第28話あらすじとネタバレ
靜妃(しずひ)は、靖王(せいおう)が持ち帰った翔地記を見て、その批注が梅長蘇(ばいちょうそ)によるものだと気づきます。靖王(せいおう)が兄と林氏の冤罪を晴らすために尽力していることを知り、靜妃(しずひ)は誇らしげに、奪嫡を実現するためには梅長蘇(ばいちょうそ)のような人材が必要だと靖王(せいおう)に助言します。
靜妃(しずひ)は、梅長蘇(ばいちょうそ)への感謝の気持ちを込めて点心を用意し、靖王(せいおう)に渡します。靖王(せいおう)は点心だけを持って蘇宅を訪れ、蒙摯(もうし)に翔地記を靜妃(しずひ)に預けたことを告げます。蒙摯(もうし)は、靜妃(しずひ)は敏感な内容には気づいていないだろうと梅長蘇(ばいちょうそ)を安心させます。
靖王(せいおう)は翔地記の批注を注意深く読みますが、特に異常は見つかりません。彼は、靜妃(しずひ)がなぜ20年以上前の出来事を思い出し、会ったこともない梅長蘇(ばいちょうそ)のことを口にするのか疑問に思います。
一方、誉王(よおう)は靖王が親王に封じられたことを知り、蘇宅を訪れて梅長蘇(ばいちょうそ)を詰問します。梅長蘇(ばいちょうそ)は、誉王(よおう)の多年にわたる願いが葉うことを示唆し、太子が廃されることをほのめかします。誉王(よおう)は梅長蘇(ばいちょうそ)の真意を理解しますが、納得できません。
靜妃(しずひ)との会話の中で、靖王は蒙摯(もうし)が提案した高湛(こうたん)の取り込みについて触れます。靜妃(しずひ)は、梅長蘇(ばいちょうそ)が靖王を気遣ってこの策を採用しなかったことを理解します。
誉王(よおう)は、靖王が以前のように簡単に騙される相手ではないことを悟ります。梅長蘇(ばいちょうそ)は、童路(とうろ)が約束の時間に現れないことを不審に思います。童路(とうろ)は、負傷した四姐(しじぇ)に絡まれていました。
宮中では、靖王が誉王(よおう)に匹敵する勢力を持つようになり、靜妃(しずひ)の寵愛も高まっているという噂が流れます。皇后は、靜妃(しずひ)がかつての越貴妃(えつきひ)を超えるとは思っていません。誉王(よおう)は、靖王を太子よりも簡単に倒せると考えています。
靖王は、奪嫡の意思を最初に打ち明けたのは列戦英(れつせんえい)だったことを思い出します。梅長蘇(ばいちょうそ)は、時が来れば自然と周囲も気づくので、無理に意思を示す必要はないと助言していました。靖王は、今がその時期だと確信します。
夜遅く、沈求が靖王を訪ねてきて、被災地の視察を任せてほしいと頼みます。誉王が担当すれば、単なる権力闘争ではなく、国の利益に関わる問題になると考えたからです。朝議では、靖王と誉王が被災地の視察を巡って争いますが、梁帝(りょうてい)は過去の経験から、今回も誉王に任せることにします。
第29話あらすじとネタバレ
梅長蘇(ばいちょうそ)は旧病が再発したものの、依然として靖王(せいおう)のことを気にかけていた。靖王(せいおう)が今日訪ねてくる目的を察し、梅長蘇(ばいちょうそ)は慰めるように、震災の救援活動の件はまだ決まったわけではないので、もう二日待ってみるようにと助言した。実は五日前、誉王(よおう)への贈り物を運ぶはずだった輸送隊を、梅長蘇(ばいちょうそ)が撫州(ぶしゅう)で襲撃していたのだ。その贈り物は岳州(がくしゅう)の知事が用意したものだった。この話を聞いた靖王(せいおう)は激しく動揺した。岳州は最も被害が深刻で、餓死者も出ているという噂があるにもかかわらず、知事は民衆から搾り取った金で誉王(よおう)に五千両もの贈り物をしていたのだ。靖王(せいおう)は梅長蘇(ばいちょうそ)にこのことを梁帝(りょうてい)に上奏すべきかどうか尋ねたが、梅長蘇(ばいちょうそ)は反対した。梁帝(りょうてい)は誉王(よおう)らが賄賂を受け取る行為を大抵見て見ぬふりをするからだ。しかし、皇権の他に、民心と世論で誉王(よおう)を牽制することができる。梅長蘇(ばいちょうそ)は既に手配済みで、二日のうちにこの醜聞は岳州中の街角に広まるだろう。梁帝(りょうてい)にとって五千両は大した額ではないが、飢えに苦しむ民衆にとっては命に関わる金額なのだ。
