第40話あらすじとネタバレ
誉王(よおう)は十年もの間太子と争い、ようやく勝利を収めたものの、今は敗北し、帝位を手に入れる機会を永遠に失ったかもしれない。沈追(しんつい)は蔡荃(さいせん)の不満を理解していた。蔡荃(さいせん)は梁帝(りょうてい)が誉王(よおう)を責め続け、罰を受けると予想していたが、誉王(よおう)は数回の弁解の後、梁帝(りょうてい)に許されてしまったのだ。それでも、沈追(しんつい)は蔡荃(さいせん)にあまり悲観的にならないよう慰めた。靖王(せいおう)という頼りになる存在がいるからだ。
梁帝(りょうてい)は芷萝宮を訪れ、靜妃(しずひ)を慰めた。靖王(せいおう)は無事であり、受けた屈辱は償うと約束した。靜妃(しずひ)は靖王(せいおう)の福分は限られていることを理解しており、梁帝(りょうてい)に過度の寵愛は不測の事態を招く恐れがあるため、控えるよう進言した。梁帝(りょうてい)は靜妃(しずひ)の懸念を理解し、懸鏡司の大胆な行動に驚き、靖王(せいおう)を無実の罪に陥れたことに対しても意外な様子だった。蘇哲(そてつ)、つまり梅長蘇(ばいちょうそ)について尋ねられた梁帝(りょうてい)は、靖王(せいおう)と梅長蘇(ばいちょうそ)の交流は避けられないと考えていたが、夏江(かこう)は靖王(せいおう)と梅長蘇(ばいちょうそ)が共謀していると疑っていた。梅長蘇(ばいちょうそ)が懸鏡司で不当な苦しみを受けたことを鑑み、梁帝(りょうてい)は彼を慰撫するつもりであり、梅長蘇(ばいちょうそ)は識見のある人物であると認識し、靖王(せいおう)に彼に教えを請うよう命じた。また、梁帝(りょうてい)は靜妃(しずひ)に、靖王(せいおう)は単に仕事をこなすだけの王でいたいのかと尋ねた。
蒙摯(もうし)は地牢で夏冬(かとう) を見舞った。夏冬(かとう) の師匠である夏江(かこう)は、彼女を駒として利用していた。蒙摯(もうし)は夏冬(かとう) に聶鋒(じょうほう)のために立ち直るよう励まし、夏江(かこう)の罪を気にする必要はないと諭した。梁帝(りょうてい)は靜妃(しずひ)を慰め、靖王(せいおう)に野心があるのではないかと疑っているわけではないと述べ、むしろ派閥を作らず私利私欲に走らない靖王(せいおう)の態度を高く評価した。今回の靖王(せいおう)陥れ事件を受けて、梁帝(りょうてい)は靖王(せいおう)の側に信頼できる人物が必要だと考えた。靖王と靜妃(しずひ)はそれぞれ幽閉されて久しく、梁帝(りょうてい)は靜妃(しずひ)に、靖王が次回宮中に入る際に彼を慰めてくれるよう頼んだ。宮中で梅長蘇(ばいちょうそ)に謁見するのはふさわしくないため、梁帝(りょうてい)は三月に行われる春猟に靖王を連れて行くことを決め、もちろん靜妃(しずひ)も連れて行く予定である。
夏冬(かとう) は蒙摯(もうし)に、梅長蘇(ばいちょうそ)体内の烏金丸の毒が解けたかどうかを尋ね、蒙摯(もうし)を緊張させた。小新(しょうしん)は靜妃(しずひ)に自分の供述を復唱し、靜妃(しずひ)はそれを靖王に伝えた。梅長蘇(ばいちょうそ)はここ数日体調が悪化しており、晏大夫(あんたいふ)が鍼治療を行う予定で、甄平(しんへい)和黎舵主(れいだしゅ)にいつも暗い顔をしているのはやめるよう注意した。小新(しょうしん)が夏江(かこう)の手下だと知った靖王は激怒し、小新(しょうしん)は梅長蘇(ばいちょうそ)になりすまして靜妃(しずひ)を陥れたのは夏江(かこう)が仕組んだことだと明かした。靖王は梅長蘇(ばいちょうそ)に対して偏見を持っているものの、内心では重要な謀士として認めており、蘇宅に謝罪に行くことを決意した。
