第21話あらすじとネタバレ
媚娘(びじょう)と李淳風
媚娘(びじょう)は、宮中に女主武氏なる人物がいたとしても、自分がその人物ではないと考えていました。ある日、皇上は李淳風を訪ね、媚娘(びじょう)は急いで身を隠します。皇上は李淳風に、大唐が本当に滅亡の危機に瀕しているのかを尋ねます。李淳風は6割の確信があると答えましたが、この確率は皇上に李淳風の判断ミスも有り得ると気付かせます。皇上が去った後、媚娘(びじょう)は李淳風に自分の居場所を明かさなかったことに感謝します。李淳風は自分は占い師であり奸臣ではないと強調し、以前媚娘(びじょう)が自分に危害を加えなかったことにも感謝します。しかし、もし媚娘(びじょう)が女主武氏だと確認できれば、皇上に行動を起こすよう進言すると付け加えました。
街の噂と長孫大人の憂慮
西市に蟻が文字の形に並んで「唐三代で天下を治め、女主武氏が取って代わる」という暗示が現れ、世間で広く議論され、何かを指し示しているように思われます。長孫大人は李淳風を訪ね、これらの噂の裏にある意味を理解する必要があると考えます。衝児は、現在の武媚娘(ぶ・びじょう)はただの才人(さいじん)で、王朝交代の波を起こすほどの背景はなく、皇上への愛情も深いと考えています。しかし、太白星の予言により、長孫大人は武氏が仮対しているのは皇上ではなく、未来の皇子であることを理解します。今のところ、媚娘に対抗できる皇子はいません。もし媚娘が本当に女主武氏なら、安全のために排除した方が良いと考えます。
李淳風の死と魏王(ぎおう)の仮応
最近、皇上は朝議以外、ほとんどの時間を媚娘と共に過ごし、予言が現れる前よりもさらに彼女を寵愛しています。不幸にも、李淳風は毒殺され、彼の手に「武照字如意」と書かれた紙切れが握られていました。実は韋妃が春盈(しゅんえい)に命じて李淳風を毒殺させたのでした。韋妃から知らせを受けた魏王(ぎおう)は激怒し、小さな武媚娘(ぶ・びじょう)を相手にするためだけに李淳風を殺すとは軽率すぎると韋妃を叱責します。
朝廷の動向と淑妃の警告
太子は呉王(ごおう)を政敵と見ていましたが、他の兄弟の存在とその政治的連携の可能性を無視していました。魏徴(ぎちょう)は、武媚娘(ぶ・びじょう)は敵とみなすべきではなく、利用できる駒だと考え、太子を真心から補佐します。大臣たちは武媚娘(ぶ・びじょう)が女主武氏だと断定し、皇上に進言します。仵作は李淳風の死因は事故だと報告しますが、皇上はこの件を自ら調査することを決め、大臣たちを退かせます。春盈(しゅんえい)は韋妃と花見をしている際に、媚娘が無事でいるどころか、さらに皇上の寵愛を受けていることを話し、韋妃は怒り、皇上に媚娘が国に及ぼす危険性を認識させようと決意します。
淑妃の援助
淑妃は清寧宮(せいねいきゅう)に行き、媚娘のベッドの下で皇上を狙った呪詛の道具を見つけますが、これが媚娘とは無関係であることを知っていたので、媚娘を救うために来たのでした。ちょうどその時、韋妃が春盈(しゅんえい)を清寧宮(せいねいきゅう)に送り込み、韋妃の猫がいなくなったので部屋を捜索する必要があると言います。実際には、春盈(しゅんえい)の任務は媚娘の宮殿でその呪詛の道具を見つけることでした。媚娘は淑妃の救命の恩に感謝し、淑妃は媚娘が太白妖星ではないことを明らかにしただけでなく、毒見と呪詛除けの道具を贈り、今後さらに注意するよう忠告します。
皇家牧場への招待
皇上は媚娘を皇家牧場に招待し、大朝会で見た彼女の馬に乗る姿を思い出し、彼女に名馬・獅子骢を贈りたいと考えます。この会見は韋妃にとって、逃すことのできない機会となります。
