武則天あらすじ25話・26話・27話・28話、ネタバレ

第25話あらすじとネタバレ

皇太子は魏王(ぎおう)府で大騒ぎを起こし、たまたま皇帝に見つけられてしまいます。大臣たちの前で、皇帝は太子を厳しく叱責し、皇太子としての資格がないと非難しました。同時に、王公公は聖旨を読み上げ、魏王(ぎおう)に莫大な褒美を与え、文書館の拡張を許可しました。この対比で、魏王(ぎおう)は得意になり、太子は屈辱を感じます。

太子妃は、太子が魏王(ぎおう)府での騒動で皇帝に叱責されたことを知り、事態の深刻さを認識します。彼女は以前、媚娘(びじょう)に男の心を掴む方法を尋ねようと考えたことを思い出し、驪山での狩猟後がその時だと考えます。皇帝は太子に狩猟への参加を禁じており、太子は激怒していました。

淑妃は、宮廷は一見平穏に見えますが、驪山の狩猟で何かが起こると予感します。彼女は呉王(ごおう)に、理由を聞かずに狩猟中に媚娘(びじょう)を守れと命じ、驪山から戻ったら全てを説明すると約束します。

皇帝は蕭薔(しょう・ちょう)を驪山に連れて行かず、媚娘(びじょう)を選びました。蕭薔(しょう・ちょう)は皇帝に会おうとしますが、韋妃に止められます。韋妃は、蕭薔(しょう・ちょう)が入宮以来、嫉妬ばかりしていると指摘し、媚娘(びじょう)が驪山に行くと聞いて慌てていると非難します。韋妃は蕭薔(しょう・ちょう)を慰め、今の状態では皇帝に会うべきではないと言い、すぐに皇帝が蕭薔(しょう・ちょう)を捜しに来ると暗示します。

韋妃は手紙で、皇帝が明日媚娘(びじょう)を連れて驪山に行くことを伝え、媚娘(びじょう)を排除する好機だと魏王(ぎおう)に知らせます。魏王(ぎおう)は何か大きな事が起きると感じます。魏徴(ぎちょう)は太子を待っていて、太子に自分の評価を尋ねます。皇帝は再び魏徴(ぎちょう)に太子の輔佐を命じ、魏徴(ぎちょう)は今度こそ失敗しないと決意します。太子が失徳太子と呼ばれ、皇帝の信頼を失っても、魏徴(ぎちょう)は太子を支え続けます。魏徴(ぎちょう)は太子の心の優しさを見抜き、太子を即位させることが彼の願いですが、天下のために尽くすことをより重視しています。魏徴(ぎちょう)に見捨てられない太子は、魏徴のやり方を好まなくても、悲惨な結末になる可能性があっても、魏徴の言葉に従う覚悟を決めます。こうして、謹慎中の太子は、魏徴の頼みで、武媚娘(ぶ・びじょう)を救う準備をします。

皇帝は密かに李宵に、驪山の西麓で媚娘を置き去りにして下山させ、長安を離れて二度と戻ってくるなと伝えるよう指示します。呉王(ごおう)は媚娘に赤い縄のついた林に入らないよう忠告します。しかし、呉王(ごおう)は媚娘を見失い、媚娘は皇帝を追いかけますが、皇帝は馬を速く走らせ、媚娘を振り切ります。李宵に連れ去られた媚娘は命を狙われます。その時、皇帝は媚娘を探しに引き返し、彼女の安全を守ろうとします。皇帝は傷を負って倒れている媚娘を見つけ、李宵に聖旨に背仮した理由を問い詰めます。李宵は国家のためだと主張します。危機一髪のところで、太子が到著し、李宵が媚娘を傷つけるのを阻止します。皇帝は媚娘に二度と会えないことを恐れます。媚娘は矢傷で意識を失っています。

第26話あらすじとネタバレ

宮廷の波乱

唐の皇帝は、突然現れた太子に驚きを隠せない。数日の謹慎の後、太子は自ら罪を詫びに来たのだ。折しも、思いがけない出来事が起こり、太子の機転によって事なきを得た。その後、太子は付近を自ら調べ、他に危険がないかを確認した。皇帝は武媚娘(ぶ・びじょう)の身を案じ、城壁の上でようやく意識を取り戻した武媚娘(ぶ・びじょう)と再会した時、二人の胸中は複雑な思いで渦巻いていた。

