第13話あらすじとネタバレ
王小石(しょうせき)は関七(かんしち)を連れ、小曹門街で麺を食べさせ、六分半(ろくぶはん)堂の縄張りから出たことを告げた。その後、関七(かんしち)は二人の友人に会いたいと言い、王小石(しょうせき)に道案内を頼んだ。しかし、彼らが去って間もなく、狄飛驚(てきひきょう)が駆けつけたが、二人には会えなかった。狄飛驚(てきひきょう)はこのことを雷損(らいそん)に報告し、雷損(らいそん)は関七(かんしち)を逃がしたのは蘇夢枕(そむちん)の考えだと確信し、翌日尚書府へ行くことに決めた。
友人を探す途中、王小石(しょうせき)は関七(かんしち)を背負い、なぜ雷損(らいそん)に囚われていたのか尋ねた。関七(かんしち)は、かつて雷損(らいそん)が傅宗書(ふそうしょ)と共謀して自分を井戸の底に閉じ込めたことを語り、今こそ彼らに復讐する決意だと明かした。関七(かんしち)は森の中の草屋、顔鶴髪(がんかくはつ)の住処へと辿り著いた。そして、驚愕すべきことに、王小石(しょうせき)の目の前で顔鶴髪(がんかくはつ)の妻子を殺害した。怒りに燃えた王小石(しょうせき)は刀を手に取り関七(かんしち)に斬りかかったが、全く歯が立たなかった。二人を殺した後、いくらか気が済んだ様子の関七(かんしち)は、顔鶴髪(がんかくはつ)への復讐へと向かった。
関七(かんしち)の脱獄を知った傅宗書(ふそうしょ)は、雷損(らいそん)に激怒し、なぜあの時関七(かんしち)を始末しなかったのかと責め立てた。雷損(らいそん)は、関七(かんしち)が妻の弟であったため情けをかけ、井戸の底に閉じ込めただけだったと釈明した。そして昨晩、金風細雨(きんぷうさいう)楼の人間が関七(かんしち)を救出したと告げ、傅宗書(ふそうしょ)に身を隠すよう勧めた。関七の殺戮を目撃した王小石(しょうせき)は深く後悔し、自ら関七を殺そうとさえ考えた。顔鶴髪(がんかくはつ)は王小石(しょうせき)を製止し、関七のような相手には誰も生き残る術はないと諭した。
蘇夢枕(そむちん)は雷損(らいそん)の人間性を知り抜いており、王小石(しょうせき)が故意であろうとなかろうと、関七を逃がした責任は最終的に自分たちに押し付けられると悟っていた。白愁飛(はくしゅうひ) は、雷損(らいそん)が既に濡れ衣を著せてきた以上、仮撃すべきだと主張した。そこで蘇夢枕(そむちん)は狄飛驚(てきひきょう)と会い、昨晩現れたのが確かに関七であることを確認した。関七は危険な殺人鬼であるため、蘇夢枕(そむちん)は両派で協力して対処することを提案した。
関七は王小石(しょうせき)と顔鶴髪(がんかくはつ)に鉄の鎖を繋ぎ、顔鶴髪(がんかくはつ)に自分の刀を探すよう命じた。関七は王小石(しょうせき)に、顔鶴髪(がんかくはつ)の家族を殺したのは、かつて顔鶴髪(がんかくはつ)が傅宗書(ふそうしょ)と雷損(らいそん)に自分の居場所を密告した裏切り者だったからだと語った。森の中で、顔鶴髪(がんかくはつ)は関七の刀を掘り出したが、抵抗も虚しく関七に殺された。王小石(しょうせき)は関七にこれ以上の殺戮をやめるよう説得し、傅宗書(ふそうしょ)への復讐を助けることを申し出た。しかし、関七は王小石(しょうせき)を助けに来た者たちをも殺害し、王小石(しょうせき)は自らの手で関七の命を絶つことを誓った。
白愁飛(はくしゅうひ) はわざと捕まり、雷損(らいそん)と姻戚関係にあることから、雷損(らいそん)に命じられて関七を助けに行ったのだと嘘をつき、両者の仲を裂こうとした。任労(じんろう)と任怨(じんえん)は白愁飛(はくしゅうひ) の妄言を叱責し、関七は刑部大牢に囚われていなかったと指摘した。白愁飛(はくしゅうひ) はこの点を逆手に取り、任労(じんろう)と任怨(じんえん)に自分たちが騙されていたことに気付かせた。激怒した雷損(らいそん)は白愁飛(はくしゅうひ) を処刑しようとしたが、その時雷純(らいじゅん)が現れ、命乞いを した。愛する人の登場に白愁飛(はくしゅうひ) は驚き、雷純(らいじゅん)の本当の身分を知ることとなった。
