第45話あらすじとネタバレ
皇后は長孫無極(ちょうそんむきょく)の生存を知り、喜びに満ち溢れ、まるで生き返ったように、君父に息子との面会を懇願しました。しかし、君父は冷酷にも彼女を突き放し、時が来れば会わせると約束するだけで、皇后の願いを聞き入れませんでした。君父の背を目に、皇后は絶望の淵に突き落とされ、床に崩れ落ち、涙が雨のように流れました。
戦南城(せんなんじょう)は長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が摂坤鈴を所持していることに強い不満を抱き、弟に愚痴をこぼし、摂坤鈴を渡さなければ奪い取ると宣言しました。弟は、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)は天権の翊王であり、軽率な行動は天権国からの報復を招く恐れがあると忠告しました。しかし、戦南城(せんなんじょう)は聞く耳を持たず、一日以内に摂坤鈴を渡すように最後通告を突きつけました。その時、古凌風(こりょうふう)将軍が慌てて駆け込んできて、長孫平戎(ちょうそんへいじゅう)が既に磐都を離れたと報告しました。怒り狂った戦南城(せんなんじょう)は古凌風(こりょうふう)を罵倒しようとしたその時、差し出された手紙から、摂坤鈴が長孫無極(ちょうそんむきょく)に奪われたことを知りました。
夜、小七(しょうしち)は一人で庭で静かに涙を流し、失明した雅蘭珠(がらんじゅ)のことを心配し、皆の安眠を妨げないようにしていました。
翌朝、長孫無極(ちょうそんむきょく)は薬を持って部屋に入ると、扶揺(フーヤオ)と戦北野(せんほくや)が親密に話している場面を目撃し、嫉妬心を覚えました。彼は扶揺(フーヤオ)を引き離し、自ら戦北野(せんほくや)に薬を飲ませようと申し出ました。戦北野(せんほくや)は気まずそうに自分で薬を飲むと言い、長孫無極(ちょうそんむきょく)はからかうように、もう回復したようだと返しました。長孫無極(ちょうそんむきょく)の嫉妬に気づいた扶揺(フーヤオ)は、笑いながら彼を庭に連れ出しました。二人が冗談を言い合っているところに小七(しょうしち)が通りかかり、扶揺(フーヤオ)は雅蘭珠(がらんじゅ)のことを思い出しました。戦北野(せんほくや)を救うために雅蘭珠(がらんじゅ)が失明したことを知った扶揺(フーヤオ)は、すぐに彼女を探しましたが、既に手紙を残して姿を消した後でした。
恒王は刺客を捕らえるという名目で長孫無極(ちょうそんむきょく)の住まいを捜索しましたが、戦北野(せんほくや)は摂坤鈴を使って姿を消し、難を逃れました。恒王は偽物の摂坤鈴を持って報告し、騙されたことに気づいた戦南城(せんなんじょう)は激怒し、戦北野(せんほくや)を誘き出すために烈王の旧臣を処刑するよう命じました。
紀羽(キウ)の薬を取り替えている最中、戦北野(せんほくや)はうっかり雅蘭珠(がらんじゅ)が自分のために目を犠牲にしたことを話してしまいました。扶揺(フーヤオ)と長孫無極(ちょうそんむきょく)が戻ってきた時、戦北野(せんほくや)が雅蘭珠(がらんじゅ)を探しに行こうとしているのを見て、長孫無極(ちょうそんむきょく)は同行することを決めました。彼らは砂漠で幻生殿の伝書鳩を見つけ、長孫無極(ちょうそんむきょく)は戦北野(せんほくや)に幻生殿で雅蘭珠(がらんじゅ)を探すことを提案しました。彼が一人で進んでいると、太妍(たいけん)に遭遇しました。太妍(たいけん)は雅蘭珠(がらんじゅ)を人質に、戦北野(せんほくや)に扶揺を連れてくるよう脅迫しましたが、そこに長孫無極(ちょうそんむきょく)が現れ、太妍(たいけん)を阻止し、戦北野(せんほくや)に雅蘭珠(がらんじゅ)を連れて行くよう指示しました。太妍(たいけん)は長孫無極(ちょうそんむきょく)に、穹蒼の弟子(きゅうそうのでし)であることを忘れず、天権の太子になったからといって自分を見失わないよう警告しました。
夜、長孫無極(ちょうそんむきょく)は部屋で玄霊真葉を眺めながら考え込んでいました。扶揺は酒を持ってきて一緒に過ごしました。二人は過去の思い出話に語り合いました。長孫無極は扶揺に幼い頃の記憶を覚えているか尋ねましたが、彼女は周叔に引き取られる前の記憶は曖昧だと答えました。
