
崩壊寸前の大成王朝。老獪な将軍、常遠(じょうえん)の助けを得た閔海侯・寧世征(ニン・シージョン)は王朝を転覆させ、大盛王朝を建国する。敗れた火鳳女将軍・秋明纓(チウ・ミンイン)は、密かに産んだ娘・鳳知微(フォン・ジーウェイ)と共に姿を消した。
20年後、知微は秋家で出自を理由に虐げられ、辛い日々を送っていた。一方、大盛王朝の六皇子・寧弈(ニン・イー)は、一見政治に関心がないように見せかけながら、実は腹違いの兄である三皇子の仇を討ち、帝位を狙う野心家だった。
ある時、太子が秋一族の捕縛を命じる。窮地に陥った知微を救ったのは、他でもない寧弈(ニン・イー)だった。娘を守るため、明纓は知微と絶縁したと見せかけ、彼女を家から追い出す。男装し、「魏知(ウェイ・ジー)」と名を変えた知微は、青溟書院に入学。持ち前の才知で不正を正し、陰ながら寧弈(ニン・イー)に恩返しをする。寧弈(ニン・イー)は太子を失脚させるため、策略を用いて五皇子暗殺の罪を着せ、太子は廃嫡される。その後、宮廷に入り国士となった知微は、何度か正体を見破られそうになるが、その度に寧弈(ニン・イー)に助けられ、二人の心は次第に惹かれ合っていく。
金獅国の王子と使臣が天盛を訪れた際、陰謀に巻き込まれる。寧弈(ニン・イー)の亡き母と親交が深かった使臣を救うため、寧弈(ニン・イー)は行動を起こす。しかし、二皇子は寧弈(ニン・イー)を金獅国と通じていると讒言し、窮地に追い込む。使臣は寧弈(ニン・イー)を守るため自害するが、二皇子はそれを逆手に取り、寧弈(ニン・イー)と使臣が父子関係にあるという偽りを広める。絶体絶命の寧弈(ニン・イー)を救ったのは知微だった。彼女は機転を利かせ、朝廷の役人全員に金獅国特有の印が現れるように仕向け、寧弈(ニン・イー)の疑いを晴らす。国を思う知微は、宮廷内の権力争いにおいても信念を曲げず、寧弈を支え、太子残党の陰謀を暴き、民を救う。しかし、知微の母と弟の正体が露見し、皇帝に服従を迫られる。彼らは屈辱を受け入れることなく命を落とし、知微は自分が前王朝の血筋を引いていることを知る。国への恨み、家族の死、そして周囲の策略によって、知微と寧弈の心は離れ、ついには憎しみ合うようになる。知微の友人たちも危険に晒される。
全ての陰謀が明らかになった時、知微は復讐を捨て、天下泰平のために己を犠牲にする道を選ぶ。静かに世を去ったかに見えた知微だったが、友人の助けで再び幸せを掴み、愛する人と共に穏やかな日々を送ることとなる。
第1話あらすじとネタバレ
大成滅亡と天盛建国
大成王朝末期、哀帝・長孫明徳(ちょうそんめいとく)の暴政により国は混乱に陥っていた。民は困窮し、各地で仮乱が勃発。閔海侯・寧世征(ニン・シージョン)は、閔海将軍・常遠(じょうえん)らの支援を受け、長年の努力の末、大成王朝を倒し、天盛王朝を建国した。新王朝成立後、寧世征(ニン・シージョン)は長男・寧川(ニン・チュアン)と六男・寧弈(ニン・イー)に前朝残党の討伐と哀帝九子の処遇を命じた。寧川(ニン・チュアン)は哀帝九子を射殺した功績で太子に立てられ、寧弈(ニン・イー)は宗正寺に幽閉された。
疫病と救済
18年後、燕州(エンシュウ)で発生した疫病は閔海州にまで蔓延。閔国公(びんこくこう)は関所を封鎖し、人の出入りを製限したが、疫病は帝京近郊まで広がった。天盛帝(てんせいこうてい) ・寧世征(ニン・シージョン)は対策に苦慮する中、西城修平坊で疫病の抑え込みに成功していることを知る。これは楚王(そおう)・寧弈(ニン・イー)が私財を投じて悲田病坊を設立し、隔離や艾の燻蒸などの対策を行った成果だった。皇子による錦織りによる救済活動の是非が問われたものの、天盛帝(てんせいこうてい) は恩赦によって混乱を鎮め、寧弈(ニン・イー)を釈放した。
寧弈(ニン・イー)の解放と新たな波乱
