第61話あらすじとネタバレ
安州の危機と皇室の秘密
近頃、安州で異変が起こり、呉王(ごおう)が軍を率いて来襲したという噂が広まっている。長孫無忌(ちょうそんむき)は皇帝の行方を探ろうと躍起になっている。皇帝は西郊の禁苑で狩猟中で、そこは感業寺に近い。呉王(ごおう)は昨夜の事態を調査するため自ら安州へ赴き、自身の日常の行動を記録した冊子を発見する。長安からスパイを送り込まれ、監視されていた疑いが生じる。青玄(せいげん)は、この背後に長孫無忌(ちょうそんむき)か皇帝の李治(り・ち)が関わっているのではないかと推測するが、呉王(ごおう)は李治(り・ち)がそのようなことをするはずがないと信じている。
長孫無忌(ちょうそんむき)の慎重な対応
事件に呉王(ごおう)が関わっていることから、長孫無忌(ちょうそんむき)はすぐには上奏せず、まずは沖児に命じて邑鎮の役人を安州へ派遣し、真相を確かめさせる。もし噂が本当であれば、自ら皇帝に報告するつもりだ。高陽公主は、李治(り・ち)が即位して4ヶ月の間に、異なる理由で二度も禁苑を訪れ、感業寺の近くをうろついていることに気付く。彼女は李治(り・ち)に媚娘(びじょう)を宮中に戻すよう勧める。しかし、媚娘(びじょう)はもはや俗世に未練がないようで、たとえ李治(り・ち)にその気があっても、多くの障害を乗り越えなければならない。
媚娘(びじょう)の心境と決断
感業寺で、媚娘(びじょう)は突然体調を崩すが、空腹が原因だと説明する。静言師太は彼女に地図と鍵を渡し、自分で決断するように促す。高陽公主が見舞いに訪れ、媚娘(びじょう)が明空であろうと、公主は彼女を友人として大切に思っている。李治(り・ち)が朝廷と後宮の事務に忙殺され、奏状さえも長孫無忌(ちょうそんむき)たちを通さなければならない現状を目の当たりにし、高陽公主は媚娘(びじょう)に宮廷に戻って李治を助けるよう励ます。しかし、媚娘は別の考えを抱いている。呉王(ごおう)が安州刺史に任命されたこと、そして自分が妊娠していることが決して知られてはならないことを悟り、感業寺からの脱出を密かに計画している。
情勢の進展と挑戦
媚娘は妊娠しているという事実が明らかになるにつれ、感業寺から脱出することを決意し、そのための準備を著々と進める。高陽公主は、媚娘が一度寺を出てしまえば、もう後戻りできないことを理解しているが、それでも彼女を助けたいと思っている。一方、安州における呉王(ごおう)の行動は、長孫無忌(ちょうそんむき)の警戒心を高めている。特に昨夜11人が殺害された事件は、呉王が何らかの証拠を握り、極端な手段に出たのではないかと疑わせる。しかし、皇帝は呉王に謀仮の心はないと信じ、監視を強化する提案を拒否する。最終的に、高陽公主の求めに応じて、皇帝は賢霊宮への訪問を取りやめる。
第62話あらすじとネタバレ
蕭良娣は素節(そせつ)だけが戻ってきたのを見て、皇帝の行方を尋ねた。素節(そせつ)は、高陽公主が武媚娘(ぶ・びじょう)のことで皇帝を訪ねてきたと説明した。長孫無忌(ちょうそんむき)大人 は、今回の事件が呉王(ごおう)の仕業ではないと知りつつも、謀仮の意図がないとは限らないと考えている。呉王(ごおう)の潔白を証明する確かな証拠がない限り、長安から遠ざけるべきだと考えているのだ。できるだけ遠くへ。
皇帝は、媚娘(びじょう)が先皇の子を身籠っていることを知り、喜びと複雑な感情を抱いた。この知らせを受けて、皇帝は媚娘(びじょう)を宮中に呼び戻したくなった。しかし、高陽公主は皇帝の笑顔の裏に隠された落胆を見抜いていた。今、媚娘(びじょう)を宮中に戻せば、彼女は永遠に皇太妃となる。天子である皇帝でさえ、自分の本当にしたいことが出来ず、取れる行動は限られていく。高陽公主は、今の朝政が長孫無忌(ちょうそんむき)大人に掌握されていることを理解しており、真に皇帝を助けることができるのは呉王(ごおう)だけだと考えていた。しかし、この提案は長孫無忌(ちょうそんむき)大人に受け入れられず、皇帝と媚娘(びじょう)の未来は閉ざされたように見えた。高陽公主は皇帝に呉王(ごおう)を呼び戻し、皇帝の右腕にするよう進言した。
