明朝中期を舞台に、身分違いの結婚から始まる愛と成長の物語――『恋心は玉の如き』。
主人公は、刺繍の腕は一流ながら庶出という境遇に甘んじない羅羅十一娘(らじゅういちじょう)。彼女は思わぬ縁で、永平侯大将軍・徐令宜(じょれいぎ)に嫁ぐことになります。持ち前の明るさと前向きさで徐家の信頼を勝ち取り、家を切り盛りしていく羅十一娘(らじゅういちじょう)。やがて、その内面の美しさに惹かれた徐令宜(じょれいぎ)との間に、ゆっくりと愛が芽生えていきます。
夫の支えのもと、刺繍工房「仙綾閣」を開き、伝統の技を守り伝える羅十一娘(らじゅういちじょう)。一方、徐令宜(じょれいぎ)は国と民のために海禁政策の撤廃に尽力し、様々な困難に立ち向かいます。一族が滅亡の危機に瀕した時でさえ、二人は力を合わせ、見事乗り越えていくのです。そしてついに、海禁政策は撤廃され、沿岸地域はかつてない繁栄を迎えます。
登場人物たちのその後も気になるところ。羅十一娘(らじゅういちじょう)と徐令宜(じょれいぎ)は、息子と娘に恵まれ、幸せな人生を送ります。息子は父の跡を継ぎ「武進伯」に、娘も健やかに成長します。一方、他の姉妹たちの運命は様々です。病弱な元娘は若くしてこの世を去り、野心的な二娘は不幸な結婚生活の末、非業の死を遂げます。五娘は慎ましい暮らしの中、愛する人と生涯を共にし、子宝にも恵まれます。侍女の冬青は、紆余曲折を経て愛する人と福建で幸せに暮らします。しかし、琥珀は想いを寄せた欧彦行との恋が叶わず、別れの道を辿ります。
身分差、家族の確執、そして国の命運を揺るがす政争…。逆境に立ち向かい、愛を育み、成長していく羅十一娘(らじゅういちじょう)と徐令宜(じょれいぎ)。明朝を舞台に繰り広げられる、壮大な愛と感動の物語です。原作は吱吱による人気小説『庶女攻略』。
第1話あらすじとネタバレ
雷鳴轟く嵐の夜、羅府では呂姨娘が娘の羅十一娘(らじゅういちじょう)を庇うため、夫人に許しを請うていた。しかし、夫人は身分の違いを強調し、幼い羅十一娘(らじゅういちじょう)に容赦なく罰を与えた。
呂姨娘と羅十一娘(らじゅういちじょう)は長年府外で質素な暮らしをしていたが、羅十一娘(らじゅういちじょう)の優れた刺繍技術で何とか生計を立てていた。ある日、夫人の呼び戻しにより、母娘は京への帰路につくことになった。
一方、永平侯徐令宜(じょれいぎ)は副将の臨波に客栈で逃亡犯の江槐と劉勇を捕縛するよう命じていた。偶然にも、羅十一娘(らじゅういちじょう)母娘が同じ客栈に宿泊しており、機転の利く羅十一娘(らじゅういちじょう)は江槐の怪しい行動に気づく。しかし、江槐に人質として橋の欄幹まで連れ去られてしまう。
その瞬間、徐令宜(じょれいぎ)が官兵を率いて駆けつけた。羅十一娘は咄嗟に江槐の刀を落とし、徐令宜(じょれいぎ)は江槐を射傷する。混乱の中、江槐は川に転落し、羅十一娘も巻き添えで川に落ちてしまった。徐令宜(じょれいぎ)は躊躇なく飛び込んで羅十一娘を救助しようとするが、江槐に傷を負わされる。幸いにも、林世顕(りんせいけん)が舟で通りかかり、救助に協力した。
目を覚ました羅十一娘は自分の境遇を気にするが、侍女の冬青は徐令宜(じょれいぎ)が羅十一娘の安否を気にかけていないと不満を漏らす。しかし、冬青は徐令宜(じょれいぎ)が羅十一娘を救うために命を懸けていたことを知らなかった。その後、羅十一娘は林世顕(りんせいけん)に感謝の意を伝える。
