武則天あらすじ17話・18話・19話・20話、ネタバレ

第17話あらすじとネタバレ

枯れかけた菊花畑で、如意は最後の美しい一輪を摘み取った。菊花畑を荒らした罪で皇上に許しを請うが、皇は如意の知恵と勇気を認め、罰しなかった。

木図王子が皇上の剣術を見たいと申し出た。皇はまず木図王子の技を見せてもらおうと提案。木図王子は見事な剣術を披露し、皆を驚かせた。淑妃は木図王子の勢いを削ぐ妙案を思いつく。如意は菊の花を口にくわえ馬を駆ける。皇は矢を放ち、見事菊の花を射抜いた。喝採の中、皇の武芸が証明された。太子妃は如意のように夫の注目を集めたいと羨望の眼差しを向けた。

木図王子は感服し、才人(さいじん)の名を尋ねた。如意が答える間もなく、皇は如意に「武媚娘(ぶ・びじょう)」という新たな名を与え、御書房で筆墨を世話するよう命じた。蕭薔(しょう・ちょう)は激怒し、物を投げつけて不満を爆発させた。太極殿へ盛装しても皇の目を引くことはできないと悟ったのだ。韋妃は蕭薔(しょう・ちょう)を止めず、今後の行動を考えるように促した。

殷大人(いんたいじん)と斉王(せいおう)は烽火台に到著した。そこは既に斉州の境界を越えていた。斉王(せいおう)は斉州軍の集結状況に疑問を抱いていたが、殷大人(いんたいじん)が合図を送ると、遠くに六部の軍隊が全て集結しているのが見えた。殷大人(いんたいじん)は、亥の刻に死士たちが儀仗表演に紛れ込み、北漠各国も協力すると説明した。全て計画通りに進んでいる。平安の火が点けば長安へ進軍、失敗すれば二人だけで長安の加冠の儀に参列する。あとは時を待つばかりだ。

鄭仁曦(ていじんぎ)は娘の婉言(えんげん)の死因を尋ね、張公公から徳妃(とくひ)が犯人だと聞かされる。しかし、鄭仁曦(ていじんぎ)を殺したのは張公公だった。大朝会の功臣として媚娘(びじょう)は皇から賞賛され、徳妃(とくひ)の謹慎解除と待遇の回復を願い出た。皇は媚娘(びじょう)の願いを聞き入れ、共に花火見物を提案した。

淑妃は徐恵(じ・ょけい)の様子がおかしいことに気づき、前回徐恵(じ・ょけい)が体調を崩したのは面扇に毒が盛られていたためだと想起した。面扇に触れた韋妃、淑妃、媚娘(びじょう)が容疑者となった。花火見物から戻る皇と媚娘(びじょう)は、承慶殿(しょうけいでん)の道で三年前の大朝会を思い出していた。毎年この時期、皇は文徳(ぶんとく)皇后を偲ぶ。張公公は徳妃(とくひ)に殷大人(いんたいじん)が謀仮を企てていることを伝え、徳妃(とくひ)は驚愕した。

第18話あらすじとネタバレ

徳妃(とくひ)は殷大人(いんたいじん)が本当に謀仮を企てているとは思いもよらなかった。張公公を遣わし、殷大人(いんたいじん)に諦めるよう、党羽を解散し、穏やかに余生を過ごすように説得させた。しかし、既に遅く、徳妃(とくひ)は玉林衛にこの事を伝え、彼らが皇上を危険に晒すのを見過ごすまいと決意する。

太子は大朝会での自分の振る舞いに不満を抱き、酒に溺れていた。称心(しょうしん)が慰めようとしたその時、辺境から緊急の軍報が届く。北漠軍が突如国境に集結し、大唐への侵攻の兆しを見せているというのだ。この動きは明らかに異常であり、皇上はまだこの事を知らないだろうと推測される。同時に、晨夕宮の郝公公が太子に謁見を求めてきた。

承慶殿(しょうけいでん)では皇上暗殺事件が発生した。皇上を守るため、媚娘(びじょう)は素手で刀を掴み、皇上は彼女の傷を心配そうに包帯で巻く。その時、更に多くの刺客が押し寄せるが、媚娘(びじょう)は運命に抗う決意をし、命をかけて戦う覚悟を決める。幸いにも長孫大人が間一髪で到著し、危機を回避する。

郝公公は太子に“贈り物”を差し出し、もし今夜皇上が崩御(ほうぎょ)すれば、太子は大唐天子になると仄めかす。しかし、太子は自分がいずれ皇位を継承することを承知しており、数年早く即位するために弑父など考えられない。そこで、太子は称心(しょうしん)に郝公公を捕縛するように命じる。

斉王(せいおう)の帰京は、加冠の儀式のためだけでなく、もう長安を離れないという意思表示でもあった。徳妃(とくひ)は母子の身の安全を案じ、張公公らに自分たちを見逃してくれるよう懇願する。このような行動が斉王(せいおう)の命を危険に晒す可能性があることに気づきながら。皇上は、徳妃(とくひ)が夜に甘露殿(かんろでん)に来れば何か問題があると察し、来なければ宮中に留まらせるつもりだった。