高陽公主はまた、媚娘(びじょう)が大朝会の最後の夜、夜空を彩った花火のことを思い出していたと語った。もし媚娘がもう一度見たいと思っているなら、皇帝はもう一度同じ光景を見せてやれるだろうと。皇帝は先皇の遺詔を取り出した。そこには、もし媚娘が先皇の子を身籠った場合、男女を問わずその子は排除し、媚娘の命だけを助けるようにと記されていた。皇帝は、なぜ媚娘が先皇と見た花火を懐かしんでいるのか理解できなかった。しかし、媚娘がもう一度見たいと願っているのなら、皇帝は盛大な花火を打ち上げることを決意した。
皇帝は、先皇が臨終の際に自分を長孫無忌(ちょうそんむき)大人に託したことを思い返した。しかし、今はあらゆる行動に長孫無忌(ちょうそんむき)大人の同意が必要で、皇帝は自らの行動が製限されていると感じていた。先皇の期待に応えるため、皇帝は長孫無忌(ちょうそんむき)大人に立ち向かうことを決意し、呉王(ごおう)に親筆の手紙を書き、長安に戻って重要な役職に就くよう求めた。呉王(ごおう)は、あの矢が自分の命を狙ったものではないことを知っていた。しかし、最近、自分が兵を率いて太極殿に攻め入り、李治(り・ち)を殺す夢をよく見ていた。今回長安に戻れば、その夢が現実になるのではないかと恐れていた。しかし、青玄(せいげん)の励ましもあり、呉王は聖旨が届き次第、すぐに長安へ出発することを決めた。
青玄(せいげん)が隋の仮乱軍に実行させた任務は既に完瞭していた。もし呉王に弑君の意思がないのであれば、彼らに従う価値はない。青玄(せいげん)は皆を落ち著かせ、間もなく呉王が共に大事を話し合うと告げた。一ヶ月後、文徳(ぶんとく)皇后の命日であり、それは彼らが李治(り・ち)の暗殺を計画している日でもある。当初、皇帝は許敬宗(きょけいそう)を通して呉王を呼び戻そうとしていたが、長孫無忌大人は既にその動きを察知し、許敬宗(きょけいそう)の汚職の証拠を突きつけ、皇帝に彼を長安から追放させた。
皇帝は媚娘のために再び盛大な花火を打ち上げた。感業寺で花火を見た媚娘は、それが皇帝の気持ちだと理解し、自分の拒絶を許してくれたのだと悟った。彼女は罪滅ぼしのために、李治(り・ち)を含め誰にもこの子の本当の父親を知らせない。この秘密は李治(り・ち)が自分に対して使う武器になりかねないからだ。李治(り・ち)は媚娘を遠ざけるつもりはない。彼は媚娘が辛い目に遭わないよう、できる限りのことをするだろう。
皇后は素節(そせつ)が剣舞の後、空腹である様子を見て、菓子を下賜した。しかし、素節(そせつ)はその恩恵を受けるべきか迷っていた。
第63話あらすじとネタバレ
素節(そせつ)は皇后から賜った点心を池に捨て、食べたと偽りました。皇后はこれを蕭良娣の仕業と思い、激怒します。皇后的侍女は、「他山の石以て玉を攻む」の計で、皇帝の寵愛を受ける女性を懐柔することを提案。武太妃が蕭良娣が寵愛を受けた理由の一つであること、そして来月の文徳(ぶんとく)皇后の命日に感業寺で会えることから、武太妃に白羽の矢が立ちます。
長孫無忌(ちょうそんむき)は息子・衝に、呉王(ごおう)を結党営私の罪で告発するよう指示。一方、隋の残党は李氏一族への復讐を企て、李治(り・ち)は対策を講じます。
命日、李治(り・ち)は感業寺へ。呉王(ごおう)の結党営私は確実視されますが、既に長安を離れていました。皇后は武媚娘(ぶ・びじょう)に会おうとしますが、媚娘(びじょう)は逃亡中。瑞安(ずいあん)は媚娘(びじょう)の逃亡を皇帝に報告します。追っ手は実は媚娘(びじょう)を守るために皇帝が遣わした者でした。媚娘(びじょう)は身ごもっており、皇帝は彼女を宮中に連れ帰ることを決意。出産後、去るも残るも媚娘(びじょう)の自由と約束します。
