第28話あらすじとネタバレ
顧衍(グー・イエン)は日落族の行方を探し当てたものの、既に一族は滅亡し、神女も存在しないことが判明した。天盛帝(てんせいこうてい) は自身の体内の蠱毒を解ける者がこの世にいないとは思いもよらなかった。顧衍(グー・イエン)は既に大悦国の高名な隠者に人を遣わし、打開策を探らせていると報告した。
天盛帝(てんせいこうてい) は寧弈(ニン・イー)を呼び出し、彼の鬱憤を聞き入れた。二人が榻に座ると、趙淵(チャオ・ユエン)は潜邸誌遠堂の頃を思い出した。当時も同じような榻があり、天盛帝(てんせいこうてい) は政務に疲れるとそこで休息し、遊び疲れた寧弈(ニン・イー)は榻の下で眠っていた。そして、いつも天盛帝(てんせいこうてい) が寧弈(ニン・イー)を優しく抱き上げて榻に寝かせていたのだ。今、天盛帝(てんせいこうてい) は寧弈(ニン・イー)を抱き上げることはもうできないと感慨深げに語った。寧弈(ニン・イー)は宗正寺で過ごした8年間、この温かい思い出だけが支えだったと悲しそうに振り返った。
寧弈(ニン・イー)は母妃が亡くなった後、父である天盛帝(てんせいこうてい) が自分に冷たくなった理由を尋ねたかった。「解衣之辱」の出来事が父との間に溝を作ったのではないかと疑っていたのだ。天盛帝は、寧弈(ニン・イー)が亡き母妃にあまりにも価ていたため、見るたびに辛い記憶が蘇るのを恐れて、あえて距離を置いていたのだと説明した。韶寧(シャオ・ニン)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)に会い、冷酷で手段を選ばない寧弈(ニン・イー)に協力しないよう頼んだ。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は、寧弈(ニン・イー)には後ろ盾があり、今は自身も危うい立場にあるため、彼に敵対するのは得策ではないと韶寧(シャオ・ニン)の申し出を断り、今は雌伏の時だと助言した。
天盛帝は閔国公(びんこくこう)から脚の病が悪化したので城外で療養したいという上奏書を受け取った。天盛帝は、これは閔国公(びんこくこう)が朝廷への貢献と病の苦しみを改めて皇帝に知らしめるための行動だと理解した。廃太子は既に亡くなっており、常氏(じょうし)は後ろ盾を失っているにも関わらず、閔国公(びんこくこう)がまだ牽製していることから、天盛帝は彼を丁重に扱うことに決め、趙淵(チャオ・ユエン)に勅命を伝え、御馬と儀仗兵を城内へ送迎させ、同時に顧衍(グー・イエン)に金羽衛(きんうえい)を配置して不測の事態に備えさせた。
寧弈(ニン・イー)は母妃に墓参した後、常遠(じょうえん)の罪を証人である陳紹(チン・ショウ)と共に明らかにすることを決意した。しかし、陳紹(チン・ショウ)が閔国公(びんこくこう)を知らないと証言を変えたため、天盛帝は激怒し陳紹(チン・ショウ)を罰しようとした。寧弈(ニン・イー)は徹底的に調査するよう懇願した。その際、韶寧(シャオ・ニン)が陳紹(チン・ショウ)は閔国公(びんこくこう)を陥れるよう仕向けられたのだと指摘し、真相究明を訴えたため、最終的に天盛帝は七皇子寧斉(ニン・チー)に陳紹(チン・ショウ)の処遇を任せた。
常遠(じょうえん)は常貴妃(じょうきひ)に箱を渡し、勝手に開けてはならず、必要な時だけ使うようにと告げた。寧昇(ニン・ション)は伯父に皇太子候補になるための助言を求めた。辛子硯(シン・ズーイエン)は寧弈(ニン・イー)を誘って酒を酌み交わし、今回の失敗にくよくよするなと慰めた。七王妃宜君(ぎくん)は寧斉(ニン・チー)に寧弈の行動を知らせた。寧弈は李才を寧斉(ニン・チー)に返し、正義と屈服の間でどちらの道を選ぶのかを問うた。
