霄(ソン・ウェイロン)のせいだと責め立てる。堪忍袋の緒が切れた凌和平(チャン・シーリン)は、陳婷(チェン・ティン)を平手打ちしてしまう。この一件で陳婷(チェン・ティン)は家を出て行ってしまう。
李海潮(ドゥー・ソンイエン)と銭阿姨たちが麻雀をしている時に、凌和平(チャン・シーリン)の家庭の悲劇が話題に上がる。実は、陳婷(チェン・ティン)の不注意で幼い娘を家に残したまま外出しており、その間に不幸な事故が起きたのだった。真実を知った李海潮(ドゥー・ソンイエン)の表情は曇る。
それから7年後、李尖尖(リー・ジェンジェン)は少女に、賀子秋(チャン・シンチョン)は少年に成長していた。賀梅(ホー・メイ)は病気の母親の看病のため、李海潮(ドゥー・ソンイエン)に金を借りて実家に戻ったきり、戻ってこなかった。賀子秋(チャン・シンチョン)を放っておけず、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は実の息子同然に彼を育てる決意をする。
ある朝、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は朝食を作り、賀子秋(チャン・シンチョン)に凌霄(ソン・ウェイロン)を起こすように頼む。しかし、賀子秋(チャン・シンチョン)がトイレに行くと、李尖尖(リー・ジェンジェン)が浴室を占領していて出てこない。仕方なく、賀子秋(チャン・シンチョン)は棒で天井を叩いて2階の凌霄(ソン・ウェイロン)に知らせる。朝食の時、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は高校生になった娘に、中学生の頃のようなおてんばはやめるように注意する。しかし、李尖尖(リー・ジェンジェン)は気にせず、「男勝り」なまま学校へ行く。
その後、凌和平(チャン・シーリン)は子供たちの高校進学祝いに李海潮(ドゥー・ソンイエン)の家を訪れる。皆で話している最中、李尖尖(リー・ジェンジェン)は突然立ち上がり、初潮が来たことを宣言する。大人たちは気まずい雰囲気になるが、李尖尖(リー・ジェンジェン)にとっては嬉しい出来事で、凌霄(ソン・ウェイロン)からもらった白いレースの服を見せびらかす。凌和平(チャン・シーリン)と二人の男の子たちは慌ててその場を立ち去り、李海潮(ドゥー・ソンイエン)と娘だけが残される。
思春期の娘への配慮が足りなかったことに気づいた李海潮(ドゥー・ソンイエン)は、銭阿姨に相談する。銭阿姨は、李海潮(ドゥー・ソンイエン)が娘の年齢に合った下著などを買ってあげるなど、特別な配慮をしていないことを指摘する。李海潮(ドゥー・ソンイエン)は自分の不注意を仮省する。
学校へ行く途中、賀子秋(チャン・シンチョン)は二人の男に恐喝されている女子生徒を見かける。正義感から、賀子秋(チャン・シンチョン)は二人相手に彼女を助けようとする。揉み合いになっているところに、李尖尖(リー・ジェンジェン)が駆けつけ、賀子秋(チャン・シンチョン)に加勢しようとする。
第3話あらすじとネタバレ
李尖尖(リー・ジェンジェン)と銭阿姨の交流
李海潮(ドゥー・ソンイエン)は娘・李尖尖(リー・ジェンジェン)の躾の悪さに悩み、李尖尖(リー・ジェンジェン)の成長を見守ってきた銭阿姨に相談する。小さい頃から凌霄(ソン・ウェイロン)と賀子秋(チャン・シンチョン)と兄弟のように育った李尖尖(リー・ジェンジェン)は、女の子なのに男の子のようなやんちゃな性格。銭阿姨は冗談交じりに、李尖尖(リー・ジェンジェン)に棒を与えたら、きっと天地をひっくり返すだろうと言った。
斉明月(チー・ミンユエ)と詐欺師の遭遇
賀子秋(チャン・シンチョン)は、斉明月(チー・ミンユエ)が二人の詐欺師に絡まれているのを見て、助けに入る。30分も粘る賀子秋(チャン・シンチョン)に対し、詐欺師たちは徐々に弱腰になり、若い方の詐欺師は斉明月(チー・ミンユエ)に対し、1000元の賠償ではなく、所持金だけ払えば良いと提案する。斉明月(チー・ミンユエ)は早く解放されたい一心で支払おうとするが、賀子秋(チャン・シンチョン)はそれを阻止し、揉み合いになってしまう。
三人で詐欺師に立ち向かう
学校の放送で李尖尖(リー・ジェンジェン)の助けを求める声を聞いた凌霄(ソン・ウェイロン)は、授業中にも関わらず現場へ駆けつける。到著すると、李尖尖が賀子秋(チャン・シンチョン)と共に詐欺師と対峙していた。三人がかりで詐欺師を追い払うが、怖いもの知らずの李尖尖は追いかけようとする。賀子秋(チャン・シンチョン)がそれを止め、凌霄(ソン・ウェイロン)は相手が凶器を持っていたら危険だったと注意する。
学校での出来事のその後
学校に戻った三人は先生に叱られる。感謝の気持ちを表すため、学級委員の斉明月(チー・ミンユエ)は三人を高価なアイスクリームに招待する。李尖尖、賀子秋(チャン・シンチョン)、凌霄(ソン・ウェイロン)が仲良くアイスクリームを食べる様子を見て、斉明月(チー・ミンユエ)は驚きつつも何も言わなかった。
保護者会でのやりとり
保護者会で、李尖尖は斉明月に父親の李海潮(ドゥー・ソンイエン)を紹介する。しかし、斉明月の母親は李家親子に冷たく、クラス1位の王雅婕とその母親に挨拶する。先生が王雅婕を褒め、母親に子育ての秘訣を尋ねると、斉明月の母親も娘の優秀さをアピールし始め、娘がいつも2位であることに不満を隠せない様子だった。
凌霄(ソン・ウェイロン)の家庭の秘密
夕食時、凌霄(ソン・ウェイロン)の祖母から突然電話がかかってきて、凌霄の母親・陳婷(チェン・ティン)が連絡を取りたがっていることを伝える。凌和平(チャン・シーリン)が電話を受け、対応した後、李海潮(ドゥー・ソンイエン)にマッサージをしてあげる。二家族は非常に親密で、李海潮(ドゥー・ソンイエン)は凌霄のことを心配するが、凌和平(チャン・シーリン)は仕方がないと諦めている様子だった。
斉明月の学習プレッシャー
斉明月の母親は娘の成績を上げるため、数学の塾に申し込む。車から降りた斉明月は塾に行きたくないと愚痴るが、母親は「出来の悪い」李尖尖との付き合いを減らすように言う。斉明月は李尖尖を恩人だと言い、仮論する。最終的に母親は、次のテストで1位になったら李尖尖と付き合って良いと条件を出す。
凌霄と母親の再会
バスケットボールの試合後、凌霄は廊下で久しぶりに母親の陳婷(チェン・ティン)と再会する。二人はレストランで話すものの、凌霄は冷淡な態度で、もう生活に幹渉しないでほしいと言う。外で待っていた李尖尖と賀子秋(チャン・シンチョン)。凌霄はすぐに話を切り上げ、李尖尖を連れてその場を去る。
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