第46話あらすじとネタバレ
幼い頃の記憶を辿り、扶揺(フーヤオ)はため息をつきました。彼女にとって両親の存在は重要ではなく、周叔こそが唯一の家族でした。周叔の長年の恩情と世話、そして最後は自分のために命を落としたこと… 扶揺(フーヤオ)の胸は深い悲しみでいっぱいになりました。長孫無極(ちょうそんむきょく)が彼女の心境を尋ねると、扶揺(フーヤオ)は我に返り、話題をそらすように、なぜお酒を飲まないのか尋ねました。二人は見つめ合い、微笑み、杯を交わしました。その時、長孫無極(ちょうそんむきょく)は大切にしている玄霊真葉を扶揺(フーヤオ)に贈ると言い出しました。扶揺(フーヤオ)の疑問に対し、彼はこの葉には楽しかったこと、辛かったこと、自分の成長の記憶が詰まっているが、今は扶揺(フーヤオ)こそがそれら全てよりも大切な存在だと説明しました。扶揺は微笑みながら贈り物を受け取り、長孫無極(ちょうそんむきょく)に優しく口づけをしました。
大雪が降りしきる中、戦北野(せんほくや)は雅蘭珠(がらんじゅ)の部屋の前で待ち続けました。彼女に会うことを拒まれても、彼の決意は揺るぎませんでした。小七(しょうしち)は空になった薬の椀を持ってきて、戦北野(せんほくや)に首を横に振りました。戦北野(せんほくや)は彼女の恩を決して忘れないと大声で誓い、ついに雅蘭珠(がらんじゅ)は彼を部屋に招き入れました。戦北野(せんほくや)が口を開こうとした瞬間、雅蘭珠(がらんじゅ)は今日の意味を覚えているか尋ねました。彼が答えられないでいると、彼女は今日が自分の誕生日だと告げました。過去の祝われなかった誕生日を思い出し、楽しい思い出はなくても、心の中の愛で幸せだったと語りました。戦北野(せんほくや)はすぐに誕生日を祝うと約束し、雅蘭珠(がらんじゅ)は感動の涙を流しました。しかし同時に、同情や約束ではなく、本当の気持ちを求めていると伝えました。
夜更け、悩みで眠れない戦北野(せんほくや)は、一人で庭で酒を飲んでいました。そこに長孫無極(ちょうそんむきょく)が現れ、戦北野(せんほくや)は雅蘭珠(がらんじゅ)を助けてくれたことに感謝し、ひざまずきました。長孫無極(ちょうそんむきょく)は彼を立たせ、それは当然のことだと言いました。そして二人は並んで座り、酒を酌み交わしました。戦北野(せんほくや)は、今の苦境を乗り越える方法を見つけた、権力争いには興味はないが、自分と大切な人を守るためには力が必要だと語りました。長孫無極(ちょうそんむきょく)はすぐに全面的な協力を約束し、扶揺も彼らと共に戦うと宣言しました。
戦北野(せんほくや)は扶揺を花公公に会わせ、五日後に宮殿に潜入し静太妃(せいたいひ)に会う計画を立てました。当日、長孫無極(ちょうそんむきょく)は表向きは戦南城(せんなんじょう)の誕生日を祝うために行き、裏では彼の注意と恒王の注意を逸らすために行動しました。戦北野(せんほくや)と扶揺は宮人に扮して花公公と共に宮殿に入りました。途中で古凌風(こりょうふう)が彼らの正体に気づき、事を荒立てないために、やむを得ず彼を殺害しました。
夜、扶揺は薬を届ける機会を利用して幽閉されている静太妃(せいたいひ)に会い、もうすぐ助け出すと伝えました。同時に、長孫無極(ちょうそんむきょく)は古凌風(こりょうふう)の死を利用して戦南城(せんなんじょう)と恒王の間に疑念を植え付けました。一方、扶揺は静太妃(せいたいひ)を厠に案内し、そこで戦北野(せんほくや)と合流させました。戦北野(せんほくや)が静太妃(せいたいひ)を連れ出そうとしたその時、戦南城(せんなんじょう)が突然現れました。静太妃(せいたいひ)は素早く重要な物を戦北野に渡し、逃げるよう促しました。
戦北野は静太妃(せいたいひ)から受け取った物を長孫無極(ちょうそんむきょく)に渡しました。それは先帝の遺詔で、長孫無極(ちょうそんむきょく)こそが真の皇位継承者であることを証明するものでした。王位を戦南城(せんなんじょう)に奪われたことを知り、扶揺は戦北野のものは必ず取り戻すと力強く言いました。雅蘭珠(がらんじゅ)は心配そうに戦北野の手を握りしめ、彼は今こそ本来自分たちのものだった権利を取り戻す時だと答えました。紀羽(キウ)は三千の黒風騎では戦南城(せんなんじょう)の大軍に太刀打ちできないと心配し、長孫無極(ちょうそんむきょく)は援軍を頼る可能性を示唆しました。