第22話あらすじとネタバレ
韋妃の焦燥
韋妃は、皇上と武媚娘(ぶ・びじょう)が承慶殿(しょうけいでん)へ向かったと聞き、心中穏やかではなかった。淑妃の機転がなければ、媚娘(びじょう)の巫蠱の術は露見し、掖庭(えきてい)送りになっていたはずだ。今の媚娘(びじょう)の栄華は、あってはならないものだった。韋妃は自分の焦りを感じ、乾祥宮(けんしょうきゅう)に賢霊宮の密偵がいる可能性に思い至る。春盈(しゅんえい)に徹底的な調査を命じ、この機会に潜む脅威を排除しようと決意する。さらに、皇上が媚娘(びじょう)に名馬を下賜したことを知り、これは媚娘(びじょう)を失脚させる絶好の機会だと捉え、決して見逃すまいと心に誓った。
承慶殿(しょうけいでん)の思い出
皇上と媚娘(びじょう)は承慶殿(しょうけいでん)を散策する。日中の政務の忙しさも、皇上が媚娘と過ごす時間を邪魔することはない。媚娘は皇上に休息を勧めるも、散策自体がリラックスに繋がると皇上は言う。ここは二人が初めて出会った場所であり、共に過ごした記憶が刻まれている。媚娘はこの機会に思い出に浸り、過ぎし日を懐かしむ。
天燈への願い
媚娘は疲れた様子を見せながらも、自ら天燈を作り、皇上との時間を大切にする。皇上は、この天燈を飛ばしたら驚くだろうと冗談を言いながらも、媚娘と共に完成させる。媚娘は天燈に三つの願い事を込める。全て皇上に関することで、一つ目は自ら皇上に料理を振る舞うこと、二つ目はいつか皇上好みの扮装をすること。そして三つ目の願いは秘密にして、葉った時に皇上に伝えることにした。
迫りくる危機
晋王は、皇上から媚娘に下賜された名馬・獅子驄に乗馬の練習をしていた。獅子驄は既に馴れていたはずだが、晋王が乗ると突然暴れ出す。晋王が崖から落ちそうになった瞬間、媚娘は素早く仮応し、馬を駆って救出に向かう。獅子驄を犠牲にすることで、晋王の命は救われた。しかし、媚娘は女主武氏に関する予言を思い出し、自分の行動に不安を覚える。
朝廷の動揺
晋王は無事だったが、魏王(ぎおう)は韋妃の策略がいつも裏目に出て無実の人を傷つけていると非難する。廷臣たちは媚娘が獅子驄を殺めたことに騒ぎ立てる。そこに、女主武氏を誅殺すべきと上奏しようとする臣下たちが皇上に謁見を求めているという知らせが届く。長孫無忌(ちょうそんむき)は、大唐の安泰のために武姓の人間を皆殺しにすべきだと主張する。皇上はこの事態に心を痛め、事態の収拾を図ろうとする。
決断の前夜
長孫無忌(ちょうそんむき)は一歩も引かず、噂が現実になれば王朝交代につながると強く訴える。皇上は、どのような決断を下しても、武媚娘(ぶ・びじょう)の運命は厳しいものになると悟る。国のために、皇上は驪山での狩猟の際に決断を下すと仄めかす。同時に、媚娘を御書房への出仕から解放し、戌の刻に浄初池で媚娘と天燈を飛ばす約束をする。一方、韋妃も乾祥宮(けんしょうきゅう)で美酒を用意し、皇上を招いていた。皇上は、まずは韋妃のもとへ向かうことを決める。
第23話あらすじとネタバレ
媚娘(びじょう)との天燈上げの約束を破り、皇上は韋妃の寝宮へ。韋妃は得意げにほくそ笑む。一方、媚娘(びじょう)は淨初池のほとりで天燈を手に、戌時を過ぎても現れない皇上の姿を待ち続け、落胆していた。実は皇上は乾祥宮(けんしょうきゅう)で蕭薔(しょう・ちょう)と酒を酌み交わし、すっかり酔いつぶれて蕭薔(しょう・ちょう)を媚娘(びじょう)と見間違えていた。韋妃の指示通り、蕭薔(しょう・ちょう)は皇上を寝台へ運び、韋妃が用意した懐妊を助ける薬「風麟丸」を飲ませる。
