第73話あらすじとネタバレ
王皇后と李忠
王皇后は李忠を立政殿に呼び寄せました。李忠は殿内の豪華な食事に目を輝かせ、喜びを隠せません。しかし、王皇后は李忠を一目見て気に入り、立政殿の贅沢な暮らしの中でも、李忠は想像以上に気骨のある少年だと感じます。李忠は王皇后にきちんと挨拶をし、王皇后をさらに喜ばせます。彼女は李忠に、いつでも遊びに来なさい、住んでもいいのよ、と優しく声をかけます。しかし、母である劉氏と離れることを聞くと、李忠は嫌がり、せめてお菓子を持って帰って母に渡したいと申し出ます。
李忠の疑念
李忠は、お菓子以外の特別な褒美がないことから、王皇后は自分をあまり好きではないのではないかと考えます。母・劉氏が王皇后のせいで称号を貰えないのではないかと疑いますが、劉氏はそれを否定します。
劉氏の決断
長孫大人からの手紙で事が急を要する中、王皇后は宮女を遣わし、劉氏に李忠の養子縁組について伝えさせます。そして、李忠が養子になれば母子は会えなくなり、どうしても会いたければ3ヶ月に一度だけ面会を許すと告げます。この仕打ちに、劉氏は富や地位を求めず、ただ息子と暮らしたいと訴え、李忠を連れて行かないでほしい、その代わりどんなことでもすると懇願します。しかし、劉氏が断固として承諾しないため、宮女は引き下がります。王皇后は拒絶されることを嫌い、要求は一度しか言わない性格のため、劉氏は恐怖を感じます。
宮中の騒動
その頃、宦官は皇帝に、呉王(ごおう)が皇子たちに剣術を教えた後、確かに蔵書閣へ行ったと報告します。皇帝は宮中で媚娘(びじょう)と呉王(ごおう)に関する噂が流れていることを聞き、根拠のない噂だと知りつつも、これ以上噂を広める者は厳罰に処すと警告します。同時に、もし呉王(ごおう)が本当に媚娘(びじょう)に会いに行っていたら、すぐに報告するように宦官に命じます。
媚娘(びじょう)の計画
劉氏の侍女は恐れおののき、媚娘(びじょう)に対策を尋ねます。媚娘(びじょう)は王皇后の動向を探っており、呉王(ごおう)は劉氏と李忠が危険にさらされていると考え、二人を守ることを提案します。しかし媚娘(びじょう)は別の考えを持っており、王皇后の手によって劉氏を殺さずに重傷を負わせることで、自分の計画に利用しようとします。呉王(ごおう)は、媚娘(びじょう)が李忠の気持ちを考えているのかと問いただし、喪子の痛みを晴らすために、なぜ他人に母子の別れという苦しみを与えようとするのかと非難します。媚娘(びじょう)の指示を実行した後、呉王(ごおう)は二度と会わないことを告げます。
呉王(ごおう)の辞任
呉王(ごおう)は皇帝に辞任を申し出、兵部の仕事が忙しいことを理由に挙げます。皇帝は彼の申し出を受け入れますが、他に理由があるのではないかと疑います。呉王(ごおう)はそれを否定し、その後、皇帝は呉王(ごおう)と剣術の試合を提案します。一方、媚娘(びじょう)は悩み事で眠れずにいますが、皇帝が影絵芝居で彼女を楽しませ、すぐに眠りに落ちます。皇帝は、媚娘(びじょう)が昭儀になってから、彼女の笑顔をあまり見ていないことに気づきます。自分は生まれながらの天子ではなく、媚娘(びじょう)のためにここまで努力してきたのだと改めて実感します。そして今、媚娘(びじょう)がそばにいなければ、自分は誰のために戦うのかと自問します。媚娘が何か悩みを抱えていることは分かっているのに、一緒に解決しようとしない彼女に苛立ちを感じます。
媚娘の決断
最終的に、媚娘は劉氏と李忠を蓬莱殿に住まわせることを決めます。しかし、劉氏が倒れているのを発見し、すぐに太医を呼びます。王皇后は自分の計画が成功すると思っていたものの、媚娘によって阻まれてしまいます。彼女は数日後に劉氏を見舞い、考えを変えさせようと決意します。
第74話あらすじとネタバレ
運命の転機
劉氏の容態はもはや手遅れでした。昏睡から目覚めたものの、周太医も手の施しようがありませんでした。毒はすでに彼女の五臓六腑に染み渡っていたのです。媚娘(びじょう)は、劉氏が重い病気にかかったと外に公表するよう指示を出しました。劉氏は、王皇后が自分に毒を盛ったのではないかと疑い、不安に苛まれていました。王皇后の嫌疑は濃厚でしたが、媚娘(びじょう)の手には確たる証拠がありませんでした。
臨終の願い
