第45話あらすじとネタバレ
蕭薔(しょう・ちょう)の復讐と転落
かつて姉妹だった者達からの心無い嘲笑は、蕭薔(しょう・ちょう)の心に深い傷を刻んだ。半狂乱の状態の中、夜中に赤ん坊の泣き声を聞いた蕭薔(しょう・ちょう)は恐怖に駆られ部屋を飛び出した。彼女は武媚娘(ぶ・びじょう)と、偽善に見える徐恵(じ・ょけい)を排除しようと誓う。皇帝への想いが彼女の心を支配し、皇帝から贈られた二つの玉佩を握りしめていた。それは皇帝の愛情に触れられる唯一の証だった。しかし、この夜、蕭薔(しょう・ちょう)は悟る。皇帝の愛情は、この玉佩だけに過ぎなかったのだと。絶望の淵に突き落とされた彼女は、玉佩を池に投げ捨てた。
武媚娘(ぶ・びじょう)の疑念と調査
太子事件の記録を前に、武媚娘(ぶ・びじょう)は深く考え込んでいた。側近に腹黒い人物がいるかもしれないという考えに、彼女は寒気を感じた。皇帝の安全を守るため、媚娘(びじょう)はその人物を突き止めようと決意する。直感は徐恵(じ・ょけい)ではないと告げていたが、念のため瑞安(ずいあん)に事件当日の状況と徐恵(じ・ょけい)の行動を調査するように命じた。
事件の発生と展開
ある日、蕭薔(しょう・ちょう)は徐恵(じ・ょけい)と媚娘(びじょう)を淨初池に誘い、朝露を集めようと提案する。徐恵(じ・ょけい)はこれに警戒心を抱いていた。二人が指定の場所に到著すると、蕭薔(しょう・ちょう)の姿はなかった。実は蕭薔は病気を装い二人を室内におびき寄せ、悲劇を起こそうとしていたのだ。室内で蕭薔はろうそくを倒し、火事を起こして敵と共に心中しようとした。この生死の境で、媚娘(びじょう)は蕭薔を助けようとするが、徐恵(じ・ょけい)は媚娘を火の海から引きずり出した。
王公公は急いで皇帝に報告した。意識を取り戻した媚娘は、徐恵が自分の体で壁から落ちてくる瓦礫を防いでくれたことを知り、深く感謝した。皇帝もこの出来事を知り、徐恵への恩義を感じ、翌日彼女を賢妃に封じることを決めた。
真相究明と皇帝の決断
消防士の調査で、火災は蕭薔が油をまいて故意に起こしたものだと判明した。皇帝は直ちに蕭氏一族を法に従って処罰するように命じた。莫公公によると、皇帝は魏王(ぎおう)を太子にしたいと考えているようだが、魏王(ぎおう)が即位した後、兄弟たちに危害を加えるのではないかと懸念しているという。皇帝は武媚娘(ぶ・びじょう)を寵愛しているものの、最終的に徐恵を賢妃に封じたことは、皇位継承問題について深く考えていることを示している。
李牧の覚悟と媚娘の決意
李牧は両親が惨殺された日の夢を見て目を覚ます。青玄(せいげん)と出会い、かつて青玄(せいげん)が自分を助けた複雑な動機を理解し始めた。青玄(せいげん)は李牧に、媚娘が彼と共に宮廷を去ろうとしたのは、皇帝暗殺を阻止するためだったと告げる。宮廷を離れても、媚娘の心は皇帝を想い続けているのだ。徐恵の救命の恩を受けた媚娘は、自分が徐恵を疑っていたことがいかに愚かだったかを痛感する。この経験を経て、彼女は二度と徐恵を疑わないと誓い、常に彼女のそばにいることを約束した。
第46話あらすじとネタバレ
媚娘(びじょう)は徐恵(じ・ょけい)にずっと側にいると約束し、徐恵(じ・ょけい)は得意げになった。李牧は媚娘(びじょう)が預けた荷物を開けると、枯れた菊の花が入っていた。それはまるで、魏王(ぎおう)は媚娘(びじょう)の身体は手に入れたが、心までは掴めなかったことを象徴しているかのようだった。
一方、魏王(ぎおう)は承乾(しょうけん)の謀仮の罪が許され、黔州へ流刑になったことを知る。承乾(しょうけん)は確かに謀仮を企てたのだ。魏王(ぎおう)はこの機に自ら皇太子に推薦し、多くの理由を挙げた。彼はかねてより東宮に入る野望を抱いていたことを認めつつも、皇帝がなかなか皇太子を決めないのは、兄弟間の争いが繰り返されることを恐れているからだと理解を示した。そして、もし自分が皇太子になったら、歴史の教訓を生かし、即位後は自分の息子を殺し、弟の晋王を皇太子にするという異例の約束をした。しかし皇帝は、行き過ぎた対応は良くないと諭し、魏王(ぎおう)の息子、つまり自分の孫も守るべき大切な家族だと指摘した。魏王(ぎおう)の言葉には深い思惑が隠されていた。
