第33話あらすじとネタバレ
長孫無極(ちょうそんむきょく)は非煙(ひえん)の助力にいつも対価が伴うことを知っており、宗越(そうえつ)が彼女に何を約束したのか探りを入れた。宗越(そうえつ)は包み隠さず、自分の四十年分の寿命と引き換えに、長孫無極(ちょうそんむきょく)が今後一切の恩義を感じないようにしたと明かした。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、宗越(そうえつ)がこれまで復讐のみを生きがいにしてきたことを理解しており、今や復讐を果たした宗越(そうえつ)には、この世に未練はないのだと悟った。
寝宮で、扶揺(フーヤオ)は真夜中に何者かがこっそりと部屋を出ていく気配に気づき、こっそりと後をつけた。すると、皇后が宮女の姿に扮して宮殿を出ていくのを目撃する。実は皇后は森の中で徳王と密会しており、二人の間には秘めた恋心が存在していた。皇后は徳王に、長孫無極(ちょうそんむきょく)が帝位に就いたら、二人は結ばれることができるのかと問いかける。しかし、徳王は、長孫無極(ちょうそんむきょく)が帝位に就くからこそ、二人の関係は明るみに出すことが難しいと嘆く。不運にも、扶揺(フーヤオ)が振り返った際に小さな物音を立ててしまい、急いで寝宮に戻ったものの、落とした簪を徳王に拾われてしまう。
洞窟の中で、宗越(そうえつ)と長孫無極(ちょうそんむきょく)は政略結婚について話し合い、長孫無極(ちょうそんむきょく)が仏蓮(ぶつれん)公主と結婚する場合、扶揺(フーヤオ)はどうなるのかという話題になった。長孫無極(ちょうそんむきょく)は宗越(そうえつ)に扶揺(フーヤオ)とのことは心配無用だと伝え、自分には考えがあることを示唆した。宗越(そうえつ)は真実が明らかになった時、扶揺(フーヤオ)がどのように受け止めるのかを心配し、長孫無極(ちょうそんむきょく)に納採の儀が明日行われることを思い出させた。夜が明け、江楓(こうふう)が長孫無極(ちょうそんむきょく)を迎えに皇宮へ戻り、別れ際、宗越(そうえつ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)が仏蓮(ぶつれん)が扶揺(フーヤオ)であると気づいた時、きっと大騒ぎになると笑って言った。
五洲各国の使臣が一堂に会し、それぞれの封国の地図を献上した。徳王は、仏蓮(ぶつれん)公主が璇璣(せんきこうごう)熔岩を持参すれば、全ての真相が明らかになると宣言した。扶揺は巧霊(こうれい)の助けを借りて璇璣(せんきこうごう)王女の衣装に著替え、大殿に入るとすぐに簡雪(かんせつ)に見破られ、驚かれた。長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は各国使臣を扶揺に紹介し、徳王は彼女に璇璣(せんきこうごう)熔岩を渡すよう促した。扶揺は、熔岩を献上することと、戦北野(せんほくや)の冤罪を晴らすことの二つが目的だと表明した。天煞国の使臣の質問に対し、扶揺は戦南城(せんなんじょう)と斉震(せいしん)が共謀して軒轅王を陥れた事実を暴露した。徳王は戦北野(せんほくや)の件は後日処理することを提案したが、扶揺はすぐに戦北野(せんほくや)の名誉を回復することを要求した。皇后が介入し、扶揺に発言を控えるように求め、君父が到著するまで待つように提案した。仕方なく、扶揺は璇璣(せんきこうごう)熔岩を取り出したが、それは期待通りに五洲の力を集結させることができなかった。扶揺が途方に迷っていると、本物の仏蓮(ぶつれん)と巧霊(こうれい)が現れ、彼女が偽物だと非難した。仏蓮(ぶつれん)の否定に対し、扶揺は懸命に説明したが、結局言い逃れできず、その時、君父が彼女を内殿に呼び出した。
内殿で、扶揺は長孫無極(ちょうそんむきょく)が自分が知っているあの太子であることを知った。君父は大殿の様子を映し出し、そこには長孫無極と仏蓮(ぶつれん)が納採の儀を行っている様子が映っていた。君父は扶揺に、彼女は他の女とは違うかもしれないが、長孫無極は幼い頃から女遊びが盛んだとそれとなく伝えた。長孫無極と仏蓮が手を取り合う様子を見ながら、扶揺は涙を流し、二人はお価合いで、自分はただの遊び相手だったのだと考えた。君父は、扶揺の間違いは自分の立場を過大評価した点だと指摘し、皆が最終的な結果を待っていると告げた。
大殿では、君父が皇后に仙薬を届けるよう使者に命じた。
第34話あらすじとネタバレ
