第31話あらすじとネタバレ
秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は雲老王爷(うんろうおうじゃ)が曽ひ孫の凌児(りょうじ)への贈り物を買いに出かけたところを待ち伏せ、拉緻した。雲浅月(うん・せんげつ)は凌児(りょうじ)を連れて帰宅した矢先、祖父が拉緻されたという知らせに驚愕する。雲王府へ様子を探りに行っていた容景(よう・けい)と弦歌(げんか)も不意を突かれた。
秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は雲老王爷(うんろうおうじゃ)を裏路地の玉府へ連れ込み、容景(よう・けい)に始末を任せた。冷邵卓は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)にこの情報を雲浅月(うん・せんげつ)に流すように助言し、同時に夜天逸(や・てんいつ)の駒になるなと忠告する。しかし、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は雲浅月(うん・せんげつ)に愛する男の手で祖父が殺される様を見せつけようと決意していた。一方、容景(よう・けい)はこの機会を利用し、「大礼」を皇帝に献上し、その苦しみを味わわせようと企んでいた。
裏路地の玉府で雲老王爷(うんろうおうじゃ)と対面した容景(よう・けい)は、慕容(ぼよう)府の惨劇の真相を問いただした。雲老王爷(うんろうおうじゃ)は、慕容(ぼよう)府は表向きは天聖に忠誠を誓っていたが、裏では淇国の復興を企み仮乱を企てて国の安定を脅かしていたため、一族皆殺しを命じたのだと告白し、その行いに一片の悔いも無いと断言した。この事実を知った容景(よう・けい)は、なぜ女子供まで皆殺しにする必要があったのかと激しく問い詰める。雲老王爷(うんろうおうじゃ)は、もし自分の死で世子と淇国の人々の心が癒されるのであれば、喜んで全ての罪を背負い、死を受け入れると答えた。雲老王爷(うんろうおうじゃ)の覚悟を感じ取った容景(よう・けい)は、この事件の裏に何か別の事情があると察知する。雲老王爷(うんろうおうじゃ)は容景(よう・けい)が夜氏の新帝に比肩する人物だと見抜き、その正体にも気づいていたと明かし、安堵の表情を見せた。そして、多くの責任を背負う容景(よう・けい)に同情を示した。息を引き取る間際、雲老王爷(うんろうおうじゃ)は唯一気がかりな雲浅月(うん・せんげつ)を容景(よう・けい)に託し、二人の関係に再び好転が訪れることを願い、自分の墓に酒を供えてくれるよう頼んだ。
雲浅月(うん・せんげつ)と南凌睿(なん・りょうえい)が裏路地の玉府に駆けつけた時には、すでに雲老王爷(うんろうおうじゃ)は事切れていた。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)はこの惨劇の結末を見届けようと待ち構えていた。冷邵卓は容景(よう・けい)が手を下していないのではないかと疑っていたが、実は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)が事前に毒針で雲老王爷(うんろうおうじゃ)の命を奪っていたのだ。雲浅月(うん・せんげつ)は深い悲しみに暮れ、容景(よう・けい)が祖父を殺したと思い込んでしまう。雲浅月(うん・せんげつ)の誤解を前に、容景(よう・けい)は自分の仕業だと認め、今日大仇を報いたと告げ、雲浅月(うん・せんげつ)に謝罪した。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)からの連絡を受けた陳柳(ちん りゅう)は、兵を率いて裏路地の玉府を包囲したが、そこで出会ったのは雲浅月(うん・せんげつ)と南凌睿(なん・りょうえい)だけだった。
雲浅月(うん・せんげつ)、南凌睿(なん・りょうえい)、雲香荷(うん きょうか)は雲老王爷(うんろうおうじゃ)の葬儀を執り行った。雲浅月(うん・せんげつ)は霊前で何も口にせず、ただひたすら跪き続けていた。雲香荷(うん きょうか)は妹の身を案じ、南凌睿(なん・りょうえい)に慰めてくれるよう頼む。南凌睿(なん・りょうえい)は雲王府の事務を姉に任せ、人付き合いには十分注意するよう忠告した。その後、南凌睿(なん・りょうえい)は馬夫に誰が祖父を拉緻したのかを尋ね、秦都管の仕業だと知る。激怒した南凌睿(なん・りょうえい)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を捕らえ、黒幕を問い詰めた。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は全ての罪を容景になすりつけ、彼の命令だと主張した。南凌睿(なん・りょうえい)は更に怒りを募らせたが、最終的に秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を望春楼よりも汚らわしい場所に監禁することを決めた。
