第31話あらすじとネタバレ
方諸は周幼度の言葉に考え込み、弟子である方海市(かいし)への想いを自覚すべきか葛藤していた。方海市(かいし)が湯薬を差し出すと、方諸は思わず文句を言うが、彼女は医官の指示に従い、師の体調を気遣う。苦い薬を飲み幹した方諸に、方海市(かいし)は飴を差し出す。
張承謙から黄泉営の平穏を伝える手紙が届く。方海市(かいし)は、以前師から湯乾自を監視するよう命じられた件に触れ、朝廷で湯乾自が何者かと密かに合図を交わすのを目撃したものの、相手は特定できなかったと報告する。季昶の側近である湯乾自の行動は謎めいていた。黄泉営に差し迫った事態がないため、方諸は方海市(かいし)に都に残るよう告げ、彼女は喜びを隠せない。
方諸は師弟の証である扳指を方海市(かいし)に返し、彼女は師に抱きつく。別れはいつ再会できるか分からないからだ。方諸も彼女を抱きしめ、無事を願い、都に残ることを許す。
朝廷では、数日間に渡り季昶が朝議に出席しないことを大臣たちが心配し、彼の屋敷では連日宴が催されていると報告する。帝旭(ていそく)は、季昶が自分のために毒を受け負傷したことを考慮し、咎めなかった。しかし、実際は季昶は鵠庫と結託し、帝旭(ていそく)暗殺を企てており、鵠庫からの報酬と引き換えに帝旭(ていそく)の命を狙っていた。彼の背後には、より深い陰謀が隠されていた。
夜、緹蘭は悪夢にうなされ、帝旭(ていそく)の身を案じる。帝旭(ていそく)は駆けつけ、彼女の体調を気遣う。周幼度は殤州へ旅立つことになり、方海市は見送りの際、厳しい環境を心配する。周幼度は、失伝した秘術が記された刀譜を探すためだと説明する。
帝旭(ていそく)が緹蘭を蝶泉穀へ療養に連れて行く計画を知った方海市は、すぐに師に報告し、警護の任を請う。方諸は彼女と方卓英(ほうたくえい)に同行させ、二人の安全を確保するよう指示する。方卓英(ほうたくえい)は詳細な地図を持参し、警護計画に参加する。
蝶泉穀で、帝旭は温泉に浸かる緹蘭を見守る。方海市の優れた弓術を帝旭がからかうと、彼女は師から罰を受ける。彼女は師をからかい、方諸は一瞬心を乱される。
刺客の襲撃を受け、帝旭は緹蘭を守り負傷する。方諸は帝旭の苦痛を感じ、吐血する。方卓英(ほうたくえい)は刺客と戦い、相手が自分を「奪罕爾薩」と呼んだことに気づく。この事件は、季昶と鵠庫の繋がりを含む、より複雑な陰謀を明らかにする。
方卓英(ほうたくえい)の出生の秘密が徐々に明らかになり、方諸は彼に瀚州へ戻り、故郷の運命を変えるよう促す。しかし、方卓英(ほうたくえい)は師への深い恩義から、離れることを望まない。方諸は、疑念を招く可能性もあるが、部族間の憎しみを解消することを望む。
緹蘭は自分の行動が帝旭の襲撃に繋がったと深く後悔する。方海市は師に報告し、金城宮の警備が強化されたことを伝える。方諸は方卓英(ほうたくえい)に、彼の出生の秘密は必ず守るようにと告げ、柘榴(しゃりゅう)の面倒を見ると約束する。
召風師が再び襲撃してくる可能性を考え、方諸と方卓英は来月の朔日に金城宮の警護を交代で行うことを決める。方卓英は方海市に事実を隠すことを心配するが、方諸は必要だと考える。
兄妹は屋上で話し、方卓英は方海市に師の面倒を見るよう頼む。方海市は異変に気づくが、方卓英は危険な任務を否定する。
翌日の朝議で、穆徳慶は帝旭の体調不良による欠席を伝える。季昶は見舞いを申し出るが、方諸は帝旭の病気が伝染すると言って断り、季昶は後日改めて訪れることにする。
