第16話あらすじとネタバレ
方諸は黄泉関に到著し、湯乾自と会って戦況を確認した。間もなく、方海市(かいし)から蘭茲城西門の守りが手薄で、攻撃の好機であるとの知らせが届く。同時に、彼女自身は城主府に囚われているため、外部からの救援を待っているという。迦満人の族長、薩莉亜が方諸を訪ね、黄泉営は直接方海市(かいし)を救出できないものの、族人が内側から協力し、方海市(かいし)を救い出し、迦満人の故郷奪還も同時に果たすことを申し出た。
一方、蘭茲城では、黄泉営の使者が右王に新しい妃への贈り物を届けた。方海市(かいし)はその贈り物の中に血痕のついた扳指を見つけ、師である方諸が負傷したのではと察する。贈り物が全て下元節の記念品であることから、師がその日に何か行動を起こす plannedだと推測した。
帝旭(ていそく)は方諸が軍情を報告せず黄泉関に行ったことを叱責し、軽率な行動だと非難する。しかし方卓英(ほうたくえい)は師匠を弁護し、方諸の行動には必ず理由があり、今回の行動も決して軽率なものではないと主張する。帝旭(ていそく)は、全ては方海市(かいし)のためだと内心では理解していた。
綾錦司では皆が凧揚げを楽しんでいたが、柘榴(しゃりゅう)だけは一人思いに沈んでいた。方卓英(ほうたくえい)は通りすがりに、こっそりと彼女の様子を伺う。緹蘭が誤って凧の糸を切ってしまい、凧は帝旭(ていそく)の元に飛んでいく。柘榴(しゃりゅう)は失くした凧を探しに来ると、帝旭(ていそく)が持っている凧が自分のものだと勘違いし、慌てる。しかし帝旭(ていそく)は柘榴(しゃりゅう)にその凧を贈り、褒美を与えた。
自由を得るため、方海市(かいし)は右王の側室、達瓦娜になることを条件に提案する。そして下元節に盛大な婚礼を行うことを提案し、花火を合図に外部に情報を伝える計画を立てる。夜、方海市は牢にいる捕虜たちに食事を配り、婚礼の知らせを伝えるが、実際は脱出の準備をしていた。しかし、彼女の正体が露見し、右王は捕虜たちの監視を強化し、方海市の裏切りを責める。花火が打ち上がった時、方海市は援軍が到著したことを知り、窓から飛び降りて脱出し、方諸と合流する。
脱出を喜ぶのも束の間、迦満人の迷薬の効果が切れ、鵠庫人が攻撃を開始し、薩莉亜が捕らえられてしまう。方海市は自ら薩莉亜と人質交換することを申し出て、薩莉亜を救出するが、自身は重傷を負ってしまう。方諸は急いで彼女を陣地へ連れ帰り治療し、薩莉亜に彼女の世話を頼む。
鵠庫人は黄泉関への攻撃を続け、黄泉営は不意を突かれる。蘭茲城に潜んでいたスパイを捕らえたことで、裏で誰かが糸を引いていることが判明する。蘇鳴は帝旭(ていそく)にスパイの言葉を鵜呑みにせず、慎重に事を運ぶよう進言する。帝旭は蘇鳴の意見を受け入れ、スパイを尋問してから判断を下すこととし、蘇鳴に援軍を派遣するよう命じた。
第17話あらすじとネタバレ
帝旭(ていそく)は、近頃、口に苦味を感じ、食欲も減退していたため、気分転換に宮外を散策することにした。庭園で、缇蘭が碧紅と碧紫という二人の侍女に物語を読み聞かせているところに偶然出会う。帝旭(ていそく)もその話を読んだことがあったが、最後まで読んでいなかったため、缇蘭に続きを読み聞かせてもらうことにした。穆徳慶は夜風が冷えることを心配し、癒安宮で休むことを提案する。癒安宮はそれほど遠くなかったため、帝旭(ていそく)はその提案を受け入れた。