寧斉(ニン・チー)は陳紹(チン・ショウ)の処遇について天盛帝に報告した。天盛帝は寧斉(ニン・チー)を魏王に封じ、皇太子は冊立せず、代わりに金匱要略に伝位詔書を納め百年後に開封することに決めた。閔国公(びんこくこう)は寧昇(ニン・ション)に兵法を教えたいと申し出たが、鳳知微(フォン・ジーウェイ)はその発言の不適切さを指摘した。その後、天盛帝は新たな人事を発表し、配置換えを行った。
第29話あらすじとネタバレ
寧昇(ニン・ション)は、父帝が閔国公(びんこくこう)を廃そうとしていること、そして鳳知微(フォン・ジーウェイ)と寧弈(ニン・イー)はそのための駒に過ぎないことを理解していた。父帝の黙認なくして、彼らは閔国公(びんこくこう)にあれほど大胆な真価はできない。寧昇(ニン・ション)が皇太子になるための最大の障害は常家であり、今は金匱に記された名前を突き止めることが最優先事項だ。もしその名前が自分自身であれば、寧一族は大きな危機に直面するだろう。なぜなら功績が大きすぎる者は、主君に疎まれ命を落とすことが多いからだ。寧弈(ニン・イー)も父帝の真意を理解しており、辛子硯(シン・ズーイエン)は誰が父帝の策略の標的であろうと、自分たちにとっては好機だと考えていた。
辛子硯(シン・ズーイエン)は天盛帝(てんせいこうてい) に謁見を求め、側近として仕えたいと申し出た。天盛帝(てんせいこうてい) は彼の真の目的が官職にあることを見抜き、光禄大夫に任命した。辛子硯(シン・ズーイエン)は「天盛誌」の編纂業務が多忙であることを理由に、鳳知微(フォン・ジーウェイ)を青溟書院の管理の補佐に任命するように求めた。天盛帝(てんせいこうてい) はこれを承諾し、鳳知微(フォン・ジーウェイ)に翌日赴任を命じ、御印の令牌を与えた。
鳳知微(フォン・ジーウェイ)は今日の出来事に違和感を覚えた。官職と令牌を求めた際、天盛帝(てんせいこうてい) がためらうことなく承諾したからだ。明らかに青溟書院へ行くよう仕向けられていると感じた。顧南衣(グー・ナンイー)は直接辛子硯(シン・ズーイエン)に理由を尋ねるよう勧めるが、鳳知微(フォン・ジーウェイ)が辛子硯(シン・ズーイエン)と向き合うことを恐れていることにも気づいていた。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は、辛子硯(シン・ズーイエン)は師であるだけでなく、常に自分に特別な関心を寄せていると説明した。燕懐石(イエン・ホワイシー)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)に辛子硯(シン・ズーイエン)の好みに合わせた「大成閔海風物誌」を贈ることを提案した。翌日、辛子硯(シン・ズーイエン)と会った際、辛子硯(シン・ズーイエン)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)に寧弈(ニン・イー)から距離を置き、宮廷闘争に巻き込まれないよう忠告した。
天盛帝(てんせいこうてい) は閔国公(びんこくこう)が帰京する際の護衛について考え、閔国公(びんこくこう)の習慣をよく知る宋傑(ソン・ケツ)に引き続き警護を命じた。宋傑(ソン・ケツ)は閔海へ戻ることを拒み、そこで屈辱を受けたことを訴えた。天盛帝(てんせいこうてい) は激怒し、趙淵(チャオ・ユエン)にこの件を調査させ、閔海がまだ自分の支配下にあるのかを確認するように命じた。
閔国公(びんこくこう)は慌てて跪き、前後の指示については全く知らなかったと弁明し、部下が独断で行動したに違いないと主張した。天盛帝(てんせいこうてい) は閔国公(びんこくこう)が自分の領地を適切に管理できていないと非難し、閔海の司法権を専門機関に委ねることを提案した。これにより、閔国公(びんこくこう)は軍事指揮に専念できるようになる。その後、閔国公(びんこくこう)が不在のため、海賊が頻繁に閔海を襲撃しているという知らせが届いた。天盛帝(てんせいこうてい) は閔国公(びんこくこう)に直ちに閔海へ戻り海賊を討伐するよう命じ、寧弈(ニン・イー)を呼び寄せ対策を協議した。