瑞安(ずいあん)から皇上が乾祥宮(けんしょうきゅう)にいると聞いた媚娘(びじょう)は、皇上には何か他にやらなければならない事があるのだろうと考え、一人で天燈を上げることにした。翌朝、皇上は目を覚ますと隣に蕭薔(しょう・ちょう)がいることに気づき、何も言わずに立ち去る。淑妃の側近、青玄(せいげん)は淑妃に、乾祥宮(けんしょうきゅう)での密会は行われず、計画に関わっていた人物が既に殺された可能性があると報告する。また、韋妃の策略により蕭薔(しょう・ちょう)が皇上を乾祥宮(けんしょうきゅう)に留めることに成功したと伝える。淑妃は「獅子驄」事件で皇上が媚娘(びじょう)に不満を抱いていることを理解し、どうすれば媚娘(びじょう)が再び皇上の寵愛を取り戻せるか思案する。青玄(せいげん)は女主武氏に関する予言を改めて解釈することで、媚娘の窮地を救えるかもしれないと提案する。
韋妃は蕭薔(しょう・ちょう)の懐妊を早めるため、三種類の薬湯を用意し、蕭薔に病気を装って乾祥宮(けんしょうきゅう)西殿に留まるよう指示を出す。さらに、韋家の者を使って蕭薔が侍寝した後、すぐに太医を呼び診察と薬の処方を受けさせるように手配する。魏王(ぎおう)は皇上に『括地誌』の目録を献上し、邸宅で祝宴を開く許可を得る。
最近、皇上は徐恵(じ・ょけい)を頻繁に御書房に呼び寄せ、媚娘はさらに心を痛めていた。皇上と徐恵(じ・ょけい)の会話は既に96回を数え、皇上は徐恵(じ・ょけい)の存在に気づき始めていた。それはおそらく、徐恵(じ・ょけい)が自分の才能を控えめに振る舞うことを知っているからだろう。媚娘は淑妃に、皇上に会うため、承慶殿(しょうけいでん)に滞在する時間を増やしたいと相談する。淑妃は媚娘に毎日承慶殿(しょうけいでん)の宮燈に火を灯す役目を提案し、女主武氏に関する予言の再解釈も勧めるが、媚娘は予言を信じず、自分の目的のために太子を陥れることも望まない。
徐恵(じ・ょけい)は普段この時間は媚娘が皇上に仕えている時間だと知っていたが、媚娘が故意に皇上に背いたわけではないことを理解していた。徐恵(じ・ょけい)と媚娘の深い友情を知っている皇上もまた、そのことを理解していたため、徐恵は媚娘のために弁護しようとする。しかし、最終的に誰を侍寝させるかを決めるのは皇上であり、今は徐恵が皇上の傍にいるため、徐恵は媚娘と会うのをやめることにする。
皇上の関心を取り戻すため、媚娘は手紙を書き、毎晩戌時に承慶殿(しょうけいでん)で待ち、皇上の好きな『蘭陵王入陣曲』を演奏することを約束する。しかし、皇上はこの曲を好んでいても媚娘には会わず、王公公に今後の手紙は機に置くように指示するだけだった。それでも媚娘は承慶殿(しょうけいでん)で待ち続け、いつか皇上は来てくれると信じていた。
第24話あらすじとネタバレ
媚娘(びじょう)の待ち望む日々、そして変化
宮女たちの間では、媚娘(びじょう)が皇帝の来訪を待ちわび、まるで取り憑かれたように見えると噂されていた。それでも媚娘(びじょう)は皇帝を待ち続けた。いつか必ず自分の元へ戻って来てくれると信じて。瑞安(ずいあん)は媚娘(びじょう)の心情を理解していた。皇帝に寵愛された日々を未だに忘れられないことを。しかし、時は流れ、後宮の女たちの運命は皇帝の一存で左右される。生死を賭して皇帝に尽くす、それが彼女たちの悲しい定めだった。今、媚娘(びじょう)は一人で静かに考えたいと瑞安(ずいあん)に伝え、下がるように言った。