癒安宮に到著後、帝旭(ていそく)はベッドに横になり、缇蘭に物語の続きを読み聞かせてもらったが、彼の心は過去へと彷徨い、方諸との約束、つまり最後の瞬間が来るまでは蘇鳴を殺さないという約束を思い出していた。その時、缇蘭は帝旭(ていそく)が眠ってしまったと思い、静かに起こそうとしたが、逆に帝旭(ていそく)を驚かせてしまい、彼は仮射的に缇蘭を押さえつけてしまう。缇蘭は慌てて状況を説明し、帝旭(ていそく)は自分の過剰仮応に気づき、彼女から身を離した。翌朝、穆徳慶が帝旭(ていそく)を起こしに来ると、缇蘭は緊張した様子で帝旭(ていそく)の著替えを手伝った。
朝議にて、蘇鳴は帝旭(ていそく)に、蘭茲城からの使節団を迎える準備が整い、まもなく天啓に到著する予定だと報告した。ある大臣は、今年の北方は異常な寒波に見舞われ、泉明港に多くの難民が流入し、同時に現地の農作物の収穫も大幅に減少したため、刺史が開倉して救済するよう要請していると報告した。帝旭(ていそく)はすぐに対応する必要があることを理解し、どの大臣がこの件を担当する意思があるか尋ねた。大臣たちは昶王が帝旭(ていそく)の代理として赴任するのが適切だと考えたが、昶王はこの任務にあまり興味を示さなかった。そこで、蘇鳴が自らこの責任を負うことを申し出て、帝旭はすぐに蘇鳴を鎮軍大将軍に任命し、泉明港へ赴き、救済にあたるよう命じた。
一方、張大人は鵠庫左部による水井屯襲撃事件と、右部が方諸の行方を探っている件について調査するよう命じられていた。調査の結果、張大人はある店で手がかりを見つけた。直接的な証拠はなかったものの、彼は黄泉営内部に問題が発生したのではないかと疑っていた。また、張大人は蘇鳴が泉明港の開倉を要請した件にも触れ、蘇鳴が戻ってこない可能性を懸念していた。もし蘇鳴が外敵と通じていることが証明されれば、方諸は厳罰に処すと言明した。その後、方諸は張大人に店の調査を続けるよう指示し、いくつかの秘密指令を耳打ちした。
方諸は負傷して昏睡状態にある方海市(かいし)を自ら介抱し、薩莉亜も彼女の容態を心配し、祈りを捧げていた。張大人は再びその店を訪れ、今回は渡鴉の羽根を発見した。これは蘇家が情報を伝達するために用いる独特の方法だった。方諸は張大人に方卓英(ほうたくえい)に命じて蘇鳴を天啓に呼び戻すよう指示し、もし呼び戻せなければその場で処刑するよう命じた。方諸はまた、帝旭との信頼関係に影響が出ないよう、自ら帝旭に説明することを約束した。
一方、蘇鳴の部下は天啓に送られたスパイに近づくことができず、身元を確認できなかった。蘇鳴は方鑑明(ほうかんめい)が将軍符を鵠庫に渡して連絡を取っている証拠を掴んだのではないかと推測した。方卓英(ほうたくえい)は柘榴(しゃりゅう)が落ち込んでいることに気づき、彼女を元気づけるため、蛍を捕まえて綾錦司の庭に放った。それでも、方卓英(ほうたくえい)は屋根の上からこっそり柘榴(しゃりゅう)の様子を伺うだけで、任務を終えてから正式に会う決意をしていた。
まもなく、張大人は蘇鳴が泉明港には向かわず、都穆闌城と居茲地区で協理の隊伍と共に姿を消したと報告した。方諸は蘇鳴が殤州か瀚州の鵠庫右部へ逃亡したのではないかと推測し、逃亡を防ぐため、すぐに追跡するよう命じた。
方海市(かいし)は昏睡状態が続いていた。彼女を救うため、薩莉亜は迦満王家の秘薬を差し出した。方海市(かいし)は薬を飲み込むことができなかったため、方諸は口移しで薬を飲ませ、真気を使って薬の吸収を助けた。
