概要/あらすじ
激動の中国民国初期、華やかな上海租界を舞台に、波乱万丈の人生を駆け抜ける女性、唐茉喜(まき)の物語――それが尼羅(ニー・ルオ)著『風雨濃,胭脂乱』(仮題:濃い風雨、乱れる紅)です。
名家の孤児として生まれ、激動の時代の中で生き抜くため、妖艶な社交界の花として名を馳せる唐茉喜(まき)。ある春の夜、偶然の出会いから、美男子、萬嘉桂(ばんかげつ)(ワン・ジアグイ)に心を奪われます。
まるで天から舞い降りたかのようだった萬嘉桂(ばんかげつ)。一目惚れした茉喜(まき)は、彼を想うあまり、その激しい愛情を隠すことができません。彼を喜ばせようと奔走し、全身全霊で愛情を注ぎますが、その想いは葉うのでしょうか。
茉喜(まき)の姉、鳳瑶(ほうよう)と萬嘉桂(ばんかげつ)の間には許嫁の関係があったにも関わらず、茉喜(まき)は激しい恋心に突き動かされます。そして、萬嘉桂(ばんかげつ)と一夜を共にするも、道徳観念に縛られた彼は、茉喜(まき)のもとを去ってしまいます。
その後、茉喜(まき)と鳳瑶(ほうよう)は軍閥の陳文徳(チェン・ウェンデ)に捕らえられます。姉を救うため、茉喜(まき)は自ら陳文徳のもとへ身を投じます。陳文徳は茉喜(まき)に特別な感情を抱き、やがて砲弾から彼女を庇い、命を落とします。
身分も境遇も異なる二人の男性の間で揺れ動く茉喜(まき)の愛。激動の時代の中、愛と生き残りを賭けた彼女の選択は、読者を深く物語へと引き込みます。陳文徳の残した財産で上海に新たな世界を築き、力強く生きていく茉喜(まき)。果たして、彼女の最後に待つ運命とは?
身分違いの恋、戦争、裏切り、そして一人の女性の成長――様々な要素が複雑に絡み合い、ドラマチックに展開される『風雨濃,胭脂乱』。激動の民国時代を背景に、一人の女性の愛と葛藤を描いた、壮大なラブストーリーです。
小説『风雨濃、胭脂乱』を原作としたドラマ『双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆』では、時代背景が民国初期から唐朝に変更されました。公式な理由は発表されていませんが、ネット上の憶測では、民国初期という重い時代背景よりも、唐朝を舞台にすることで、衣装や美術、そして物語展開により大きな自由度が生まれるからではないかと考えられています。『双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆』では、衣装や色彩が鮮やかで華麗であり、視聴者に強い視覚的インパクトを与えています。
また、『风雨濃、胭脂乱』から『微雨燕双飛』への改題については、于正氏から以下の三つの理由が挙げられています。一つ目は、時代背景が民国から唐朝に変更されたこと。二つ目は、コミカルな要素が大幅に追加されたこと。そして三つ目は、二人の女性を中心とした温かく心地よい物語であり、過度に鋭い描写は少なく、「胭脂乱」というタイトルの持つ激しさにはそぐわない、というものです。
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