長孫大人と皇帝の対話
長孫大人には皇帝に伝えたい事があり、徐恵(じ・ょけい)は一時的に退出させられた。長孫大人は、武媚娘(ぶ・びじょう)が毎晩承慶殿(しょうけいでん)で灯を点けていると聞き、皇帝が心を動かしてしまうのではないかと心配していた。しかし皇帝は長孫大人を安心させ、媚娘(びじょう)に優しくすればするほど、宮中での立場が難しくなるだけだと語った。あの獅子骢がいなければ、こんなことにはならなかったかもしれない。皇帝は長孫大人だけに本心を明かした。時に愛情は国政に影響を及ぼすため、断腸の思いで諦めなければならないのだと。
皇帝の試みと決断
ある日、皇帝は承慶殿(しょうけいでん)を訪れ、媚娘(びじょう)に会った。冷たくしているのを承知でなぜ待ち続けるのかと、皇帝は媚娘(びじょう)に尋ねた。媚娘(びじょう)にとって、食事を作ることも蘭陵王入陣曲を踊ることも特別な意味を持つ。皇帝がどう思おうと、その想いは媚娘(びじょう)自身のものだった。たとえ一瞬でも、媚娘(びじょう)にとっては永遠の記憶となる。そこで皇帝は、明日巳の刻に甘露殿(かんろでん)へ来て蘭陵王を踊るように命じた。もしかしたら、それで彼女の願いが葉うかもしれないと。
感情の衝突と目覚め
翌日、媚娘は約束通り甘露殿(かんろでん)へ行ったが、そこで徐恵(じ・ょけい)が皇帝のために踊っていた。蘭陵王の舞は媚娘にとって特別なものであったが、皇帝にとっては誰が踊っても同じだった。皇帝は仮面の下の踊り手が誰なのか気に留めていないようだった。この瞬間、媚娘はもう皇帝の邪魔をしてはいけないのだと悟った。悲しみに打ちひしがれた媚娘は宮殿を飛び出し、净初池で倒れてしまった。徐恵(じ・ょけい)は皇帝の意図を理解し、彼を責めなかった。少なくとも、まだ自分に利用価値があることを認識した。徐恵(じ・ょけい)の皇帝への想いは媚娘に劣らず、ただ皇帝の傍にいたいと願っていた。
危機と転機
媚娘が净初池に身を投げたと聞き、皇帝は驚き慌てて駆けつけ、自ら媚娘の体を温めた。この行動に韋妃は激怒し、春盈(しゅんえい)に魏王(ぎおう)へ武媚娘(ぶ・びじょう)を排除するよう伝言するよう命じた。淑妃は媚娘が本当に失意のあまり命を絶とうとしたのか疑問を抱き、自分の体を粗末にするべきではないと考えた。実際、媚娘には自害の意思はなく、二度と同じ愚行は繰り返さないと心に決めた。媚娘は皇帝が様子を見に来たかどうか淑妃に尋ね、来ていないと聞き信じなかった。そして、自ら確かめるために走り出した。
わだかまりと心の平安
媚娘の体を温めたことで、皇帝は風邪をひき、しばらく療養が必要となった。これを見て徐恵(じ・ょけい)は悲しみ、皇帝は本当に踊り手が誰なのか気にしないのかと疑い始めた。媚娘は王公公を通して皇帝に会う機会を得た。そして、皇帝が自分を遠ざけるのは、天可汗である自分が一人の女に心を奪われることへの恐れからだと理解した。
新たな章の始まり
三ヶ月後、魏王(ぎおう)は文学館で祝賀会を開き、太子を招待した。称心(しょうしん)が止めようとしたにも関わらず、招待状は太子の手に渡った。酔った太子は家臣を引き連れ魏王(ぎおう)府へ向かった。王公公は太子が問題を起こすのではないかと心配した。一方、皇帝は媚娘に関する悪夢を見て目を覚まし、明後日驪山へ行き、媚娘を同行させるよう告げた。この知らせに媚娘は喜び、徐恵(じ・ょけい)は自分の名前が同行者リストにないことに驚いた。
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