寧弈(ニン・イー)と囲碁を打ちながら、天盛帝(てんせいこうてい) は閔国公(びんこくこう)の閔海への帰還を許可したことを明かした。寧弈(ニン・イー)は、林任奇による常遠(じょうえん)への弾劾が本当に誤解だったのか、そして常遠(じょうえん)が天盛に長きにわたる平和をもたらすと本当に信じているのか、父帝に疑問を投げかけた。天盛帝(てんせいこうてい) は激怒し、盤をひっくり返し、自分の決定に異議を唱えるべきではないと寧弈(ニン・イー)を叱責した。寧弈(ニン・イー)は趙淵(チャオ・ユエン)のために、自ら不敬の罪を認めた。
天盛帝(てんせいこうてい) は趙淵(チャオ・ユエン)を通して、桂見周が寧昇(ニン・ション)を皇太子に立てるよう奏上した表章を読み上げ、常家の勢力が強く、容易には揺るがないことを示した。寧弈(ニン・イー)は、父帝がひたすら妥協しても常氏(じょうし)一族の目を覚まさせることはできないと考え、桂見周の上奏は閔国公(びんこくこう)が金匱に皇太子の名前が記されているとは信じていないことの表れだと指摘した。ついに天盛帝(てんせいこうてい) は寧弈(ニン・イー)に、金匱に記された名前は寧弈(ニン・イー)自身であることを告げた。寧弈(ニン・イー)は腕に赤焰暗紋が現れていることに気づき、宮中に内通者がいると確信し、鳳知微(フォン・ジーウェイ)に助けを求めることにした。時を同じくして、韶寧(シャオ・ニン)も青溟書院を訪ねて鳳知微(フォン・ジーウェイ)を探すが、鳳知微(フォン・ジーウェイ)が姚相に捕まっているところを目撃する。その後、寧弈(ニン・イー)が祝いのため現れ、鳳知微(フォン・ジーウェイ)を連れ去った。
第30話あらすじとネタバレ
寧弈(ニン・イー)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)に茶を所望するが、茶がないと分かると今度は水を求める。水は冷えていると聞き、寧弈(ニン・イー)は半ば冗談めかして、顧南衣(グー・ナンイー)と長く一緒にいると、鳳知微(フォン・ジーウェイ)まで言葉数が少なくなったのかと問う。実は、韶寧(シャオ・ニン)が密かに門の外で彼らの会話を盗み聞きしていた。寧弈(ニン・イー)は韶寧(シャオ・ニン)の存在に気づき、鳳知微(フォン・ジーウェイ)に青溟書院の責任者となるよう命じる。朝廷のためにより多くの人材を育成してほしいというのが彼の真意だ。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は寧弈(ニン・イー)の意図を理解していないふりをする。寧弈(ニン・イー)は、かつて辛子硯(シン・ズーイエン)を通して彼女に青溟書院の管理を任せたこと、そして当時の書院の様子を覚えているか尋ねる。
寧弈(ニン・イー)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)を廃太子寧川(ニン・チュアン)の側近であった辛子硯(シン・ズーイエン)に例え、彼女の仮応を探る。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は自分にその任は務まらないと答え、命令の撤回を願い出る。続いて寧弈(ニン・イー)は金匱要略を回収すると言い、門外で盗み聞きしていた韶寧(シャオ・ニン)を驚愕させる。その時、寧澄(ニン・チョン)が誰かが覗いているのに気づき、追及しようとするが、寧弈(ニン・イー)に止められる。寧弈(ニン・イー)は寧澄(ニン・チョン)に誰が盗み聞きしていたのかを調査するように命じる。この全ては鳳知微(フォン・ジーウェイ)の静かな視線の下で行われる。
