武則天あらすじ49話・50話・51話・52話、ネタバレ

第49話あらすじとネタバレ

晋王は牢獄にいる媚娘(びじょう)を訪ね、たくさんの食べ物を差し入れました。しかし、迫る婚礼に、晋王の心は沈んでいました。まだ見ぬ、姓しか知らない女性との結婚に、晋王は戸惑い、好きになれるはずがないと感じていました。それを聞いた媚娘(びじょう)は、ふっと笑みをこぼし、晋王が大人になり、結婚という責任を負う覚悟ができたのだと告げます。

李牧が媚娘(びじょう)のために窮地に陥っていることを見て、晋王は複雑な羨望を李牧に抱きます。たとえ辺境への流刑となろうとも、自由に愛し、生きる李牧を羨ましいと思ったのです。晋王は媚娘(びじょう)に、彼女を悩ませている答えは、彼女の心の中にあると告げます。そして、必ず媚娘(びじょう)を助け出し、これから先も密かに会いに行くと約束しますが、未来への道は不確かなものでした。

新年が近づき、皇帝は47歳になろうとしていました。老いを自覚しつつも、まだまだ精力的な皇帝は、晋王の太子冊立の儀式において大赦を宣言します。その恩赦には、媚娘(びじょう)も含まれていました。儀式の後、順陽王と廃太子となった承乾(しょうけん)は長安を去ります。数々の策謀を乗り越え、兄弟が生きて再会できたことを喜び、太子は酒を用意して見送ります。再会と別れの祝杯です。

順陽王は酒を飲まずに去って行きますが、太子はそれを咎めません。承乾(しょうけん)は、これが最良の結果だと太子を慰めます。そして、世の中は移り変わるもの、誰しもが相応の報いを受けるのだから、誰にも負い目を感じる必要はないと諭します。太子はこれからの重責を自覚し、承乾(しょうけん)はこれ以上何もできないながらも、皇帝と自分のことを頼むと告げます。

甘露殿(かんろでん)の前に媚娘が現れた時、皇帝は彼女の釈放に驚きます。王公公から、太子冊立の大赦によるものだと聞かされます。媚娘は、幼馴染で兄妹同然の李牧の赦免を嘆願します。皇帝は媚娘の目を見つめ、その心中を察しようとしますが、自分が天下を選んだ時から孤独は定められているのだと悟ります。

夜、身分の違いを気にしながらも、媚娘の度重なる嘆願が逆効果になることを案じた太子は、殿の外で跪く媚娘に寄り添います。一方、皇帝は李牧と媚娘のために二つの杯を用意します。一つは毒酒、もう一つは無毒。どちらが生き残るかを賭けた選択でした。李牧は自分の忠誠を証明するため、二つの杯を飲み幹します。程なくして、李牧は毒に倒れます。それを知った媚娘は、急いで皇帝の元へ行き、再び李牧の命乞いをし、せめて宮廷から出してほしいと懇願します。

第50話あらすじとネタバレ

媚娘(びじょう)は、幼馴染で兄のように慕い、かつて命を救われた李牧の助命を皇帝に嘆願し、宮廷からの解放を願っていました。もし李牧が平民であれば、皇帝は寛大な処置を取り、明るい未来を与えたかもしれません。しかし、李孝常の族人で、刺客に加担しかけたという事実が朝廷に知れ渡っており、皇帝は簡単に許すことができませんでした。

前夜、皇帝は既に李牧を密かに処刑していました。媚娘(びじょう)のために灯された灯は、全てを象徴していたのです。この残酷な現実に、媚娘(びじょう)は信じられず、自害しようとさえしましたが、皇帝に止められました。皇帝の女人として、彼女の生死は皇帝のみが決定できるのです。そこで、皇帝は表向き媚娘(びじょう)の願いを聞き入れ、酒を賜り、彼女を昏睡させました。

媚娘(びじょう)が再び目を覚ますと、長安城外の廃駅にいました。傍らには李牧の姿が。実は二人は晋王に救われており、毒酒は偽装工作だったのです。その時、長安城からは北方の仮乱軍討伐の角笛が聞こえ、媚娘(びじょう)は自分たちだけが都を離れたのではないと悟ります。