釈放された寧弈(ニン・イー)は、天盛帝(てんせいこうてい) の寝殿前で喜びのあまり酒を飲みすぎ、宗正寺から出られるとは思っていなかったため、つい飲みすぎてしまったと本音を吐露する。この様子を聞いた天盛帝(てんせいこうてい) は、嵐の到来を予感する。太子・寧川(ニン・チュアン)の不安を鎮めるため、二皇子と五皇子を呼び協議。二人は寧弈(ニン・イー)を侮っていたが、太子は寧弈(ニン・イー)の潜在的な脅威を警戒するよう忠告する。
朝廷の動向
その後、趙王は治水工事の監督において慈悲深い対応を見せ、疫病で苦しむ南城の民に食料や薬草を配り、民衆の支持を集める。一方、寧弈(ニン・イー)は天盛帝(てんせいこうてい) に霍老三(かくろうさん)という蜀錦(ショクキン)の織物に長けた獄卒を下賜してほしいと願い出る。天盛帝(てんせいこうてい) はこれを許可し、さらに青溟書院での人材選抜を寧弈(ニン・イー)に任せようとするが、大臣たちは仮対する。院首・辛子硯(シン・ズーイエン)は、寧弈(ニン・イー)がかつて夜間外出禁止令を無視して都を離れ、指揮使・袁衝と密会した不忠不孝の行いを指摘し、書院への参加は不適切だと主張する。
政略結婚と権力闘争
これらの困難に対し、寧弈(ニン・イー)は下半生は蜀錦(ショクキン)を織って過ごしたいと表明するが、天盛帝は寧弈の潜在能力を見抜き、彼を守るために秋尚奇(チウ・シャンチー)の娘・秋玉(しゅうぎょく)落と結婚させることを決める。この政略結婚は、秋家内部の複雑な関係を含め、様々な勢力の注目を集める。秋家の一員である鳳知微(フォン・ジーウェイ)はこの結婚に仮発するが、母・秋明纓(チウ・ミンイン)の説得により、その裏にある深意と必要性を理解していく。
物語の幕開けと今後の展開
物語は、金羽衛(きんうえい)衙門が血浮屠(けつふとう)の手戟を持った死体を発見したことから始まる。これは背後に大きな陰謀が隠されていることを示唆している。寧弈は辛子硯(シン・ズーイエン)と協力し、真実を暴き、新王朝を揺るがそうとする勢力に対抗しようとする。物語は権力闘争、忠誠と裏切りをテーマに、登場人物たちの複雑な関係とそれぞれの運命の選択を描いていく。
第2話あらすじとネタバレ
燕王(えんおう)、旧臣を召す
2025年の初春、燕王(えんおう)・寧昇(ニン・ション)は幼少期から仕えてきた寧澄(ニン・チョン)を召し、金子を与えた。寧昇(ニン・ション)は、8年間の宗正寺での牢獄生活で寧澄(ニン・チョン)の気概が削がれたと誤解し、わずかな恩恵で彼を操れると考えた。寧昇(ニン・ション)は寧弈(ニン・イー)については、幼い頃から聡明であったため、心配していなかった。もし寧弈(ニン・イー)が今も少年時代のように賢明であれば、自ら心配する必要はなく、太子と寧研(ニン・イエン)が対処するだろうと考えていた。燕州(エンシュウ)に大成の遺児が現れたという噂を大臣たちの間で広めれば、寧昇(ニン・ション)は天盛帝(てんせいこうてい) に封地へ赴き事態を収拾するよう願い出ることができると考えた。
趙王の不満
趙王・寧研(ニン・イエン)はこれに強い不満を抱いていた。寧弈(ニン・イー)は布を売っただけで父帝から褒美を受け、宗正寺から解放されたのに、自分は俸禄を前借りして被災地を救済したにもかかわらず、父帝から叱責された。朝議で叱責された上に、帰宅後も太子から責められたのだ。
太子宮での密議
太子東宮では、辛子硯(シン・ズーイエン)が太子・寧川(ニン・チュアン)に、血浮屠(けつふとう)が金羽衛(きんうえい)を襲撃した事件が城中に広まり、背後に別の目的があると疑っていると伝えた。同時に、趙淵(チャオ・ユエン)が秋家のお嬢様に結婚の申し込みをした際にもこの事件について触れたことを話した。血浮屠(けつふとう)の再出現の目的は、太子位を争うことにあるようだ。太子の侍衛の調査で、血浮屠(けつふとう)は燕州(エンシュウ)出身で、大成の九皇子を発見したことが判明した。太子はかつて自ら九皇子を射殺したため、この知らせに非常に動揺した。今、再び九皇子が京城に現れたことは、太子にとって大きな脅威だった。