京に到著した羅十一娘は、簡師傅から刺繍の技術を学び、師弟の深い絆を結んだ。羅十一娘は既に成人しており、簡師傅は夫人が羅十一娘の縁談を計画しているのではないかと推測する。羅十一娘は夫人の企みを察しており、京に戻れば多くの困難に直面することを覚悟していた。そこで、簡師傅に刺繍の販売を依頼し、将来の困難に備えることにした。
数年後、呂姨娘は羅(ら)家の屋敷を見上げながら、あの嵐の夜を思い出していた。部屋に戻った羅十一娘は、部屋の模様替えに驚き、夫人の裏の意図を疑う。そこへ、羅二娘が五娘を連れて部屋にやってきて、五娘が良縁に恵まれたことを自慢げに話す。そして、羅十一娘さえ従順であれば、夫人も良縁を世話してくれるとほのめかす。羅二娘の横暴な態度に、羅十一娘は翌日の挨拶の際に情報を聞き出すことを決意する。
翌日、羅(ら)家の娘たちは夫人に挨拶をする。夫人は二娘に簪を選ぶように命じ、羅十一娘は代わりに夫人のために簪を選ぶことを申し出る。そして、牡丹の花の簪を選ぶ。この行動に羅二娘は激怒するが、大夫人羅十一娘の提案を採用し、3月3日に徐家を訪れて春の宴に参加することを発表する。挨拶の後、羅二娘は羅十一娘に自分と争うなと警告し、怒って立ち去る。冬青は普段は忍耐強い羅十一娘がなぜ今日羅二娘と対立したのか理解できないが、羅十一娘はわざと羅二娘を怒らせて、春の宴と縁談に関する重要な情報を聞き出したかったのだ。そして、羅二娘の真の目的をさらに調査する必要がある。
徐令宜(じょれいぎ)は京に戻り、功績を認められて褒賞を受ける。議政の席で、陳閣老は海賊の江槐について言及し、徐令宜(じょれいぎ)は自分の過ちを認め、海賊問題は海禁政策に起因すると指摘する。靖遠侯はこの意見に賛同せず、徐令宜(じょれいぎ)にも好意的な態度を示さなかった。
徐令宜(じょれいぎ)は家に帰って挨拶をし、元娘が病床にあることを知る。元娘を訪ねると、文姨娘と秦姨娘が息子たちを連れて次々とやってくる。文姨娘の息子は活発な徐嗣諭、元娘の息子は内気な諄哥で、徐令宜(じょれいぎ)に近寄ろうとしない。
第2話あらすじとネタバレ
徐令宜(じょれいぎ)は帰宅すると、徐老夫人から元娘の病状が悪化したことを知らされる。徐令宜(じょれいぎ)はすぐに元娘の屋敷に向かうが、病状を尋ねる前に文姨娘と秦姨娘が息子たちを連れて次々と到著する。文姨娘の息子である諭哥は明るく社交的だが、元娘の息子である谆哥は内気で徐令宜(じょれいぎ)にあまり近づこうとしない。文姨娘は徐令宜(じょれいぎ)が受けた褒賞に興味を示し、爵位を授かっていないことを知って落胆する。夜が訪れると、元娘は徐令宜(じょれいぎ)が民衆の利益のために爵位を辞退したことに腹を立て、病状が悪化する。徐令宜(じょれいぎ)は元娘を気遣う一方で、名利を重視しすぎる元娘に不満を抱く。
羅夫人は娘たちを連れて永平侯府を訪れる。羅二娘は女主人らしく振る舞い、妹たちに教導する。羅五娘は羅二娘の態度に仮発し、羅夫人に訴えて羅二娘の非礼を認めさせ謝罪させる。その後、一同で元娘を見舞う。元娘は召使に三姉妹に玉佩を贈るように指示する。今回は羅二娘が謙虚な態度で満足のいく玉佩を選び、羅十一娘(らじゅういちじょう)には多子多福を象徴する玉佩をわざと選ばせる。羅夫人は女性たちに気分転換をさせ、元娘と話し合う。元娘は永平侯府の後継者として羅(ら)家の姉妹から一人を選び、もう一人を纨绔子弟の王煜に嫁がせることで、将来谆哥が姜家と縁を結べるようにすることを考える。羅五娘には婚約者がいるため、候補者は羅二娘と羅十一娘(らじゅういちじょう)の二人となる。羅二娘は賢いが、羅夫人は彼女が谆哥を大切に扱ってくれると考える。羅十一娘(らじゅういちじょう)は予測が難しく、将来コントロールするのが難しいのではないかと心配する。元娘はどちらの羅(ら)家の娘が侯府に嫁いでも、喬蓮房(きょうれんぽう)が最大の障害になると考える。