夜軽染(や・けいせん)は雲浅月(うん・せんげつ)を慰め、体を大切にするよう説得し、宮廷へ戻るよう促した。夜軽染(や・けいせん)は仇を討つと約束したが、雲浅月は雲王府に残り、祖父の葬儀を最後まで見届けると言い張った。夜軽染(や・けいせん)は仕方なく、陳柳(ちん りゅう)に皇后と太子の警護を命じた。南凌睿(なん・りょうえい)は妹を慰め、容景に狙われるかもしれないから気を付けるようにと忠告した。雲浅月は自分が祖父を巻き込んでしまったことに罪悪感を抱き、霊前で断髪し、決意を新たにした。
彩蓮(さいれん)は弦歌(げんか)に矢文を送り密会を約束し、雲浅月から容景への届け物を託した。容景は一房の青髪と紙切れを受け取った。紙切れには、かつての場所で会う約束が書かれていた。玉洛瑶(ぎょくら)は容景に現実を見ろと言い聞かせ、雲浅月との間にはもう戻れないと告げた。容景は竹林の樹屋で簫を吹き、雲浅月の到著を待った。雲浅月が現れると、彼女は変わり果てた状況を嘆き、なぜ大切な人を傷つけたのかと容景を責めた。容景は慕容(ぼよう)家の事件を調査するために彼女に近づいたことを認め、今回の危険な逢瀬は彼女に説明をするためだと語った。雲浅月は剣を手に取り、容景に償いを要求した。彼女が剣を振り下ろそうとした瞬間、夜軽染(や・けいせん)が兵を率いて現れ、雲浅月を救出し、容景を捕らえて牢獄に送った。
牢獄の中で、容景は首の傷跡を撫でながら、深い悲しみに沈んだ。夜軽染(や・けいせん)は挑発的に容景を訪ね、長年夢見ていた皇后を手に入れることができたと感謝を述べた。
第32話あらすじとネタバレ
雲浅月(うん・せんげつ)は夜軽染(や・けいせん)が密かに自分の後をつけさせていることに不満を抱く。夜軽染(や・けいせん)は彼女の安全を守るためだと説明し、牢にいる容景(よう・けい)をどうするつもりか尋ね、情に流されるなと忠告する。雲浅月(うん・せんげつ)は容景(よう・けい)との問題は自分で解決すると答える。
玉洛瑶(ぎょくら)は墨閣の仲間と共に容景(よう・けい)の救出を試みるが、上官茗玥(じょうかん めいげつ)は軽挙妄動を慎むよう諭し、自分に救出する方法があると告げる。
雲香荷(うん きょうか)は屋敷で凌児(りょうじ)の世話をしながら、最近の屋敷の重苦しい雰囲気を嘆き、凌児(りょうじ)の存在が慰めだと語る。彩蓮(さいれん)は雲香荷(うん きょうか)にも子供を産むことを考えたらどうかと冗談めかし、気になる相手がいるのかと尋ねる。雲香荷(うん きょうか)は将来の夫は風流人で、一国の太子でなければならないと茶化し、侍女たちはすぐに南世子のことだと察する。しかし、上官茗玥(じょうかん めいげつ)が雲王府に忍び込み、雲香荷(うん きょうか)を気絶させ、凌児(りょうじ)を連れ去ってしまう。雲浅月(うん・せんげつ)は子供の失踪に気づき、ショックで立ち尽くす。夜軽染(や・けいせん)は陳柳(ちん りゅう)に凌児(りょうじ)を何としても探し出すよう命じる。上官茗玥(じょうかん めいげつ)は屋根の上で凌児(りょうじ)を抱きかかえ、雲浅月(うん・せんげつ)たちに容景(よう・けい)との交換を要求する。この脅迫に、雲浅月(うん・せんげつ)は上官茗玥(じょうかん めいげつ)の行為に驚きと怒りを覚え、赤ん坊を交渉の道具に使うべきではないと非難する。上官茗玥(じょうかん めいげつ)は雲浅月(うん・せんげつ)が以前、容景(よう・けい)を感情を餌に捕らえたことを指摘し、二人のやり方に本質的な違いはないと主張する。そして、期限内に容景(よう・けい)を連れて城門に来るよう要求する。
夜軽染(や・けいせん)は牢獄に向かい、容景(よう・けい)を問い詰める。自分の親族を人質にするとは何事かと激怒する。容景(よう・けい)は事情を理解しておらず、夜軽染(や・けいせん)が皇子について言及するまで何が起こったのか分からなかった。夜軽染(や・けいせん)はたとえ国を滅ぼすことになっても凌児(りょうじ)を取り戻し、墨閣を壊滅させると誓う。容景(よう・けい)は自分の命と皇子を交換することを提案し、皇后も自分に深い恨みを抱くようになり、夜軽染(や・けいせん)の悩みも解決すると話す。
最終的に、城門で夜軽染(や・けいせん)と雲浅月(うん・せんげつ)は凌児(りょうじ)の安全を条件に容景(よう・けい)の釈放に同意する。容景(よう・けい)は子供を雲浅月(うん・せんげつ)に渡し、可愛らしい子だと褒める。雲浅月(うん・せんげつ)は子供を受け取ると、容景(よう・けい)の卑劣な行いを責める。
その後、容景は一人で酒を飲み、玉洛瑶(ぎょくら)が彼の体調を気遣って訪ねてくる。容景は玉洛瑶(ぎょくら)たちが子供を交換条件に使ったことを非難する。自分が自ら赴いたとはいえ、納得がいかない様子だ。玉洛瑶(ぎょくら)は雲浅月(うん・せんげつ)が容景に愛情がないことを闇示し、そうでなければ他人の子供を産むはずがないと挑発する。この言葉は容景の心に深く突き刺さる。
雲王府に戻った雲浅月(うん・せんげつ)は凌児(りょうじ)が再び連れ去られることを恐れ、子供を強く抱きしめる。夜軽染(や・けいせん)は宮殿の方が安全だと言って彼女に帰宮を勧める。雲浅月(うん・せんげつ)は彼の申し出を断り、雲王府にもう少し滞在したいと言い、夜軽染(や・けいせん)に早く宮殿に戻るよう促す。彩蓮(さいれん)は皇帝が雲浅月に本気であることを見抜き、なぜ皇帝の気持ちを受け入れないのか尋ねる。雲浅月は雲氏の力を使って皇帝の天下を守ることしかできない、それ以外何も望まないと答え、この機会に宮廷生活から離れたいと願う。雲香荷(うん きょうか)は雲浅月の苦悩を心配し、夜軽染(や・けいせん)こそ彼女に相応しい相手だと考え、夜軽染(や・けいせん)に誠意で雲浅月の心を動かし、宮殿に連れ戻すよう励ます。