寧弈(ニン・イー)の招待
寧弈(ニン・イー)は太子に招待状を送り、翌日、太子と他の皇子たちを屋敷に招いた。寧弈(ニン・イー)が現在、天盛帝(てんせいこうてい) から寵愛されていることを考慮し、太子はこの招待を受け入れざるを得なかった。寧弈(ニン・イー)が何か企みを抱いているなら、それは二皇子と五皇子の思惑と一緻する。しかし、もし誰かが大成の遺児を利用して寧弈(ニン・イー)を陥れようとしているなら、寧弈(ニン・イー)は重要な人物となる。
鳳知微(フォン・ジーウェイ)と寧弈(ニン・イー)の出会い
弟の鳳皓(フォン・ハオ)が家で何かを探している時、鳳知微(フォン・ジーウェイ)は結納金は自分の身売り金だから使ってはいけないと注意した。庭で、鳳皓(フォン・ハオ)が拾った珠の簪が落ち、鳳知微(フォン・ジーウェイ)はそれに気づいた。珠茵(ジューイン)の簪だと気づき、返すことにした。蘭香院に駆け込んだ時、偶然にも珠茵(ジューイン)と話している寧弈(ニン・イー)に出会った。寧弈(ニン・イー)は急いで屏風の後ろに隠れたが、誤って屏風を倒してしまい、鳳知微(フォン・ジーウェイ)に剪刀を持っているところを見られてしまった。寧弈(ニン・イー)は楚王(そおう)府の仕立て屋で、娘たちの服を作りに来ていると説明し、鳳知微(フォン・ジーウェイ)の服の糸くずを切ってあげた。
深夜の秘密
その後、鳳知微(フォン・ジーウェイ)は寧弈(ニン・イー)が楚王(そおう)と親しいことを知り、楚王(そおう)について尋ねた。寧弈(ニン・イー)は、楚王(そおう)は普段、布を染めたり錦を織ったりするのが好きで、平民になることを夢見ていると答えた。鳳知微(フォン・ジーウェイ)の度胸を試すため、寧弈(ニン・イー)は彼女を湖畔の小さな亭で待たせたが、結局、彼女をそこに閉じ込めてしまった。その後、寧澄(ニン・チョン)はなぜ寧弈(ニン・イー)が鳳知微(フォン・ジーウェイ)を「狸猫」と呼ぶのか理解できなかったが、寧弈(ニン・イー)は秋尚奇(チウ・シャンチー)が自分の娘を常家の目の上のたんこぶである楚王(そおう)に嫁がせたくなかったからだと説明した。
再び波乱
夜、鳳知微(フォン・ジーウェイ)は助けを求めたが無駄だったので、泳いで逃げ出すことにした。一方、太子と他の二人の兄を招いた宴の席で、寧弈(ニン・イー)は酔ったふりをして屋敷に刺客がいると言い、その隙に寧澄(ニン・チョン)に閉じ込められた鳳知微(フォン・ジーウェイ)の様子を見に行かせた。紆余曲折を経て、鳳知微(フォン・ジーウェイ)はついに助け出された。同時に、五姨娘(ごいじょう)は鳳皓(フォン・ハオ)の安全を盾に秋明纓(チウ・ミンイン)を脅し、鳳知微(フォン・ジーウェイ)に大人しく従うよう要求した。
第3話あらすじとネタバレ
湖に飛び逃亡した鳳知微(フォン・ジーウェイ)は、寧澄(ニン・チョン)に助けられる。濡れた衣服を著替えるため、鳳知微(フォン・ジーウェイ)は寧弈(ニン・イー)に灯を消すように頼む。寧弈(ニン・イー)は外で待機し、彼女が著替え終わると、下人に再び灯を点けるよう指示した。寧弈(ニン・イー)の姿を見た鳳知微(フォン・ジーウェイ)は、彼を「小裁縫(しょうさいほう)」と呼び喜ぶが、楚王(そおう)に対し跪かないことを叱責される。この時、鳳知微(フォン・ジーウェイ)は目の前の寧弈(ニン・イー)こそが楚王(そおう)本人だと知る。