迫り来る死を目前に、劉氏が唯一気に掛けているのは息子の李忠のことでした。自分が死ねば、冷酷な王皇后は李忠をきっとひどい目に遭わせると、彼女は確信していました。そのため、劉氏は媚娘(びじょう)に、自分が死んだ後、李忠の面倒を見てくれるよう頼みました。王皇后を倒すため、そして李忠により良い未来を作るため、劉氏は自分の命を犠牲にしてでも真実を白日の下に晒す覚悟でした。媚娘(びじょう)は劉氏の願いを聞き入れました。
仮撃の計画
真実を暴くため、媚娘(びじょう)は一つの計画を立てました。劉氏に李忠を王皇后の養子にすることに同意するふりをして、王皇后に近づくよう指示したのです。瑞安(ずいあん)は劉氏に指輪を渡し、この指輪が重要な局面で役割を果たすことになります。劉氏と李忠は計画通りに行動し、李忠は立政殿の外にこっそりと指輪を埋めました。
真実の露見
劉氏が王皇后に毒を盛った理由を問い詰めている最中、ちょうど皇上と媚娘(びじょう)が訪れ、その一部を目撃しました。激怒した皇上は、すぐに王皇后を逮捕するよう命じました。しかし、長孫大人が捜査に乗り出すと、事態は複雑化していきます。大理寺(だいりじ)の戴青(たいせい)は、指輪に付著していた粉末が茶の中の毒物と一緻することを発見しました。この証拠は衝撃的な事実、つまり劉氏が王皇后に罪をなすりつけるため、自ら命を絶った可能性を示唆していました。
結末
事態の展開は、誰の予想をも超えていました。劉氏の死は、宮廷闘争の残酷さを露呈しただけでなく、権力の裏に潜む人間の弱さをも映し出していました。そして、李忠の運命もまた書き換えられ、彼は最終的に母親が望んでいた安全な庇護を得ることができました。王皇后に関しては、当初の嫌疑は彼女を直接的に指していましたが、新たな証拠は別の可能性を示唆し、事件全体をより謎めいたものにしました。
第75話あらすじとネタバレ
劉氏が亡くなり、王皇后の疑いは晴れました。幼い李忠への更なる風評被害を防ぐため、皇帝はこの件の追及をやめることにしました。寛大な王皇后は、李忠を養子として引き取ることを願い出て、皇帝はこれを許可。そして、王公公を呉王(ごおう)府へ遣わし、李忠の剣術の師である呉王(ごおう)に会わせて慰めさせようとしました。
王仁佑は、今日長孫大人の助けがあったからこそだと感謝しつつも、劉氏の突然の行動の理由に疑問を抱いていました。衝児の調べでは、最近劉氏と密接に接触していたのは武媚娘(ぶ・びじょう)ただ一人で、彼女は皇帝と共に立政殿へ行った人物でした。長孫大人は、武媚娘(ぶ・びじょう)の狙いは皇后の位だと考え、この時期に直接対抗するのは得策ではないと判断。まずは現状を固め、時機を見て李忠を皇太子に推挙するべきだとしました。
李忠が嫡長子となったことで、蕭淑妃(しょう・しゅくひ)は皇帝の息子素節(そせつ)への寵愛が薄れることを心配していました。宮中では、皇帝が蕭淑妃(しょう・しゅくひ)を寵愛するのは武媚娘(ぶ・びじょう)と価ているからだとの噂が流れていました。しかし蕭淑妃(しょう・しゅくひ)は、今は武媚娘(ぶ・びじょう)を恨むのではなく、この状況を利用して自分の立場を固めるべきだと理解していました。
青玄(せいげん)は、呉王(ごおう)が皇子の剣術指導を突然辞任したことに気づき、宮中の噂が原因で呉王(ごおう)が避嫌したのではないかと推測しました。青玄(せいげん)は、皇帝が武媚娘(ぶ・びじょう)に夢中で国政がおろそかになっていることを危惧し、呉王(ごおう)自身と大唐を守るため、李勣のような信頼できる味方を見つけるべきだと進言しました。
王皇后は、昼間劉氏に陥れられる夢を見て驚き、恐怖に怯えていました。一方、武媚娘(ぶ・びじょう)は李忠を気遣い、劉氏に彼の面倒を見ると約束していました。瑞安(ずいあん)は、実の母親を裏切るような子供をなぜ気遣うのかと疑問を呈しましたが、媚娘は李忠はただ皇帝の質問に正直に答えただけだと考えていました。一人で散歩していた王皇后は李忠を訪ね、立政殿でなぜ自分のために発言したのか尋ねました。李忠は、この世で自分に優しくしてくれたのは二人だけで、今は王皇后だけが残ったと答えました。王皇后は翌日、李忠を立政殿に住まわせるよう皇帝に奏上することを決意しました。
武媚娘(ぶ・びじょう)が承慶殿(しょうけいでん)にいると聞き、皇帝は様子を見に行きましたが、そこで彼女が呉王(ごおう)と舞っている姿を目撃しました。武媚娘(ぶ・びじょう)は、皇帝という唯一の肉親がいるからこそ宮中に残っていると語りましたが、皇帝は最後まで聞かずに悲しみのあまりその場を去りました。呉王は武媚娘(ぶ・びじょう)の真意がますます分からなくなりましたが、彼女は辞任の噂が事実として広まることを望んでいないと明言し、今夜のことは誰にも知られないようにすると約束しました。
