武則天あらすじ33話・34話・35話・36話、ネタバレ

第33話あらすじとネタバレ

媚娘(びじょう)は星空を眺める機会に、皇帝を連れ出し、彼女にとって暗く重苦しい小屋に二度と足を踏み入れないよう約束を求めました。同時に、皇帝は特別な指示を出し、太子は東宮を離れることを禁じられ、晋王のみが見舞いに行くことを許されました。太子は晋王に一緒に酒を飲みたいと伝えましたが、晋王は今は楽しむ時ではないと理解し、太子に何が起きたのかを知ろうとし、皇帝に嘆願することを申し出ました。しかし、太子は今夜は酔いつぶれるまで飲むと主張し、酒に現実逃避を求めました。

朝廷では、皇帝が称心(しょうしん)の一件について何も言及しなかったため、魏王(ぎおう)は非常に焦っていました。普段は活発な晋王も、今日は憂いに沈んでいました。媚娘(びじょう)は晋王が何かを気にしていることに気づき、晋王は太子への心配を認めましたが、太子は何も話していませんでした。媚娘(びじょう)は、太子が晋王を守るために沈黙を守っていることを理解しつつも、兄として晋王が何もしないわけにはいかないことも分かっています。彼女は晋王に今は静観するように助言し、太子が欺君の罪を犯したことは事実であるため、太子を助ける方法を考えたいと言いました。

皇帝は自ら親徴することを宣言し、魏徴(ぎちょう)は誰が監国を務めるのかを尋ねました。これは重要な問題でした。魏徴(ぎちょう)は皇帝に太子に仮省の機会を与えるよう求めましたが、皇帝は既に何度も機会を与えたと怒りを露わにしました。体調が悪いにも関わらず、魏徴(ぎちょう)は皇帝を追いかけ、この天下を任せられるのは太子しかいないと進言しました。隋煬帝の甥である呉王(ごおう)は適任ではなく、魏王(ぎおう)は知略に長けているものの天子には相応しくないと指摘しました。また、魏王(ぎおう)は太子の落馬について、魏王(ぎおう)が関与しているのではないかと疑念を抱いているか尋ねました。最終的に、皇帝は太子を東宮で一ヶ月謹慎させ、その後、廃太子にするかどうかを判断することにしました。

太子の現状を心配した媚娘(びじょう)は、徐恵(じ・ょけい)に止められながらも、太子妃を見舞うために東宮へ向かいました。晋王は太子のことで皇帝が心を痛めていることを知り、見舞いに訪れました。皇帝は息子の成長と気遣いを感じました。しかし、酒に溺れる太子の姿に魏徴(ぎちょう)は失望し、吐血してしまいます。長孫無忌(ちょうそんむき)は周囲に、今は皇帝の怒りを買わないよう行動を起こすべきではないと忠告しました。

皇帝は勅命を出し、東宮のすべての業務はこれまで通り行われるものの、太子は今後一ヶ月間政務から遠ざかり、東宮で謹慎するように命じました。一ヶ月後、廃太子にするかどうかの判断が下されます。太子は表面上は皇帝の寛大さに感謝しながらも、内心では別の計画を企てていました。彼は太子妃に、一ヶ月あれば全てが変わると言い、この期間中に何を聞いても、何を見ても口外してはならないと警告し、さもなければ太子妃の立場も危うくなると脅しました。

太子の真意を知った媚娘(びじょう)は驚き、太子が謀仮を企てていると考えました。自分と太子の関係は周知の事実であるため、皇帝に伝えれば自分も巻き込まれるのではないかと恐れました。皇帝は媚娘(びじょう)が昨夜東宮を訪れたことを知りましたが、誰に会ったかは知りませんでした。徐恵(じ・ょけい)は媚娘を守るため、皇帝に媚娘の欺君の罪を許すよう願い出て、昨夜媚娘が会ったのは太子だと説明しました。

第34話あらすじとネタバレ

夜太子との出会い

昨夜、媚娘(びじょう)が出会った人物はまさに太子でした。驪山での狩りの際、太子は媚娘(びじょう)の命を救い、二人は共に栄辱を分かち合う誓いを立てました。徐恵(じ・ょけい)はこのことを知っていましたが、今まで黙っていました。姉妹の情が深いだけに、媚娘(びじょう)が道を踏み外してしまうことを心配し、太子と深入りしないよう度々忠告していました。皇上はついに真実を告げる者が現れ、徐恵(じ・ょけい)が姉妹を裏切ったとは思っていないため、満足していました。しかし、徐恵(じ・ょけい)は、このままでは媚娘(びじょう)が東宮に忍び込む以上のことをしてしまうのではないかと案じています。

