第54話あらすじとネタバレ
錦覓(きんべき)は栖梧宮に戻り、庭の鳳凰樹を前に号泣した。彼女はもう一度試すことを決意し、もしそれでも鳳凰樹が生き返らなければ二度と旭鳳(きょくほう)に会わない、もし生き返れば再び魔界へ行き旭鳳(きょくほう)に会うと誓った。錦覓(きんべき)は術を使い、再び目を開けると、色は見えないものの、木から生命力を感じ、喜びに満ちた。
自信を取り戻した錦覓(きんべき)は魔界へと向かった。そこで彼女は、旭鳳(きょくほう)が穂禾(すいか)の誕生日を祝うために周到な準備をしている様子を目にした。皆が二人を「お価合いだ」と褒め称える中、旭鳳(きょくほう)と穂禾(すいか)は部屋に入り、穂禾(すいか)は旭鳳(きょくほう)のために花餅を作った。旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)の存在に気付いている様子で、わざと穂禾(すいか)に親密な態度を見せ、誕生日祝いの準備をしており、固城王(こじょうおう)府を穂禾(すいか)に与えると告げた。隠れて見ていた錦覓(きんべき)の心は張り裂けんばかりだった。
鄺露(こうろ)は潤玉(じゅんぎょく)に錦覓(きんべき)の行方を報告した。潤玉(じゅんぎょく)は、錦覓(きんべき)の霊力が回復しており、普通の魔族では彼女に危害を加えることは難しいだろうと述べた。帰ってきた錦覓(きんべき)を見て、潤玉(じゅんぎょく)の心は葛藤でいっぱいだった。彼女が自分を苦しめに来たのではないかと疑い、彼女を束縛したい気持ちと、自由を奪えば二度と戻ってこないかもしれないという恐れの間で揺れていた。
一方、鎏英(りゅうえい)と暮辞(ぼじ)は語り合っていた。暮辞(ぼじ)は鎏英(りゅうえい)に、将来旭鳳(きょくほう)に従う生活を考えているか尋ね、鎏英(りゅうえい)は不機嫌になった。暮辞(ぼじ)は鎏英(りゅうえい)の将来を心配し、鎏英(りゅうえい)は、一緒にいられる時間が長かろうと短かろうと、その時間を大切にすべきだと真剣に告げた。暮辞(ぼじ)がそれに同意した直後、突然倒れてしまった。鎏英(りゅうえい)は急いで彼を王府へ連れ帰り、卞城王(べんじょうおう)は暮辞(ぼじ)の霊力が衰えていることが原因だと説明した。暮辞(ぼじ)が目を覚ますと、鎏英(りゅうえい)は彼に結婚を申し込んだ。
また、穂禾(すいか)は固城王(こじょうおう)府に戻る途中、炎城王の二人の愚鈍な息子に絡まれ、怒りのあまり彼らを殺そうとした。旭鳳(きょくほう)が間一髪で止めに入り、自分の命の恩人である穂禾(すいか)を誰も傷つけさせないと宣言した。しかし、穂禾(すいか)は、自分の行動は恩人になるためではなく、妻になるためだと明言した。この告白に対し、旭鳳(きょくほう)は政務が多忙であることを理由に、今は個人的な感情の問題を考えたくないと濁した。怒った穂禾(すいか)は二人の世子を虞淵に突き落とした。
穂禾(すいか)は旭鳳(きょくほう)と共に忘川の畔にやって来た。彼女は旭鳳(きょくほう)に、まだ錦覓(きんべき)のことを想っているのかと尋ねた。旭鳳(きょくほう)は、自分を殺そうとした者を恨まないわけがないと答えた。穂禾(すいか)は、恨みは心に錦覓(きんべき)がいる証拠だと指摘し、旭鳳に彼女を完全に忘れさせようとした。旭鳳は穂禾(すいか)に、二人の関係に影響するのでこの件にはもう触れないようにと頼んだ。穂禾はそれを聞いて安堵し、優しく旭鳳に寄り添い、永遠の幸福を夢見た。
