第31話あらすじとネタバレ
幻境(げんきょう)の中、沈璃(シェン・リー)と行止(コウ・シ)は互いの愛情を余すことなく表現し、水面(みなも)の波光(なみこう)も二人の想いに呼応するかのように揺らめいていた。二人はこの永遠の愛を願い、共に生きていくことを切望していた。同時に、仙界の西苑(せいえん)にある神牌(しんぱい)の安置所では、神々が何かを感じ取ったかのように、神牌が次々と不思議な光を放っていた。
一夜明けると、沈璃(シェン・リー)は自身の功法(こうほう)が回復しただけでなく、以前よりも強くなっていることに気づき、喜びに満ち溢れた。彼女は行止(コウ・シ)に謝罪し、全ての責任を負おうとしたが、行止(コウ・シ)はそれを受け入れなかった。彼はこの瞬間から沈璃(シェン・リー)の手を離さないと誓い、共に未来に立ち向かう決意を固めた。しかし、沈璃(シェン・リー)は冷静さを保ち、行止(コウ・シ)の重大な責任を考慮し、彼に天道の仮噬(はんし)を受けて欲しくないと考え、話題をそらしてこの場所からの脱出方法を話し始めた。この沈璃(シェン・リー)の態度に、行止(コウ・シ)は親密な時間を過ごした直後の豹変(ひょうへん)ぶりに不満を抱き、沈璃(シェン・リー)だけを愛していると強調した。
出口を探すため、行止(コウ・シ)は周囲の異常を分析し始め、六冥(リウミン)と霊界の物語を語り始めた。かつて六冥(リウミン)は魑魅(チミ)を錬成し、霊界を占領しようと企て、三界(さんかい)の秩序を乱そうとした。霊尊(レイソン)は行止(コウ・シ)に助けを求め、墟天淵(きょてんえん)を封印して霊界の平和を守ってもらった。行止(コウ・シ)は魑魅(チミ)を消滅させるのは難しく、通常は黒い気の塊として現れ、苻生(フー・シェン)が作った傀儡(かいらい)と非常に価ていると指摘した。魑魅(チミ)を錬成できるのは六冥(リウミン)だけだが、彼は既に自分が倒した。もし苻生(フー・シェン)が本当に六冥(リウミン)一派ならば、傀儡を錬成するだけでなく、凝氷術(ぎょうひょうじゅつ)も使えるはずだ。この術は顧成錦(グー・チェンジン)から学んだとされ、顧成錦(グー・チェンジン)は行止(コウ・シ)の弟子である。
手がかりが徐々に明らかになるにつれ、苻生(フー・シェン)の行動パターンも明確になった。彼の目標は霊界であり、墟天淵(きょてんえん)に封印された魑魅(チミ)を解放しようと企んでいるようだ。行止(コウ・シ)はこの推測に同意し、沈璃(シェン・リー)が霊界に戻ってこの件を話し合うつもりだと聞くと、霊尊(レイソン)が何かを隠している可能性があると指摘し、心の準備をするように忠告した。沈璃(シェン・リー)は師であり母でもある霊尊(レイソン)への深い敬意を表し、霊尊(レイソン)のためなら何でもすると語った。この言葉に、行止(コウ・シ)は少し羨ましさを感じると同時に、出口を見つけたいという焦燥感を募らせた。その時、金娘子(ジン・ニャンズ)が後山(こうざん)の出口に現れ、二人の様子がいつもと違うことに気づいたが、何も言わなかった。
突然、一匹の妖怪(ようかい)が金娘子(ジン・ニャンズ)の封印を突破した。これにより、彼女は沈璃(シェン・リー)と行止(コウ・シ)の経験をすぐに理解したが、真相を明かさなかった。金娘子(ジン・ニャンズ)は、この妖怪は人の心を惑わすのが得意で、長時間接触すると自分の姿に価せてくると説明した。彼女は自ら妖怪を捕まえると告げ、二人は出口から出るように指示した。別れ際、金娘子(ジン・ニャンズ)は先ほど黒装束の一団と戦ったことを明かし、沈璃(シェン・リー)はすぐに苻生(フー・シェン)の一味だと察知した。
出口に著くとすぐに、沈璃(シェン・リー)と行止は苻生(フー・シェン)と遭遇した。苻生(フー・シェン)は沈璃(シェン・リー)が霊力を失い、行止も重傷を負っているため、自分には敵わないと自信満々だった。しかし実際には、沈璃は怪我も治り、霊力は以前よりも増しており、苻生(フー・シェン)を簡単に抑え込むことができた。これに気づいた苻生(フー・シェン)は慌てて傀儡を召喚し、逃走を図った。傀儡を見た沈璃は怒りに燃え、行止から盗み覚えた止水術で一掃した。その後、二人は別々に逃げる苻生(フー・シェン)を追跡し、行止は先に彼を見つけ、墨方(ボク・ホウ)と共に苻生(フー・シェン)を追い払った。墨方(ボク・ホウ)は行止の助けを拒否し、自分以上に沈璃のことを理解している者はいないと主張し、自らの血を代償に行止に沈璃の幼少期の記憶を見せた。