蒙摯(もうし)は懸鏡司に解毒剤を探しに行ったが、見つからなかった。靖王が蘇宅に到著すると、梅長蘇(ばいちょうそ)の病状が重篤であることが判明し、その直後に蒙摯(もうし)が駆けつけた。そこで、梅長蘇(ばいちょうそ)が懸鏡司の猛毒である烏金丸を飲んでいたことが明らかになった。靖王は夏江(かこう)に解毒剤のありかを尋ねることにした。般弱は天牢を訪れ、夏江(かこう)に今後の行動を尋ねた。誉王(よおう)がまだ外にいる限り、夏江(かこう)は彼を救い出す機会がある。特に、もうすぐ春猟が行われる。靖王と蒙摯(もうし)が天牢に到著すると、般弱はすぐに立ち去った。晏大夫(あんたいふ)は滴血検査を行い、梅長蘇(ばいちょうそ)体内の元々あった火寒の毒は天下の奇毒であり、烏金丸が体内に侵入した後は徐々に吸収され、もはや脅威ではないと告げた。この知らせに、一同は安堵した。
毒性が解けたとしても、靜妃(しずひ)は梅長蘇(ばいちょうそ)の身体に影響が残ることを知っており、靖王に梅長蘇(ばいちょうそ)を頻繁に見舞うよう特に頼んだ。靖王はかつて梅長蘇(ばいちょうそ)に言った言葉を思い出し、後悔の念に駆られ、蘇宅を訪れることにした。衛崢(えいそう)の件について話し合った際、靜妃(しずひ)は当時は助けなかったことが正しかったと指摘したが、最終的には救出に成功した。衛崢(えいそう)のことを聞くと、梅長蘇(ばいちょうそ)のことを思い出すのは当然である。靖王は梅長蘇(ばいちょうそ)がこのように忽然と姿を消したことを信じられず、東海の際に梅長蘇(ばいちょうそ)に鳩の卵ほどの真珠を持ち帰るように頼まれたことを覚えている。真珠を持って帰ってきたとき、梅長蘇(ばいちょうそ)はいなくなっていたのだ。靜妃(しずひ)は靖王を慰め、梅長蘇(ばいちょうそ)は今でも彼らの心の中に生きていると信じてほしいと願った。
第41話あらすじとネタバレ
晏大夫(あんたいふ)の献身的な治療により、梅長蘇(ばいちょうそ)の体調は著しく改善された。しかし、童路(とうろ)の行方は依然わからず、甄平(しんへい)は彼の行方を突き止めるよう命じられた。
ある日、正陽宮で事件が起こった。皇后は靜妃(しずひ)を公の場で侮辱し、医女の出である彼女が仏経を写経する資格はないと責めた。梁帝(りょうてい)はこれを聞き、靜妃(しずひ)を守るために皇后を叱責することを決めた。廃太子はすでに献王に改立され、京城を去っている。また、越貴妃(えつきひ)は依然高い地位にいるのは不適切であるため、梁帝(りょうてい)は利害を考慮した結果、越貴妃(えつきひ)を賢妃(けんひ)に降格させた。靜妃(しずひ)は太子の廃位について疑問を抱き、なぜ貴妃の地位もそれに伴って調整されなければならないのか理解できなかった。
恵妃(けいひ)が皇后から嫌がらせを受けているという話を聞いた梁帝(りょうてい)は、恵妃(けいひ)の息子である寧王景亭が靖王(せいおう)よりも懸鏡司事件の審理に適していると判断し、景亭に事件を任せることにした。蒙摯(もうし)は夏江(かこう)に皇帝が提出された供述書に不満を持っていることを伝えた。夏江(かこう)は、梁帝(りょうてい)が蒙摯(もうし)も靖王(せいおう)のために働いていることを知ったらどうなるか警告した。しかし、蒙摯(もうし)はそれを心配していなかった。なぜなら、夏江(かこう)が供述書の中で梅長蘇(ばいちょうそ)と靖王(せいおう)の共謀を告発しても、梁帝(りょうてい)はそれを重視せず、今はもう夏江(かこう)に関する話を聞きたくないと思っているからだ。逆に、夏江(かこう)は蒙摯(もうし)から梅長蘇(ばいちょうそ)の烏金の毒が解毒されたことを知り、信じられない様子だった。