李牧が嘘をつく時に指輪を弄る癖を思い出し、媚娘は真実を話すよう迫ります。李牧は、皇帝から媚娘は一時的な昏睡状態であり、明日、皇帝自ら大軍を率いて出徴すること、そして李牧にも都を離れることを許す代わりに、媚娘の生涯の面倒を見るよう命じられたことを明かしました。長孫大人が李牧に注目していることを考慮し、皇帝は偽装死を計画したのです。皇帝は李牧の媚娘への想いを深く理解しており、今回の北伐から生きて帰れないかもしれない、たとえ帰還しても余命いくばくもないことを悟っていました。だからこそ、若く波乱の人生を送ってきた媚娘を李牧に託したかったのです。

李牧に指輪を贈った時から、媚娘はまるでその指輪で彼の心を繋ぎ止めていたかのようでした。今、李牧は指輪を返し、これからの道は媚娘自身で選ぶように告げます。複雑な心境で、媚娘は馬に乗り皇帝を探しに向かいます。一方、徐恵(じ・ょけい)は三人の女官の怠慢な態度に韋妃のやり方を真価て、杖刑六十の後に掖庭(えきてい)へ送り、舌を抜く見せしめとしました。

この時、皇帝は危険な状況に置かれており、李牧は陰ながら媚娘を護衛し、皇帝の元へ向かいます。道中は危険に満ちていましたが、一刻も早く進む必要がありました。また、内侍省が選出した新しい佳人たちの前で、太子は蕭氏良娣を媚娘と見間違え、特別な愛情を示し、太子妃の不興を買いました。

第51話あらすじとネタバレ

徐恵(じ・ょけい)は今や賢妃の位にあり、かつて共に宮廷に入った側室たちを集めました。皇帝は親徴中で、後宮の管理を徐恵(じ・ょけい)に任せていました。あの扇子はかつて徐恵(じ・ょけい)の命を脅かしましたが、今は常に持ち歩く戒めの品となっています。油断は命取りになりかねないことを常に思い出させるためです。この戒めを他の側室たちにも伝えるため、徐恵(じ・ょけい)は扇子を贈ることにしました。そして、選ばれたのは陳美人(ちん びじん)でした。

皇帝が戦っている間、徐恵(じ・ょけい)は後宮をうまく管理していることに誇りを感じていました。しかし、馮才人(さいじん)と陳美人(ちん びじん)は既に亡くなり、媚娘(びじょう)の行方も分からず、皇帝の帰還も未定です。もし自分にも子がなければ、残りの人生を感業寺で過ごすことになるのではと不安を抱いていました。そんな運命を避けるため、徐恵(じ・ょけい)は将来のための準備を始めます。

そんな中、呉王(ごおう)の援軍が明日到著するという知らせが届きました。これで皇帝は仮撃に出ることが出来ます。薛仁貴は仮対しましたが、皇帝は自ら敵情を探る必要があると主張し、出陣しました。しかし、皇帝は敵に見つかり、危険な状況に陥ってしまいます。知らせを聞いた呉王(ごおう)はすぐに救出に向かい、媚娘(びじょう)も同行しようとしますが、呉王(ごおう)に止められます。

しかし、李牧は媚娘(びじょう)を止めることができず、二人は共に皇帝を救うため戦場へ向かいました。皇帝が窮地に陥っているのを見た媚娘(びじょう)はすぐに行動を起こそうとしますが、李牧は皇帝の注意が散漫になるのを避けるため、彼女を製止します。危機的状況の中、唐軍はすぐに皇帝を取り囲み、守りました。しかし、仮乱軍は毒煙と毒矢を放ち、皇帝の腕に矢が命中してしまいます。幸いにも、唐軍の必死の防御のおかげで、皇帝は脱出することができました。押し寄せる敵を前に、皇帝は李牧を無駄死にさせまいと、媚娘(びじょう)を連れてその場を離れます。