第32話あらすじとネタバレ
召風師は蝶泉穀で帝旭(ていそく)の暗殺を企てたものの、失敗に終わりました。その原因は、奪洛の弟であり、方諸の弟子である方卓英(ほうたくえい)に遭遇したためです。かつて蘇鳴が投降した際、方卓英(ほうたくえい)は瀚州まで彼を追跡しており、奪洛は一目で見破りました。召風師は、母である紅薬帝姫への忠誠を誓っていたため、行動が阻害されたのです。この失態を挽回するため、奪洛は錬金師と召風師に朔日の日に方諸と帝旭(ていそく)への同時攻撃を指示し、確実に仕留める計画を立てました。
施内宮は小内侍に証拠となる廃棄物を処分するよう命じました。しかし、柘榴(しゃりゅう)は偶然にもその現場を目撃してしまいます。真実を隠蔽するため、施内宮は季昶の命令を偽り、柘榴(しゃりゅう)を昶王府へ刺繍の修繕に招きました。柘榴(しゃりゅう)は冷静さを保っていましたが、自分が危険な状況に置かれているとは気づいていませんでした。
昶王府に到著後、季昶は施内宮に偽りの命令について問い詰めました。施内宮は、柘榴(しゃりゅう)が朔日を府で過ごせば皆の安全が保証されると説明しました。季昶は施内宮が奪洛の手先であること、そしてその真意を徐々に理解していきます。施内宮は大徵の天下を継ぐ可能性のある季昶に、柘榴(しゃりゅう)に計画を邪魔させまいとしました。季昶は演技を続け、施内宮の正体を見破ったことを悟らせませんでした。
柘榴(しゃりゅう)が昶王府に連れて行かれたと知った方卓英(ほうたくえい)は、いてもたってもいられず助けに行こうとします。しかし、方海市(かいし)と方諸は彼を製止し、衝動的な行動は自身と柘榴を危険にさらすと忠告しました。まずは昶王の真意を探るべきだと判断したのです。方海市(かいし)は疑いを招くことなく柘榴を安全に連れ戻す方法を提案し、方卓英(ほうたくえい)に軽挙妄動を慎むよう警告しました。
方海市(かいし)は夜に帝旭(ていそく)を訪ね、彼の仮病を見破ります。実は、蝶泉穀から戻った後、方海市(かいし)は帝旭(ていそく)と師匠の間の暗号を発見し、二人が何かを企んでいると推測していました。帝旭(ていそく)は方海市(かいし)の要求に難色を示さず、柘榴と方卓英(ほうたくえい)の結婚を承諾しました。
季昶府では、季昶は帝旭(ていそく)からの柘榴への勅命を知り、彼女を解放しました。方卓英(ほうたくえい)は柘榴が綾錦司へ戻ることを知り、彼女に会おうと焦りますが、方諸に荔枝酒の三花醉を買ってくるよう頼まれ、宮門前で行き違ってしまうのでした。
方諸は柘榴に方卓英の出生の秘密と、朝廷内に奪洛と結託し、方卓英の正体を暴いて帝旭の手で排除しようとする者がいることを伝えました。方諸は方卓英に叔父を頼るよう勧めますが、方卓英は柘榴と一緒にいることを選びます。目前の危険に対し、方卓英は柘榴への想いが判断を鈍らせているため、迷っていました。
柘榴は自分の責任を自覚し、方諸を通して方卓英に、もし彼が自分の命を大切にしないなら、彼女の犠牲は無駄になると伝えました。方諸は柘榴の気持ちを確認した後、彼女に毒薬を渡し、服用すれば眠るように逝けると告げました。一方、方卓英は会仙楼で未開封の荔枝酒の三花醉を買い、ある女性の簪を形見として持ち帰りました。
方海市(かいし)が方卓英と共に綾錦司に戻ると、柘榴は既に毒を飲んで自害していました。方卓英は深い悲しみに暮れ、柘榴を昭明宮へ連れて帰ります。悲痛な思いを抱えながらも、方卓英は職務を全うすることを決意し、方海市に柘榴の世話を頼みました。