長孫大人は皇太子冊立を提案し、大臣たちも李忠を皇太子に推挙しました。李勣は、最近の宮中の出来事が全て武媚娘(ぶ・びじょう)に関係していることから、呉王に長安を離れるよう説得しました。実は高陽が媚娘を宮中に戻した目的は、呉王と皇帝の間に不和を生じさせ、最終的に仮乱を起こさせることでした。しかし、この背景情報は物語の外で補足されたもので、本筋とは異なるものです。
第76話あらすじとネタバレ
宮廷の陰謀:高陽公主の復讐と秘められた企み
高陽公主の深慮遠謀
青玄(せいげん)は考え込む。高陽公主が呉王(ごおう)のためにしたこと全ては、辯機(べんき)和尚の仇討ちだけが目的ではないようだ。かつて先帝によって辯機(べんき)と引き離された時、高陽公主は復讐を決意した。もし将来また僧侶に心を奪われたとしても、二度と邪魔されるわけにはいかない。蕭淑妃(しょう・しゅくひ)は再び皇帝の寵愛を取り戻したが、皇帝の真意を測りかねている。軽はずみな行動に出れば、身を滅ぼすだけだろう。
武媚娘(ぶ・びじょう)の窮地と李忠の誓い
宮廷内外で武媚娘(ぶ・びじょう)は「妖婦」と呼ばれ、悪い噂が広まっている。王仁佑は、これは王皇后が武媚娘(ぶ・びじょう)を完全に排除する絶好の機会だと考える。しかし、媚娘(びじょう)の心にあるのは、立政殿に移された李忠への切なる願いだった。どこにいても、実母である劉氏のことを忘れないでほしいと繰り返し言い聞かせたのだ。劉氏の位牌の前で跪く李忠は、劉氏が陰謀によって殺されたことを知っている。そして、その黒幕が王皇后と武媚娘(ぶ・びじょう)であることも。彼は、自分が皇帝になったら必ず母の仇を討つと誓う。
媚娘(びじょう)の誓いと変化
全ては高陽公主の思惑通りに進んでいるようだ。彼女は呉王(ごおう)が必ず仮乱を起こすと確信している。もし自分が天子だったら、辯機(べんき)との仲を裂かれることなどなかっただろうと、彼女はよく考える。劉氏の願いを葉えられなかった媚娘(びじょう)は、深い罪悪感に苛まれている。劉氏は自分のために犠牲になったというのに、媚娘(びじょう)は王皇后を倒すどころか、李忠までも他人の子として育てられることになってしまった。だからこそ、彼女は王皇后を倒し、李忠を取り戻すと誓う。
皇帝の疑問と真実の露呈
皇帝は困惑している。劉氏が王皇后を責め立てた場面に、まるで仕組まれたかのように遭遇したのだ。媚娘(びじょう)はそれを認めるが、誰が毒を盛ったのかは明かさなかった。劉氏にとって、もはや真実を明らかにする意味はないからだ。この権力闘争において、自分は取るに足らない駒でしかないことを劉氏は自覚しており、自分のせいで皇帝を煩わせたくないと考えている。
複雑に絡み合う感情と不確かな未来
皇帝には理解できない。復讐を望んでいたのは劉氏なのか、それとも媚娘(びじょう)なのか。媚娘(びじょう)が王皇后に対抗するのは、自分への愛ゆえなのか、それとも別の理由があるのか。媚娘(びじょう)がそう言うのであれば、皇帝は彼女のためにどんな障害も取り除こうとする。しかし、媚娘の心にはもはや自分の居場所はないことを、皇帝は知っている。媚娘が宮廷に残っている唯一の理由は、子の仇を討つためなのだ。昨夜、承慶殿(しょうけいでん)で皇帝は媚娘に誰といたのかと問いただした。媚娘は、後ろ姿を見て先帝だと勘違いしただけだと説明する。真実を知った皇帝は、深い落胆を味わう。
新たな命と権力争い
動揺した媚娘は突然倒れ、太医の診断で妊娠が発覚する。蕭淑妃(しょう・しゅくひ)が再び寵愛を得た矢先に、媚娘の懐妊が明らかになったのだ。彼女は素節(そせつ)に、言うことを聞いてしっかり勉強するように言い聞かせ、失ったもの全てを取り戻すと約束する。蕭淑妃(しょう・しゅくひ)は、宮廷には媚娘の子の誕生を望まない者が他にもいることに気付く。そして、王皇后に緊急謁見を求め、媚娘が皇子を産めば太子に影響が出ないかと懸念し、術師を呼んで阻止することを提案する。
李忠の太子冊立と朝廷の論争
ついに皇帝は李忠を皇太子に正式に冊立しました。大臣たちは、数年前の予言を持ち出し、武氏を宮廷から追放するように皇帝に進言します。しかし、皇帝はこれらの告発が根拠のないものであることを理解しています。彼は周囲の評価に惑わされることなく、媚娘を信じることを選びました。
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