皇帝は幼い頃から城壁で遊んでいたことを思い出し、それは意誌を鍛え、恐怖に惑わされず正しい判断をするために役立つと語った。武媚娘(ぶ・びじょう)は皇帝に手を差し伸べて欲しいと頼み、皇帝は彼女の並外れた胆力に感嘆する。しかし、武媚娘(ぶ・びじょう)は自分の世界は皇帝の天下に比べれば取るに足らないものだと語る。皇帝は武媚娘(ぶ・びじょう)を暗殺しようとしたことはなく、それは李魈の独断専行による誤解だと説明した。この事実に気づいた武媚娘(ぶ・びじょう)は自害を図ろうとするが、皇帝に止められる。

ほどなくして、蕭薔(しょう・ちょう)の懐妊が伝えられ、宮中に新たな希望が生まれた。皇帝はすぐに乾祥宮(けんしょうきゅう)へ蕭薔(しょう・ちょう)を見舞いに行き、徐恵(じ・ょけい)も母子の絆の大切さを理解し、皇帝が蕭薔(しょう・ちょう)を気遣うべきだと賛同する。文娘(ぶんじょう)から驪山での狩りの際に武媚娘(ぶ・びじょう)が刺客に襲われたことを聞かされた徐恵(じ・ょけい)は、清寧宮(せいねいきゅう)へ武媚娘(ぶ・びじょう)を見舞うことにする。皇帝は韋妃に蕭薔(しょう・ちょう)の懐妊をなぜ早く報告しなかったのかを問い詰め、周太医から蕭薔(しょう・ちょう)の胎盤が損傷しており安静が必要だと聞き、蕭薔(しょう・ちょう)を婕妤(しょうよ)に封じた。

魏王(ぎおう)は武媚娘(ぶ・びじょう)が災難に遭うことを期待していたが、太子によって助けられたことで計画は狂ってしまった。魏王(ぎおう)は韋妃がいる限り武媚娘(ぶ・びじょう)が後宮で生き残ることは難しいと考え、武媚娘(ぶ・びじょう)の運命には関心を示さない。大臣たちは魏王(ぎおう)に太子に目を向けるべきだと進言し、国運を変えるために皇太子を交代させることを提案する。徐恵(じ・ょけい)は久しぶりに武媚娘(ぶ・びじょう)と再会し、疎遠になっていたことを詫び、宮廷に入り皇帝を愛したことを後悔したことがあるかと尋ねる。武媚娘は後悔はしていないと答え、李牧との過去の思い出を語る。

長年皇帝に仕えてきた李魈が、なぜ皇帝の意に違える行動をとったのか、皇帝は理解に苦しむ。皇帝は武媚娘との縁を切ることは口にしたが、命を奪おうとしたことは決してない。武媚娘は国の命運がかかった時、皇帝は天下を選ぶだろうと理解していた。だからこそ、皇帝を苦境に立たせることはもうしないと決意する。

太子は武媚娘を助けたことを不安に思い、魏徴(ぎちょう)は気にしすぎるなと慰める。張元済(ちょうげんさい)は皇太子を交代させることで女帝武氏の予言を阻止できると主張し、激怒した皇帝は彼を牢獄に閉じ込めるよう命じる。魏徴(ぎちょう)はさらに、張元済(ちょうげんさい)を処刑して民心を鎮めるべきだと進言する。

第27話あらすじとネタバレ

太子は知らせを聞き、激怒した。東宮に戻ると、物を投げつけたり壊したりするだけでなく、皇上に武媚娘(ぶ・びじょう)の排除を奏請しようとした。しかし、魏徴(ぎちょう)はすぐさま諫言し、そのような行動は太子が無能で皇太子にふさわしくないと周囲に思わせるだけだと指摘した。実際、皇上が張元済(ちょうげんさい)に示した態度は、太子の地位が見た目ほど盤石ではないことを示唆している。そして、武媚娘(ぶ・びじょう)が今も生きているという事実は、皇上が彼女に深い愛情を抱いていることを如実に物語っている。驪山で太子は武媚娘(ぶ・びじょう)を救い、その恩義は彼女の中に深く刻まれているはずだ。獅子驄の一件からも分かるように、武媚娘(ぶ・びじょう)は隻者ではない。彼女は自分の置かれている状況を深く理解し、太子との関係をより緊密に見せることで、まるで何らかの脅威に共に立ち向かっているかのように振る舞うべきだと分かっている。

