江湖英雄伝あらすじ11話・12話、ネタバレ

第11話あらすじとネタバレ

北方の取引相手からの情報を得た蘇夢枕(そむちん)は、自ら西北への調査を決意する。しかし、都で今夜起こりうる混乱を懸念する無邪は、蘇夢枕(そむちん)の不在が六分半(ろくぶはん)堂に付け入る隙を与えると危惧する。雷損(らいそん)の性格を鑑み、蘇夢枕(そむちん)は今夜の行動を予測し、待機する時間はないと判断。無邪に楼の留守を任せ、王小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ) の帰還を待つことにする。

拷問を受けながらも金風細雨(きんぷうさいう)楼への忠誠を貫き通した龍嘯青の不屈の精神が描かれる。王小石(しょうせき)は龍嘯青の救出を試みる中で、雷恨(らいこん)に呼ばれ琴を弾いていた朱小腰(しゅしょうよう)と遭遇する。危険な状況にも関わらず、雷恨(らいこん)の気まぐれな残酷さと報酬未払いを理由に留まっていた朱小腰(しゅしょうよう)。王小石(しょうせき)は龍嘯青を優先的に救出し、その後朱小腰(しゅしょうよう)を助けることを決める。

激しい攻防の中、王小石(しょうせき)が雷恨(らいこん)と対峙する最中、何者かによる暗器攻撃から朱小腰(しゅしょうよう)に救われる。一方、李念堂(りねんどう)を始末した白愁飛(はくしゅうひ) は窮地に陥るが、謎の黒装束の人物に助けられる。龍嘯青を救出した後、王小石(しょうせき)は朱小腰(しゅしょうよう)の素性に興味を抱き、彼女の持っていた札から金風細雨(きんぷうさいう)楼の弓手で蘇夢枕(そむちん)の護衛の一人であることを知る。

窮地に陥った王小石(しょうせき)は朱小腰(しゅしょうよう)に助けを求めるが、彼女は交換条件として一緒に寝ることを要求する。王小石(しょうせき)が拒否すると、朱小腰(しゅしょうよう)は彼の優しさへの好みを見抜き、鍵を床に置いて彼が届かないようにしながら弄ぶ。

六分半(ろくぶはん)堂に追われていた取引相手の弟は、蘇夢枕(そむちん)によって救出される。任務を終えた王小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ) は合流し、小曹門街で蘇夢枕(そむちん)を迎えに行く。三人は六分半(ろくぶはん)堂に包囲されるが、相手は好機を伺っており、すぐには攻撃を仕掛けてこない。夜が明け、任労(じんろう)任怨(じんえん)が刑部の兵を率いて現れ、事態は収束する。蘇夢枕(そむちん)は取引相手の弟である龍八を楼に連れ帰り保護するが、当初王小石(しょうせき)は龍八が恐怖で口がきけないと思っていたが、実際は痴呆症を患っていた。

複雑な都の情勢の中、六分半(ろくぶはん)堂は有橋集団と結託し、全てを支配しようと企んでいる。蘇夢枕(そむちん)はこの組織に対抗し、龍八のような人々を救う決意を固める。白愁飛(はくしゅうひ) は金風細雨(きんぷうさいう)楼が官に介入せず、後ろ盾のある六分半(ろくぶはん)堂と敵対することに疑問を抱くが、蘇夢枕(そむちん)は楼への参加が自らの意思であるかを問う。白愁飛(はくしゅうひ) はそれを認め、都の江湖には掟を作る者が必要だと信じている。

その後、白愁飛(はくしゅうひ) は龍八を救うために冒した危険に見合う価値があったかを王小石(しょうせき)に問う。王小石(しょうせき)は無事に済んだのだから、起こらなかったことを気にする必要はないとし、弱者一人守れないようでは名を上げることもできないと主張する。

王小石(しょうせき)は三合楼へ行き、朱小腰(しゅしょうよう)に誤解を解き、これ以上からかわないでほしいと伝える。しかし、そこで再び溫柔(おんじゅう)と鉢合わせ、二人は何かあると誤解される。真相を知った溫柔(おんじゅう)は、朱小腰(しゅしょうよう)が王小石(しょうせき)をからかっていたのだと理解する。溫柔(おんじゅう)と朱小腰(しゅしょうよう)が仲が良いことを知り、自分が騙されていたことに気付く王小石(しょうせき)。過去の恋愛経験を理由に、溫柔(おんじゅう)は王小石(しょうせき)を懲らしめる。