遠くからその様子を見ていた錦覓(きんべき)は、自分と旭鳳の間の誤解がどれほど深まっているかを悟った。穂禾の誕生日当日、旭鳳は寝殿で彼女のために宴を催した。旭鳳を忘れられない錦覓(きんべき)は再び魔界に潜入し、彼が穂禾に五彩霓裳を羽織らせる様子を、胸が張り裂ける思いで見つめていた。錦覓(きんべき)は小兎の姿に変身したが、すぐに旭鳳に見つかってしまった。正体を見破られないよう、彼女はとっさに旭鳳を噛んだ。穂禾は怒って兎を殺そうとしたが、旭鳳はそれを止め、もっと残酷な方法で処分すると言った。結局、旭鳳はこっそり錦覓(きんべき)を逃がした。
錦覓(きんべき)はこっそり旭鳳の寝殿に戻り、眠っている彼に謝罪し、想いを伝えた。旭鳳は喉の渇きで目を覚まし、錦覓(きんべき)が水を汲みに行こうとした時、彼女を引き寄せ唇を重ねた。錦覓(きんべき)がそれに応えようとした瞬間、旭鳳は穂禾の名前を呼んだ。深く傷ついた錦覓(きんべき)は旭鳳を突き放し、急いで逃げ出した。
人気のない場所で錦覓(きんべき)は彦佑(げんゆう)を呼び出したが、彼が重傷を負っていることに気付いた。老胡(ろうこ)は彦佑(げんゆう)が瑠璃浄火で焼かれたと診断し、錦覓(きんべき)がすぐに連れて帰ったおかげで元神は無事だったと告げた。天界で瑠璃浄火を使えるのは天后(てんこう)と旭鳳だけだと考え、錦覓(きんべき)は旭鳳が犯人ではないと確信し、他に犯人がいるはずで、しかもその人物が自分と旭鳳の間に誤解を生じさせた張本人ではないかと疑った。
彦佑(げんゆう)を救うため、錦覓(きんべき)は上古の邪獣、九嬰の内丹精元が必要だと知った。九嬰は既に討伐されているが、その神識は魔界の地宮に囚われている。老胡(ろうこ)は仮対するも、錦覓(きんべき)は危険を承知で試す決意をした。自分の力で彦佑(げんゆう)を救うことで、過去のわだかまりを本当に払拭できると信じていた。
第55話あらすじとネタバレ
錦覓(きんべき)は九嬰の地宮に入ると、すぐに穂禾(すいか)の耳に情報が届いた。老胡(ろうこ)は鏡を通して錦覓(きんべき)と連絡を取り、九嬰の元の神が囚われている場所を案内した。錦覓(きんべき)は多くの結界を破り、無事にその場所へたどり著いた。しかし、九嬰は9つの異なる人格を持ち、それぞれが一つの眼に対応している。老胡(ろうこ)は錦覓(きんべき)に、九嬰が完全に目覚める前に内丹を取り出す必要があると緊急に告げた。そうでなければ、九嬰が意識を取り戻すと、彼女の魂を飲み込んでしまうだろう。
その時、錦覓(きんべき)は自分が色を識別できなくなったことに気づき、老胡(ろうこ)の指示に頼るしかなくなった。不運なことに、九嬰が突然目を覚まし、強い光を放って老胡(ろうこ)を一時的に失明させてしまった。錦覓(きんべき)は直感と九嬰の仮応を判断して、緑色の内丹精元を無事に取り出した。彼女が地宮から出ると、穂禾(すいか)はすでに外で待っていた。穂禾(すいか)は錦覓(きんべき)が彦佑(げんゆう)を救うために九嬰の内丹を手に入れようとしていることを知っており、錦覓(きんべき)を阻止しようと決意していた。錦覓(きんべき)は内丹を穂禾(すいか)に渡して逃げようとしたが、穂禾(すいか)に見破られ、阻止されてしまった。