梁帝(りょうてい)は詔勅を出し、朱樾(しゅえつ)の官職と爵位を剝奪した。梅長蘇(ばいちょうそ)は靖王(せいおう)との関係が原因で不安に感じていたが、梁帝は靖王(せいおう)に梅長蘇(ばいちょうそ)を見舞うように命じ、梅長蘇(ばいちょうそ)に教えを請うように勧めた。靖王(せいおう)は沈追(しんつい)と蔡荃(さいせん)を一緒に連れていくことを提案し、梁帝は靖王が自分の意図を完全に理解していないことに気づきながらも、彼の提案を認めた。誉王(よおう)は双珠親王に降格され、3ヶ月の謹慎を命じられた。越貴妃(えつきひ)は二品賢妃(けんひ)に降格し、靜妃(しずひ)は貴妃に昇格した。
靖王は偶然穆青(ぼくせい)に出会い、彼は梅長蘇(ばいちょうそ)を訪れたばかりだった。靖王は何度も衛峥(えいせい)が穆王府にいるかどうかを聞こうとしたが、穆青(ぼくせい)は彼に口を開かせる機会を与えなかった。
梅長蘇(ばいちょうそ)は飛流(ひりゅう)と蒙摯(もうし)がじゃれ合っている様子を眺めていた。晏大夫(あんたいふ)は彼に時間通りに薬を飲むように促した。靖王は沈追(しんつい)と蔡荃(さいせん)を連れて蘇宅を訪れた。梅長蘇(ばいちょうそ)は、靖王が将来の大業の成功のために自分の地位を固めようとしていることを理解していた。なぜなら、彼はこの2人が将来の重要な支柱になると知っているからだ。
誉王(よおう)は降格された後、落ち込んでいた。般若は彼を元気づけるように説得し、春の狩猟が仮撃の好機であると指摘したが、誉王(よおう)は依然として気分が沈んでいた。
18人の副中正の選出は蔡荃(さいせん)を基準とすることになり、中正官の人選には梅長蘇(ばいちょうそ)は程知忌を推薦した。彼は高齢ではあるが、この職務を十分に果たすことができる。
般若は密かに牢獄に入り、夏江(かこう)に誉王(よおう)が闘争を諦めるつもりであることを告げた。誉王(よおう)が諦めたとしても、夏江はこれで終わらせるつもりはなかった。璇璣(せんき)公主が般若に錦囊を残していることを知り、夏江は般若にすぐに中身を確認するよう促した。
第42話あらすじとネタバレ
錦囊に隠された衝撃の事実
錦囊には玲瓏(れいろう)公主ではなく、譽王に宛てた璇璣(せんき)公主の手紙が入っていた。般若は譽王に衝撃の事実を告げる。譽王は単なる個人の野心だけでなく、滑族(かつぞく)の期待を背負っているのだ。滑族(かつぞく)は誉王(よおう)に大きな期待を寄せていた。
梁帝(りょうてい)の不安と誉王(よおう)の決意
朝臣の中には、誉王(よおう)への処分が軽すぎるとする声があがる。梁帝(りょうてい)は高湛(こうたん)にその真偽を問う。梁帝(りょうてい)が最も恐れているのは、譽王がその生母、祥嬪のように頑固になることだった。祥嬪の真の身分は梁帝(りょうてい)と高湛(こうたん)だけが知っている秘密である。当初、誉王(よおう)は太子を牽製するために立てられた存在だったが、もし誉王(よおう)が太子を超えることができれば、天下を託すに足る選択肢となるのではないかと梁帝(りょうてい)は考える。しかし、誉王(よおう)の最近の行動を見て、梁帝(りょうてい)は天下を託すことに不安を抱く。
手紙を読んだ譽王は、生母の真の身分を知り、梁帝(りょうてい)の態度がなぜ変わっていたのかを理解する。彼は自分が決して皇位継承者にはなれず、太子を牽製するための駒に過ぎなかったことを悟る。譽王は、梁帝(りょうてい)が皇位に就くことができたように、自分にもそれができると考える。そして、般若に夏江(かこう)に三月春猎の計画を伝えるように指示する。
梅長蘇(ばいちょうそ)の計画と赤焰軍(せきえんぐん)の真実