その後、皇帝は長孫無忌(ちょうそんむき)や李勣ら重臣に宮廷へ来るよう命じた。魏王(ぎおう)は皇太子の座は自分のものだと確信していた。皇帝は重臣たちに、魏王が自ら皇太子に立候補し、皇帝になったら自分の息子を殺して晋王を皇太子にするという異例の約束をしたことを明かした。重臣たちは魏王の行動を陰険で偽善的だとみなし、権力への執著が行き過ぎていると判断し、魏王を皇太子にすることに強く仮対した。議論の中で、長孫無忌(ちょうそんむき)は晋王が皇太子にふさわしいと考えた。
勅命が下り、皇帝は魏王に一ヶ月間、朝議への出席を免除し、静養するように命じた。魏王はこの決定を受け入れることができず、失神してしまう。一方、晋王は正式に皇太子に冊封され、自分が皇太子になることで他の皇子たちの安全が守られると信じていた。青玄(せいげん)は晋王に、魏王は皇太子の座を巡り、多くの裏工作をしていたが、それらは全て皇帝に知られていると告げた。もし晋王が魏王のために何かしたいなら、自ら魏王府を訪ねるべきだと進言した。
結局、媚娘(びじょう)の予想通り、魏王は自分の賢さに溺れ、晋王が皇太子になることが決まった。淑妃はこれで呉王(ごおう)の安全が確保されたと安堵し、媚娘(びじょう)は淑妃に、宮廷から無事に脱出できたことへの感謝を伝えた。魏王はなぜ自分が皇太子になれなかったのか理解できずにいた。楚客(そきゃく)は魏王に、長孫無忌(ちょうそんむき)は、自分の息子さえ犠牲にする魏王なら、弟にも同じことをするだろうと考えていると伝えた。
正気を失った魏王は自分の二人の息子を殺そうとするが、晋王が駆けつけ、間一髪で阻止した。晋王は魏王に皇太子争いを諦めるよう説得し、これまでの行いが重臣たちの弾劾を受ければ、承乾(しょうけん)と同じ運命になると警告した。そして、自分が皇太子になったのは魏王と呉王(ごおう)を守り、血なまぐさい争いを避けるためだと強調した。晋王の問いかけに対し、魏王はなぜ自分と争うのか、なぜこんな仕打ちをするのかと理解できない様子で尋ねた。
第47話あらすじとネタバレ
晋王は皇上への謝罪を魏王(ぎおう)に促すため訪れたが、事態は思わぬ方向へ。魏王(ぎおう)は晋王の言葉に耳を貸さず、逆に彼を捕縛し、文学館の面々を連れ、皇上のもとへ向かった。これは明らかに魏王(ぎおう)による逼宮であり、晋王を人質に取ったも同然だ。この一報を聞いた呉王(ごおう)は皇上に伝えようとするが、淑妃に阻まれる。淑妃は隋の遺物を呉王(ごおう)に渡し、方慶挙に会わせるよう指示する。その品を見れば、方慶挙は呉王(ごおう)に従うだろうと考えたのだ。
淑妃は呉王(ごおう)が皇位継承を望んでいることを知りつつも、自らの手で抑えてきた。長年宮中で辛酸を舐めてきた淑妃にとって、これは千載一遇の好機だった。彼女は呉王(ごおう)に挙兵を促し、皇上に拒まれた場合は弑君も厭わず、楊氏の血筋を以て皇位を奪うよう唆す。さらに、混乱に乗じて晋王を殺害し、魏王(ぎおう)に罪を著せることで、自らの復讐を完遂しようと企む。
呉王(ごおう)は淑妃の底知れぬ残酷さに驚愕する。大唐であろうと大隋であろうと、呉王は確かに皇位を望んでいたが、このような卑劣な手段を用いる気は毛頭なかった。彼は皇上を明君として敬っている。淑妃はそれを嘲笑い、李世民(り・せいみん)の行いも彼女の企みと大差ないと主張する。そして、自分は隋の公主であり、元吉の妻で、彼の子を宿していたと明かす。元吉は玄武門の変で命を落としたため、呉王は皇上の実子ではないというのだ。淑妃の悲願は呉王の即位であり、それこそが彼女の復讐となる。