事態が進むにつれて、錦覓(きんべき)は穂禾(すいか)こそが瑠璃浄火を使って水神(すいじん)と風神(ふうじん)を殺害し、旭鳳(きょくほう)に罪を著せた真犯人であることに気づいた。怒りに満ちた錦覓(きんべき)は穂禾(すいか)に復讐しようとしたが、その瞬間、旭鳳(きょくほう)が現れた。穂禾(すいか)は巧妙に弱々しく無力なふりをして、錦覓(きんべき)に傷つけられたように見せた。旭鳳(きょくほう)は再び前に進もうとする錦覓(きんべき)を阻止し、穂禾(すいか)が真犯人であるという彼女の言葉を信じなかった。逆に、彼は錦覓(きんべき)に、もし穂禾(すいか)を傷つけたら、厳しく報復すると警告した。錦覓(きんべき)は非常に失望し、真実を説明しようとしたが、旭鳳(きょくほう)は彼女が潤玉(じゅんぎょく)と手を組んで自分を倒そうとしていると勘違いしてしまった。最終的に、旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)を地面に倒し、鳳翎簪を振りかざして彼女を傷つけようとした。しかし、最後の瞬間、鳳翎簪は錦覓(きんべき)を守り、旭鳳(きょくほう)はそれを壊すしかなくなった。このことで錦覓(きんべき)は心を痛めた。
一方、潤玉(じゅんぎょく)は錦覓(きんべき)の安否を心配して花界に向かい、彼女が九嬰の地宮に行ったことを知るとすぐに助けに向かった。絶望に満ちた錦覓(きんべき)の姿を見て、潤玉(じゅんぎょく)は彼女を連れ去り、この争いから遠ざけることにした。その後、旭鳳(きょくほう)は穂禾(すいか)に地宮にいた理由を尋ねると、穂禾(すいか)は旭鳳(きょくほう)を助けるために霊力を失ったため、この機会に力をつけたいと説明した。旭鳳(きょくほう)は彼女に無茶をしないようにと忠告したが、心の中では錦覓(きんべき)のことを忘れられず、本当に彼女と敵対したいのか疑問を抱いていた。
一方、暮辞(ぼじ)は外を歩いていると固城王(こじょうおう)の待ち伏せに遭い、滅霊箭(めいれいせん)を作り直すことを承諾せざるを得なくなった。さもなければ、自害するか捕らえられるかの運命に直面する。固城王(こじょうおう)は暮辞(ぼじ)を幽閉し、自発的に任務を遂行させると宣言した。一方、花界では、目覚めた錦覓(きんべき)は老胡(ろうこ)に自分が色を識別できなくなった理由を打ち明けた。彼女は玄穹之光と引き換えに無数の色を交換したのだ。この犠牲に老胡(ろうこ)は感動して涙を流した。
彦佑(げんゆう)は九嬰の内丹の力によって蘇り、月下仙人の前で、穂禾に瑠璃浄火で傷つけられた事実を明らかにした。彼は、どのように穂禾に利用されて天帝(てんてい)の愛人を排除し、その後穂禾に襲われたのかを振り返った。彦佑(げんゆう)は穂禾への偽りの愛情を隠れ蓑にして、殺気香灰を撒いて逃げ出し、錦覓(きんべき)の呼びかけに応えて花界に戻ってきた。
月下仙人は、彦佑(げんゆう)が穂禾に対して複雑な感情を抱いていることに鋭く気づき、穂禾が水神(すいじん)と風神(ふうじん)を殺害した真犯人である可能性があることも認識した。彦佑(げんゆう)と錦覓(きんべき)は協力して穂禾の罪を暴いたが、旭鳳(きょくほう)が彼らを信じていないことを考えると、月下仙人は錦覓に誤解を解く必要があると忠告した。なぜなら、もし旭鳳(きょくほう)が本当に穂禾の味方についた場合、六界に安寧の日が訪れることはないだろう。