狄飛驚(てきひきょう)もまた雷損に軽挙妄動を慎むよう進言し、関七を捕らえるためには蘇夢枕(そむちん)と協力すべきだと説いた。この時白愁飛(はくしゅうひ) を殺せば、同盟の可能性は潰える。狄飛驚(てきひきょう)が雷損の決定に仮対するのは初めてのことだったが、白愁飛(はくしゅうひ) という男は機知に富み、蘇夢枕(そむちん)の信頼も厚いだけに、生かしておくのは損失だと考えていた。しかし、誅心は直接殺すよりも効果的だと判断した。狄飛驚(てきひきょう)は白愁飛(はくしゅうひ) と雷純(らいじゅん)の友情は本物だと信じていたが、雷損は若い者たちの交際に口出しはしないものの、いつか蘇夢枕(そむちん)がこれを問題視する日が来ることを予見していた。
翌朝、溫柔(おんじゅう)は王小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ) を探しに来たが、二人は楼にいなかった。溫柔(おんじゅう)は方応看(ほうおうかん)に二人の行方を尋ねると、方応看(ほうおうかん)は彼女をからかい、どこかへ一緒に行こうと誘った。怒った溫柔(おんじゅう)は方応看(ほうおうかん)を平手打ちした。方応看(ほうおうかん)は条件として、溫柔(おんじゅう)に相撲勝負を持ちかけ、勝てば情報を教えると言った。
王小石(しょうせき)の消息を得るため、溫柔(おんじゅう)は方応看(ほうおうかん)の提案を受け入れた。最初は何度も投げ飛ばされたが、王小石(しょうせき)のことを思い出し、力を振り絞り、ついに相手を土俵の外へ投げ飛ばした。勝利した溫柔(おんじゅう)は方応看(ほうおうかん)に王小石(しょうせき)のことを問い詰めると、方応看(ほうおうかん)は刑部へ行けば王小石(しょうせき)に会えるかもしれないと告げた。溫柔(おんじゅう)は方応看(ほうおうかん)の人生はまるで人形のように哀れだと吐き捨て、方応看(ほうおうかん)は深く傷ついた。
関七は王小石(しょうせき)の入った棺桶を引きずり、傅宗書(ふそうしょ)の屋敷の門を叩き壊した。王小石(しょうせき)の体には爆薬が仕掛けられており、いつでも爆発する可能性があったが、彼は素早く水甕に飛び込み、爆薬の火を消した。関七は屋敷に侵入し、傅宗書(ふそうしょ)は恐怖のあまり隠れていた。
第14話あらすじとネタバレ
尚書府に侵入した関七(かんしち)は、無数の役人を斬り捨て、ついに蔵書閣で傅宗書(ふそうしょ)を見つけ出しました。八年もの歳月が流れても、関七(かんしち)の憎しみは消えることなく、傅宗書(ふそうしょ)に過去の罪の代償を払わせようと決意していました。しかし、まさに傅宗書(ふそうしょ)の生死が決まるその瞬間、王小石(しょうせき)が突然現れ、傅宗書(ふそうしょ)を救い出し、この男は本当の傅宗書(ふそうしょ)ではないと主張します。王小石(しょうせき)は関七(かんしち)に無益な殺戮を止めるよう説得を試みますが、関七(かんしち)は王小石(しょうせき)の介入に激怒し、邪魔をするなら一緒に殺すと脅します。
混乱に乗じて傅宗書(ふそうしょ)は逃亡に成功します。外の侍衛たちの叫び声を聞き、関七(かんしち)は自分が王小石(しょうせき)に騙されていたことに気づき、怒り狂い、今すぐにでも王小石(しょうせき)を殺したい衝動に駆られます。関七(かんしち)の怒りに対し、王小石(しょうせき)は道連れにする覚悟を示し、自身の爆薬の導火線に火をつけ、関七(かんしち)を尚書府から逃走させます。その後、狄飛驚(てきひきょう)が現れ、王小石(しょうせき)を救い出し、彼の無謀な性格でよく今まで京で生きてこられたものだと呆れます。
負傷した王小石(しょうせき)はよろめきながら京の街を歩いていると、偶然溫柔(おんじゅう)に出会います。重傷を負った王小石(しょうせき)の姿を見た溫柔(おんじゅう)は心を痛め、苦労して彼を金風細雨(きんぷうさいう)楼まで背負って帰り、医者を呼んで治療を受けさせます。
九死に一生を得た傅宗書(ふそうしょ)は狄飛驚(てきひきょう)に激怒し、関七(かんしち)の侵入を阻止できなかったこと、そして王小石(しょうせき)を勝手に釈放したことを責め立てます。狄飛驚(てきひきょう)は傅宗書(ふそうしょ)に冷静になるよう諭し、王小石(しょうせき)を捕らえるには一通の文書で済むこと、今は関七(かんしち)の問題を解決することが最優先だと指摘します。そのために紅袖刀の助けが必要であり、蘇夢枕(そむちん)が傅宗書(ふそうしょ)に説明するだろうと告げます。