王小石(しょうせき)は過去の恋愛情報は誤りだと弁明し、以前溫柔(おんじゅう)が剣を抜かない理由を尋ねた時のことを持ち出す。その剣は、初めて誰かのために抜けば一生その人と関わることになる「挽留の剣」だった。この話を聞いた溫柔(おんじゅう)は、思わず赤面する。

店主から白愁飛(はくしゅうひ) に、彼の絵が高値で売れたという知らせが届く。買い手はなんと雷純(らいじゅん)だった。雷純(らいじゅん)は蘇夢枕(そむちん)が気に入りそうな絵だと思い購入したという。蘇夢枕(そむちん)は雷総堂に会い、王小石(しょうせき)と白愁飛(はくしゅうひ) に手を出さないよう警告し、六分半(ろくぶはん)堂の未来は雷総堂の決断にかかっていると釘を刺す。

最後に、王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)を連れて婆婆(ばあば)と沃夫子(よくふうし)のもとを訪れる。溫柔(おんじゅう)は菓子折りを持参し、沃夫子(よくふうし)は屋根の修理をしていた。王小石(しょうせき)は沃夫子(よくふうし)に休憩を促し、代わりに修理を引き受ける。溫柔(おんじゅう)は王小石(しょうせき)と沃夫子(よくふうし)に水を渡し、婆婆(ばあば)の料理を手伝う。屋根の上で、王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)に静かな暮らしへの憧憬を語り、未来の生活を描いてみせる。

誰かが見ていることに気付いた婆婆(ばあば)に、沃夫子(よくふうし)はそれが王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)だと伝える。婆婆(ばあば)は溫柔(おんじゅう)が良い娘だと褒め、沃夫子(よくふうし)も王小石(しょうせき)が良い若者だと認める。王小石(しょうせき)が誰かが剣を抜いて襲ってきた時の話をすると、沃夫子(よくふうし)はかつての大侠客、方歌吟(ほうかぎん)の風格を感じ、王小石もまた大侠客になると予言する。

第12話あらすじとネタバレ

雷純(らいじゅん)と蘇夢枕(そむちん)の出会い

雷純(らいじゅん)は蘇夢枕(そむちん)に絵を贈ります。それは彼が好む画風でした。蘇夢枕(そむちん)は、なぜ若い女性がこんなに酸っぱい果物を好むのかと尋ねます。雷純(らいじゅん)は微笑みながら、初めて出会った時のことを思い出すからだと答えます。お返しに、蘇夢枕(そむちん)は西北から手に入れた温玉を雷純(らいじゅん)に贈り、自ら彼女に付けてあげます。別れ際、雷純(らいじゅん)は途中で引き返し、先ほど会った碁館に戻ると、入り口の提灯が破れているのに気づき、店主に新しいものと交換するように頼みます。実は、蘇夢枕(そむちん)は遠くへ行ってはおらず、少し離れた場所でこの全てを静かに見守っていました。

王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)、傅宗書(ふそうしょ)を夜襲

王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)と共に傅宗書(ふそうしょ)を夜襲します。溫柔(おんじゅう)は傅宗書(ふそうしょ)を嫌っており、王小石(しょうせき)が牢獄に入っていた間にも傅宗書(ふそうしょ)の駕籠を爆破したことがありました。傅宗書(ふそうしょ)の駕籠が再び現れると、王小石(しょうせき)は躊躇なく磚で傅宗書(ふそうしょ)の頭を殴りつけ、すぐにその場から逃げ去ります。