しかし、隋の残党に襲われ、皇帝は矢に倒れます。媚娘は逃げるよう促されますが拒否。間一髪、呉王(ごおう)が到著し窮地を救います。青玄(せいげん)は残党の頭領を討ち取ったと思いましたが、実は生きており、媚娘を射ます。長孫無忌(ちょうそんむき)の密偵・李恭は、呉王(ごおう)ではなく青玄(せいげん)に問題があると報告しますが、李恭は死亡。皇帝の安全のため、長孫無忌(ちょうそんむき)は呉王(ごおう)を長安から遠ざけるべきと考えます。
皇帝は感業寺から無事帰還。媚娘は手当てを受けています。李義府は媚娘の帰還を知り、出世の機会と捉えます。刺客は隋煬帝の次男と判明。皇帝は呉王(ごおう)と媚娘に感謝し、媚娘を太妃に封じる時期を長孫無忌(ちょうそんむき)に相談。傷が癒えてからとすること、呉王の功績は結党営私の疑いを払拭するに十分であると結論されます。
第64話あらすじとネタバレ
長孫大人と呉王(ごおう)の去就
長孫大人は呉王(ごおう)に長安を離れ、安州へ戻ることを勧めます。この件について、皇上は熟慮していました。当初は呉王(ごおう)を長安に残し、重要な任務を任せるつもりでしたが、今は考えを変えざるを得ない状況です。呉王(ごおう)は皇上の苦境を理解し、去るも残るも皇上のために尽くす覚悟を示します。最終的に皇上は呉王(ごおう)を長安に残し、皇子たちに剣術を教えるよう命じ、宮中への自由な出入りを許可します。
媚娘(びじょう)の帰宮と高陽公主の気遣い
皇上は媚娘(びじょう)を竹林雅軒に滞在させ、宮女の緑芙に世話を命じます。この知らせを聞いた高陽公主はすぐに媚娘(びじょう)を訪ね、帰宮を喜びます。皇上はきっと最高の太医を媚娘(びじょう)の治療にあたらせるだろうと確信しています。高陽公主は旗頭を贈り物として渡し、今後の安全な離宮のために今は目立たないように過ごすよう助言します。媚娘(びじょう)はこの気遣いに深く感謝し、後宮で自分のことを考えてくれる人がいることをありがたく思います。
媚娘(びじょう)の心境と瑞安(ずいあん)の付き添い
再会した瑞安(ずいあん)は泣きじゃくりますが、すぐに二人は宮中を散策し、後宮の変化について語り合います。瑞安(ずいあん)は、媚娘が戻って以来、皇上の顔にようやく笑顔が戻ったと告げます。瑞安(ずいあん)は媚娘に皇上のそばに留まってほしいと願いますが、媚娘は自分の居場所はここではないことを理解しています。それでも、この思いがけない帰宮の時間は彼女にとって貴重なものとなっています。
後宮の動向と蕭淑妃(しょう・しゅくひ)の思惑
蕭淑妃(しょう・しゅくひ)は皇后が媚娘を訪ねたことを聞き、怜芝に竹林雅軒の周りに信頼できる者たちを配置するよう指示します。彼女は媚娘が隻者ではないこと、そして皇上と素節(そせつ)の仲にも影響を与えていることに気づきます。媚娘が自分の地位を脅かす可能性を危惧し、蕭淑妃(しょう・しゅくひ)は自ら厚い贈り物を持って媚娘に会い、自分の地位を固める方法を探ろうとします。
皇后と媚娘への身分
皇后は媚娘に、先帝の子の母であり、太妃であるという身分を忘れないように釘を刺します。ちょうどその時、聖旨が届き、媚娘は甘露殿(かんろでん)へ皇上に呼ばれます。甘露殿(かんろでん)では、皇上と高陽公主は大朝会の思い出を語り合い、皮影戯でその時の様子を再現します。過去の出来事を思い出し、媚娘は複雑な気持ちになり、心に傷を負うので過去のことはもう話さないでほしいと皇上に頼みます。
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