溫柔(おんじゅう)は、自分も疲れて隣で眠ってしまうまで、傷ついた王小石(しょうせき)を献身的に看病します。目を覚ました王小石(しょうせき)は、溫柔(おんじゅう)の顔に傷があるのを見て心を痛めます。溫柔(おんじゅう)は、王小石(しょうせき)の消息を知るために方応看(ほうおうかん)との相撲試合を引き受けた結果だと説明します。王小石(しょうせき)は方応看(ほうおうかん)から取り戻した香囊を溫柔(おんじゅう)に返し、さらに玉佩を贈ります。二人は玉佩の模様が二人の関係を表していると感じます。
王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)を強く抱きしめ、二度と音信不通で姿を消さないと約束します。その時、白愁飛(はくしゅうひ) と蘇夢枕(そむちん)がやって来ます。恥ずかしさのあまり、溫柔(おんじゅう)はすぐに隠れてしまいます。二人の友人は交代で王小石(しょうせき)を抱きしめ、それを見た溫柔(おんじゅう)は走り去り、白愁飛(はくしゅうひ) は王小石(しょうせき)も大人になったものだとからかいます。
王小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ) が蘇夢枕(そむちん)と共に客人を迎えると、なんと方応看(ほうおうかん)が現れます。王小石(しょうせき)は、方応看(ほうおうかん)が自分を陥れて関七(かんしち)を逃がしたのだと考え、強い不満を抱きます。方応看(ほうおうかん)は誤解だと弁解し、血河神剣は義父の方歌吟(ほうかぎん)から受け継いだもので、屋敷の正堂に飾ってあり、自分は武術の心得はないと説明します。
蘇夢枕(そむちん)は方応看(ほうおうかん)に関七(かんしち)を逃がした理由を尋ねます。方応看(ほうおうかん)は、義父がかつて陥れられて行方不明になり、自分が爵位を継いでからも圧力を受けて、堕落した生活を送るしかなかったのだと説明します。雷損(らいそん)と傅宗書(ふそうしょ)が権力の核心であり、自分は無力なので、関七(かんしち)を利用して現状を混乱させるしかないと語ります。そして金風細雨(きんぷうさいう)楼に有橋集団と戦うための同盟を提案し、もし彼らを倒すことができれば、六分半(ろくぶはん)堂は後ろ盾を失い、これからの三十年の江湖の動向は金風細雨(きんぷうさいう)楼が決めることになると言います。蘇夢枕(そむちん)は同盟については後日改めて話し合うことにして、王小石(しょうせき)に方応看(ほうおうかん)を送り届けさせます。
蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ) が先ほど越権行為をしたことを咎めませんが、侠義の道は損得勘定ばかりしてはならないと忠告します。方応看(ほうおうかん)は表向きは同盟を求めてきましたが、実際は王小石(しょうせき)を陥れて関七を逃がした時点で、両者は既に繋がっています。蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ) に、金風細雨(きんぷうさいう)楼は官界に介入せず、後ろ盾を求めないという掟を忘れないようにと釘を刺します。
夫子(ふうし)は焚河槍を手に持ち、関七のことは自分たちの世代で解決すべきだったと嘆きます。自分は既に老いて江湖から身を引いて久しいが、婆婆(ばあば)に静かな場所で余生を過ごすと約束したので、その約束を破りたくないと語ります。王小石(しょうせき)は夫子(ふうし)の責任は既に果たされていると慰め、関七の問題は自分から始まったことなので、自分が終わらせると決意します。
傅宗書(ふそうしょ)は蘇夢枕(そむちん)と雷損(らいそん)を呼び、関七への対処法を協議します。蘇夢枕(そむちん)は既に両派の高手たちを集めて関七討伐の準備を整えており、関七の武芸の腕前を考えると、傅宗書(ふそうしょ)に囮になってもらう必要があると告げます。傅宗書は熟考の末、二人に一度退出するように求め、対策を練る時間を要求します。しかし蘇夢枕(そむちん)と雷損(らいそん)はわざと傅宗書の決断を待つためにその場に残ります。
関七は傅宗書の妾を捕らえ、多くの官兵を殺害します。夫子(ふうし)は不安な様子を見せます。婆婆(ばあば)は、夫子(ふうし)が関七の問題を解決しなければ、この先も心安らかに暮らすことはできないだろうと察します。そこで夫子(ふうし)は婆婆(ばあば)に必ず生きて戻ると約束し、関七との決著をつけるため、彼を探しに向かいます。
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