燕懐石(イエン・ホワイシー)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)に、韶寧(シャオ・ニン)が裏門から出て行くのを見たと告げる。韶寧(シャオ・ニン)の様子はひどく不安そうだったという。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は、寧弈(ニン・イー)が韶寧(シャオ・ニン)の飴を奪ったため、韶寧(シャオ・ニン)が怒って誰かに訴えに行ったが、それが寧弈(ニン・イー)の罠にはまってしまったのだと説明する。青溟書院を後にした韶寧(シャオ・ニン)は、そのまま燕王(えんおう)寧昇(ニン・ション)の屋敷へ向かう。辛子硯(シン・ズーイエン)は寧弈(ニン・イー)の計略を称賛する。
辛子硯(シン・ズーイエン)は18年前の寧弈(ニン・イー)の母妃の事件を思い出し、真相の大部分を読み解く。天盛帝(てんせいこうてい) は帝京を陥落させた後、常遠(じょうえん)に辺境の守備を命じ、同時に偽の情報を使って寧弈(ニン・イー)の母妃を陥れ、占壁(セン・ヘキ)を助けたという罪を著せたのだ。事件の大まかな流れは理解できたものの、当年、貴妃がどのように寧弈(ニン・イー)の母妃を陥れたのかを証明する確固たる証拠が不足していた。韶寧(シャオ・ニン)と寧昇(ニン・ション)が繋がったことで、寧弈(ニン・イー)は更なる行動に出ることを決意し、寧澄(ニン・チョン)に宮正司の宮正を呼び、滟妃(えんひ)事件の重要な物証を鑑定させるよう指示する。
西陲の守備隊の毛都督が吉兆を報告し、天盛帝(てんせいこうてい) は霊台丞(れいたいじょう)を呼び、この現象の解釈を求める。霊台丞(れいたいじょう)はこれが皇太子位と関係があるかもしれないと仄めかすものの、明確な発言は避ける。天盛帝(てんせいこうてい) は趙淵(チャオ・ユエン)に顧衍(グー・イエン)にこの件を調査させるよう命じる。赫連錚(カクレン・ショウ)は魏府へ鳳知微(フォン・ジーウェイ)を訪ねようとするが、顧南衣(グー・ナンイー)に阻まれ、会うことができない。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は墨懐石に自分が確かに「大成要略」を読んだことがあると伝え、墨懐石を驚愕させる。墨懐石は彼女にこの件は非常に危険だと警告する。
徐侍郎は亜相(あしょう)に金匱要略の処理方法について相談する。亜相(あしょう)は天盛帝(てんせいこうてい) の指示を待つようにと、普段通りの手順で進めるよう助言する。貴妃は王氏を呼び、御賜の雲錦を下賜する。朝廷では、徐侍郎が来るべき聖寿宴を寧昇(ニン・ション)に主催させることを提案し、天盛帝(てんせいこうてい) の承認を得る。続いて顧衍(グー・イエン)が毛都督が吉兆の表文を偽造したことを告発し、亜相(あしょう)は金匱要略の保管を強化するよう進言する。最終的に、天盛帝(てんせいこうてい) は鳳知微(フォン・ジーウェイ)と姚相に遺詔の共同管理を命じ、寧弈(ニン・イー)に金匱要略を青溟書院へ護送させる。
赫連錚(カクレン・ショウ)は青溟書院への侵入を諦めない。寧弈(ニン・イー)は鳳知微(フォン・ジーウェイ)に赫連錚(カクレン・ショウ)を懲らしめるよう勧める。鳳知微(フォン・ジーウェイ)は楚王(そおう)の命令に従い、顧南衣(グー・ナンイー)に赫連錚(カクレン・ショウ)を来た場所に送り返すよう指示する。寧昇(ニン・ション)は父が金匱要略を鳳知微(フォン・ジーウェイ)に管理させたのは常氏(じょうし)の勢力拡大を防ぐためだと考え、後顧の憂いを断つために王氏を排除することを決意し、自ら金匱要略の内容を確認する。貴妃は王氏の側近の信頼厚い女官を使って御賜の品を壊させ、王氏を陥れようとする陰謀を企てる。
コメントする