ある日、羅五娘と羅十一娘(らじゅういちじょう)は羅二娘が玉佩を選ぶ時の奇妙な行動について話し合う。羅二娘は春日の宴で何か企んでいるのではないかと推測する。
徐令宜(じょれいぎ)が侯府に戻ると、従妹の国公の嫡女である喬蓮房(きょうれんぽう)が誤って転倒し、彼の腕に飛び込んでしまう。この場面を羅五娘と羅十一娘(らじゅういちじょう)が目撃し、羅十一娘(らじゅういちじょう)は徐令宜(じょれいぎ)が薄情な人物だと確信する。なぜなら、妻が病気であるにもかかわらず、他の女性と関係を持っているからだ。
元娘の友人である姜少夫人が羅(ら)家の三姉妹の様子を見に来る。姜少夫人は羅十一娘と羅二娘に好印象を持ち、羅二娘は羅十一娘の刺繍の技術をアピールして姜少夫人の注意を引こうとする。
宴会の席上、徐令宜(じょれいぎ)の弟である徐令寬が戯曲を披露する。喬蓮房(きょうれんぽう)は羅(ら)家の姉妹が自分の風頭を奪うのではないかと心配するが、喬母は正室の座は自分しかいないと確信する。その時、陶媽媽が元娘の言葉を伝え、風箏を揚げに行こうと誘う。そして、地形に詳しい喬蓮房(きょうれんぽう)に先導を頼む。羅二娘はすぐに立ち上がり、羅夫人が引き留めようとしても、彼女は席を離れる。一方、羅十一娘は羅夫人の言うことを聞いて、陶媽媽と一緒に元娘に会いに行く。
喬蓮房(きょうれんぽう)は内院で一人になり、徐令宜(じょれいぎ)に近づこうとする。しかし、一人の丫鬟が誤って彼女にぶつかり、衣服を濡らしてしまう。その丫鬟は喬蓮房(きょうれんぽう)を内院に連れ込んで著替えさせ、彼女の外衣を持ち去る。喬蓮房は著替えを待っているが、このすべてが元娘の計画であることに気づいていない。元娘は喬蓮房という最大の障害を排除するためにこの策略を立てたのだ。彼女は徐令宜(じょれいぎ)の習慣を知っており、羅十一娘に散歩に付き合わせ、徐令宜(じょれいぎ)が部屋に戻った時にこの場面を目撃させ、喬蓮房の名誉を毀損するつもりだった。
第3話あらすじとネタバレ
徐令宜(じょれいぎ)は部屋に戻ると、喬蓮房(きょうれんぽう)がすでに外套を脱いでいるところだった。二人が仮応する前に、元娘が羅十一娘(らじゅういちじょう)を連れて部屋に入ってきた。喬蓮房(きょうれんぽう)は突然の闖入に驚き、戸惑う。徐令宜(じょれいぎ)はすぐに羅十一娘(らじゅういちじょう)に部屋の外で待機するよう指示し、元娘と喬蓮房(きょうれんぽう)の三人で話し合うことにした。
羅十一娘(らじゅういちじょう)は部屋の外で待機しながら、途中で出会った丫鬟が元娘に合図を送っていたことを思い出し、这一切が元娘の計画だったのではないかと疑う。文姨娘は傍観しており、徐夫人と喬夫人が知らせを聞いて駆けつけた。元娘は喬蓮房(きょうれんぽう)を妾として迎え入れるよう脅迫する。実際、徐令宜(じょれいぎ)は喬蓮房(きょうれんぽう)に特別な感情を持っておらず、彼女には京城を離れて別の縁談を見つけることを望んでいた。しかし、喬蓮房(きょうれんぽう)は徐令宜(じょれいぎ)に一途な思いを抱いており、侯府の妾になることを決意した。
