第22話あらすじとネタバレ
夜、方海市(かいし)は方諸と共に星空を仰ぎ見ていました。月の光が美しく、心を癒すようでした。方海市(かいし)は永遠に続くものがあるように感じましたが、方諸は永遠とは人の心に抱く執著だと諭します。寝る間際、母が方諸に新しい布団を用意しますが、家の狭さから方海市(かいし)は彼と同じ布団で寝ることに。
帝旭(ていそく)は方諸が鵠庫のスパイを匿っているという密告を受け、激怒します。特にこの時期に方海市(かいし)を連れ都を離れたことが、霽風館への疑いを深めました。方諸は噂を気にしませんが、帝旭(ていそく)にとっては悩みの種でした。落ち著きを取り戻した帝旭(ていそく)は、風箏を見て緹蘭を思い出します。癒安宮では、緹蘭が方海市(かいし)から贈られたドリームキャッチャーを眺め、悪夢を見なくなるようにと願っていました。
朝、方海市(かいし)が目覚めると、母から新しい服を渡されます。毎年母が作ってくれていた服が、今ちょうど良いサイズになっていました。方諸が海産物を拾いに行っていると聞き、方海市(かいし)は急いで海辺へ向かいます。漁村育ちの彼女にとって、カニを捕まえるのは容易いこと。一方、方諸は幼い頃から宮中で皇子と共に学び、時には帝旭(ていそく)と抜け出して遊んでいたという話を聞き、方海市(かいし)は規則に縛られない師の新たな一面を知ります。
この日は海産物が取れず、二人は市場へ。方海市(かいし)が値切り交渉をし、方諸が支払いをします。母は方諸を褒め、翌日一緒に漁に出ようと誘います。方海市(かいし)は朝廷の役人である方諸には不向きだと心配しますが、母は方諸に男性に良い滋養スープを勧めます。方諸が慌てて手を引く様子に、方海市(かいし)は照れくささを感じます。夜、母は方諸に都で方海市(かいし)を頼むと告げます。
翌朝、方諸は家の雨漏りに気づき、修理材料を買いに市場へ。同時に、母は近所の人に頼まれ幹物を手伝いに行きます。その後、母が拉緻されたと知らせを受けた方海市は、水への恐怖を克服し海辺へ急行。間一髪で方諸も駆けつけ、二人は協力して立ち向かいます。しかし、方海市が海に引きずり込まれ、方諸は迷わず海へ飛び込みます。そこに現れた人魚は、方海市が方諸にとって特別な存在であることを暗示しているかのようでした。
都に戻ると、哨子は帝旭(ていそく)が密告を握りつぶしたと方諸に報告。しかし、蘇鳴の陰湿な手段には警戒が必要だと忠告します。方諸は方卓英(ほうたくえい)と奪洛の関係、そして方卓英(ほうたくえい)の安全に配慮する必要があると考えます。
帝旭(ていそく)に謁見した方諸は、旅行への不満をぶつけられますが、越州行きは天啓城に潜む者を炙り出すためだったと説明。今回の行動で捕虜を捕らえ、帝旭(ていそく)は黒幕を白状させるため三日間の猶予を与えます。期限内に黒幕が分からなければ、方海市を罪に問うと告げます。
拷問に耐えかねた捕虜は、黒幕の正体を方諸に直接会って明かすことを条件に取引に応じます。捕虜は季昶が黒幕だと証言しますが、帝旭(ていそく)は蘇鳴の策略だと疑います。方諸は朝廷内にも黒幕になり得る人物はいると指摘し、季昶を呼び出して真偽を確かめることを提案します。帝旭(ていそく)は弟を疑うことを拒みますが、方諸はだからこそ潔白を証明する必要があると進言します。
柘榴(しゃりゅう)は昭明宮へ方諸に新しい官服を届け、鞠典衣の部屋で見つけた情報が書かれた布切れを渡し、何かあるのではないかと疑います。方諸は霽風館に調査を命じ、柘榴(しゃりゅう)に身の安全に気を付けるよう忠告します。柘榴(しゃりゅう)が霽風館の一員だと知った方卓英(ほうたくえい)は、彼女を守ると誓います。