皇帝が病気になったと聞き、雲浅月は彩蓮(さいれん)を連れて急いで宮殿に戻り、夜軽染(や・けいせん)の看病をする。夜軽染(や・けいせん)は彼女に宮殿に残るよう説得し、朝臣の間で皇后との不仲が噂されていることを挙げ、皇后を一時的に実家に帰らせることを提案する。雲浅月は宮廷生活に慣れていないものの、夜軽染(や・けいせん)の説得を受け入れ、数日間滞在することにする。皇帝の病状が回復したら、雲王府に戻るつもりだ。
秦相(しんしょう)は行方不明の娘、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を探し出すため、冷邵卓に助けを求める。冷邵卓は多額の資金を使い人を雇い、街中を探し回り、ついにボロボロの姿で苦しんでいる秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を見つけ出す。冷邵卓に慰められ、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は緊張が解け、まるで家族を見つけたかのように泣き崩れる。冷邵卓は自分の上著で彼女を包み、安全な場所に連れて帰る。ベッドの上で体を丸める秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は、虚ろな目で涙を流し、冷邵卓にしばらく父親には知らせないでほしいと頼み、感謝の言葉を伝える。冷邵卓は彼女の姿に心を痛める。
落ち著きを取り戻した秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は家に帰り、自分のために徹夜で心配していた父親の姿を見て、こっそりと涙を拭う。秦相(しんしょう)は娘の無事を喜び、優しく接する。しかし、秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は良いことだけを伝え、辛い経験は隠す。
夜天逸(や・てんいつ)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を訪ね、虎符を要求する。彼女の気持ちなど全くお構いなしで、事務的な話しかしない。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は夜天逸(や・てんいつ)に自分がひどい屈辱を受けたことを伝え、彼にとって自分は利用価値しかないことを悟り、悲しみに暮れながら関係を断つことを決意する。夜天逸(や・てんいつ)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)が従わないのを見て、彼女を捕らえ、秦相(しんしょう)に虎符を渡すよう脅迫する。脅迫状を受け取った秦相(しんしょう)は激怒する。
夜天逸(や・てんいつ)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)を廃寺に監禁する。秦相(しんしょう)は単身で娘を助けに来る。秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)は父親に虎符を渡さないでほしいと懇願する。秦相(しんしょう)は夜天逸(や・てんいつ)に娘を解放してから虎符を渡すよう要求する。夜天逸(や・てんいつ)は交渉を拒否し、藍漪(らんぎ)は秦玉凝(しん・ぎょくぎょう)の肩を刺して脅迫する。娘を救うため、秦相(しんしょう)は虎符を渡すが、それでも夜天逸(や・てんいつ)にこれ以上血を流さないよう説得する。夜天逸(や・てんいつ)は権力に執著し、その場で藍漪(らんぎ)を殺害し、天下は元々自分のものだと宣言する。父親が殺されるのを目の当たりにした秦玉凝は、憎しみで心を満たし、夜天逸(や・てんいつ)を八つ裂きにしてやると誓う。夜天逸(や・てんいつ)は虎符のことしか頭に無く、自分の計画に自信を深める。
陳柳(ちん りゅう)は皇帝に月岐の蠱毒を使って雲浅月の情を断ち切ることを提案する。夜軽染(や・けいせん)は雲浅月の心を手に入れるため、この提案に心が揺れる。その時、拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は広明殿の静けさを冷宮のようだと嘆く。夜軽染(や・けいせん)は彼女を訪ね、雲浅月を悲しませたくないという理由で蠱毒の協力を求める。拓跋葉倩(たくばつ・ようせい)は夜軽染(や・けいせん)がこんな極端な手段に出るとは思っていなかったが、それでも承諾する。ただし、蠱毒を使う者は大きな代償を払い、場合によっては治療法がないと警告する。それでも夜軽染(や・けいせん)はその結果を受け入れる覚悟を決める。
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