李牧は媚娘(びじょう)に「淑妃謀仮、魏王(ぎおう)を唆し晋王を人質に逼宮、呉王は裏で策応。まるで玄武門の変の再来」と警告する。青玄(せいげん)は魏王(ぎおう)が晋王を捕らえ北宮門に向かっていると媚娘(びじょう)に伝え、呉王が門を開けば淑妃の計画通りになると言う。淑妃は勝ち誇り、もう文徳(ぶんとく)皇后を演じる必要はないと考える。
媚娘(びじょう)は呉王を説得しようとする。「なぜ門は開いている?閉じるべきではないか」と問う媚娘(びじょう)に、呉王は「大事を成すには躊躇は禁物だが、今日は賭けに出る」と答える。媚娘(びじょう)は呉王の言う“大業”とは皇太子、そして皇帝になることだと指摘する。もしそうなら、なぜ自分の命を取らないのかと。呉王の迷いから、媚娘(びじょう)は計画通りに進めば呉王は魏王、晋王、そして皇上までも殺めねばならず、それが黒幕の真の目的だと悟る。媚娘は呉王が今日自分を殺すことはないと確信し、呉王も誰かに止められる必要があると認める。
ついに呉王は北宮門へ行き魏王を阻止し、晋王を救出することを決意する。魏王を宮門の外で食い止めることで、謀仮の罪を問われずに済むようにするためだ。北宮門に著いた魏王は晋王に皇位継承を諦めるよう要求するが、晋王は拒否し、解放して共に皇上に謝罪しようと提案する。しかし、魏王はそれを受け入れなかった。
第48話あらすじとネタバレ
北宮門前で、呉王(ごおう)は魏王(ぎおう)を阻み、承乾(しょうけん)への数々の非道を責め立てました。しかし魏王(ぎおう)は逆に呉王(ごおう)に謀仮の罪を著せようとしました。一方、晋王は李義府を説得して逃れ、呉王(ごおう)のもとへ駆け込みました。楚客(そきゃく)は晋王を再び捕らえようとしますが、城壁の上から媚娘(びじょう)に射殺されます。媚娘(びじょう)は他の兵士たちにも武器を捨てるよう警告し、魏王(ぎおう)もついに呉王(ごおう)に捕らえられました。
この騒動で活躍した劉剣には、皇帝から多大な褒美が約束されました。魏王(ぎおう)が護送中に門客に助けられ腹部に傷を負ったと聞き、皇帝は自ら見舞いに行きます。淑妃は、呉王(ごおう)が自分の忠告を聞かず、媚娘(びじょう)の甘言に乗せられたことを責めます。実際、媚娘(びじょう)は呉王(ごおう)に大きな過ちを犯させないよう尽力していましたが、淑妃にはその真意は理解されません。淑妃は媚娘(びじょう)を不吉な存在、太白妖星、女主武氏の化身だと信じ込んでいました。
淑妃は瑠璃宴で毒扇を使い、邪魔者を排除しようと企んでいましたが、媚娘(びじょう)がその扇を徐恵(じ・ょけい)に譲ったことで計画は失敗に終わります。さらに、媚娘は李牧と合流せず、北宮門へ向かったのです。皇帝から命を助けられ、身分を与えられたにも関わらず、淑妃の心には憎しみが渦巻いていました。李牧が李世民(り・せいみん)の首を取る計画を耳にした淑妃は、まだ負けではないと確信します。この言葉を聞いた媚娘は、慌ててその場を去りました。
淑妃の刺客に襲われた皇帝を、李牧は突如として守り始めます。出自も不明瞭で、仮逆者の末裔であるにも関わらず、李牧は皇帝と共に戦い、駆けつけた侍衛たちによって危機を脱します。皇帝は李牧の罪を赦し、立ち去ることを許しますが、李牧は媚娘を連れて行きたいと申し出ます。これに激怒した皇帝は、李牧を天牢に入れるよう命じます。媚娘が現れ、全ては自分のせいだと訴え、李牧の赦免を乞います。結局、李牧は天牢へと送られました。
皇帝は淑妃を昭陵に礼葬することを決定します。北宮門での呉王の活躍を認め、これまでの優柔不断さを許しました。そして魏王(ぎおう)の行いを鑑み、吉日を選んで晋王を太子に冊封し、結婚相手として王仁佑の娘が長孫大人によって推薦されます。魏王(ぎおう)は均州に左遷され、順陽王となりました。
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