概要/あらすじ
千年竜の愛と復讐――中国ファンタジー小説『護心』の世界へ
『護心』(ごしん)は、九鷺非香による仙侠ファンタジー小説です。千年を生きる妖竜・天耀(ティエンヤオ)と、修仙の道を歩む少女・雁回(イエンフイ)、二人の数奇な運命を描いた物語です。
かつて天耀(ティエンヤオ)は、仙人・素影(スーイン)との恋に破れ、封印されてしまいます。そして、夭折した男児の肉体に魂を宿し、復活の時を待ちわびていました。一方、雁回(イエンフイ)は師門を追放された少女。ひょんなことから天耀(ティエンヤオ)に「騙され」、バラバラになった彼の体を探す旅に巻き込まれていきます。当初は反発し合っていた二人ですが、次第に互いを頼るようになり、やがて深い絆で結ばれていきます。そして、二人で共に、世界の背後に潜む真の敵、そして大きな陰謀に立ち向かっていくのです。
物語は複雑な人間関係が織りなす愛憎劇でもあります。天耀(ティエンヤオ)の初恋の相手・素影(スーイン)こそが、物語最大の黒幕。彼女は天耀(ティエンヤオ)のかつての恋人・陸慕生(リク・ムーシェン)とも複雑な関係にあり、それぞれの思惑が絡み合い、物語は混沌としていきます。雁回(イエンフイ)と天耀(ティエンヤオ)も、当初は敵対心剥き出しでしたが、互いに救い合う中で深い愛情を育んでいきます。他にも、青丘(チンチウ)の狐・燭離(ショクリ)や、雁回(イエンフイ)の従者・幻小煙(ゲン・シャオエン)など、個性豊かなキャラクターたちが物語を彩り、笑いと涙を誘います。
『護心』は、天耀(ティエンヤオ)と雁回(イエンフイ)の愛の物語であると同時に、仙人と妖怪の戦い、復讐と救済といった壮大なテーマも描いています。登場人物たちの複雑な関係性と、それぞれの抱える葛藤が、物語に深みを与えています。
物語は、雁回(イエンフイ)が「護心麟」へと昇華し、世界を救うも、自らは消滅するという切ない結末を迎えます。護心麟の力を借りて編み出した「幽冥賦」で、世界を蝕む黒気を浄化し、人々を救った雁回(イエンフイ)。しかし、彼女は自らを犠牲にし、無数の星屑となって世界に散らばっていくのです。
主な登場人物
- 雁回(イエンフイ): 師門を追放された修仙の少女。天耀(ティエンヤオ)と出会い、バラバラになった彼の体を探す旅に同行する。
- 天耀(ティエンヤオ): 千年を生きる妖竜。愛する素影(スーイン)に封印されるも、復活を果たす。雁回(イエンフイ)と出会い、運命を共にする。
- 素影(スーイン): 天耀(ティエンヤオ)の初恋の相手。天耀(ティエンヤオ)を封印した張本人であり、物語の黒幕。
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