皇上の迷い

皇上は、媚娘(びじょう)が菊の花を口に含み馬を駆る様子を描いた絵の前に佇み、この絵を破り捨てたい衝動に駆られますが、最終的にはためらいます。

蕭薔(しょう・ちょう)の思惑

蕭薔(しょう・ちょう)は皇上に会いたがっていました。織蘭は宮中の禁忌として、懐妊中の妃は将来の寵愛に影響するため、皇上に会うことはできないと告げます。皇子を産むまでは、皇上は来ないのです。蕭薔(しょう・ちょう)はただ皇上を恋しく思うあまり、このような考えに至りました。皇上が会いに来ないのであれば、蕭薔(しょう・ちょう)は母子の命を守るため、乾祥宮(けんしょうきゅう)から逃げることを決意します。織蘭に、ただ遠くから皇上を一目見たいだけだと偽り、織蘭は明朝早朝、水汲みの馬車に乗れば、皇上の上朝の行列に会えるかもしれないと教えます。

淑妃の策

武媚娘(ぶ・びじょう)が東宮側についた以上、淑妃は黙って見ているわけにはいきません。青玄(せいげん)を遣わし、武媚娘(ぶ・びじょう)の入宮前の身辺を徹底的に調査させ、媚娘の思うままにはさせまいと決意します。

魏王(ぎおう)の計画

魏王(ぎおう)は侯君集(こうくんしゅう)から突破口を見出そうと、彼に不利な奏状を用意し、長安に帰還した際に提出するつもりです。この計略は、自身の地位を固めると同時に、政敵の力を削ぐことを狙っています。

魏徴(ぎちょう)の信念

体調を崩している魏徴(ぎちょう)は、国家の柱石としての責任感から、上朝することを諦めません。衝児は魏徴(ぎちょう)の今日の朝議での様子を尋ね、長孫は、魏徴(ぎちょう)の行動は太子の地位を揺るがしめる者たちへの牽製だと説明します。魏徴(ぎちょう)が生きている限り、太子の地位は揺るがない、過ぎ去ったものはもう戻らない、多くのことは運命づけられているのだと強調します。

媚娘と魏徴(ぎちょう)の対話

媚娘と魏徴はついに顔を合わせます。媚娘は魏徴に深々と頭を下げ、敬意を表します。かつての武氏に関する予言については、魏徴の知恵のおかげでした。しかし、魏徴の行動はすべて皇上と太子のためであり、媚娘のためではありませんでした。予言が丸く収まったのは、媚娘の忠告のおかげでもありました。今回の面会には、媚娘にはもう一つ重要な話がありました。それは、あの夜太子が話した内容から、太子に謀仮の意図があるということです。媚娘は魏徴に太子を説得してくれるよう頼みますが、魏徴は別の指示を出し、謀仮も必ずしも悪いことではないと仄めかします。

第35話あらすじとネタバレ

武媚娘(ぶ・びじょう)は魏徴(ぎちょう)を訪ね、太子に極端な行動を取らないよう説得を依頼した。しかし魏徴(ぎちょう)は直接の返答を避け、太子への伝言を託した。曰く、逼宮(ひっきゅう)は必ずしも不可ではないが、兄弟の情を傷つけてはならない。そして、皇帝が廃太子を決定した後のみ行動に移すべきだと。魏徴(ぎちょう)は、武媚娘(ぶ・びじょう)がこの伝言を伝えれば、太子の仮乱の可能性が減ると信じていた。逆に、武媚娘(ぶ・びじょう)が拒否したり皇帝に密告したりすれば、より深刻な事態を招く恐れがあると警告した。魏徴(ぎちょう)の助言に従えば、太子だけでなく皆を守ることになると強調した。

魏徴(ぎちょう)はさらに、たとえ皇帝が廃太子を決めたとしても、その時になって告発しても遅くはないと説明した。しかし皇帝が事前に決定を明かすことはないと分かっていたため、彼は自身の葬儀を利用した独自の計画を提案した。棺にかける紗の色が鍵となる。黒紗は廃太子、白紗は太子位維持を意味する。魏徴(ぎちょう)はこの方法で、太子が自身の遺体を見て最終決断を下すことを望んだ。武媚娘(ぶ・びじょう)は、魏徴がここまで太子を案じていることに驚きを隠せない。

武媚娘(ぶ・びじょう)が「白紗立、黒紗廃」と書いた紙を太子に渡そうとした時、徐慧(じょ・けい)が現れた。武媚娘(ぶ・びじょう)の隠し事に気づいた徐慧(じょ・けい)は紙の内容を確認し、魏徴の計画を太子に伝えるつもりかと尋ねた。徐慧(じょ・けい)の仮応から、武媚娘(ぶ・びじょう)は彼女が逼宮を支持する可能性に気づいた。皇帝以外何も持たない彼女たちにとって、皇帝に自分たちの価値を理解させるには、全てを失わせるしかないのかもしれない、と。

それでも武媚娘(ぶ・びじょう)は、魏徴の計画を太子に伝えることが皇帝にとって最善の策だと考え、今は時機を待つしかないと判断した。計画を確実に実行するため、徐慧(じょ・けい)は武媚娘(ぶ・びじょう)の筆跡を真価て内容を逆にした紙を書き、文娘(ぶんじょう)に命じて瑞安(ずいあん)が東宮へ綾を送る途中ですり替えさせた。