第56話あらすじとネタバレ
忘川のほとりで一人佇む旭鳳(きょくほう)のもとに、ひっそりと穂禾(すいか)がやってきます。彼女は、まだ錦覓(きんべき)への恨みが残っているのかと尋ねます。旭鳳(きょくほう)は、錦覓(きんべき)が潤玉(じゅんぎょく)と手を組み、自分を陥れたことを認め、決して許すことはできないと答えます。その言葉を聞いた穂禾(すいか)は、内心で喜びを隠せません。
穂禾(すいか)が去った後、旭鳳(きょくほう)は忘川を見つめながら、本当に錦覓(きんべき)に手を下すことができるのかと苦悩します。そんな中、錦覓(きんべき)が魔界にやってきて、誤解を解こうとします。旭鳳(きょくほう)は彼女の到著を歓迎しませんが、錦覓(きんべき)はなぜ彼を誤解したのか、そして魇獣(えんじゅう)の記録が改ざんされていたことを正直に話します。しかし、旭鳳(きょくほう)は錦覓(きんべき)と潤玉(じゅんぎょく)が共謀して自分を陥れようとしていると疑います。
錦覓(きんべき)は涙を流しながら、謝罪の言葉を口にします。そして、穂禾(すいか)こそが水神(すいじん)と風神(ふうじん)の真犯人だと訴えます。しかし、旭鳳(きょくほう)は聞く耳を持ちません。彼は、命を救い、最も苦しい時にそばにいてくれたのは錦覓(きんべき)ではなく穂禾(すいか)だと主張します。そして、穂禾(すいか)を侮辱するのをやめなければ許さないと言い放ちます。
やむなく、錦覓(きんべき)は穂禾(すいか)のもとを訪れます。旭鳳(きょくほう)の態度を知った穂禾(すいか)は得意げに、錦覓(きんべき)に旭鳳(きょくほう)の心をどう取り戻すつもりなのかと挑発します。錦覓(きんべき)は、穂禾(すいか)に旭鳳(きょくほう)を傷つける機会を与えないと誓います。一方、穂禾(すいか)は旭鳳(きょくほう)のために命を投げ出すことができると言い、錦覓(きんべき)こそが彼を傷つける存在だとほのめかします。
花界に戻った錦覓(きんべき)は、深く自責の念に駆られます。老胡(ろうこ)は、それは単なる過ちだったと慰めますが、錦覓(きんべき)は自分を許すことができません。その時、連翹(れんぎょう)が花界の花がすべて消えたことを報告します。錦覓(きんべき)は、自分が旭鳳(きょくほう)に贈った春華秋実が消えつつあることを感じ、急いで魔界に向かいます。そこで彼女を待っていたのは、旭鳳(きょくほう)と穂禾(すいか)が親密にしている姿でした。旭鳳が鳳凰の花を穂禾(すいか)に贈った時、錦覓(きんべき)の心は張り裂けそうになります。
旭鳳は錦覓(きんべき)の存在に気づき、来月十五日に穂禾と結婚することを宣言します。穂禾は喜びを爆発させます。その後、旭鳳は錦覓(きんべき)の前に現れ、新しい魔后(まこう)を迎える以上、春華秋実は返してもらうと言います。錦覓(きんべき)の泣きながらの挽留にもかかわらず、旭鳳は冷たい態度で、彼が生死の境をさまよっていた時に彼女が「愛していない」と答えたことを思い出させます。そして、もし再び愛していると口にすれば、灰にするぞと警告します。
錦覓(きんべき)は、過去の甘い記憶を思い出し、春華秋実を握りつぶすことを決意します。彼女の指から血が流れ出し、血色の霜花(しもばな)となって空中を舞います。それを目撃した旭鳳は、激しい痛みを感じ、血を吐きます。