皇后が仙薬を飲んだ後、君父はすぐさま扶揺(フーヤオ)に立ち去るよう命じ、これ以後、彼女の運命は長孫無極(ちょうそんむきょく)とは一切関係なくなるようにした。大殿では、仏蓮(ぶつれん)が長孫無極(ちょうそんむきょく)にまとわりつき、天権国への遊覧に同行するよう求めた。しかし、長孫無極(ちょうそんむきょく)は彼女を突き放し、自重するよう警告したため、仏蓮(ぶつれん)は怒りで顔が歪んだ。
扶揺(フーヤオ)が宮廷を去ろうとしたところ、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)率いる兵士たちに包囲された。簡雪(かんせつ)は急いで長孫無極(ちょうそんむきょく)にこの事態を知らせ、仏蓮(ぶつれん)を装っていたのは実は扶揺(フーヤオ)だと明かした。この知らせに、長孫無極(ちょうそんむきょく)は深く憂慮し、すぐさま内殿に戻り君父に助命を嘆願した。君父は扶揺(フーヤオ)の出発は既に許可したが、生き残れるかどうかは彼女の運命次第だと答えた。庭で、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は無防備な扶揺(フーヤオ)に毒虫を放ち、彼女は咬まれて気を失った。実は、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は仏蓮(ぶつれん)と密約を交わしており、扶揺(フーヤオ)を連れ去ったのは紫蘇腰牌を取り戻して仏蓮(ぶつれん)に渡すためだった。仏蓮(ぶつれん)は、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が天権の太子になれば、彼に嫁ぐと約束していた。長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は、長孫無極(ちょうそんむきょく)は仏蓮と結婚する気がないと指摘したが、仏蓮は未来の天権太子にしか嫁がないと断言した。
上陽宮の外で、長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺の消息を焦燥しながら待っていた。江楓(こうふう)が戻り、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が扶揺を連れ去ったと報告すると、長孫無極(ちょうそんむきょく)は激怒し、大皇子府へ人質を取り返しに向かおうとした。
翊王府では、長孫平戎は長孫無極(ちょうそんむきょく)が城中で扶揺を探していることを知り、冷笑しながら暗室に入り、彼女に暴行を加えようとした。彼が扶揺に迫ろうとしたその時、彼女は内力で体内の鎖魂針を押し出し、長孫平戎と激しい格闘を始めた。多くの傷を負いながらも、扶揺は隙を見て割れた陶器の破片で長孫平戎の下半身を傷つけた。ちょうどその時、長孫無極(ちょうそんむきょく)が突入し、著衣を乱された扶揺の姿を見て激怒した。彼は自分の服を扶揺にかけ、宝剣を手に長孫平戎に歩み寄った。江楓(こうふう)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に長孫平戎を殺さないよう懇願し、同時に徐来が君父の勅命を伝え、長孫平戎を皇宮に連行した。
長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺を宗越(そうえつ)のもとへ治療に送り、長孫平戎は君父の前に引き出された。君父は長孫平戎の行いに激怒したが、長孫無極が宮中に入った隙に扶揺を処刑するよう命じた。長孫無極は入宮前に、扶揺の体内の封印の毒が日に日に悪化しており、すぐに解毒しなければ命に関わることを知っていた。
大殿で、長孫無極は跪いて君父に扶揺の命乞いをしたが、君父は長孫無極の情を断ち切るために彼女を排除すると言い張った。君父は長孫無極に、去れば後悔するぞと脅したが、長孫無極は剣を手に上陽宮へ戻る道を切り開き、扶揺を抱えて逃亡した。小七(しょうしち)と江楓(こうふう)も彼らを守りながら共に逃れた。
河辺で、長孫無極は江楓(こうふう)に天権国の監視を任せ、自分は扶揺を安全な場所へ護送しなければならないと告げた。宗越(そうえつ)から今後の行き先を尋ねられると、長孫無極は扶揺の解毒に向かうと力強く答えた。
第35話あらすじとネタバレ