知らせを聞いた梁帝(りょうてい)は案の定、誉王(よおう)に激怒し、厳しく叱責した。このため、誉王(よおう)に震災救援を続けさせるのはもはや適切ではなくなった。年末が迫っていたため、梁帝(りょうてい)は大ごとにしたくなく、誉王(よおう)に大人しくしているように警告するにとどめた。そうでなければ、今回のように寛容にはしない、と。その後、梁帝(りょうてい)は靖王(せいおう)を召集した。靖王(せいおう)は震災救援での活躍が広く称賛されていた。般弱(はんじゃく)は誉王(よおう)に、このような状況を本当に我慢できるのかと尋ねた。誉王(よおう)は内心、到底受け入れがたいと思っていたが、不満を抱いてもどうすることもできない。これほど大規模な救援活動において、靖王(せいおう)が全く関与しないことなどあり得ないのだ。般弱は誉王(よおう)に反撃を提案したが、今の朝廷六部には誉王(よおう)を支持する者はほとんどいない。靖王(せいおう)の朝廷での地位はますます盤石なものになっており、般弱は靖王(せいおう)が麒麟の才子、梅長蘇(ばいちょうそ)の助けを得ていることを確信していた。梅長蘇(ばいちょうそ)がいなければ、靖王(せいおう)がここまで成功を収めることは不可能だっただろう。
靖王(せいおう)と靜妃(しずひ)(せいひ)は最近、皇帝の寵愛を受けており、誉王(よおう)はこの母子を甘く見ていたことに気づいた。般弱は靖王(せいおう)が都に戻れば、梁帝(りょうてい)が彼に昇進を与える可能性が高いことを知っており、誉王(よおう)に梅長蘇(ばいちょうそ)と靖王(せいおう)への対策を検討するように勧めた。誉王は靖王が表向きには派閥を作っていないものの、実際には多くの廷臣が彼を支持していることを理解していた。誉王はまず靖王の勢力を削ぐことに決めた。梅長蘇(ばいちょうそ)が麒麟の才子であっても、主君の支持を失えば何もできないからだ。彼は梁帝(りょうてい)と靖王の間の過去の事件を利用して靖王を攻撃しようと考えた。梅長蘇(ばいちょうそ)もどうやらこの事件に関係しているらしい。靖王が都にいない今、誉王はこの計画を綿密に練るつもりだった。しかし、過去の事件は梁帝(りょうてい)の禁忌であるため、軽々しく持ち出すことはできず、適切な機会を待つ必要がある。そこで般弱は誉王にうってつけの協力者、夏江(かこう)を見つけた。
夏江(かこう)は長公主(ちょうこうしゅ)が錦囊(きんのう)を握っている限り、決して安心できないことをよく知っていた。しかし、彼は長公主の人間であるため、夏秋(か しゅう)に行動にはくれぐれも慎重にするように命じた。懸鏡司(けんきょうし)は原則として党争に関与しないが、般弱は誉王が即位しようと太子が即位しようと、夏江(かこう)にとって有利にはならないことを理解していた。それどころか、夏江(かこう)は靖王の存在を決して許さないだろう。だからこそ、般弱は誉王を助けることができたのだ。内廷司(ないていし)の黄主司(こうしゅし)は靜妃(しずひ)が菓子作りを好むことを知っており、新鮮な乾燥果実を献上した。しかし、最近靜妃(しずひ)はヘーゼルナッツを使って菓子を作っていなかった。靜妃(しずひ)から届けられた菓子の中にヘーゼルナッツの菓子がないのを見た梅長蘇(ばいちょうそ)は、靜妃(しずひ)が自分の正体に気づいたのではないかと考えた。梅長蘇(ばいちょうそ)はヘーゼルナッツを食べることができないが、靖王はヘーゼルナッツの菓子が好物なのだ。これは靜妃(しずひ)が梅長蘇(ばいちょうそ)の秘密を守るための方法なのかもしれない。