穆徳慶は季昶を宮中に呼び、同時に方諸は哨子に捕虜を護送させ季昶と対質させます。道中、捕虜は花瓶を持った宮女にわざとぶつかり、割れた破片を拾います。季昶と対面した捕虜は彼を黒幕だと告発しますが、季昶は捕虜を見て驚き、気を失います。捕虜は拾った破片で自害します。駆けつけた帝旭(ていそく)に、季昶は兄を陥れるようなことはしないと誓い、身の潔白を証明しようとします。
宗室間の緊張を和らげるため、帝旭(ていそく)は戦乱で生き散った宗室の子女に対し、身分を証明できれば爵位と領地を回復するという勅令を出します。哨子は真の血縁が戻れば新たな問題が生じるのではと疑問を抱きますが、方諸は帝旭(ていそく)の孤独が原因ではないかと推測します。また、哨子は礼部に聶妃の娘で季昶の姉に価た人物が現れたと方諸に報告します。
第23話あらすじとネタバレ
方諸の駕籠が街中で顧陳氏に阻まれた。彼女は方諸を天子側近の重臣殺害の真犯人だと糾弾し、その場で服毒自殺を図った。傍らにいた子供も毒に侵され倒れる。方諸はすぐさま昭明宮へ子供を運び治療させようとするが、道中、子供は突如方諸を刺し、その後、毒が回り死亡する。この一連の出来事に対し、方諸は無辜の子供を丁重に葬るよう指示を出した。
廷尉少卿宗裕が面会を求めてきた。哨子は方諸の傷を案い、追い返そうとするが、方諸はそれを拒否。傷のことを口外しないよう哨子に命じる。今日の出来事は自分を試すためのものだと考え、噂はますます広まるだろうと推測する。家族を守るため、方海市(かいし)と方卓英(ほうたくえい)には今日の出来事を決して知らせないよう、哨子に念を押した。
一方、方海市(かいし)と方卓英(ほうたくえい)は綾錦司を訪れていた。柘榴(しゃりゅう)は方海市(かいし)に女物の衣装をプレゼントする。喜んだ方海市(かいし)は方卓英(ほうたくえい)に自慢げに見せる。柘榴(しゃりゅう)は冗談で、将来の奥さんのために取っておけばいいと言う。方海市(かいし)は柘榴(しゃりゅう)に鮫糸を贈り、同時に方卓英(ほうたくえい)の柘榴(しゃりゅう)への想いを代弁する。照れくさくなった方卓英(ほうたくえい)はその場を逃げ出す。方海市(かいし)は方卓英(ほうたくえい)の恋心に気づき、その気持ちを大切にし、積極的に行動するよう促した。
哨子は方諸に褚琳琅という女性について報告する。礼部の調査では不審な点は見つからず、帝旭(ていそく)は彼女を召見しようとしている。もし褚琳琅が聶妃の娘だと確認されれば、新たな皇族が宮廷に迎えられることになる。将来の混乱を避けるため、方諸は方海市に黄泉営へ戻るよう説得しようと考える。
ある夜、方諸の持病が悪化、新しい傷も重なり、夜中に吐血してしまう。医師は薬を処方するが、このままでは寿命が縮むのではないかと不安を抱く。流觴方氏歴代当主の運命を思い出し、自らが背負う責任と罪の重さを改めて実感する。だからこそ、方海市を一生守り抜くこと、そして彼女への想いを伝えることなど望めないのだと考える。
湯乾自は帝旭(ていそく)に緹蘭の体調への配慮を求める。帝旭(ていそく)は不快感を示しながらも、穆徳慶に命じ、清泉宮内の湯治場を整えさせ、緹蘭の冷え性の改善に役立てようとする。
