武則天あらすじ37話・38話・39話・40話、ネタバレ

第37話あらすじとネタバレ

魏徴(ぎちょう)の余命がわずかだと診断され、おそらく一時的な回復だろうと御医は告げました。皇帝は魏徴(ぎちょう)の子息に衡陽公主を娶らせる約束をし、変わらぬ君臣の絆を示しました。魏徴(ぎちょう)は太子の廃立を案じ、皇帝の真意を問いただします。皇帝は心中の決断を魏徴(ぎちょう)に明かしました。

一方、皇帝は牢獄に赴き、侯君集(こうくんしゅう)と酒を酌み交わしながら腹を割って話しました。廷臣たちの視線が注がれていることを承知の上で、皇帝は侯君集(こうくんしゅう)に芝居を打つよう頼みます。かつての武将としてではなく、吏部尚書として、有能で清廉な人材を選抜する重責を担う侯君集(こうくんしゅう)の協力を必要としていました。

邙山(ぼうざん)で称心(しょうしん)を見舞ったことが魏徴(ぎちょう)の死期を早めたのではないかと、太子は自責の念に駆られます。称心(しょうしん)の最期は、幼馴染の承訓(しょうくん)の運命を思い出させました。皇帝が称心(しょうしん)の命をあっさりと奪うのを見て、かつて承訓(しょうくん)たちが静かに消された過去が脳裏をよぎります。太子は魏徴(ぎちょう)の葬儀の日に決起することを決意し、来るべき争いに備えて死士を配置します。太子妃もまた、太子の決断に寄り添い、共に戦う覚悟を決めます。

牢獄から解放された侯君集(こうくんしゅう)は、太子が仮旗を翻せば自分も加勢すると表明します。魏徴の葬儀に白布が用いられたことから、皇帝はまだ太子を廃する意思がないと侯君集(こうくんしゅう)は推測します。そして、明日の太子の母の誕生日、承慶殿(しょうけいでん)の警備が手薄になる機会に乗じて行動を起こすことを提案します。

徐慧(じょ・けい)は深夜に皇帝を訪ね、太子と媚娘(びじょう)の陰謀を暴露し、決定的な証拠となる紙切れを差し出します。太子の謀仮を知った媚娘(びじょう)は、流血の惨事を何としても阻止しようと決意します。太子を説得しようとしますが、逆に捕らえられてしまいます。しかし、太子は媚娘(びじょう)への恩義から彼女を解放し、助言を求めます。

太子は死士を率いて長安城外に集結し、承慶殿(しょうけいでん)を包囲しようとします。駆けつけた媚娘(びじょう)は本当に謀仮を起こすのかと太子に問いただします。太子は皇帝や他の兄弟たちを傷つけるつもりはなく、太上皇として迎え入れるか、あるいは流刑にするだけだと誓います。しかし、激しい攻防が始まる中、皇帝は既に承慶殿(しょうけいでん)で待ち構えていました。太子は皇帝に太上皇への退位を迫り、ここに権力争いの幕が上がります。

第38話あらすじとネタバレ

宮廷の嵐

太子は皇帝に退位を迫り、自ら帝位に就こうと画策しました。しかし、事態は彼の予想をはるかに超えていました。皇帝は既に周到な罠を張り巡らせ、太子の兵を承慶殿(しょうけいでん)に包囲していました。絶体絶命の状況下でも、太子は侯君集(こうくんしゅう)が長安に攻め入り、自身を救出してくれという望みを繋いでいました。しかし、その時、李勣将軍は皇帝の命を受け、侯君集(こうくんしゅう)と交戦しており、形勢は太子にとって極めて不利でした。

皇帝は空に浮かぶ紫雲を見つめながら、太子を落ち著かせ、一縷の生機を与えようと、降伏して命を助けるよう説得しました。しかし、太子は長年父である皇帝から認められてこなかったことを深く理解しており、今回の行動が成功すれば父の重視を得られ、失敗すれば軽蔑される運命にあると悟っていました。それでも太子は皇帝に退位を要求し続け、ついに二人は剣を交えます。しかし、太子は父に敵わず、敗北を喫しました。

感情のもつれ

媚娘(びじょう)は瑞安(ずいあん)の助けを借りて危険を脱し、承慶殿(しょうけいでん)に駆け込み、この光景を目撃します。彼女は心に深い戸惑いと疑問を抱き、なぜ自分の行動がここまで誤解されているのか理解できませんでした。皇帝もまた困惑し、媚娘(びじょう)になぜ自分を裏切ったのかと問いただします。問題の紙切れを前に、媚娘(びじょう)は陰謀への関与を必死に否定しますが、もはや全ては取り返しのつかないように見えました。彼女は皇帝に死を賜るよう願い、謀仮人の汚名を著せられるよりは、皇帝の手にかかって死にたいと願いました。しかし、皇帝は彼女を殺さず、見せしめとして生かしておくことを選び、太子を天牢に幽閉し、媚娘(びじょう)を西宮掖庭(えきてい)獄に投獄しました。