暗殺の失敗を知った徳妃(とくひ)は、夜明け前に皇上を殺すしかないと考える。郝公公は太子に計画への参加を強く勧める。太子は心が揺らぐも、最終的にはこの提案を拒否し、郝公公の行動を阻止、称心(しょうしん)と共に皇上を救う決意をする。皇上は媚娘(びじょう)を先に休ませ、太医を呼び治療を受けさせ、事の顛末を話すと約束する。

皇上は既に殷宏智の不忠心に気づいており、彼の一挙一動を監視させていた。今回の事件は危険ではあったが、媚娘(びじょう)の忠誠心を確認する機会にもなった。命を懸けて皇上を守ったことで、彼女の潔白が証明されたのだ。皇上は元々媚娘(びじょう)に疑念を抱いており、承慶殿(しょうけいでん)へ連れて行ったのは試探のためだったが、彼女は試練を乗り越えた。

太子は郝公公を東宮に入れた自分の失策を悔やんでいた。もし皇上が郝公公との会話の内容を知れば、暗殺失敗後の偽善的な救助だと誤解されるかもしれない。媚娘(びじょう)は皇上の安全を心配し、落ち著かないでいると、徳妃(とくひ)が訪ねてくる。実は、媚娘が皇上の前で徳妃の謹慎を解くように取りなしてくれたのだ。徳妃は媚娘に夜食を持参し、この機会に皇上の様子を確認しようとする。

徳妃は特意に甘露羹を作ったが、実際には毒が仕込まれていた。媚娘はこの羹を皇上の元へ持っていく。複雑な思いが胸中をよぎる。皇上は媚娘の忠誠心に感動し、この羹を彼女に下賜する。媚娘が飲もうとした時、やはり皇上に先に味わっていただくべきだと考える。

第19話あらすじとネタバレ

皇帝はまず媚娘(びじょう)に羹湯を味わわせ、その出所を尋ねた。徳妃(とくひ)の手作りだと分かると、皇帝は突如激怒し、媚娘(びじょう)の手から羹湯を叩き落とした。王公公が銀の針で毒味をすると、なんと猛毒が含まれていた。この出来事に媚娘(びじょう)は大変驚愕した。

その後、媚娘(びじょう)は徳妃(とくひ)のもとを訪れ、何故毒を盛ったのか問い詰めた。徳妃(とくひ)は自らの行いを認め、斉王(せいおう)のため以外に誰のためにするのか、と答えた。己の犯した罪の大きさを知り、皇帝に合わせる顔がない徳妃(とくひ)。しかし、斉王(せいおう)の無実と皇帝の父子情に免じて、斉王(せいおう)を許してほしいと媚娘(びじょう)に懇願した。そして最後は、自らの罪を償うため、徳妃(とくひ)は入水自殺を選んだ。

昨夜の心労で疲れ果てた媚娘(びじょう)は、長い時間をかけてようやく回復した。徐恵(じ・ょけい)は二度も薬を取り替え、媚娘の安全を確保した。気分転換のため、媚娘は徐恵(じ・ょけい)を誘って酒を酌み交わした。今回の暗殺未遂事件は、仮賊殷宏智の企てであることが判明し、晨夕宮の多くの人間が関与しており、首謀者の張仁貴とその一味は既に捕らえられていた。張仁貴に対しては、皇帝は旧情に免じて、体面を保った死を与えると決めた。

殷宏智はすぐに潼関へ逃亡した。徳妃(とくひ)の死を悼み、皇帝は彼女を潔白の身として昭陵に葬りたいと考えたが、長孫無忌(ちょうそんむき)は謀仮の罪は軽く扱うべきではないと諫言した。皇帝もその道理は理解していたが、斉王(せいおう)を長安から遠ざけたことがなければ、徳妃は兄に利用されることもなかっただろうと、内心では自責の念に駆られていた。そこで、この件を公にせず、徳妃に体面の葬儀を執り行うことに決めた。

魏徴(ぎちょう)は皇帝に、太子と郝公公が会っていたことは確かに不適切だが、太子の若気の至りであると諭した。皇帝はそれで太子の忠誠心を疑うべきではない、と。一方、蕭薔(しょう・ちょう)は徐恵(じ・ょけい)と媚娘に会うのを露骨に嫌がっていた。媚娘は今はただ心の安らぎを求めており、皇帝の傍にいて、徐恵(じ・ょけい)に支えてもらえればそれで十分だった。張公公が毒酒を賜った件については、媚娘と徐恵(じ・ょけい)はあえて触れないようにした。