鞠典衣は方諸を心配するふりをして、スパイに関する情報を聞き出そうとしていた。スパイが目を覚ましたことを知ると、鞠典衣は動揺した。綾錦司に戻ると、宦官が帝旭から下賜された杏仁茶を届けた。鞠典衣はこれが何らかの合図だと気づき、なかなか飲もうとしなかった。柘榴(しゃりゅう)に勧められて一口飲むと、急に気分が悪くなった。柘榴(しゃりゅう)は杏仁茶に問題があると疑い、慌てて綾錦司に戻って確認すると、全員が毒に侵されて倒れていた。柘榴(しゃりゅう)自身も毒から逃れることはできず、血を吐いて倒れ、瀕死の状態に陥った。
第18話あらすじとネタバレ
蘇鳴は細作を捕らえようとするも失敗に終わる。哨子は捕らえられた刺客の口から、全ての黒幕が綾錦司の鞠典衣の指示によるものだと知る。綾錦司の身を案じた哨子は急いで駆けつけるが、既に遅かった。この一件を聞いた帝旭(ていそく)は激怒し、宮中で女官が殺害されたことに憤慨する。哨子の報告によると、刺客の頭目は呉奇という男で、長年刺客を養っており、今回使用された毒は綾錦司事件で使用されたものと同じだという。黒幕を突き止めるため、帝旭(ていそく)は柘榴(しゃりゅう)の意識が戻るのを焦燥しながら待っていた。柘榴(しゃりゅう)は毒の量が少なかったため、手がかりを与えてくれる可能性があったからだ。
一方、方海市(かいし)は迦満皇族の聖薬を服用し、師父の真気の助けもあって意識を取り戻す。ベッドサイドで見守っていた師父に対し、彼に出会ったことを後悔していないと力強く語る。師父は方海市(かいし)の勇敢さを喜び、薬の苦さを和らげるため、わざわざ市場で菓子を買い与える。方海市(かいし)も市場へ行き、菓子を味わうだけでなく、師父に頼んで寒さをしのぐための外套を買ってもらう。こうした小さな触れ合いが、方海市(かいし)の心に温かい喜びをもたらす。
師父の目を守るため、方海市(かいし)は贈り物として双喜の赤い蝋燭に火を灯し、暗い部屋を明るく照らそうとする。方諸は苦笑しながら、紅い蝋燭はそういう用途ではないと説明する。その時、張大人が報告に訪れ、方卓英(ほうたくえい)が単身で瀚北へ蘇鳴を追っていること、そして蘇鳴一味が細作拉緻に失敗し、追跡を逃れるため服毒自殺したことを伝える。更に、綾錦司の鞠典衣も毒殺され、繡女の柘榴(しゃりゅう)だけが辛うじて一命を取り留め、医官による治療を受けているという。
帝旭(ていそく)からの密旨を受け取った方諸は、急ぎ天啓へ戻らざるを得なくなる。方海市(かいし)は事態の緊急性を理解し、師父に帰京の際に鞠典衣への弔いの線香をあげてくれるよう頼む。方海市との別れを惜しみつつも、方諸は聖命に従い、彼女の無事を確認してから出発する。
黄泉営に不安を感じた方海市は、営に戻ることを決意する。張大人は彼女の怪我を心配するが、黄泉営を守ることの重要性も理解していた。方海市は、辺境が安定してこそ師父が安心して朝廷の政務を執れると考え、一刻も早く黄泉営へ戻ることを主張する。
方卓英(ほうたくえい)は単身で蘇鳴を瀚北まで追跡し、激しい戦いを繰り広げる。奪洛が兵を率いて蘇鳴に加勢する。戦闘中、方卓英(ほうたくえい)の仮面が剝がれ落ちる。瓜二つの奪洛に対し、彼は紅薬帝姫の令牌を見せ、その場を脱出する。
帝旭(ていそく)は緹蘭を呼び出し、大量の上奏文を読むように命じる。緹蘭は後宮は政治に関与してはならないという掟を破ることへの不安から躊躇するが、帝旭(ていそく)の励ましを受け、皇帝の政務を手伝うことに同意する。
綾錦司の事件を聞いた方卓英(ほうたくえい)は、すぐに天啓へ戻り、柘榴(しゃりゅう)の身を案じて駆けつける。ようやく彼女の前に立つことができたが、毒によって失明した柘榴(しゃりゅう)の姿を目の当たりにし、深い悲しみに暮れる。
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