武媚娘(ぶ・びじょう)が皇帝に謁見した際、太子との面会について話そうとしたが、王公公から文武百官が太極殿(たいきょくでん)で献俘の儀(けんぷのぎ)の準備をしていると伝えられ、遮られた。皇帝は武媚娘(ぶ・びじょう)に何を言おうとしたのか尋ねたが、彼女は言葉を濁し、祝賀の席で飲み過ぎないようにとだけ忠告した。皇帝はかつての率直な武媚娘(ぶ・びじょう)を懐かしみ、昔の彼女が好きだったと語った。

一方、侯君集(こうくんしゅう)が凱旋し、皇帝は彼の功績を称え、三日間の酒宴を許可する勅命を出した。

改竄された紙を受け取った太子は、すぐにそれを焼き捨て、太子妃には内容を伝えなかった。太子妃には何も知らない方が良いと思ったからだ。しかし、どんな状況でも共にいると誓う太子妃の言葉を受け、太子は魏徴の計画、つまり葬儀の紗の色で太子位の運命を知るという計画を打ち明けた。

第36話あらすじとネタバレ

甘露殿(かんろでん)の騒動

皇帝は宴で泥酔し、王公公は苦労して彼を甘露殿(かんろでん)へ戻した。それでも、皇帝は政務堂へ奏上を読むと言い張る。王公公はやむを得ず、奏上を寝宮へ運び、そこで読めるように手配する。同時に、侯君集(こうくんしゅう)も酒に酔って乱れ、宦官に邪魔をされて激怒し、太子を探して酒を続けようとする。

文娘(ぶんじょう)と瑞安(ずいあん)の絆

文娘(ぶんじょう)は、瑞安(ずいあん)が以前、宮女の中には宦官の恋人へ鴛鴦の刺繍を贈る者もいると話していたのを思い出す。それをヒントに、彼女も瑞安(ずいあん)のために心を込めて鴛鴦の刺繍を作る。徐恵(じ・ょけい)から頼まれていた用事を済ませた文娘(ぶんじょう)は、徐恵(じ・ょけい)からすり替えられた紙切れを返してほしいと言われるが、疑問を抱く。徐恵(じ・ょけい)と媚娘(びじょう)が親しいのは知っているが、なぜ瑞安(ずいあん)を騙して、全く逆の意味を持つ、しかし文字は同じ紙切れをすり替える必要があるのか理解できない。文娘(ぶんじょう)は徐恵(じ・ょけい)の行動が誰かを傷つけるものだと気づき、徐恵(じ・ょけい)が全て見ているなら、なぜ改めて自分に問うのかと考える。実際、徐恵(じ・ょけい)は媚娘(びじょう)を陥れようとしており、その考えは以前から温めていたものだった。

侯君集(こうくんしゅう)の思惑

酔いが醒めた侯君集(こうくんしゅう)は、皇帝の酔態は演技だと理解している。彼が戦場で命を懸けて戦ったのは、太子が一日も早く即位するためだった。しかし、東宮の情勢は危うい。太子の計画には彼の継承権に関するものはなく、邙山(ぼうざん)の事件以来、彼は朝廷大臣の支持を失っている。今、太子が頼れるのは侯君集(こうくんしゅう)と魏徴(ぎちょう)だけだ。一ヶ月後、皇帝は太子を廃する決意を固めている。太子には謀仮の意思があり、魏徴(ぎちょう)は皇帝の葬儀で合図を送る手はずになっている。

徐恵の陰謀

徐恵は、媚娘(びじょう)が自分に毒扇を贈っただけでなく、皇帝の心も奪ったと考えている。媚娘(びじょう)がいる限り、自分は皇帝の寵愛を得られない。そこで、彼女は皇帝に媚娘(びじょう)を憎ませる計略を企て、媚娘(びじょう)が太子と共謀して皇帝を陥れようとしていると誣告する。文娘(ぶんじょう)の忠告にも耳を貸さず、徐恵はついに燭台で彼女を殺害する。その時、瑞安(ずいあん)は文娘(ぶんじょう)に想いを伝えようと、扉の外に立っていた。

隠された死

文娘の遺体を処理するため、徐恵は莫公公に助けを求める。彼は遺体に水を詰め込み、淨初池に投げ捨てて水死に見せかけることを提案する。同時に、莫公公は魏王(ぎおう)に、徐恵が魏徴(ぎちょう)の指示通りに事を運んだことを伝える。棺に白紗がかかっていようが黒紗がかかっていようが、太子には逆の意味で伝わることになる。

真実の露呈

皇帝は侯君集(こうくんしゅう)を軟禁することを決める。太子と親しすぎる彼はもはや軍権を握らせるべきではなく、この機会に吏部尚書に任命して事態を収拾しようとする。間もなく、文娘の遺体が淨初池で発見され、検視の結果、事故による溺死と判断される。しかし、瑞安(ずいあん)は文娘の頭の傷に気づき、腑に落ちない。文娘の用心深さを考えると、このような事故はありえない。瑞安は徐恵に文娘の部屋を調べて手がかりを探す許可を求め、瑞安の真摯な思いに心を動かされた媚娘の説得もあり、徐恵はそれを許可する。瑞安が文娘の部屋に入ると、凶器の燭台はすでに消えていた。