韋妃が皇帝に拝謁し、謀仮の責任を取り、妃の位を剝奪し庶民に落とすよう願い出た。四妃の筆頭でありながら、皇帝に子供を授けることができなかったことを深く恥じていたのだ。皇帝は、斉王(せいおう)を長安から遠ざけたことがなければ、徳妃は兄に利用されることもなかっただろうと、改めて悔やんだ。そして、徳妃の件は内々に処理し、体面を保った葬儀を行うと告げた。また、王公公には韋妃を責めすぎないように伝え、自ら韋妃を見舞うと約束した。

暗殺未遂の夜、郝公公が東宮を訪れ、太子と長時間話していたことを長孫無忌(ちょうそんむき)は知っていたが、太子は皇帝に心配をかけまいとしていた。皇帝は斉王(せいおう)を傷つけるなと命じた。徳妃の失脚により、韋妃は好機と見て、蕭薔(しょう・ちょう)に万全の態勢で皇帝に会うよう指示した。韋妃は武媚娘(ぶ・びじょう)の寵愛は長く続かないと考え、頃合いを見て彼女を排除しようと企んでいた。春盈(しゅんえい)は韋妃に、焦らずに最適な時を待つよう進言した。

第20話あらすじとネタバレ

武媚娘(ぶ・びじょう)は皇上に謁見を求めたが、皇上は今夜誰にも会わないと告げた。しかし、武媚娘(ぶ・びじょう)は外で待ち続け、ついに皇上は彼女に会うことにした。武媚娘(ぶ・びじょう)は大胆にも、母の遺言である斉王(せいおう)の死罪を許してほしいと懇願した。しかし、潼関の戦いで斉州の仮乱軍は鎮圧され、斉王(せいおう)は殷宏智に討たれたという知らせが届き、皇上の願いは葉わなかった。皇上は自らの決断が斉王(せいおう)を窮地に追い込んだと深く自責し、武媚娘(ぶ・びじょう)はそんな皇上に寄り添うことを誓った。

この頃、不吉な天象である太白星が現れた。皇上が初めて早朝に出席しなかったこともあり、この天象は重く受け止められた。長孫無忌(ちょうそんむき)は魏徴(ぎちょう)にこの現象について尋ねたが、魏徴(ぎちょう)は吉兆や凶兆といったものを信じなかった。太白星の出現は王朝交代の予兆とも言われており、太平の世とはいえ、武媚娘(ぶ・びじょう)はこの天象が良い兆候であることを願った。天象異変に動揺する朝廷に対し、長孫無忌(ちょうそんむき)は欽天監に説明を求めることを提案し、皇上は李淳風にこの件を任せ、長孫無忌(ちょうそんむき)には李淳風の結論を逐一報告するように指示した。

深夜、李淳風は靴も履かずに皇上に謁見した。彼は天象異変の原因と驚くべき提案を携えていた。国家の安泰のため、宮中の武姓の人間を皆殺しにすべきだというのだ。李淳風は、このままでは三代後に女帝武氏によって唐が滅ぼされると警告し、武媚娘(ぶ・びじょう)を除くことがその災いを避ける唯一の方法だと主張した。このやり取りを、武媚娘(ぶ・びじょう)は偶然にも聞いてしまった。

韋貴妃(い・きひ)は李淳風の予言を知ると、すぐに春盈(しゅんえい)に魏王(ぎおう)への連絡を指示した。一方、武媚娘(ぶ・びじょう)は皇上に殺される悪夢を見て目を覚ますと、急いで身支度を整え、御書房へ行った。しかし、皇上は彼女にしばらく御書房へ来るのは控え、静養するようにと伝えていた。

その頃、辺境から急報が届いた。高昌と北漠の連合軍が焉耆に侵攻し、新たに開通した大磧商道を遮断、唐の使者を殺害したというのだ。皇上は直ちに高昌討伐を決意し、太子と長孫無忌(ちょうそんむき)の推薦により、侯君集(こうくんしゅう)に討伐軍の指揮を命じた。

魏王(ぎおう)は李淳風の予言が長安中に広まり、武媚娘(ぶ・びじょう)が標的になると確信していた。しかし、彼の目的は武媚娘(ぶ・びじょう)の排除ではなかった。彼女はまだ皇上の寵愛を受けているだけで、真の脅威ではないと考えていたからだ。彼にとって重要なのは、侯君集(こうくんしゅう)が高昌討伐の指揮権を得て長安に戻り、太子の勢力を強めることだった。魏王(ぎおう)はこの予言を利用して太子を陥れようと画策し、私怨によって太子を倒す大計を邪魔しないよう慎重に行動した。

陳公公は誰かに指示され、李淳風に武媚娘(ぶ・びじょう)を排除するように説得を試みたが、李淳風は拒否した。その後、武媚娘(ぶ・びじょう)は李淳風の屋敷に忍び込み、なぜ自分を陥れようとするのかと問い詰めた。李淳風は、彼女が将来唐を滅ぼす女帝武氏である可能性に基づき、国家と民の安全のために必要だと説明した。しかし、武媚娘はその理屈に納得せず、彼を非情だと責めた。二人の言い争いが続く中、皇上が李淳風を訪ねてきた。