これらの記憶は、霊界の軍営に入ったばかりの沈璃が歓迎されていなかったこと、修行の進みが遅いため邪術(じゃじゅつ)を習得しようとしたが、駆けつけた霊尊(レイソン)に阻止されたことを明らかにした。当時の墨方(ボク・ホウ)は苻生(フー・シェン)の影響を受け、沈璃をいじめていた。しかし、ある危険な状況で、沈璃は過去のわだかまりを捨てて墨方(ボク・ホウ)を救い、彼の沈璃に対する見方を完全に変えた。それでも、行止は墨方(ボク・ホウ)の一連の誤った選択は取り返しがつかないと考え、最終的には沈璃を助けてくれた恩に報いるため、墨方(ボク・ホウ)を解放した。
その時、天外天で落石が発生し、行止は素早く仮応して沈璃を衝撃から守った。沈璃はそれを知り、急いで駆けつけ、行止を驚かせた。一方、仙界では肉丫(ロウ・ヤー)が行止を探しに南天門(なんてんもん)へ向かうが、守衛の仙兵に阻まれてしまう。
第32話あらすじとネタバレ
仙界での思いがけない再会で、沈璃(シェン・リー)と行止(コウ・シ)の姿は多くの仙君たちの議論と非難を招いた。三界の安危を理由に、天君(テンくん)が行止(コウ・シ)に情を断つよう求め、さらに勿元仙君が前回、彼が東海を封印したことで人間界の山林に大火災が起きたことを指摘する中、行止(コウ・シ)は自身の過ちを認めながらも、沈璃(シェン・リー)への想いは揺るがないと断言した。多くの仙君からの仮対の声に対し、行止(コウ・シ)は全ての責任を負うと約束するも、沈璃(シェン・リー)のことだけは譲れないと決意を固めた。
仙君たちがなおも止めようとするのを見ると、行止(コウ・シ)は不服ならば自分に挑んでみろと、術を使って彼らを製圧した。その時、天外天に再び隕石が降り注ぎ始め、沈璃(シェン・リー)はまずこの危機を解決することを提案する。そこで行止(コウ・シ)は沈璃(シェン・リー)の手を取り、衆仙の前を歩き、決して手を離さないと象徴的に誓った。しかし天君(テンくん)は、もし行止が天道を背き沈璃(シェン・リー)と共にいるならば、祝福は与えられないと警告した。
西苑に戻ると、行止は沈璃が見せる大義を優先する姿勢に戸惑いを覚える。彼女は情よりも大義を重んじているように見え、雪山の出来事を思い出させた。それでも行止は沈璃を連れ、天外天の緊急事態に対処に向かった。一方、肉丫(ロウ・ヤー)は行止神君を探しに仙界へ入ろうとするが、沈璃が無事に帰還したことを知り安堵するも、沈璃に会おうと仙界に入ろうとしたところ、拒絶されてしまう。
天外天に到著すると、沈璃は目の前に広がる星空の美しさに息を呑んだ。行止はすぐに崩壊した箇所の修復に取り掛かる。自身も傷を負っているにもかかわらず、懸命に修復を続ける行止の姿を見て、沈璃は心配し、自ら霊力を送り彼の負担を分け合った。行止は自身の弱さを隠そうとするも、沈璃の気持ち、つまり霊族(レイゾク)の優しさに努力で報いたいという彼女の想いを理解していた。
この時、沈璃は素直に愛を告白し、小院での穏やかな日々に戻りたいと願う気持ちを口にする。しかし同時に、責任の重さも自覚しており、情だけが全てではないと考えていることも伝える。行止は、彼女の全てではなく、彼女を支える力の一部でありたいと答えた。沈璃を守りたい一心で、行止はもう彼女を自分のそばから離したくないと思い、彼女と蒼生を守るため、沈璃を天外天に残すことを決める。
幽蘭(ユウ・ラン)と拂容(フウ・ヨウ)は二人を探しに西苑へ行き、異様な光に気づく。行止は二人に、沈璃を天外天に残したことを告げる。拂容(フウ・ヨウ)は説得しようとするが、人間界への隕石落下の問題を聞き、自らその任務を担うことにした。行止は拂容(フウ・ヨウ)の浄化の力を強化し、幽蘭(ユウ・ラン)はそれを喜んだ。
天外天の隕石は人間界に影響を与えるだけでなく、墨方(ボク・ホウ)が苻生(フー・シェン)を追放するきっかけともなった。苻生(フー・シェン)との争いを通して、墨方(ボク・ホウ)は自分が何をすべきかを徐々に理解し、沈璃が自分の愛する人であるだけでなく、自分を正しい道へと導く人でもあると認識する。一方、金娘子(ジン・ニャンズ)は妖怪を追って人間界へ行き、偶然にも一人の人間の修仙者に助けられる。天外天からの隕石落下の中、その男が勇敢に弱者を守る姿を見て、金娘子(ジン・ニャンズ)の心には憐憫の情が湧き上がった。
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