童路(とうろ)は十三叔(じゅうさんしゅ)に新しい隣人の身元調査が終わったかどうか尋ねた。その隣人こそ四姐(しじぇ)だった。彼女は特に怪しい様子はないが、十三叔は童路(とうろ)に隣人とあまり関わらないように忠告した。
第30話あらすじとネタバレ
梅長蘇(ばいちょうそ)は言侯(げんこう)を訪ね、靖王(せいおう)と誉王(よおう)の争いが激化していることを伝える。 自分は祁王(きおう)の人間ではなく、皇長子を敬仰する若者だと説明し、靖王(せいおう)を支持してほしいと頼む。
童路(とうろ)が到著し、2つの重要な情報を報告する。 1つは謝玉(しゃぎょく)が流刑になったこと、もう1つは夏冬(かとう) が嘉興関で旧事件を調査している際に魏奇が急死したことだ。 夏江(かこう)は夏冬(かとう) に事件の真相を暴かれることを恐れている。 梅長蘇(ばいちょうそ)は夏冬(かとう) への支援を強化するよう指示する。
童路(とうろ)が急いで去った後、甄平(しんへい)は彼の様子がおかしいことに気づく。 梅長蘇(ばいちょうそ)は甄平(しんへい)の観察眼を信頼し、十三叔に童路(とうろ)の監視を命じる。 童路(とうろ)は隣家の四姐(しじぇ)に惹かれ、結婚を控えていることが判明する。
一方、夏江(かこう)は夏冬(かとう) の動きを監視し、京に戻ったらすぐに報告するよう命じる。 謝玉(しゃぎょく)が流刑になった直後、長公主に異変が起こる。 梁帝(りょうてい)は誰かが意図的に動いていると気づき、長公主への行動は控えるものの、屋敷の監視を強化する。
夏江(かこう)と誉王(よおう)は手を組み、13年前の事件を再現することはできないものの、靖王(せいおう)を混乱させることに成功する。 夏江(かこう)は梅長蘇(ばいちょうそ)の副官の一人である衛崢(えいそう)が生きており、薬王穀に潜伏している可能性を指摘する。 誉王(よおう)は衛崢(えいそう)を捕らえる計画を立て、夏江(かこう)は数日以内に捕獲できると予想する。
梅長蘇(ばいちょうそ)は寒疾が再発し、晏大夫(あんたいふ)は誰にも面会させないように命じる。
夏江(かこう)は衛崢(えいそう)を誘い出す計画を綿密に立てる。 誉王(よおう)は衛崢(えいそう)が靖王(せいおう)に庇護されていると偽の供述書を作成することを提案する。 誉王(よおう)は靖王(せいおう)が衛崢(えいそう)を支援しているのではないかと疑うが、夏江は靖王(せいおう)は衛崢(えいそう)が生きていることを知らないと確信している。 しかし、夏江は靖王が衛崢(えいそう)の逮捕を知れば、性格上助けようとするだろうと考えている。
最近、梁帝(りょうてい)は不眠症に悩まされている。 靜妃(しずひ)は安眠香を用意し、梁帝(りょうてい)に献上する。 梁帝(りょうてい)は皇后が靜妃(しずひ)に冷たく接していることを理解しているが、靜妃(しずひ)の寛容さを称賛し、困ったことがあれば相談するように伝える。 靜妃(しずひ)は感謝の意を表し、宸妃(しんひ)の夢を見たことを梁帝(りょうてい)に話す。
衛崢(えいそう)は小さな存在だが、梅長蘇(ばいちょうそ)は靖王が簡単に危険を冒すことはないことを知っている。 夏江は靖王の気持ちを誤解し、梅長蘇(ばいちょうそ)の知恵と策略を見くびっている。 現在の靖王が朝堂で優位に立っているのは、梅長蘇(ばいちょうそ)の指導のおかげだ。 靖王が梅長蘇(ばいちょうそ)の助言に従わなければ、愚かな選択をすることはないだろう。
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