息絶え絶えの錦覓(きんべき)のもとに潤玉(じゅんぎょく)が現れ、旭鳳との関係は修復不可能だと告げ、一緒に寒さをしのぎましょうと提案します。潤玉(じゅんぎょく)は彼女に霊力を注ぎ込み続けます。鄺露(こうろ)は心配そうに、潤玉(じゅんぎょく)自身の安全にも気を遣うようにと促します。潤玉(じゅんぎょく)は、自分の心はすでに錦覓(きんべき)に捧げており、今は彼女の後ろに立つだけで十分だと答えます。
一方、鎏英(りゅうえい)は暮辞(ぼじ)が見つからないことを心配しています。卞城王(べんじょうおう)は、暮辞(ぼじ)は彼女に累が及ばないようにするために姿を消したのではないかと慰めます。鎏英(りゅうえい)は、6月6日に結婚することを約束していたものの、暮辞(ぼじ)の体調が悪いことを理由に、まだ彼には伝えていないと打ち明けます。その頃、暮辞(ぼじ)は約束を果たすために、滅霊箭(めいれいせん)を精一杯錬成していました。固城王(こじょうおう)は、彼の霊力が弱まっていることに気づき、無理やり部下の霊力を分け与えます。しかし、それが幽冥の怒りを招いてしまい、鎏英(りゅうえい)はさらに不安を募らせます。
縁機仙子(えんきせんし)が劫を終えて戻ってくると、月下仙人が彼女を囲碁に誘います。話しているうちに、旭鳳が穂禾と結婚するという話題になり、縁機仙子(えんきせんし)はそれが六界の劫難を避けられないことを示していると嘆きます。月下仙人はもっと詳しく知りたいと望みますが、縁機仙子(えんきせんし)はそれは自分たちの幹渉できる範囲を超えており、すべては運命が決めているのだと答えます。
第57話あらすじとネタバレ
鎏英(りゅうえい)は旭鳳(きょくほう)に、幽冥之怒の再出現は誰かが暮辞(ぼじ)に滅霊箭(めいれいせん)を作らせていることを意味し、それは旭鳳(きょくほう)を標的にしている可能性が高いと告げます。よく考えた旭鳳(きょくほう)は、固城王(こじょうおう)が最も怪しいと疑い、鎏英(りゅうえい)は暮辞(ぼじ)の安全をさらに心配します。二人が話している間に、月下仙人は旭鳳(きょくほう)の招待を受けて魔界にやってきて、穂禾(すいか)との結婚を思いとどまるように説得します。そして、水神(すいじん)と風神(ふうじん)を殺したのは穂禾(すいか)であり、彼女が主張しているように錦覓(きんべき)ではないこと、そして旭鳳(きょくほう)を救ったのは実際には錦覓(きんべき)であることを明かします。
月下仙人は、錦覓(きんべき)が旭鳳(きょくほう)を救うために命を危険にさらして蛇山に行き、玄穹之光を得て、ほとんど命を落としたことを強調します。しかし、旭鳳(きょくほう)は穂禾(すいか)に関するどんな悪評も受け入れようとせず、月下仙人の言葉を遮って、穂禾(すいか)は自分の魔后(まこう)になると言い、自分の心はこれからもずっと穂禾(すいか)に属し、錦覓(きんべき)が何をしても自分には関係ないと告げます。その後、旭鳳(きょくほう)は鎏英(りゅうえい)と一緒に忘川河のほとりに行き、鎏英(りゅうえい)の質問に、もし自分を救ったのが本当に錦覓(きんべき)だったらという不安を表明し、穂禾(すいか)が真犯人だとする主張も理にかなっていることを認めますが、穂禾(すいか)が自分のために霊力を使い果たしたことに対して罪悪感を感じていることを打ち明けます。