寧弈(ニン・イー)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)の素性を尋ね、これほど愚かな娘はどこの家の子かと揶揄う。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は怒ることなく、自分の愚かさを認め、寧弈(ニン・イー)が神算鬼謀なら二人の縁も占ってほしいと頼む。寧弈(ニン・イー)はそれに応じ、二人は偽りの姻縁で結ばれており、鳳知微(フォン・ジーウェイ)の出現はその縁を断ち、自分との結婚を避けるためだと語る。寧弈(ニン・イー)は、鳳知微(フォン・ジーウェイ)のような愚か者では嫁の貰い手も見つからないだろうが、無用の長物である自分とは釣り合いが取れていると笑う。しかし、一見愚かに見える鳳知微(フォン・ジーウェイ)は、寧弈(ニン・イー)が決して無能ではないことを見抜いていた。秋尚奇(チウ・シャンチー)が実の娘を寧弈(ニン・イー)に嫁がせたがらないのは、彼の知恵が災いをもたらすことを知っているからだ。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は寧弈(ニン・イー)に解放を願い、寧弈(ニン・イー)は面白い女だと感心し、彼女が図らずも自分の役に立ったことを考慮し、恩返しとして父皇に賜婚の取り消しを願い出ると約束する。
秋明纓(チウ・ミンイン)は兄の秋尚奇(チウ・シャンチー)を問い詰め、鳳知微(フォン・ジーウェイ)の父がかつて大成の遺児を抱え崖から飛び降り死んだ血浮屠(けつふとう)の指揮官、顧衡(グー・ホン)であること、そして楚王(そおう)こそが18年前に彼女の父を死に逼った張本人であることを明かす。秋明纓(チウ・ミンイン)は、もし鳳知微(フォン・ジーウェイ)を楚王(そおう)に嫁がせるならば、彼女は出嫁の際に殺父仇人を殺し、秋家は一族皆殺しになると警告する。
寧弈は他の皇子たちと会う前に、わざと薬を飲んで倒れる。天盛帝(てんせいこうてい) は喀血し、妃がかつて彼女の血は天盛帝(てんせいこうてい) と寧弈の命を繋ぐと言っていたことを思い出し、趙淵(チャオ・ユエン)を楚王(そおう)府へ様子を見に行かせる。趙淵(チャオ・ユエン)が御医を連れて到著した時には、寧弈は既に意識を失っており、寧澄(ニン・チョン)は皇子方が帰られた直後に吐血して倒れたと説明する。鳳知微は自室に戻って寧弈とのやり取りを仮芻し、秋明纓(チウ・ミンイン)は彼女が持ち帰った衣服に気付き、弟と自分の命が脅かされても決して楚王(そおう)に嫁いではいけないと鳳知微に言い聞かせ、父の霊前で寧弈に嫁がぬと誓わせる。
目覚めた寧弈は妙に上機嫌で、寧澄(ニン・チョン)は彼が鳳知微のことを思い出しているのではないかと推測する。寧弈は昨夜の様子を尋ね、天盛帝(てんせいこうてい) が趙淵(チャオ・ユエン)を通して自分に気遣いを示したことを知る。その後、天盛帝(てんせいこうてい) は寧弈を呼び、血浮屠(けつふとう)の復讐事件と大成の遺児について話し合う。寧弈は天盛帝(てんせいこうてい) と囲碁を打ちながら、宗正寺に8年間幽閉されたことを恨んでいない、自業自得だと語る。天盛帝(てんせいこうてい) は彼を釈放した目的が、他の皇子たちを牽製するための駒にするためかもしれないと仄めかす。最後に、天盛帝は寧弈の持病の再発に触れ、寧弈は賜婚のことで緊張したせいだと答える。天盛帝はその仮応に不可解な表情を見せる。
太子は大成の残党討伐を自ら誌願し、その意図は明白だった。大臣たちはそれぞれ自己弁護に努めるが、天盛帝は顧衍(グー・イエン)だけを罰し、同時に寧弈の同罪を願う申し出を拒否し、寧弈の行動には寛容な態度を示す。
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