第33話あらすじとネタバレ
天外天の陣眼と幻
天外天にて、沈璃(シェン・リー)は行止(コウ・シ)が残した陣の陣眼を探し求めていた。彼女が行止(コウ・シ)が使っていた画巻を開くと、中には思いもよらぬ別世界が広がっていた。画巻は沈璃(シェン・リー)に霊尊(レイソン)の幻を見せて、彼女は驚きと共に、もっと知りたいという衝動に駆られた。
この画を通して、沈璃(シェン・リー)は千年前の行止(コウ・シ)の姿を垣間見た。友人たちが次々と去り、天外天に一人残された彼の孤独な姿。行止(コウ・シ)は酒に悲しみを紛らわし、冷え切った天界を離れ、人間界へと向かった。そこで慰めを見出そうとしたが、人間の命ははかなく、出会いは全て束の間の幻、結局は空しいものだった。それに気づいた行止(コウ・シ)は天外天に戻り、三界を守る真の意味を考え始めた。画巻から発せられる光によって過去を見ることができた沈璃(シェン・リー)は、これらの光景が行止(コウ・シ)の意図するものではないと考え、他の画巻と自身の術を組み合わせ、陣の秘密を解き明かそうとした。
魑魅(チミ)の王の誕生
一方、千年前の霊界では、霊尊(レイソン)六冥(リウミン)が魑魅(チミ)の生成に没頭していた。瑠羽(リュウ・ユ)の提案を受け、彼は風羽を鳳凰涅槃の炎に投じ、魑魅(チミ)の王、風来を作り出した。当初、風来は気性が荒かったが、瑠羽(リュウ・ユ)を見ると落ち著きを取り戻し、自ら近づいてきた。六冥(リウミン)は興奮し、将来起こりうる仙界との戦いに備え、魑魅(チミ)の生成を続けようと決意した。しかし、瑠羽(リュウ・ユ)は別の考えを持っていた。師のこの執著を見るに忍びなく、魑魅(チミ)の王の世話をする役目を自ら買って出た。幻がここで終わると、沈璃(シェン・リー)は風来の出現に戸惑い、さらに探ろうとしたその時、行止(コウ・シ)が近づいてくる気配を感じ、急いで画巻をしまい、行止(コウ・シ)から説得して自分を解放してもらうことにした。
孤独な神の声
沈璃(シェン・リー)の説得にも関わらず、行止(コウ・シ)は彼女を留め置こうとし、天道の掟に従うつもりはないと告げた。彼にとって、身につけられた枷は余計なもの、三界を守らなくても、必ずしも自分の過ちではないと考えていた。沈璃(シェン・リー)は行止(コウ・シ)の考えを理解し、彼が唯一の上古の神であり、孤独な魂であることを知っていた。彼には彼自身の信念と追求がある。だからこそ、彼女は行止(コウ・シ)に正しいことをするように励まし、「あなたと私のまだ生きている時間を無駄にしないで」と伝えた。支持を示すため、沈璃(シェン・リー)は天道を一緒に罵倒することを提案し、互いの不満をぶちまけた。
一壺の酒を飲み幹した後、二人は空に向かって大声で非難し、雷鳴が轟いた。行止(コウ・シ)は沈璃(シェン・リー)を止めず、むしろ彼女に同調した。仙殿で外の異変に気づいた天君(テンくん)は、行止がまた何か問題を起こしたのではないかと心配し、霊尊(レイソン)と共に天外天へ様子を見に行くことを提案した。
去る決意と偽りの戦い
沈璃(シェン・リー)は霊界の出来事を処理するために一刻も早く戻りたいと思っていたが、行止を傷つけたり、三界を危険にさらしたりしたくはなかった。そこで、彼女は行止と勝負をし、それを去る理由にしようと提案した。行止は快諾し、彼女に武器を渡した。しかし、沈璃(シェン・リー)は結局彼に手を出せなかった。彼女の心には常に、行止の安全への思いがあった。
人間界の異変
同じ頃、人間界では拂容(フウ・ヨウ)が落石の問題を解決していたが、誤って苻生(フー・シェン)のいる場所に迷い込み、奇妙な陣を発見した。事情を知らない拂容(フウ・ヨウ)は、墨方(ボク・ホウ)の体を乗っ取った苻生(フー・シェン)に捕まりそうになったが、墨方(ボク・ホウ)が意識を取り戻し、拂容(フウ・ヨウ)に逃げるように警告した。善意から、拂容(フウ・ヨウ)は墨方(ボク・ホウ)の治療のために留まることを選び、周囲の陣が消えると、事態は一時的に収まったように見えた。
再び幻を探る