太子妃が訪ねてきたのは、明らかに太子のことについてだった。武媚娘(ぶ・びじょう)は、太子が今最も忌み嫌っているのが「女主武氏」の予言であることを知っている。魏徴(ぎちょう)の考えでは、太子と武媚娘(ぶ・びじょう)の安全を確保することこそ、この予言を真に打ち破る方法なのだ。そこで、媚娘は太子妃に太子への感謝を伝え、魏徴(ぎちょう)にはこう伝言した。「李淳風がかつて「女主武氏」の予言の解釈を完成できなかったのなら、今、共にその未完の事業を完成させましょう」と。

魏徴(ぎちょう)はこれは巧妙な方法だと考えた。皆が「女主武氏」の正体を憶測しているのなら、自分たちからその称号にふさわしい人物を作り上げてしまえばいい。これは皇上が望む結果であるだけでなく、太子も安心して事態を収拾できると考えるだろう。蕭薔(しょう・ちょう)の薬の安全を確保するため、韋妃は周太医を特別に任命し、調剤から煎じるまで、蕭薔(しょう・ちょう)が服用する直前まで、薬が他人の手に渡らないよう徹底させた。

入宮以来、武媚娘(ぶ・びじょう)は運命の不公平を嘆いたことも、誰かを害そうとしたこともなかった。しかし今日、彼女は自ら人を傷つけてしまった。媚娘は、このままでは自分が最も嫌悪する韋妃のような人間になってしまうのではないかと恐れた。表面上は華やかだが、実際には生きているとは言えないような人間に。皇上が彭婆婆(ほう・ばば)を見舞いに来た際、媚娘がよくこの老女に付き添って話していることを知った。そこには昔の情の繋がりがあった。

彭婆婆(ほう・ばば)が皇上が幼馴染の恵児(けいじ)だと気づいた時、彼女はひどく動揺した。かつて皇上に再会したら自分の目を潰すと誓っていたが、媚娘はすかさずそれを止め、皇上に立ち去るよう促した。臨終の間際、彭婆婆(ほう・ばば)は媚娘に箱を託し、城壁に自分の骨灰を撒くように頼み、そして現世でも来世でも皇上を呪うと誓い、その遺言を一字一句違えず皇上に伝えるよう求めた。彭婆婆(ほう・ばば)は、もし媚娘が自分の言葉を改竄したら、愛する男は永遠に手に入らないと警告した。

幼い頃、皇上が兄の建成とブランコで遊んでいた光景を思い出しながら、彭婆婆(ほう・ばば)はついに媚娘に呼ばれて静かに息を引き取った。皇上は奏状を閲読している最中、突然筆が折れ、不吉な予感に襲われた。間もなく、宦官が彭婆婆(ほう・ばば)の死を急報してきた。媚娘は彭婆婆の骨灰を持って城壁に向かった。これは故人を送る最後の道であり、彼女は一人で彭婆婆の最期を看取りたかった。しかし、媚娘は彭婆婆の遺言を全て皇上に伝えたわけではなかった。皇上に失望したからだ。男は自分を殴ったり殺したりしてもいいが、疑ってはいけない。彼女は皇上の地位を狙ったことはなく、この宮廷で心に抱いているのは皇上ただ一人だった。

第28話あらすじとネタバレ

皇権と予言の交錯

皇帝は至高の権力を持ちながらも、それを濫用することはありませんでした。しかし、媚娘(びじょう)と出会い、心に秘めていた自由と喜びへの渇望が目覚めます。今回、皇帝は「女主武氏」の予言を顧みず、媚娘(びじょう)への寵愛を貫く決意をします。魏徴(ぎちょう)は深夜、この予言について皇帝に諫言するため参内します。この予言の存在こそが、張元済(ちょうげんさい)による太子への弾劾のきっかけとなったのです。太子の師である魏徴(ぎちょう)は、当然この件について言及します。皇帝との対話の中で、魏徴(ぎちょう)は李君羨について触れます。李君羨は出身、官位、そして名前にも「武」の字が含まれ、さらに韋源承(いげんしょう)の同党であると指摘します。皇帝はこの件を魏徴(ぎちょう)に処理するように命じます。

