大晁(ちょう)の皇帝、彧修明(いく・しゅうめい)は天下統一を目指す野心家。一方、夜北(やほく)の少女、葉凌霜(りょうそう)は災いをもたらす星読みとして忌み嫌われていたが、ただ一人、夜北(やほく)の王女・七海蕊(しつかい・ずい)だけは彼女を姉妹のように慕っていた。
やがて夜北(やほく)は大晁(ちょう)に戦いを挑むも敗北し、葉凌霜(りょうそう)は捕虜となる。しかし、類まれな星読みの才能を持つ彼女は、大晁(ちょう)の欽天監(きんてんかん)に仕えることとなり、次第に彧修明(いく・しゅうめい)の信頼を得ていく。二人の間には身分差や敵対する国の出身という壁を越え、互いに惹かれ合う感情が芽生えていく。
しかし、運命は残酷にも二人を引き裂く。愛する七海蕊(しつかい・ずい)の死を知った葉凌霜(りょうそう)は、彧修明(いく・しゅうめい)の裏切りに絶望し、復讐を誓う。そして、七海蕊(しつかい・ずい)を救うため、禁断の術を使い時を遡ることを決意する。
葉凌霜(りょうそう)は過去を変え、悲劇を回避できるのか?そして、彼女と彧修明(いく・しゅうめい)の愛の行方は?様々な陰謀と策略が渦巻く中、二人の運命は大きく揺れ動いていく。
見どころ:
- 運命に翻弄される二人の切ない愛の物語
- 国家間の争いと、それに巻き込まれる人々の葛藤
- 時を操る禁断の術と、その代償
- 個性豊かな登場人物たちのそれぞれの思惑
主な登場人物:
- 葉凌霜(りょうそう):災いをもたらす星読みの少女。捕虜となりながらも、その才能で皇帝の信頼を得る。七海蕊(しつかい・ずい)の死をきっかけに運命に抗う。
- 彧修明(いく・しゅうめい):天下統一を夢見る野心的な皇帝。葉凌霜(りょうそう)に惹かれるも、国益と愛の間で葛藤する。
- 七海蕊(しつかい・ずい):葉凌霜(りょうそう)の親友である夜北(やほく)の王女。心優しく純粋だが、悲劇的な運命に見舞われる。
- 七海怜(しつかい・れい):七海蕊(しつかい・ずい)の姉。和親政策から逃れ、過酷な運命を辿る。
- 翼無憂(よく・むゆう):滅亡した羽国の皇子。葉凌霜(りょうそう)に想いを寄せるが、復讐に燃えるあまり悲劇的な結末を迎える。
- 冷天曦(れい・てんぎ):彧修明(いく・しゅうめい)に仕える忠実な臣下。密かに彼を慕う。
結末について:
物語は、彧修明(いく・しゅうめい)と葉凌霜(りょうそう)の婚礼という一見幸せな形で幕を閉じる。しかし、それは様々な犠牲の上に成り立ったものであった。葉凌霜(りょうそう)は時を遡る代償として寿命を縮め、最愛の人を残して逝ってしまう。天下統一を果たした彧修明(いく・しゅうめい)は、愛する者を失い、孤独な玉座に座ることとなる。
第1話あらすじとネタバレ
天地開闢の遠い昔、真師(しんし)と呼ばれる者たちが強大な力で世界に現れ、やがて姿を消した。彼らの伝説だけが残り、羽族(うぞく)と人族が覇権を争い、夸父河絡諸族も巻き込んだ長い戦乱の時代が続いた。前燹末期、一人の若き将軍が現れ、類まれな統率力で五族を統一し、強大な大晁(ちょう)王朝を築いた。
しかし、大晁(ちょう)の版図の外、夜北(やほく)と呼ばれる地はまだ征服されていなかった。七つの部族が争いを繰り返すこの地で、大淵古の娘、葉凌霜(りょうそう)と朱顔公主・七海蕊(しつかい・ずい)は密かに外出する。これが二人の運命を変える旅の始まりだった。帰還後、七海蕊(しつかい・ずい)は歓迎されるが、葉凌霜(りょうそう)は無断外出を咎められる。七海蕊(しつかい・ずい)は父・七海震宇(しつかい・しんう)に葉凌霜(りょうそう)への罰を軽減するよう頼むと約束する。そこに葉景清(よう・けいせい)が現れ、葉凌霜(りょうそう)を叱責する。七海蕊(しつかい・ずい)は葉景清(よう・けいせい)に反論し、七海震宇(しつかい・しんう)の仲裁で葉凌霜(りょうそう)は秋の選考会(秋選)への参加を許されるが、七海蕊(しつかい・ずい)と同行することを禁じられ、黒水部へ送られる可能性も示唆される。
一方、夜北(やほく)には大晁(ちょう)の皇帝から和親の申し入れが届いていた。七海震宇(しつかい・しんう)は内心、拒否したいと考えていたが、分裂した夜北(やほく)では大晁(ちょう)の圧力に抗えず、事態の収拾のため和親を受け入れる。葉景清(よう・けいせい)は大晁(ちょう)皇帝の残忍な噂を聞き、七海蕊(しつかい・ずい)の身を案じるが、七海震宇(しつかい・しんう)にはもはやその余裕はなかった。
