第57話あらすじとネタバレ
宮廷の波紋
高陽公主が武媚娘(ぶ・びじょう)に太子に会ったかどうか尋ねたことで、媚娘(びじょう)は驚き、誤って高陽公主の服に酒をこぼしてしまう。この異様な雰囲気に気づいた呉王(ごおう)は、辯機(べんき)に何故高陽公主に付きまとっているのか問い詰め、死罪に値すると指摘する。辯機(べんき)は、自分は呉王(ごおう)と同じく公主の賓客であり、何故死罪になるのか理解できないと仮論する。怒りに駆られた呉王(ごおう)は剣を抜くが、媚娘(びじょう)が仲裁に入り、もし本当に手を出せば公主は一生恨むだろうと諭す。呉王(ごおう)はやむなく剣を収めた。
長孫無忌(ちょうそんむき)の苦悩
長孫無忌(ちょうそんむき)は房玄齡(ぼうげんれい)と囲碁を打つが、上の空だった。武媚娘(ぶ・びじょう)が房玄齡(ぼうげんれい)の屋敷に身を寄せていることが彼の心を重くしていた。彼は、武媚娘(ぶ・びじょう)が生きている限り、大唐の天下には潜在的な脅威が存在すると考えている。房玄齡(ぼうげんれい)は、たとえそうであっても、一年前の甘露殿(かんろでん)で皇帝に武氏に関する話題はこれで終わりにすることを誓ったと指摘する。房玄齡(ぼうげんれい)の屋敷で一年過ごした武媚娘(ぶ・びじょう)は、特に不穏な動きを見せておらず、房玄齡(ぼうげんれい)も彼女に手を出さなかった。しかし、長孫無忌(ちょうそんむき)は武媚娘(ぶ・びじょう)が宮廷に戻る機会を窺っていると確信しており、国家の将来のためには、彼女は“事故”で死ぬべきだと考えている。しかし房玄齡(ぼうげんれい)は関わりたくないと考え、武媚娘(ぶ・びじょう)が皇帝に会えず、宮廷に戻れなければ、天下を脅かすことはないはずだと主張する。そこで、彼は彼女を屋敷で一生涯、侍女として過ごさせることに決めた。
太子の迷い
太子は武媚娘(ぶ・びじょう)が宮廷に戻れないことに不満を抱いている。長孫無忌(ちょうそんむき)は、太子がただ武媚娘(ぶ・びじょう)にもっと会いたいだけだと気づいており、太子はまだ成長が必要だと考えている。房玄齡の態度の変化を受け、長孫無忌(ちょうそんむき)は蕭瑀(しょうう)に皇帝に上奏させ、皇帝の武媚娘(ぶ・びじょう)に対する真意を探りつつ、房玄齡に自分の立場を再考させることを企てる。
媚娘の思惑と行動
媚娘は、高陽公主が何故15歳で出家した僧侶である辯機(べんき)を愛するようになったのか理解できない。高陽公主は既に房遺愛(ぼういあい)と互いに幹渉しないという約束を交わしているが、激しい恋に憧れているのだ。この言葉を聞き、媚娘は考え込む。その後、媚娘は李義府と会い、門閥調査の進捗状況について話し合い、長孫無忌(ちょうそんむき)が結党営私をしている証拠を見つけなければならないと強調し、李義府に朝議での行動は慎重にするよう忠告する。
皇帝の心づもり
蕭瑀(しょうう)は房玄齡を結党営私の罪で上奏するが、皇帝はそれを信じず、逆に彼に緻仕を命じる。長孫皇后が生前、皇帝のそばには房玄齡が不可欠だと語っていたからだ。皇帝は、房玄齡を狙う者は誰であろうと、情けは容赦しないと警告する。
呉王(ごおう)の心境
晋王が太子になってから、呉王(ごおう)は気が楽になった。彼は太子が絵の中の女性(武媚娘(ぶ・びじょう))のことで悩んでいることを知っており、自分が長安を離れる前に、安心するために太子に言葉をかけた。
朝廷の駆け引き
長孫無忌は朝議で先手を打ち、鴻臚寺少卿(こうろじしょうけい)を弾劾し、自身を守るために自分の配下を犠牲にする。鴻臚寺は大きな打撃を受けるが、長孫無忌は関係者に慰撫を行うよう指示する。李義府は、長孫無忌にとってはただの駒の一つに過ぎず、彼は李義府の背後にいる真の黒幕が誰なのかを探っている。
高陽公主は、媚娘が房玄齡の屋敷に来てから、一番望んでいるのは皇帝に再び会うことだと理解している。彼女は太子に宮廷に戻ったら皇帝を説得してみるよう勧める。
第58話あらすじとネタバレ