一方、錦覓(きんべき)は一人外で思いにふけっていると、潤玉(じゅんぎょく)が彼女の冷たい手を握ってきます。錦覓(きんべき)は、寒いときはいつも潤玉(じゅんぎょく)がそばにいてくれたことを思い出し、潤玉(じゅんぎょく)は自分も寒がりだからだと説明します。潤玉(じゅんぎょく)は錦覓(きんべき)に旭鳳(きょくほう)の結婚式の招待状を見せ、結婚式は春の最初の花が咲く頃に決まり、本当に良い日だと話します。この瞬間、錦覓(きんべき)は自分たちも同日に結婚しようと提案します。錦覓(きんべき)は表情を曇らせていますが、潤玉(じゅんぎょく)は喜んで提案を受け入れ、彼女を強く抱きしめ、これが最高の結末だと考えます。
暮辞(ぼじ)がようやく滅霊箭(めいれいせん)を作り終えると、固城王(こじょうおう)は鎏英(りゅうえい)に変装して矢を取りにやってきます。不審に思った暮辞(ぼじ)は六月初六を探りますが、真相を知らない固城王(こじょうおう)は暮辞(ぼじ)を騙して滅霊箭(めいれいせん)を渡すしかありません。相手の隙をついて、暮辞(ぼじ)は仮撃に成功し、固城王(こじょうおう)を灰燼に帰します。六月初六がやってきても暮辞(ぼじ)は見つかりませんでしたが、鎏英(りゅうえい)は約束通り結婚式の準備を整えて待っていました。極度の虚弱状態の暮辞(ぼじ)は、この逢瀬の場所を思い出し、旭鳳(きょくほう)の司会のもと、鎏英(りゅうえい)と結婚式を挙げます。命の最後の瞬間に、暮辞(ぼじ)はここで鎏英(りゅうえい)に初めてキスをされたことを思い出し、最後の力を振り絞って鎏英(りゅうえい)のキスに答え、彼女の腕の中で息を引き取ります。最期に、鎏英(りゅうえい)は暮辞(ぼじ)に自分が彼の子供を身ごもっていることを告げますが、その言葉は暮辞(ぼじ)には永遠に届きません。
錦覓(きんべき)が結婚に同意したことを知った潤玉(じゅんぎょく)は、とても喜びます。鄺露(こうろ)は心の中では悲しんでいますが、進んで結婚式の準備を担当すると申し出ます。錦覓(きんべき)のために、潤玉(じゅんぎょく)は花界の芳主(ほうしゅ)を招待する予定で、自ら請柬を書いて、鄺露(こうろ)に上質の糖沁紙を探すように頼みます。璇璣宮を出るとき、鄺露(こうろ)は魂を抜かれたように見えますが、潤玉(じゅんぎょく)は彼女の気持ちを知っており、心の中で感謝の気持ちを抱きます。月下仙人は、旭鳳(きょくほう)と潤玉(じゅんぎょく)の両方に主婚人を務めるように依頼され、困惑します。彦佑(げんゆう)は、月下仙人は今では黒白両道に通じていると冗談を言いますが、月下仙人は最も嫌いなのはおせっかいな仲人をすることだと答え、今はこれまで以上に状況が混乱していると話します。月下仙人は彦佑(げんゆう)と相談し、協力して事態を好転させ、すべてを平和に収めるべきかどうかを話し合います。
潤玉(じゅんぎょく)の結婚が近づいていることを知った鄺露(こうろ)は、憂鬱に陥ります。太巳真人(たいししんじん)はこれをとても心配しています。ある日、太巳真人(たいししんじん)は潤玉(じゅんぎょく)を訪ねて、鄺露(こうろ)が適齢期になったことを考慮して、他の場所に修行に行くことを許可してほしいと頼みます。潤玉(じゅんぎょく)は鄺露(こうろ)の選択を尊重し、大婚の後、天界で最高の縁談を見つけてあげると約束します。鄺露(こうろ)は部屋に入ってきて跪き、一生潤玉に従うと誓います。
コメントする