長孫大人と皇帝の密談

皇帝は李君羨の件を長孫大人に伝え、武媚娘(ぶ・びじょう)の処刑について改めて意見を求めます。実は長孫大人自身は「女主武氏」の予言を信じていません。しかし、誰かがこの件の責任を負わなければならず、それが李君羨か媚娘(びじょう)かで全く異なる意味を持つと考えています。長孫大人は、なぜ皇帝が武媚娘(ぶ・びじょう)のためにここまで奔走するのか理解できません。しかし、皇帝が媚娘(びじょう)を寵愛し、もし彼女が皇子を産めば、大唐の皇位継承問題が混乱に陥ることは避けられません。そこで皇帝は、媚娘(びじょう)を宮中に残すことを長孫大人に懇願し、彼女を妊娠させないことを約束します。同時に、李君羨を長安から異動させることを決めます。

宮廷の秘事

蕭薔(しょう・ちょう)は韋妃が用意した安胎薬を飲みたがりません。薬は苦いものの、韋妃は彼女に無理やり飲ませます。韋妃は今日の朝廷での出来事を全て把握しています。武媚娘(ぶ・びじょう)は身代わりを見つけ、太子も難を逃れました。韋妃は自分よりも早く行動を起こそうとする者がいることに気づきます。しかし、今、彼女の手にはより強力な切り札、蕭薔(しょう・ちょう)のお腹の子があります。淑妃の李君羨の件に対する見方は、媚娘(びじょう)を見誤っていなかったことを証明しています。当初計画していた驪山への旅は、呉王(ごおう)に媚娘(びじょう)を助けさせるどころか、媚娘(びじょう)と太子の繋がりを深める結果となりました。本来水と火のように相容れないはずの二人が、今では緊密な関係を築いています。

太子の不安と称心(しょうしん)の選択

太子は再び悪夢にうなされ、眠ることができません。そこで称心(しょうしん)に馬を用意するように命じます。「女主武氏」の予言は解決し、太子と媚娘(びじょう)は縁を結んだにも関わらず、なぜ太子がまだ不安を抱えているのか、称心(しょうしん)には理解できません。太子が今一番心配しているのは称心(しょうしん)の安全です。長安には二人の間に男色の関係があるという噂が広まっており、太子は皇帝と魏徴(ぎちょう)がそれを知っていると考えています。沈黙が続くほど、太子の不安は増していきます。ついに称心(しょうしん)は、自分が太子から離れるべき時が来たのかもしれないと悟ります。

後宮の争闘

魏王(ぎおう)は予言を利用して太子を失脚させられると考えていましたが、事態はうやむやに終わりました。彼は武媚娘(ぶ・びじょう)を放置すれば、自分の計画の妨げになるだろうと気づきます。媚娘には皇帝の寵愛と東宮の支持がありますが、魏王(ぎおう)は彼女の側近から攻めようと画策します。皇帝は徐恵(じ・ょけい)にしばらく御書房への出仕を止めさせます。徐恵(じ・ょけい)は困惑しますが、魏王(ぎおう)が訪ねてきて、全ては武媚娘(ぶ・びじょう)のせいだと吹き込み、二人の仲を裂こうとします。

媚娘の選択

媚娘は皇帝に、徐恵(じ・ょけい)を御書房に戻すよう願い出ます。実は、皇帝が以前徐恵(じ・ょけい)に好意を示したのは、媚娘を驪山の狩猟から自ら離れさせるためでした。皇帝は徐恵(じ・ょけい)にそれ以上の期待を抱かせるつもりはありませんでしたが、媚娘は皇帝に考え直すよう説得します。徐恵(じ・ょけい)は媚娘の代わりではありません。媚娘のいない後宮でこそ、自分と皇帝は真に解放されるのだと、彼女は理解しています。この状況に不満を抱いた徐恵(じ・ょけい)は、媚娘から贈られた玉の腕輪を叩き割ります。