太子は宮中で皇上に拝見しましたが、皇上は体調不良で方士の作った丹药を服用しているのを発見しました。皇上は薬を止めるとひどく倦怠感を感じていました。奏疎を手にして太子の意見を聞こうとしましたが、太子は上の空で、媚娘(びじょう)が宮中を出て一年になるのに、なぜまだ戻さないのかと皇上を問い詰めました。媚娘(びじょう)は皇上のために生死を共にし、皇上ができるのは彼女の命を守るだけなのかと太子は訴えました。一言あれば、誰も何も言えないはずだと説得しましたが、会話の途中で皇上は突然倒れてしまいました。
一方、媚娘(びじょう)は房府で一年以上暮らしていました。房玄龄は媚娘(びじょう)に危害を加えようとする者たちから彼女を守りましたが、そのために皇上との面会も妨げられていました。媚娘(びじょう)は房玄龄を恨んではいませんでした。皇上の消息を少しでも聞けるだけで満足していたのです。しかし、房玄龄の健康状態が悪化していくにつれ、自分が死んだ後、媚娘(びじょう)の安全を守れなくなることを心配していました。大唐の未来のために、房玄龄は媚娘に長安を離れ、新しい生活を見つけ、皇上を明君として記憶に残るようにすることを勧めました。媚娘は長安を去ることに同意しましたが、その時、宮中から皇上が急病になったという知らせが届き、房玄龄は急いで宮中へ見舞いに行き、媚娘は深く心配しました。
太医は皇上の倒れた原因が昔の矢傷と長年服用している長春丹にあると診断しました。大臣たちは偏殿で焦って待機し、皇上はまだ昏睡中で、脈は安定(あんてい)しているものの、いつ目覚めるかは不明だと聞かされました。皇上がようやく目を覚ました時には、房玄龄はこの世を去っていました。媚娘は高陽公主に頼み、皇上に最後の別れを告げることができました。高陽公主の助けで、媚娘は甘露殿(かんろでん)に入り、そこで一晩過ごしました。
長孫大人はずっと、武媚娘(ぶ・びじょう)が皇上に会わなければ命を助けるという約束を守っていました。しかし、媚娘が自ら危険に飛び込むと決めたことで、長孫大人はこれは自分への挑戦だと考え、大唐の安定(あんてい)を守るために行動に出る決意をしました。同時に、高陽公主と辯機(べんき)の駆け落ち計画を知り、罪が確定してから逮捕しようとしました。高陽公主と辯機(べんき)を犠牲にして武媚娘(ぶ・びじょう)の問題を完全に解決し、大唐の安全を保障しようとしたのです。
皇上は呉王(ごおう)が長年多くの苦しみを味わってきたことをよく知っていましたが、ある事柄は最初から結果が決まっていることを理解していました。呉王(ごおう)も現状を理解し、受け入れました。皇上はまた、淑妃にも多くの借りがあることを自覚していました。彼女はずっとそばにいてくれましたが、最後まで皇后の位を与えることはできませんでした。高陽公主と辯機(べんき)の恋については、二人は本当に愛し合っていましたが、辯機(べんき)は僧侶であり、高陽公主の行為は不貞と見なされたため、皇上はこの恋を成就させることはできないと判断し、最終的に辯機(べんき)を処刑しました。
第59話あらすじとネタバレ
皇帝は、辯機(べんき)の処刑を決定した。この僧侶の行為は、皇権と法を著しく侵害したためである。高陽公主は必死に辯機(べんき)のために弁護したが、皇帝の決意は固く、房一族と天下の人々に法の尊厳を示す必要があった。娘の懇願に対し、皇帝はもし彼女が主張を続けるならば、父娘の縁を切ると告げた。高陽公主の選択に深く悲しみ、皇帝は心労の末、倒れてしまう。翌日、辯機(べんき)は処刑された。
病床に伏した皇帝は、褚遂良(ちょすいりょう)を呼び寄せ後事を託し、太子への諫言を依頼した。同時に、李績は長安から追放され、大理寺(だいりじ)は動き出し、事件に関わった下人たちを捕らえた。また、長孫無忌(ちょうそんむき)も呼び寄せ、重要な事柄を託した。この時、武媚娘(ぶ・びじょう)は太子と高陽公主を通じて、皇帝に最期の別れを告げたいと願っていた。
呉王(ごおう)の安全を考慮し、皇帝は太子即位後に長安を離れ、地方の刺史に任じるよう手配した。長孫無忌(ちょうそんむき)は武媚娘(ぶ・びじょう)を厳しく処罰するよう進言したが、皇帝は彼の意に仮し、武媚娘(ぶ・びじょう)と面会した。しかし、皇帝は長孫無忌(ちょうそんむき)の動機が唐王朝の安泰を願う忠誠心から出たものであることを理解していた。その代わりに、長孫無忌(ちょうそんむき)は皇帝を黄泉まで見送ると誓ったが、皇帝はこれに応えなかった。