第47話あらすじとネタバレ
皆が兵を借りる策に頭を悩ませている中、戦北野(せんほくや)と長孫無極(ちょうそんむきょく)は顔を見合わせ、無言のうちに同じ考えに至った。それは、再び葛雅砂漠へ戻る事だった。雅蘭珠(がらんじゅ)は心配のあまり、戦北野(せんほくや)の手を強く握りしめ、行かないで欲しいと静かに訴えた。しかし、戦北野(せんほくや)は前回連れ帰った黒風騎はほんの一部に過ぎず、今回は地下深くまで潜り、穹蒼の力で囚われた残りの黒風騎を救い出す決意だと説明した。
戦北野(せんほくや)の目的が隠軍の探索だと分かると、扶揺(フーヤオ)と雅蘭珠(がらんじゅ)は不安を隠せない。小七(しょうしち)と紀羽(キウ)もまた、危険すぎると考えていた。しかし長孫無極(ちょうそんむきょく)は、かつて生死の境を彷徨った際に隠軍を目撃しており、元宝(げんぽう)が牧霊果を及時に持ってきてくれなければ、自分はもうこの世にいなかっただろうと語り、隠軍の存在を確信していた。扶揺(フーヤオ)も姚城の戦いの後、戦北野(せんほくや)と共に夢の中で謎の軍隊を見た事を思い出した。それでも、雅蘭珠(がらんじゅ)の涙に、戦北野(せんほくや)は隠軍を掌握できる保証はないと認めつつも、死んだ兄弟たちと大切な人たちを守るため、危険を冒す覚悟だと告げた。そして雅蘭珠(がらんじゅ)を強く抱きしめ、長孫無極(ちょうそんむきょく)は記憶を頼りに地図を描く事を約束した。扶揺(フーヤオ)も同行を望んだが、長孫無極(ちょうそんむきょく)は別の計画があり、彼女に別の任務を与えた。
古凌風(こりょうふう)の死後、天煞之金は指揮官を失い、恒王の問いに戦南城(せんなんじょう)は疑念を抱き始めていた。長孫無極(ちょうそんむきょく)は戦南城(せんなんじょう)が武芸に秀でた者を天煞之金の新たな指揮官に選ぶと予測し、扶揺(フーヤオ)に男装して選抜試験に参加するよう提案した。選抜当日、江楓(こうふう)と名を変えた扶揺(フーヤオ)は、長孫無極(ちょうそんむきょく)の助けを借り、戦南城(せんなんじょう)の目に留まる事に成功する。戦南城(せんなんじょう)はこの謎の“暗衛”に興味を持ち、調査を始めることにした。
一方、戦北野(せんほくや)は葛雅砂漠へと旅に出た。今回は雅蘭珠(がらんじゅ)が密かに同行し、最終的には共に旅立つ事を許された。宗越(そうえつ)は急いで戻り、太淵での出来事を伝えた。それは、投獄された斉震(せいしん)の病状が悪化しているという知らせだった。宗越(そうえつ)はこれが斉震(せいしん)の策略ではないかと不安を抱いていた。
選抜試験当日、戦南城(せんなんじょう)自ら試験を監督した。最初の試験では刺客が放たれ、生き残った者だけが次の寒殿での選抜に進む事ができた。扶揺(フーヤオ)は難なく突破するも、このやり方に不満を漏らした。長孫無極(ちょうそんむきょく)は寒殿に姿を現し、次の試験に居合わせた。長孫無極(ちょうそんむきょく)が群衆の中の扶揺を見つめている事に気づいた戦南城(せんなんじょう)は、冷笑を浮かべた。宗越(そうえつ)は参加者の中に斉韵(せいいん)がいる事に気づき、彼女が病に伏せる父、斉震(せいしん)を救うために参加したのだと理解した。
勝利の証を奪い合う中、扶揺は璇璣(せんきこうごう)国の唐易中(とういちゅう)と遭遇するが、彼を見逃した。宗越(そうえつ)は窮地に陥った斉韵(せいいん)を助けようとするが、兵士に連れ去られるのを止める事はできなかった。最終的に、残ったのは扶揺と宗越(そうえつ)の二人だけだった。事前に計画していた通り、二人は戦南城の前で芝居を打ち、扶揺が勝利を収めた。そして、勝利の証の中に静太妃(せいたいひ)が隠されていた事を偶然発見する。扶揺は戦南城の行為に怒りを覚えるも、大局を鑑みて堪え、忠誠を誓った。長孫無極(ちょうそんむきょく)は絶妙なタイミングで介入し、戦南城の疑念を完全に払拭した。