秋選の最中、狼の群れが襲来する。葉凌霜(りょうそう)は七海蕊(しつかい・ずい)を守り足を負傷するが、その時、大晁(ちょう)皇帝・彧修明(いく・しゅうめい)が現れ、葉凌霜(りょうそう)を救い、共に雪狼王(ゆきろうおう)を倒す。彧修明(いく・しゅうめい)は葉凌霜(りょうそう)の勇気を称賛するが、苗黎王子の反感を買う。幸い、上将軍・界諸嬰(しょ・えい)が駆けつけ、事態は収まる。
雪狼王(ゆきろうおう)討伐後、夜北(やほく)七部の一部は葉凌霜(りょうそう)を災いの元凶とみなし、処刑しようとする。窮地に陥った葉凌霜(りょうそう)に、彧修明(いく・しゅうめい)は大晁の権威を示す忠勇銅符を与え、葉凌霜(りょうそう)に危害を加える者は大晁に敵対すると宣言する。葉凌霜(りょうそう)はそれを受け取り、緊張のあまり気を失ってしまう。
目を覚ました葉凌霜(りょうそう)は、七海蕊(しつかい・ずい)が和親のために大晁へ送られることを知る。大晁皇帝の残虐な噂を聞き、友を危険に晒したくない葉凌霜(りょうそう)は、奶茶を淹れる口実で彧修明(いく・しゅうめい)に近づき、説得を試みる。計画は失敗に終わるが、大切な人を守るために行動する彼女の強い意志が示される。
第2話あらすじとネタバレ
葉凌霜(りょうそう)は自らの策略が成功したと思ったのも束の間、彧修明(いく・しゅうめい)が現れ、刀を彼女の首に突きつけ、離魂草の毒が全く効いていないことを暴露しました。彼は、たとえ葉凌霜(りょうそう)が七海蕊(しつかい・ずい)の安否を心配して大晁(ちょう)へ同行することを選んでも、大晁(ちょう)の君主は葉凌霜(りょうそう)のような性格の女性の方を好むだろうと、揺るぎない態度を示しました。
仕方なく、葉凌霜(りょうそう)は七海蕊(しつかい・ずい)と共に夜北(やほく)を離れ、雪山から出発することにしました。七海蕊(しつかい・ずい)を説得した後、資金が足りないことに気づき、銀両を取りに戻ったところ、捕らえられてしまいました。夜北(やほく)七部の人々は、葉凌霜(りょうそう)が雪狼王(ゆきろうおう)を殺したことが夜北(やほく)に災いをもたらすと信じ込み、雪狼王(ゆきろうおう)への供物として彼女を火あぶりにすることを要求しました。
葉凌霜(りょうそう)が戻らないことを心配した七海蕊(しつかい・ずい)は、彼女を探しに戻り、真実を知ると、祭壇の上に立ち、葉凌霜(りょうそう)と共に生死を共にする覚悟を決めました。彼女は匕首を自分の喉に当て、自分は大晁(ちょう)に選ばれた和親の相手だと宣言し、もし夜北(やほく)が葉凌霜(りょうそう)を解放しないなら、共に死ぬと脅しました。そうなれば、夜北(やほく)は大晁(ちょう)に説明ができなくなると主張しました。七海蕊(しつかい・ずい)の決死の覚悟に、人々は身動きが取れなくなりました。その時、七海震宇(しつかい・しんう)一家が七海蕊(しつかい・ずい)を説得しに来ました。幼い頃から七海蕊(しつかい・ずい)を溺愛していた七海震宇(しつかい・しんう)は、ついに葉凌霜(りょうそう)の解放を認めました。
一方、葉景清(よう・けいせい)は翼無憂(よく・むゆう)に会い、彼が未だ星流石を求めていることを知り、説得を試みました。星流石を得たとしても、羽人族を統一して大晁(ちょう)に対抗するのは難しいと指摘しました。翼無憂(よく・むゆう)は瓊華槍を修復すれば羽人の支持を得ることができ、それは夜北(やほく)にも有利だと考えました。しかし、葉景清(よう・けいせい)は星流石は真師(しんし)の遺物であり、今まで現世に出たことがないと主張し、翼無憂(よく・むゆう)に立ち去るよう説得を続けました。
七海怜(しつかい・れい)は界諸嬰(しょ・えい)と苦淵海(くえんかい)で会い、二人の関係を終わらせようとしました。彼女は夜北(やほく)の長女として七部をまとめる責任があり、私情を断ち切らなければなりませんでした。七海怜(しつかい・れい)はなぜ自分が和親の相手ではなく七海蕊(しつかい・ずい)なのかを界諸嬰(しょ・えい)に問い詰め、二人の関係が大晁(ちょう)の君主に知られていたことを知りました。真実を知った七海怜(しつかい・れい)は、自分の責任を改めて自覚し、界諸嬰(しょ・えい)が持ちかけた駆け落ちの提案を拒否しました。