皇帝は正式に国を太子に託し、忠実な輔佐役たちを揃えた。その中には、将来呼び戻す可能性のある李績も含まれていた。皇帝は太子に兄弟仲良くすることを諭し、密詔を残した。その内容は決して口外してはならず、特に長孫無忌(ちょうそんむき)には知らせてはならないと厳命した。
臨終の間際、皇帝は長孫無忌(ちょうそんむき)に武媚娘(ぶ・びじょう)の命を助けるよう願い、彼女を感業寺に送って修行させ、朝廷に危害を加えないようにするよう命じた。長孫無忌はこの申し出を受け入れた。皇帝が崩御(ほうぎょ)する時、まるで武媚娘(ぶ・びじょう)がこちらへ歩いてくる姿が見えたようだった。そして、甘露殿(かんろでん)の外で、王公公は遺言に従い武媚娘(ぶ・びじょう)を通し、彼女に皇帝との最期の別れを許した。
第60話あらすじとネタバレ
愛する男性、李世民(り・せいみん)を失い、武媚娘(ぶ・びじょう)は承慶殿(しょうけいでん)で蘭陵王の仮面を抱きしめ、涙を流していた。太子李治(り・ち)は、彼女の憔悴しきった姿を見て心を痛め、過去を忘れるようにと優しく諭した。
一方、徐恵(じ・ょけい)は宮中の異様な雰囲気に戸惑っていたが、宦官から皇帝崩御(ほうぎょ)の知らせを聞き、ようやくこの苦しい場所から解放されると思い、安堵した。しかし、心の奥底には、ある詩がきっかけで芽生えた皇帝への真摯な愛情が確かに存在していた。
時が流れ、武媚娘(ぶ・びじょう)と徐恵(じ・ょけい)の関係は複雑に変化していった。かつては心を通わせる姉妹のような間柄であった二人だが、同じ男性を愛したことで、もはや以前のような関係には戻れなくなっていた。徐恵(じ・ょけい)は夢の中で、皇帝の女になるのではなく、自分を本当に理解し愛してくれる人を見つけるようにという父の忠告を聞いた。しかし、彼女の心はすでに皇帝に奪われており、その選択は運命と絡み合っていく。
皇帝の死後、武媚娘(ぶ・びじょう)は徐恵(じ・ょけい)との間に深い溝を感じていた。徐恵(じ・ょけい)が武媚娘(ぶ・びじょう)の手を取ろうとした時、武媚娘(ぶ・びじょう)はそれを振り払い、壊れた玉の腕輪のように、二人の関係はもう元には戻らないと告げた。そして、徐恵(じ・ょけい)を絶対に許さないと宣言し、二度と会うことはないと言い放った。
徐恵は許しを請うつもりはなく、ただ最後に武媚娘(ぶ・びじょう)に会って自分の気持ちを伝えたいと思っていた。そして、自らの命を絶ち、武媚娘(ぶ・びじょう)に宛てた手紙を残した。手紙には、新帝に昭陵への埋葬を願い、皇帝のそばで永遠に眠りたいという彼女の最後の願いが綴られていた。全ては始まりに戻ったかのようだが、皇帝も武媚娘(ぶ・びじょう)もいない宮中で、徐恵にとって全ては意味を失っていた。
先帝崩御(ほうぎょ)に伴い、子を持たない後宮の妃嬪たちは感業寺に送られ、尼僧となる運命を辿った。太子李治(り・ち)は新帝として即位し、武媚娘(ぶ・びじょう)も感業寺にいた。李治(り・ち)は瑞安(ずいあん)に付き従うよう命じ、武媚娘(ぶ・びじょう)への気遣いを示した。高陽公主は辯機(べんき)に弔いを捧げ、父である李世民(り・せいみん)が死ぬまで武媚娘(ぶ・びじょう)に会えなかったのは天罰だと考えた。長孫無忌(ちょうそんむき)の企みを阻止するため、彼女は武媚娘(ぶ・びじょう)を感業寺から出し、辯機(べんき)の汚名を晴らすことを決意した。
武媚娘はすでに髪を切り、明空という法名で尼僧となっていた。李治(り・ち)が感業寺に押しかけて会いに来た時、彼女は自分が探している人物ではないと言い張り、帰るように促した。一方、安州では、前隋の仮乱軍の指導者である李沫が長孫無忌(ちょうそんむき)の部下を殺害し、呉王(ごおう)は釣りや花を愛でる穏やかな生活を送っていた。彼は今の唐には自分の剣は必要ないと考えていた。しかし、青玄(せいげん)は呉王(ごおう)に油断するなと警告した。まだ彼を疑っている者がいるというのだ。案の定、暗殺計画が企てられるが、青玄(せいげん)が間一髪でそれを阻止した。
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