灼熱の砂漠の中、長孫無極(ちょうそんむきょく)は衰弱した扶揺(フーヤオ)を抱え、宗越(そうえつ)と小七(しょうしち)と共に苦難の旅を続けていた。夕日が沈みかける頃、一行はやっと姚城に近づいた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は休息を命じ、宗越(そうえつ)は崖へ向かい、この時に最も効果を発揮する飲枯草を探しに行った。小七(しょうしち)はテントに水を運び、長孫無極(ちょうそんむきょく)が意識を失っている扶揺(フーヤオ)に飲ませられるようにした。扶揺(フーヤオ)の生気のない様子を見て、長孫無極(ちょうそんむきょく)は自責の念に駆られた。自分の傲慢さと隠蔽がこの事態を招いたのだと悟り、過ちを認め、扶揺(フーヤオ)が目覚めるよう祈り、どんな結果も受け入れる覚悟を決めた。
夜になり、姚城の外で野営する一行。長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺(フーヤオ)をテントで休ませた。その時、宗越(そうえつ)は小七(しょうしち)から血を採ろうとしたが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は躊躇なく自分の腕を差し出した。宗越(そうえつ)は彼の腕を切り、血で飲枯草を浸し、扶揺(フーヤオ)に与えるよう長孫無極(ちょうそんむきょく)に渡した。
翌朝、宗越(そうえつ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)が天権国のことで心を痛めていることを見抜き、扶揺のことは自分が責任を持って看ると約束した。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、自分が天権国に戻らなければ、仲間が危険に晒されるだけでなく、扶揺が佛蓮になった真相も解明できないことを理解していた。
数日後、姚城に落ち着いた一行は、黒戎寨の略奪から逃れるため、住民たちが次々と家を失っていることを知った。一方、天権国に戻った長孫無極(ちょうそんむきょく)は、君父の怒りに直面した。君父は私情を捨てるよう諭したが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は扶揺への想いを抑えきれず、彼女を許すよう懇願した。太子としての地位を代償に差し出しても、扶揺のために嘆願し続けた。
扶揺を守るため、長孫無極(ちょうそんむきょく)は江楓(こうふう)に彼女を上陽宮へ連れ戻すよう指示し、避毒珠の物語を語り、彼女に過ちを悟らせようとした。しかし、扶揺は自分が物語の女性だと認めなかったため、暗い密室に閉じ込められた。
宗越(そうえつ)からの手紙で、飲枯草は扶揺の体内の封印の毒を一時的に抑えているが、完全に解毒するには星輝聖手の秘薬が必要であり、その薬は翊王が持っていると知らされた。長孫無極はすぐに行動を起こし、翊王と黒戎寨の繋がりを暴き、君父に処置を迫った。
砂漠で徐々に意識を取り戻した扶揺は、長孫無極の姿を見たと思ったが、すぐにそれが幻覚だと気づいた。小七(しょうしち)から黒戎寨の悪行を聞くと、扶揺は小七(しょうしち)と共に負傷した住民たちを助けることにした。県丞の蘇大人と盗賊の癒着を目の当たりにした扶揺は、果敢に立ち向かい、最終的に宗越(そうえつ)の助けを借りて姚城の管理権を得て、住民たちを守ると約束した。
一方、上陽宮では、佛蓮は水も食料も与えられない状況でも、婚約を諦めようとしなかった。長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が彼女の前に現れると、佛蓮は恐怖で後ずさりした。
第36話あらすじとネタバレ
仏蓮(ぶつれん)は長孫無極(ちょうそんむきょく)との婚約破棄を拒んだ。しかし、長孫無極(ちょうそんむきょく)は長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)を呼び、仏蓮(ぶつれん)が扶揺(フーヤオ)に仕組んだ悪事を全て暴露させた。仏蓮(ぶつれん)は扶揺(フーヤオ)と長孫無極(ちょうそんむきょく)の関係に気づいており、城外で偽りの偶然を装い、扶揺(フーヤオ)の名誉を傷つけようと企てたのだ。さらに、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が扶揺(フーヤオ)に取った不埒な行動も仏蓮(ぶつれん)の指示だった。長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)の告発に対し、仏蓮(ぶつれん)は泣きながら濡れ衣だと訴えたが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は無表情で、認めなくても構わない、五州全てに彼女の偽りの仮面を剝がすと告げた。冷酷に去っていく長孫無極(ちょうそんむきょく)の後ろ姿に、仏蓮(ぶつれん)は泣き崩れ、説明の機会を乞うた。