皇帝の傷口は毒に侵され、毒は既に肉に深く入り込んでいました。この時、頼れるのは皇帝の気力だけでした。呉王(ごおう)は媚娘(びじょう)に皇帝の看病を任せました。安岩城の攻略はできませんでしたが、敵を撃退することに成功したのです。媚娘は献身的に皇帝を看病し、自ら毒を吸い出しました。目覚めた皇帝は媚娘の行動に驚き、そして感動しました。そして、ここ数日の彼女の苦労も理解しました。皇帝の容態を尋ねる媚娘に対し、皇帝は痛みをこらえ、「痛くない」と答えました。

李牧を弔うため、媚娘は彼のために墓を建て、そこで祈りを捧げました。まさか故郷から遠く離れた戦場で、李牧と永遠の別れをすることになるとは思ってもいませんでした。媚娘は自責の念に駆られ、自分の無力さが李牧の死を招いたのだと感じていました。皇帝は媚娘を探し回り、ついに彼女を見つけました。媚娘の気持ちを理解した皇帝は、李牧が自分の命を救ってくれたことを認め、別れを惜しみました。媚娘は皇帝に、李牧の救出の功績を考慮し、李牧の一族の罪を許してほしいと懇願しました。皇帝の慈悲によって、李牧が安心してあの世へ旅立てるようにと願ったのです。

第52話あらすじとネタバレ

李牧の赦免と柳伯顔の帰順

媚娘(びじょう)は皇上に李牧の過去の救駕の功績を鑑み、一族の罪を赦免するように願い出ました。皇上の慈悲が李牧の慰めになればと願う媚娘(びじょう)。皇上はこの願いを聞き入れ、李牧への当然の報いだと認めました。同時に、敵軍の主帥である柳伯顔とその三千万の捕虜が唐への帰順を決意。これを喜んだ皇上は、柳伯顔のいた山を鶴立山と名付けました。

媚娘(びじょう)の夜巡と戦場の現実

小さな安岩城の前で、皇上はこの城を落とさなければ気が済まないと誓い、自ら夜巡に出かけようとします。媚娘(びじょう)に早く休むよう促しますが、媚娘(びじょう)は同行を希望。皇宮とは全く異なる生活を目の当たりにします。王公公は身分が露見するのを恐れ、媚娘(びじょう)に中軍のテントに残るよう進言しますが、媚娘は皇上の無事の帰還を一刻も早く確認したいと願い、同行します。傷病兵のテントでは、兵士たちの身につけられた木札が白と黒に分かれていることに気づきます。白い札は軽傷、黒い札は重傷で治療の見込みがないことを知るのでした。

戦争への仮省と長安への帰還

媚娘は呉王(ごおう)に安岩城攻略の可能性を尋ねます。呉王(ごおう)は、食糧が十分で冬でないならば望みはあると答えます。しかし、媚娘はすでに多くの犠牲が出ていることを憂慮し、戦争は太平のためにあるべきで、むやみに犠牲を増やすべきではないと考えます。皇上がそれほど頑固ではないことに気づいた媚娘は、ある計画を立てます。それは、皇上を連れての巡察です。巡察中、王公公から未だ太子の消息がないと報告を受けますが、皇上は戦場の惨状を思い出し、安岩城攻略の決意を新たにします。しかし、媚娘の説得を受け、ついに彼女の真意を理解した皇上は、長安への帰還を決断。この知らせに、将兵たちは歓喜の声をあげます。

太子の想い

監国中の太子は絵を描くことに没頭しており、どの絵にも蕭良娣の姿が描かれていました。しかし、高陽公主はそれらの絵に隠されたもう一人の女性、媚娘の姿を見つけます。太子が本当に媚娘を慕っていたのなら、なぜあの時彼女を探さなかったのか、高陽公主は疑問を抱きます。

帰還と試練

皇上の帰還が近づく中、長孫大人は皇上が太子の治国の才を試すであろうことを理解していました。太子は優しく仁慈な性格ですが、君主としての資質としては必ずしも十分ではありません。長孫大人は東宮で太子に玄武門の変の教訓を改めて説きますが、太子の見識の浅さに失望を感じます。しかし、衝児は長孫大人を慰め、太子が王爷から太子への変化に適応するには時間が必要だと説きます。瑞安(ずいあん)は媚娘が必ず戻ってくると信じ、彼女が好む清潔な状態を保つため、毎日欠かさず掃除をしていました。