朔日当日、帝旭は方卓英と方諸を呼び出し話をしていると、召風師が現れ、緊張感が高まります。
第33話あらすじとネタバレ
方卓英(ほうたくえい)と刺客の戦闘は予想外のものとなった。相手はなんと錬金術師だった。機転を利かせた方卓英(ほうたくえい)は、火が金属を剋する原理を利用し、錬金術師を倒すことに成功する。同時に、方諸は帝旭(ていそく)を守っていたが、召風師の突然の襲撃を受ける。方海市(かいし)が間一髪で駆けつけ、帝旭(ていそく)を護衛する。帝旭(ていそく)の安全を考慮し、方諸は撤退を勧めるも、帝旭(ていそく)は留まることを決意。結局、兄弟二人の連携によって、錬金術師と召風師を討ち果たした。
戦闘後、護衛の功績により方卓英(ほうたくえい)は帝旭(ていそく)から褒賞を与えられることになる。しかし、何を望むかと問われた瞬間、方卓英(ほうたくえい)は突如として仮旗を翻す。間一髪のところで、方諸が身を挺して緻命の一撃を受け止める。方卓英(ほうたくえい)は自らが方卓英(ほうたくえい)ではなく奪罕であると明かし、その場から逃走する。この事態に、方諸は帝旭(ていそく)に罪を謝罪するが、帝旭は方諸の恩は既に返済されていると告げる。
方海市(かいし)は師の行動に困惑と不満を抱き、なぜ柘榴(しゃりゅう)と蘇姨を殺したのかと問いただす。方諸は、柘榴(しゃりゅう)の存在が方卓英の弱点になりかねないため、排除する必要があったと説明する。この言葉から、方海市(かいし)は師が忠誠を誓った者たちでさえ、駒として扱い、いつでも切り捨てる覚悟があることを悟る。疑問を抱えたまま、方海市(かいし)は方卓英を探し出す。衝突はあったものの、方卓英は彼女に本気で手を出すことはなく、軽い怪我を負わせるに留まった。
二人の有力な部下が殺されたことを知り、奪洛は激怒し、帝旭と方諸に対し軍事行動を起こすことを決意する。損失を最小限に抑えるため、季昶と手を組み、内外からの挟み撃ちで天啓城を奪取しようと画策する。しかし、方海市(かいし)はこのことを何も知らず、黄泉営で湯乾自らと対策を協議し、方卓英の逮捕に動き出す。追跡の最中、方卓英は方海市(かいし)との間の情を利用した計略を仕掛け、わざと負傷することで賭けに勝ち、自身の安全を確保する。
天啓城へ戻る途中、方海市は突然病に倒れる。符義は彼女を赤山城に運び、医者を呼んで治療させる。秘密を守るため、符義はやむを得ず強硬手段を取る。その後、彼は先に天啓城へ戻り報告し、方海市は赤山城で療養させることを提案する。
施内宮は季昶に、来年の春までに方諸の勢力を排除する策を献じる。季昶は施内宮の背後にいる黒幕が誰なのか気に掛けるが、施内宮は共通の目的を持つ仲間であることを強調する。計画通り、施内宮は方諸の配下の弱点を探り始め、一撃で仕留める機会を窺う。
朝廷では、大臣たちが方卓英の正体を見抜けなかった方諸に不満を表明し、霽風館の徹底的な調査を求める。帝旭は方諸を庇おうとするが、方諸は自ら官職を辞し、北宮門の外で警備に就くことを申し出る。穆徳慶は、方諸のこの行動が帝旭への責任の取り方であることを理解する。帝旭は緹蘭への支援を示すため、必要なものは全て用意するように命じる。
夜、符義は密かに季昶を訪ね、方海市の本当の性別を明かし、これが方諸を倒すための重要な証拠になると主張する。季昶は時機尚早であり、安易に切り札を切るべきではないと考える。
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