庭で、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は仏蓮(ぶつれん)を告発した功績で南戎の件を不問にしてほしいと懇願したが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は情毒の解毒薬の処方を要求した。長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は苦笑いしながら、解毒できるのは師である星輝聖手だけだが、師は行方知れずだと答えた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は嘘だと見抜き、南戎事件の真相を必ず究明すると断言した。
黒戎寨では、姚城に朝廷特使が来たと知った匪賊の頭領は、特使の実力を測るため、村を襲撃するよう部下に命じた。姚城では、長孫無極(ちょうそんむきょく)から贈られた装飾品が扶揺(フーヤオ)の元へ届けられた。小七(しょうしち)が促しても、扶揺(フーヤオ)は無表情を崩さない。宗越(そうえつ)が薬を届けに来た際、扶揺(フーヤオ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)のことを尋ねた。とぼける扶揺(フーヤオ)に宗越(そうえつ)は呆れ、小七(しょうしち)は装飾品の処分に困り始める。結局、扶揺(フーヤオ)は小七(しょうしち)に装飾品を貧しい民に配らせ、県衙の前で善行を施すことにした。
兵士の鉄成(てっせい)は装飾品を配る際、美しい紫鳳凰の金釵を見つけ、扶揺(フーヤオ)に渡した。宗越(そうえつ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に手紙を送り、早く戻らなければ扶揺(フーヤオ)は本当に忘れてしまうと警告した。
長孫無極(ちょうそんむきょく)は仏蓮(ぶつれん)に秘密裏に消すと脅し、命惜しさに彼女は婚約破棄に応じた。翌日、仏蓮(ぶつれん)は蒼生祈福を理由に婚約破棄を上奏し、長孫無極(ちょうそんむきょく)は姚城へ急行した。
扶揺(フーヤオ)は黒戎寨の頭領、赤鬼(せきき)からの招待状を受け取り、鴻門宴と知りつつも赴くことにした。宗越(そうえつ)と鉄成(てっせい)は彼女の安全を心配し、同行した。黒戎寨の門で待ち伏せに遭い、赤鬼(せきき)が城楼から飛び降りて扶揺と交戦したが、彼女が姚城の特使だと分かると戦いを止めた。赤鬼(せきき)は扶揺一行をもてなし、金の入った箱を贈ったが、扶揺は略奪品を受け取らなかった。赤鬼(せきき)は敬酒不喫喫罰酒だと警告し、黒戎寨には朝廷の後ろ盾がいることを仄めかした。状況を理解した扶揺は態度を和らげ、交渉に応じるふりをした。その隙に宗越(そうえつ)は山寨の武器庫に忍び込み、翊王府の印を見つけ、赤鬼(せきき)と翊王の繋がりを確信した。
宗越(そうえつ)は裏庭で捕まり宴席に戻されたが、翊王の令牌を使い、扶揺と協力して芝居を打ち、赤鬼(せきき)を騙した。姚城に戻り、扶揺は宗越(そうえつ)に翊王の令牌を持っている理由を尋ねたが、宗越(そうえつ)は逆に長孫無極(ちょうそんむきょく)のことをまだ想っているのかと尋ね返した。扶揺は天権での出来事を思い出したくなく、話を避けた。
夜、扶揺が一人で庭で酒を飲んでいると、長孫無極(ちょうそんむきょく)が突然現れた。夢か現実か分からず、扶揺は彼に抱きつき、自分のことを想っていないと泣きじゃくった。長孫無極(ちょうそんむきょく)は酔った扶揺を部屋に連れて帰り、二度と悲しませないと約束した。
翌朝、鉄成(てっせい)が扶揺の様子を見に来たところを、部屋に隠れていた宗越(そうえつ)が目撃した。宗越(そうえつ)は長孫無極(ちょうそんむきょく)のことを忘れかけていると扶揺をからかい、赤鬼(せきき)と翊王の繋がりを説明した。
翊王府では、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が太医に嘘をつかせ、体調は回復し子作りに問題ないと主張させた。一方、扶揺が裁判をしていると、長孫無極(ちょうそんむきょく)が乱入し、玄元山の扶氏が自分を捨てたと訴えた。扶揺は振り返り、長孫無極(ちょうそんむきょく)の訴えは無効だと冷たく言い放った。
コメントする