方卓英は柘榴(しゃりゅう)を霜平湖に誘い、虹を一緒に眺める。二人は互いの気持ちを語り合い、柘榴(しゃりゅう)の心は方卓英への好意で満たされていく。その頃、方海市は酒場で方諸に対する誹謗中傷を耳にし、怒りに駆られて仮論しようとするが、仲間たちに止められる。彼女は帝旭(ていそく)に中衛軍への異動を願い出て、師である方諸の名誉回復に協力したいと申し出る。方諸は方海市にすぐに黄泉関へ戻るよう望むが、彼女は都に残り師を支える決意を固める。
方海市は方諸に、なぜ自分に対して特別扱いをするのかを問いただす。千裏も駆けつけて助けたり、好物を贈ったり、そして以前キスをしたことにも触れ、明らかに好意を持っているのに突き放す理由を問い詰める。ついに方海市は勇気を振り絞り、愛を告白し、方諸にキスをするが、拒絶されてしまう。彼女は深く傷つき、自分の思い違いだったのだと悲しみに暮れる。
第24話あらすじとネタバレ
湯乾は黄泉関へ出征、方諸は帝旭(ていそく)の代理として見送りに。方海市(かいし)も任期が終われば黄泉関へ向かう予定だが、浮かない顔で方諸を「青海公」と呼び、師匠としての呼びかけを避ける。都に残る方海市(かいし)を案じ、方諸は哨子に彼女の安全確保を厳命する。
一方、入宮した褚琳琅を季昶は一目見て牡丹姉さんと確信。帝旭(ていそく)は彼女を鄢陵帝姫に封じ、天啓城内に邸宅を下賜する。
中衛軍への異動が葉った方海市(かいし)は、哨子の勧めで初日から宮中へ。方諸に謝罪し、宮中での言動に注意するよう忠告を受ける。その夜、鄢陵帝姫の歓迎晩餐会が開かれるが、多忙な方諸に代わり、方海市(かいし)と方卓英(ほうたくえい)が御前での奉仕を任される。
朝議では、帝旭(ていそく)が季昶に意見を求めるも、彼は晩餐会の牡丹飾りばかりに気を取られている。帝旭(ていそく)は緹蘭の体調を気遣い、穆徳慶から清泉宮の温泉に通っているとの報告を受ける。しかし、彼女の頑なさに苛立ち、晩餐会への出席を命じる。
碧紅は方海市(かいし)の中衛軍勤務を知り、緹蘭との再会を喜ぶが、緹蘭は方海市(かいし)の名誉を守るため、帝旭(ていそく)の不興を買うことを恐れ、再会を望まない。宮中で帝旭(ていそく)と緹蘭に出くわした方海市は跪拝する。帝旭は方海市を見ると嫉妬心を抱き、緹蘭の手を握りしめ通り過ぎる。
晩餐会で、帝旭は緹蘭に酒を勧める。鄢陵帝姬は緹蘭を庇おうとするが、飲み過ぎた緹蘭は気分が悪くなり、退席を願い出る。よろめく緹蘭を方海市が支える場面を目撃した帝旭は、嫉妬の炎を燃やし、緹蘭を抱きかかえて金城宮へ戻る。
金城宮で、緹蘭は紫簪(しさん)の話を持ち出し帝旭を挑発、自分の気持ちをぶつける。帝旭も最愛の人を失った苦しみを吐露し、互いに不公平だと嘆く。雷鳴の中、帝旭は弱音を吐き、緹蘭は彼を抱きしめ慰める。
金城宮の外で方海市の身を案じる方海市。大雨の中、穆徳慶と話していると、帝旭の叫び声が響く。血まみれの緹蘭を抱えた帝旭が御医を探している。崩漏を起こした緹蘭は、御医の薬を飲んでいなかった。
帝旭は緹蘭に薬を飲まなかった理由を問い詰める。緹蘭は病弱な姿を見せたくない一心だったと答える。激怒した帝旭は御医に緹蘭の治療を命じ、失敗すれば共に殉葬させると脅す。方海市は自分の血を薬引とする民間療法を提案し、帝旭は許可する。碧紫は方海市の血を混ぜた薬を緹蘭に飲ませる。
緹蘭の容態が安定すると、帝旭は方海市に長年の苦悩を打ち明ける。誰かといると、最愛の人を失った過去を思い出させられ、その人に優しくしたい気持ちと傷つけたい気持ちがせめぎ合うと。方海市は、もし自分なら、その人を失った愛人のように大切にすると答える。帝旭の心は再び動き出す。
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