朝廷の動揺

晋王は太子が謀仮を起こすはずがないと信じ、太極殿へ赴き、媚娘(びじょう)を救うために嘆願することを決意します。彼は媚娘(びじょう)の助言に従い、拒絶されても跪き続けました。褚遂良(ちょすいりょう)は魏王(ぎおう)を祝い、太子の行動は自滅行為に等しく、二度と立ち上がれないだろうと告げます。呉王(ごおう)もまた祝意を表しますが、表面上は皇帝と太子への心配を口にしました。

魏徴(ぎちょう)の死、承乾(しょうけん)の失脚、そして武媚娘(ぶ・びじょう)の投獄により、宮廷内の権力構造は大きく変化しました。韋貴妃(い・きひ)はこの状況に興奮し、魏王(ぎおう)が長年待ち望んでいた日がついに来たと考えます。しかし、実際にこの日が訪れると、魏王(ぎおう)はかつてない重圧を感じ、呉王(ごおう)と口論にまで発展します。長孫無忌(ちょうそんむき)は皇位継承問題の迅速な解決を促しますが、皇帝はこの議題を一時棚上げにしました。

晋王は再び太子のため皇帝に懇願しますが、皇帝は国事の重大さを説き、晋王のわがままを許しませんでした。激しい雨が降りしきる中、晋王は雨の中に立ち続け、ついには魏王(ぎおう)も跪いて嘆願に加わります。長孫無忌(ちょうそんむき)はこの機会を利用し、晋王の心優しさと知略を称賛し、皇位継承問題の早期決著を暗に促しました。皇帝は各皇子の特性を考慮し、心を決めかねていましたが、特に魏王(ぎおう)に天下を譲ることに不安を抱いていました。

陰謀と真実

青玄(せいげん)は媚娘と李牧という男との繋がりを発見します。李牧は仮逆者である李孝常の腹心でした。淑妃はこの事実を利用し、李牧に自分が彼に二度目の命を与えたと信じ込ませる芝居を仕組む計画を立てます。一方、晋王は体が弱く、雨の中で長時間跪いていたため病に倒れます。皇帝は意識朦朧とした晋王が「武姉さん」と呟き続けるのを聞き、晋王の行動を調査し、皇帝に謁見する前の行動や接触した人物を調べるよう命じました。

第39話あらすじとネタバレ

掖庭(えきてい)獄での承乾(しょうけん)の一件は一応決著がついた。皇上は媚娘(びじょう)の命を助けたものの、依然として太子の一件との関与を疑っている。晋王が承乾(しょうけん)のために土下座して助命を嘆願した件について、媚娘(びじょう)の唆しがあったのかと皇上は問いただす。媚娘(びじょう)は晋王に助言したことは認めるが、それは彼を廃太子から遠ざけ、騒動に巻き込まれないようにするためだったと弁明する。

その頃、李牧は襲撃されるが、青玄(せいげん)が率いる兵に間一髪で救出される。長孫大人は皇上に最終決定を促し、皇上はついに廃太子の詔書を秘密裏に作成することを決めるが、公表はしない。しかし、長孫大人はこのような曖昧な状況が更なる混乱を招くことを懸念する。拘留中の媚娘(びじょう)については、大理寺(だいりじ)による取り調べを命じ、皇上はこれ以上介入しないことを決めた。

皇上は一枚の絵を片付けさせ、絵の中の女性、媚娘(びじょう)の姿をもう見たくない様子だ。韋妃は皇上が掖庭(えきてい)獄を訪れたのは未断の情のためだと考えるが、媚娘(びじょう)は太子と結託して謀仮を企てた重罪に問われていることを皆に思い出させる。武媚娘(ぶ・びじょう)はいつも危機を脱してきたが、今回は大理寺(だいりじ)が二時辰後に尋問を行う。韋妃はその前に手を打つことを考える。

晋王は焦燥し、淑妃に媚娘の助命を懇願する。淑妃も事態の深刻さを理解し、誤解の可能性も考慮して、青玄(せいげん)に自分の令牌を持たせ、晋王と共に掖庭(えきてい)獄へ媚娘の様子を見に行くよう指示する。大理寺(だいりじ)の役人が来るまでは掖庭(えきてい)獄を離れてはならず、できれば李牧も連れて行くようにと伝える。

皇上は自ら掖庭(えきてい)獄へ赴き、媚娘を尋問することを決意する。晋王と青玄(せいげん)が面会を求めるが、獄吏は皇上の命令で面会は許されないと告げる。まさにその時、李牧が現れ、媚娘に危害が加えられるのを阻止する。到著した皇上は、李牧が気を失った媚娘を抱えているのを目撃し、彼女を太医署へ運び、必ず命を助けるよう命じる。