葉凌霜(りょうそう)は七海蕊(しつかい・ずい)の和親を止めることができず、葉景清(よう・けいせい)に七海蕊(しつかい・ずい)に付き添って大晁(ちょう)へ行く許可を求めました。七海蕊(しつかい・ずい)は、彼女にとって闇い人生における唯一の希望だったからです。葉景清(よう・けいせい)はそれを止めず、生まれた時から身につけている琥珀石(こはくせき)を外さないようにと伝え、謝罪しました。翼無憂(よく・むゆう)は葉凌霜(りょうそう)を連れ去ろうとしましたが、彼女にとって一番大切なのは七海蕊(しつかい・ずい)でした。彼女は七海蕊(しつかい・ずい)と共に生きると決意し、翼無憂(よく・むゆう)の申し出を断りました。
七海蕊(しつかい・ずい)は両親に見送られ、和親の旅に出発しました。葉凌霜(りょうそう)が一緒でしたが、彼女の心は重く沈んでいました。彼女は葉凌霜(りょうそう)に大晁(ちょう)で苦労をさせたくなく、帰るように説得しましたが、葉凌霜(りょうそう)はそばにいると断固として譲りませんでした。一行が休憩した際、葉凌霜(りょうそう)は水を汲みに行き、彧修明(いく・しゅうめい)が界諸嬰(しょ・えい)に手伝いをさせようとした申し出を断りました。彧修明(いく・しゅうめい)はこの機会に葉凌霜(りょうそう)に、なぜ大晁(ちょう)の君主について何も聞かないのかと尋ねました。
葉凌霜(りょうそう)は女性を道具のように扱う男性の考えに憤り、七海震宇(しつかい・しんう)と大晁(ちょう)の君主が戦争のために七海蕊(しつかい・ずい)を犠牲にしたことを非難しました。車に戻ると、七海蕊(しつかい・ずい)が翼無憂(よく・むゆう)から贈られた琴を弾いているのを見つけ、彼女が翼無憂(よく・むゆう)を慕っていることに気づき、彼が現れて七海蕊(しつかい・ずい)を救い出すことを期待しました。案の定、翼無憂(よく・むゆう)は和親の隊列を突破し、七海蕊(しつかい・ずい)を連れ去りました。葉凌霜(りょうそう)は翼無憂(よく・むゆう)に七海蕊(しつかい・ずい)を託し、翼無憂(よく・むゆう)は七海蕊(しつかい・ずい)を抱いて逃げ去りました。
彧修明(いく・しゅうめい)は矢を放って止めようとしましたが、葉凌霜(りょうそう)に阻まれ、界諸嬰(しょ・えい)に七海蕊(しつかい・ずい)を追跡するよう命じました。そして、もし七海蕊(しつかい・ずい)に何かあれば、それは葉凌霜(りょうそう)の軽率な行動の結果だと警告しました。大晁(ちょう)の皇城では、欽天監(きんてんかん)正の界海天(かい・てん)が彧修明(いく・しゅうめい)の許可なく藍衣軍(らんいぐん)を動員し、秋嵐海(しゅうらんかい)に布陣したため、統領の謝雨安は疑問を抱きましたが、軍令が出ている以上、従わざるを得ませんでした。
界諸嬰(しょ・えい)は七海蕊(しつかい・ずい)と翼無憂(よく・むゆう)に追いつきましたが、二人は崖から飛び降りて逃げてしまいました。七海蕊(しつかい・ずい)を傷つけることを恐れた彼は、陣営に戻って報告するしかありませんでした。葉凌霜(りょうそう)は求婚者が謝雨安ではなく彧修明(いく・しゅうめい)であることを知り、彼を騙しだと非難し、その後高熱で倒れました。同時に、界海天(かい・てん)の布陣計画は夜北(やほく)七部の奇襲を受け、藍衣軍(らんいぐん)はほぼ全滅しました。
藍衣軍(らんいぐん)の惨敗を知った彧修明(いく・しゅうめい)は、すぐに蔡骖(ツァイ・サン)前軍を秋嵐海(しゅうらんかい)に派遣して防御を強化させ、同時に界諸嬰(しょ・えい)に七海蕊への贈り物である芳華鏡(ほうかきょう)を探し出すよう指示しました。負傷した藍衣軍(らんいぐん)の将軍謝雨安を治療する中で、葉凌霜(りょうそう)はついに彧修明(いく・しゅうめい)が大晁(ちょう)の君主であることを理解しました。
主人公について言えば、彼は多くのドラマで見られる古典的なパターンで、情深い皇帝の役割を担っています。後宮には多くの美女がいるものの、彼は一人の女性にしか心を寄せません。このような設定は見慣れてしまうと新鮮味がなく感じます。
ただし、ドラマ中の宮殿の建築は非常に美しく撮影されており、衣装デザインも素晴らしいので、視覚的には楽しめます。しかし、残念ながら、物語自体はあまり魅力的ではありません。九州シリーズの作品について言えば、毎回期待に応えられない印象があります。こんなに大きな世界観なのに、今まで本当に九州が持つ魅力や風格を表現した作品はまだ出ていないようです。