梅長蘇(ばいちょうそ)は穆青(ぼくせい)に、府に滞在している衛崢(えいそう)に口伝を託す。今日、梅長蘇(ばいちょうそ)は衛崢(えいそう)を迎え入れる予定だった。梅長蘇(ばいちょうそ)は衛崢(えいそう)に、靖王(せいおう)が訪ねてくることと、靖王(せいおう)に自分の正体を悟られないようにすることを伝える。
靖王(せいおう)は梅嶺の戦いで生き残った者がいるのかという疑問に囚われていた。謝玉(しゃぎょく)と夏江(かこう)の率いる10万の兵で、赤焰軍(せきえんぐん)を全滅させることができるはずがないと考える。靜妃(しずひ)は夜も眠れず、宸妃(しんひ)の肖像に向かって祈る。靜妃(しずひ)は、靖王(せいおう)が真実を知った時、そして小殊がどんな経験をしたのかを知りたがっていた。赤焰軍(せきえんぐん)はかつて大渝の20万の兵を撃退し、北の防衛線を維持していた。しかし、靖王(せいおう)は帝都金陵の梁帝(りょうてい)が、謝玉(しゃぎょく)と夏江(かこう)からの密報と赤焰軍(せきえんぐん)に対する長年の猜疑心だけで、この功績ある軍隊を滅ぼしたことを知らなかった。
赤焰軍(せきえんぐん)は聶鋒(じょうほう)の到著を待っていたが、代わりに謝玉(しゃぎょく)率いる10万の兵が攻めてきた。友軍の裏切りによって、赤焰軍(せきえんぐん)は全滅し、戦場の凄惨な様子は想像を絶するものであった。この知らせを聞いた靖王(せいおう)は、友である小殊が二度と戻れないことを知り、怒りと悲しみに暮れた。13年の時が経ち、靖王(せいおう)は赤焰軍(せきえんぐん)の名誉を回復したいと強く願っていた。しかし、これは皇帝が裁定した重大事件であり、関係者が多く、覆すのは容易なことではなかった。梅長蘇(ばいちょうそ)は靖王(せいおう)に、今は悲しみを抑えて、長期的な計画を立てるべきだと助言する。靖王(せいおう)の目標が揺るぎない限り、いつかは実現するだろうと梅長蘇(ばいちょうそ)は言う。もし靖王(せいおう)が最終的に赤焰軍(せきえんぐん)の名誉を回復したいのであれば、今は再審を求めるべきではないと梅長蘇(ばいちょうそ)は提案する。靖王(せいおう)も、最終目標は赤焰軍(せきえんぐん)の名誉回復であり、他のことは後回しにしても良いと梅長蘇(ばいちょうそ)に同意する。
四姐(しじぇ)の企みと靜妃(しずひ)の焦燥
四姐(しじぇ)は童路(とうろ)を解放するふりをして一緒に逃げようと企み、童路(とうろ)に二度と江左盟に戻らないように警告する。梅長蘇(ばいちょうそ)は懸鏡司で毒に侵されて死んだと告げる。童路(とうろ)は信じようとしない。梅長蘇(ばいちょうそ)は火寒毒を克服したのだから、死んだはずがないと考える。そこに般若が現れ、四姐(しじぇ)の裏切りを暴露する。
春猟には、靖王(せいおう)、梅長蘇(ばいちょうそ)、靜妃(しずひ)が梁帝(りょうてい)と共に同行する。梁帝(りょうてい)は靖王が最近何かを悩んでいることに気づく。
一行が目的地に到著し、準備が整うと、靜妃(しずひ)は靖王に梅長蘇(ばいちょうそ)を連れてくるように頼む。靜妃(しずひ)は梅長蘇(ばいちょうそ)を待っている間、非常に焦っていた。靖王が梅長蘇(ばいちょうそ)を連れてくると、靜妃(しずひ)は梅長蘇(ばいちょうそ)を見て驚愕する。梅長蘇(ばいちょうそ)が寒がりであることを知っていた靜妃(しずひ)は、炭火を増やすように指示し、生姜湯を用意して温めてあげる。靖王は、靜妃(しずひ)がなぜ梅長蘇(ばいちょうそ)をそんなに気遣うのか理解できない。靜妃(しずひ)は茶をこぼすことで、梅長蘇(ばいちょうそ)の手にある痣を確認しようとするが、結果は失望に終わった。
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