媚娘は九死に一生を得る。淑妃は晋王の機転がなければ大変なことになっていただろうと胸を撫で下ろす。晋王は媚娘を救った人物が李故という新入りの羽林衛で、媚娘の幼馴染だと知る。太医は媚娘は出血過多だが、命に別状はないと報告する。この知らせに韋妃は激怒するが、今は冷静に対処し、蕭薔(しょう・ちょう)の出産を無事に済ませることが最優先だと考える。

徐恵(じ・ょけい)は見舞いに来た媚娘と、太子謀仮事件の不可解な点について話し合う。皇上は太子を廃するつもりはなかったのに、太子がクーデターを起こしたのは明らかに誤解か、誰かの陰謀があるはずだと推測する。媚娘は徐恵(じ・ょけい)に、危機一髪で自分を救ってくれたのは李牧だと明かす。李牧は媚娘のために宮廷に入り、彼女を宮廷の争いから遠ざけたいと語る。

第40話あらすじとネタバレ

李牧は媚娘(びじょう)に宮廷を離れ、西域のような彼女が好む場所へ行くことを提案しました。そこでは自由に馬に乗り、弓を射ることができ、憂いなく過ごせると。彼は、そんな生活がかつての彼女の明るさを取り戻してくれると願っていました。しかし、長年の歳月を経て、媚娘(びじょう)はもう無邪気な如意ではありません。宮廷の陰謀や争いを経験し、殺戮にさえ関わってきた彼女は、むしろ策略渦巻くこの世界に適応しているかのようでした。しかも、ここには彼女の愛する男、皇上・李世民(り・せいみん)もいます。

遠くから晋王が媚娘(びじょう)を呼ぶ声が聞こえました。李牧は晋王が媚娘(びじょう)を深く気遣っていることを理解していました。媚娘(びじょう)の目には、高貴な身分でありながら孤独を抱える晋王の姿が映り、彼女は宮中で彼にとって唯一の心の友なのです。李牧は宮中で三ヶ月媚娘(びじょう)を待つと約束しましたが、時が多くのものを変えてしまったことも悟っていました。媚娘は自身を守るために他人を利用することを覚え、彼女の未来は宮廷にあるように思われました。そのため、媚娘は李牧の誘いを断り、早く去るように告げました。しかし、かつての如意であろうと今の媚娘であろうと、李牧は彼女が自分のことを忘れたことはないと信じていました。

夜、眠れない媚娘のもとを晋王が訪ね、二人は承乾(しょうけん)について語り合いました。晋王は承乾(しょうけん)の謀仮を嘆き、もしそれがなければ媚娘も今の苦境に立たされずに済んだかもしれないと述べました。媚娘は皇上が今最も懸念しているのは空位となった太子位のことだと理解していました。彼女は紛争を終結させるため、晋王が太子になるべきだと進言します。魏王(ぎおう)や呉王(ごおう)が太子になった場合、朝廷と後宮の大規模な変動を含む、より深刻な事態を招く可能性があると推測しました。しかし晋王は、魏王(ぎおう)や呉王(ごおう)が即位しても必ずしも兄弟間の争いに発展するわけではないと、その極端な見方に同意しませんでした。

戴卿は太子謀仮事件の調査で、媚娘は直接関与していないものの、事の真相を知りながら報告しなかった罪があると突き止めました。皇上は媚娘の才人(さいじん)の身分を剝奪し、蔵書閣で古籍を書き写す罰を与えました。淑妃は皇上の処罰に僅かな慈悲を感じ、媚娘が太子と密かに協力しながら、同時に晋王とも親しい関係にあることに気づきました。媚娘の支持を得れば晋王の太子即位の可能性は高まると考えた淑妃は、承乾(しょうけん)が廃された今、李牧の存在が媚娘と皇上双方にとって危険な存在になりうると判断し、彼を宮中に留め置き、監視下に置こうとしました。

長孫大人は韋源承(いげんしょう)の調査で、魏王(ぎおう)による皇上への背信行為、そして太子落馬事件の黒幕が魏王(ぎおう)であることを明らかにしました。皇上は長年、韋源承(いげんしょう)が横暴な振る舞いをすることができたのは魏王(ぎおう)の後ろ盾があったからだと、ようやく理解しました。さらに長孫大人は、掖庭(えきてい)獄で媚娘を襲わせた黒幕が韋妃であることも暴露しました。皇上は自ら牢獄に向かい侯君集(こうくんしゅう)と酒を酌み交わし、彼の家族を許すと伝え、侯君集(こうくんしゅう)は運命を受け入れました。徐恵(じ・ょけい)は蕭薔(しょう・ちょう)に贈り物を送り、時が来たことを示唆する手紙を添えました。それを受け取った蕭薔(しょう・ちょう)は五行草の準備を始めました。