天外天での日々は、沈璃(シェン・リー)にとって退屈極まりなかった。行止が外出している間に、彼女は再び画巻を取り出し、術を使って光を探った。生まれたばかりの風来は外界に警戒心を抱き、多くのものに戸惑っていた。瑠羽(リュウ・ユ)の献身的な世話のおかげで、彼は徐々に周囲に慣れていった。風来の存在は沈木月(シン・ムウ・ユエ)の関心を引き、彼はこれが霊界の脅威になることを懸念した。瑠羽(リュウ・ユ)は沈木月(シン・ムウ・ユエ)に対し、風来を適切に管理し、魑魅(チミ)を製御する力へと成長させ、霊界に繁栄と活気をもたらすと約束した。
第34話あらすじとネタバレ
魑魅(チミ)の風来は、一月経っても一族の力を覚醒できず、六冥(リウミン)の不満を買っていた。彼は瑠羽(リュウ・ユ)に、自分の意に従うよう命令する。沈木月(シン・ムウ・ユエ)は魑魅(チミ)を錬成した当初から非難を浴びており、現状が悪化すれば離れることを考えている。風来自身も、同族を支配する霊界の命令に従うとは限らない。六冥(リウミン)を宥めるため、瑠羽(リュウ・ユ)は再び風来を監視し、霊界への脅威とならないようにすると約束した。
画巻の幻境の中で、沈璃(シェン・リー)は脱出方法こそ分からないものの、秘められた真実が明らかになることに気付く。天外天からは人々の願いが届き、中には沈璃(シェン・リー)の無事を祈る霊界の人々の声もあった。霊尊(レイソン)もまた、彼女の帰還を強く願っている。沈璃(シェン・リー)は霊界へ戻る思いをさらに強くするが、行止(コウ・シ)は彼女の願いに再び苦悩する。
行止(コウ・シ)が沈璃(シェン・リー)を仙界から連れ出そうとした時、霊尊(レイソン)は彼を止めた。霊尊(レイソン)は沈璃(シェン・リー)の帰還を望む一方、行止(コウ・シ)は苻生(フー・シェン)が墟天淵(きょてんえん)を開く方法を見つけたこと、そして沈璃(シェン・リー)が最後の鍵となることを理由に、彼女を危険に巻き込みたくないと言う。霊尊(レイソン)は沈黙する行止(コウ・シ)を見て、沈璃の本当の出自を彼に問うが、既に答えは分かっていた。
沈璃は画巻を通して、瑠羽(リュウ・ユ)と風来の過去を目にする。瑠羽(リュウ・ユ)は風来を傀儡にすることを拒み、六冥(リウミン)の罰を受ける。風来は瑠羽(リュウ・ユ)を助けようとして六冥(リウミン)の怒りを買い、連れ去られそうになる。瑠羽(リュウ・ユ)の必死の嘆願も六冥(リウミン)の決意を変えることはできなかった。瑠羽の苦しみを見たくない風来は、ついに六冥(リウミン)の指導を受け入れる。瑠羽は風来に霊界の生活の温かさを教え、六冥は彼女の殺意を刺激し、利用しようと目論む。幸いにも瑠羽は正気を保ち、失望した六冥は風来を始末するように命じるが、瑠羽は風来を救い出し、人間界へと連れて行き、新たな生活を始める。
二人は人間界で穏やかな日々を送り、小犬を飼い、自由と隠遁の喜びを味わう。小犬の死を通して、風来は初めて死という概念に触れ、瑠羽は辛抱強く生命の循環を説明する。物語は進み、沈璃は魑魅(チミ)之王と六冥の弟子の運命に興味を持ち、画巻をさらに深く探る。
ついに六冥は二人の居場所を突き止め、新たに錬成した魑魅(チミ)を風来に差し向ける。瑠羽は再び師に懇願するが、風来は魑魅(チミ)が瑠羽を飲み込むのを目の当たりにし、魑魅(チミ)之王の力を覚醒させ、魑魅を従わせる。そして、瑠羽を救い出す。
森の中の一軒家に戻ると、空には無数の魑魅が飛び交っていた。沈木月(シン・ムウ・ユエ)が仮逆し、霊界は困難な時代を迎える兆しだった。行止(コウ・シ)神君は霊界に来て墟天淵(きょてんえん)を作り、多くの魑魅を封じたが、魑魅之王は未だ野放しだった。沈木月(シン・ムウ・ユエ)はこれを聞き、ある計画を思いつく。
沈木月(シン・ムウ・ユエ)は急いで瑠羽を見つけ、魑魅之王が墟天淵(きょてんえん)の火の封印の一部とならなければ、更なる災厄が訪れると警告する。瑠羽は信じられない思いでいる中、風来は彼女の決断を待つ。三界の衆生への責任感から、瑠羽はついに提案を受け入れ、風来もまた、瑠羽の安寧と引き換えにその重責を担うことを表明する。
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