徐令宜(じょれいぎ)は元娘の策略に気づき、元娘が自分が春日宴で静安軒に逃げ込み、静けさを求めることを知っていたことに失望した。夫婦の間は相濡以沫ではないとしても、少なくとも表面上は敬意を払うべきだと考えていた。元娘は徐令宜(じょれいぎ)が喬蓮房(きょうれんぽう)の策略を責めなかったことと、徐夫人が喬蓮房(きょうれんぽう)を妾として迎え入れることに決めたことに対して怒り、逆に徐令宜(じょれいぎ)から責められていると感じた。
宴会の後、羅夫人は元娘の部屋に呼ばれ、今日の出来事を聞いた。羅夫人は羅十一娘(らじゅういちじょう)を徐家に嫁がせることに決めた。羅夫人は羅十一娘(らじゅういちじょう)の考えを理解できないが、二娘は落ち著きがなく、侯府に入ってからも喬蓮房(きょうれんぽう)に対抗できないだろうと考えている。
徐令宜(じょれいぎ)は元娘が姜家に諄哥の縁談を持ちかけることに同意し、部屋に戻って徐夫人に挨拶をした。母親が喬蓮房(きょうれんぽう)を妾として迎え入れることに固執しているため、徐令宜(じょれいぎ)は孝行心から最終的に妥協せざるを得なかった。
呂姨娘は羅夫人が羅十一娘(らじゅういちじょう)を纨绔子弟の王煜と結婚させようとしていることを聞き、娘が被害に遭うのではないかと心配する。羅十一娘(らじゅういちじょう)は侯府での経験を思い出し、元娘の標的にされるのではないかと恐れる。侯府の複雑な環境や、相性の悪い姨娘たち、そして新たに迎え入れることになる貴妾の喬蓮房(きょうれんぽう)のことを考えると、侯府は危険な場所だと感じていた。
ある日、羅十一娘(らじゅういちじょう)は冬青と一緒に簡師傅を見舞いに行った後、一人で碼頭に行って船を借りようとしたが、巡邏中の徐令宜(じょれいぎ)と偶然出会ってしまった。慌てて胭脂を落としてしまい、お金で解決しようとしたが、店主は納得しなかった。徐令宜(じょれいぎ)は二人の口論に気付き、羅十一娘(らじゅういちじょう)を家に送ると申し出たが、羅十一娘(らじゅういちじょう)は彼の申し出を断った。
林世顕(りんせいけん)も船を探している羅十一娘(らじゅういちじょう)と碼頭で会い、二人は一緒に茶を飲みながら話をした。林世顕(りんせいけん)は羅十一娘(らじゅういちじょう)の気っぷの良さに感心し、一緒に余杭まで送ってくれることにした。羅十一娘は貴人と出会えたことを喜び、二人は月初めに慈安寺で会う約束をした。
羅夫人は姜家から多額の結納金を受け取った後、二娘を茂国公府の王煜に嫁がせることに決めた。諄哥の利益のためには、二娘を犠牲にすることもいとわないと考えている。この知らせを受けた羅二娘は羅夫人の選択を信じられず、羅十一娘が王煜と結婚すべきだと考えるが、彼女たちはどちらも羅(ら)家の駒であることを知らない。
羅二娘は王煜がいつも遊郭に通っていることを知ると、わざと彼の前で転倒した。王煜は羅二娘を一目見て気に入り、名前を尋ねた。狡猾な二娘は自分が羅十一娘だと偽り、本当の羅二娘は体が弱いと嘘をついた。王煜は病弱な妻を娶りたくなかったので、考えを変えて羅府に羅十一娘を娶りたいと申し入れた。
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