街中では、長孫無極(ちょうそんむきょく)と宗越(そうえつ)が話をしている最中に斉韵(せいいん)が現れた。そして宮中では、小七(しょうしち)が花公公に連れられて宮中に入ったが、戦南城の世話係に任命されてしまった。
第48話あらすじとネタバレ
宿屋で、宗越(そうえつ)は冷徹な表情で斉韵(せいいん)に何しに来たのか問い詰め、ここには来ないでほしいと告げる。斉韵(せいいん)は復讐のためではない、宗越(そうえつ)に近づくためだと説明する。それを聞いた宗越(そうえつ)は、急に立ち上がり立ち去ろうとするが、斉韵(せいいん)に涙ながらに袖を引かれる。彼は厳しい視線を彼女に向け、親の罪を子に負わせる気はないから殺さないだけで、受け入れるわけではないと冷く言い放つ。斉韵(せいいん)は、宗越(そうえつ)の心に自分の居場所があると信じていること、彼に救われなければ今は生きていないこと、父親の罪を償いたい一心で傍にいたいと訴える。内心では断ち切れない思いがあっても、宗越(そうえつ)は無情にも彼女を突き放し、雲痕(うんこん)(うんこん)を惑わせた上に、自分にさえ復讐を忘れさせようとしているのかと責め立てる。斉韵(せいいん)はその場に崩れ落ち、号泣しながら、そんなつもりはないと誓う。
王宮では、戦南城(せんなんじょう)が扶揺(フーヤオ)に宝物庫を案内し、近々届く新しい宝を自慢げに見せている。そこへ恒王がやって来る。扶揺(フーヤオ)が退下しようとするが、戦南城(せんなんじょう)は彼女を留め置く。恒王は、戦南城(せんなんじょう)の命で国庫の銀を使って宝を買おうとしたが、資金不足で購入できなかったと報告する。激怒した戦南城(せんなんじょう)は、恒王の無能を叱責し、再度増税するよう命じる。恒王は困った表情で、北方は雪に閉ざされ、民は税を払えないと答える。戦南城(せんなんじょう)がさらに怒り出そうとした時、扶揺(フーヤオ)は悪徳役人を追及して必要な資金を得ることを提案する。恒王は扶揺(フーヤオ)を見つめ、彼女が天権国で仏蓮(ぶつれん)に成り済ましていたことを思い出す。しかし、その場では戦南城(せんなんじょう)に告げ口せず、後で二人きりになった時に扶揺(フーヤオ)に警告する。
夜、扶揺(フーヤオ)が戦南城に与えられた屋敷に戻ると、長孫無極(ちょうそんむきょく)が待っていた。室内で、長孫無極(ちょうそんむきょく)は背後から扶揺を抱き締め、軽くからかう。扶揺は不機嫌そうに彼を突き放し、恒王の疑いについて話す。長孫無極(ちょうそんむきょく)は、扶揺が戦南城の側に長く仕え、地位も高いため、恒王は知っていても黙っているだろうと慰める。
一方、戦北野(せんほくや)一行は、ある村で休息し、村人の温かいもてなしを受ける。深夜、戦北野(せんほくや)は騒がしい物音で目を覚ます。外に出てみると、権力を笠に著て村人を虐げる者たちがいる。義憤に駆られた戦北野(せんほくや)は彼らに立ち向かうが、そのせいで兵士に見つかり追われる身となる。葛雅砂漠に入って間もなく、一行は氷原の崖っぷちまで追い詰められる。戦北野(せんほくや)は紀羽(キウ)に雅蘭珠(がらんじゅ)を守るよう命じ、部下を率いて敵に突っ込んでいく。戦闘中、雅蘭珠(がらんじゅ)が突然戦北野(せんほくや)の前に飛び出し、彼の身代わりに刀を受けてしまう。血まみれの雅蘭珠(がらんじゅ)を見て、戦北野(せんほくや)は胸を痛め、彼女を強く抱き締め、二度とそんな危険なことをするなと諭す。
翌日、扶揺は戦南城と共に氷原へ狩に出かける。道中、刺客に襲われるが、その刺客は長孫無極(ちょうそんむきょく)が仕向けた者たちだった。扶揺は戦南城の命を救い、さらなる信頼を得て、帰還後、大将軍に任命される。戦南城に望みを尋ねられた扶揺は、天煞之金の軍隊を率て王に仕えたいと答える。しかし、その時、恒王が現れ、扶揺が間者だと告発する。翊王の書状を証拠として提出し、彼女が仏蓮(ぶつれん)に成り済ましていた事実も明らかにする。計画通り、扶揺は恒王が長孫無極(ちょうそんむきょく)と密会し、天煞の王位を奪おうとしていると逆に告発する。恒王は跪き、忠誠を誓うが、扶揺は恒王の九夫人が無極太子の間者であることを暴露する。
コメントする