王小石(しょうせき)、人助けの誤解

その後、王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)は市場を歩いていると、誰かが水に落ちたという叫び声を聞きます。王小石(しょうせき)は何も言わずに水に飛び込み、人を助け上げます。助け上げた人が気を失っているのを見て、彼はとても心配し、医者を呼ぼうとします。しかし、周りの人々は笑い出します。実はその男は気を失ったふりをしており、王小石(しょうせき)をからかっていたのです。この落水した男は神通侯方應看でした。王小石(しょうせき)は立ち去ろうとしますが、一群の娘たちに囲まれてしまいます。橋の上で見ていた溫柔(おんじゅう)は、彼女たちに王小石(しょうせき)を放すように大声で叱りつけ、自分の身分を明かします。方應看は溫柔(おんじゅう)の名前を聞くとすぐに彼女を「奥さん」と呼びます。彼はかつて溫柔(おんじゅう)の父親に縁談を勧められた相手でしたが、彼が訪れた時には、溫柔(おんじゅう)は既に屋敷にはいませんでした。

方應看、溫柔(おんじゅう)に絡む

方應看は溫柔(おんじゅう)に付きまとい、屋敷に招待し、良いところを見せると約束します。しかし、溫柔(おんじゅう)は彼を信じず、彼が変わることはないと考えています。自らを証明するために、方應看は金盥で足を洗い、今後遊郭には行かないと誓います。しかし、溫柔(おんじゅう)は怒って金盥を蹴り倒します。王小石(しょうせき)に引っ張られ、二人はその場を去ります。道中、溫柔(おんじゅう)は方應看を恥知らず、下流、卑劣だと罵り続けます。王小石(しょうせき)は彼女にもう罵るのをやめさせようとしますが、溫柔(おんじゅう)は大切な香袋がないことに気づきます。それは既に方應看に奪われていました。

雷媚(らいび)と白愁飛(はくしゅうひ) の会話

雷媚(らいび)は雷損(らいそん)に北方の商売を任せたいという希望を伝えます。雷損(らいそん)は彼女に故郷へ戻り、父の残した五人の高手たちを六分半(ろくぶはん)堂に連れてくるように言います。それが成功すれば、北方の商売を任せるというのです。狄飛驚(てきひきょう)は雷媚(らいび)に、霹靂(へきれき)堂は彼女の父が生涯をかけて築き上げたものであり、総堂の意向に違背すれば、大変なことになると忠告します。

その後、雷媚(らいび)は白愁飛(はくしゅうひ) と酒場で再会します。彼女は数ヶ月前までは白愁飛(はくしゅうひ) が指名手配犯だったのに、今は金風細雨(きんぷうさいう)楼の副楼主になっていることに驚き、京城は奇跡を起こす場所だと感嘆します。白愁飛(はくしゅうひ) は雷媚(らいび)に機会を断ったことがあるかと尋ねます。彼自身は六分半(ろくぶはん)堂の堂主の座を断った経験がありました。雷媚(らいび)はそれを知っており、白愁飛(はくしゅうひ) が今は金風細雨(きんぷうさいう)楼の副楼主の地位を得ていることも理解しています。雷媚(らいび)は白愁飛(はくしゅうひ) に酒以上の借りがあると語り、それは将来明らかになるだろうと言います。白愁飛(はくしゅうひ) は自分に起きた奇跡は何かを得たからではなく、何かを拒否したからだと語り、雷媚(らいび)にも誰かを拒否する機会があることを願います。部下から総堂の指示通り楚河(そが)の霹靂(へきれき)堂へ向かうか尋ねられると、雷媚(らいび)は少し躊躇しますが、最終的には承諾し、まだ彼女には拒否する権利がないことを示します。

雷純(らいじゅん)の回想と雷損(らいそん)の行動

雷純(らいじゅん)は狄飛驚(てきひきょう)と共に母の墓参りに行きますが、母の顔は覚えていません。狄飛驚(てきひきょう)は、当時はまだ幼かったのだと慰め、今の雷純(らいじゅん)は奥様にとても価ていると言います。雷純(らいじゅん)は父も母の顔を忘れてしまったのではないかと推測します。あの女ができてから、父は一度も母の墓参りに来ていません。

一方、六分半(ろくぶはん)堂では、雷損(らいそん)が酒を一杯注ぎ、仕掛けを使って井戸の底へ送ります。井戸の底に閉じ込められている関七(かんしち)は、雷損(らいそん)が姉を殺したと怒り、雷損(らいそん)が死んだ後にその酒を飲むと誓います。その時、方應看が十三先生(じゅうさんせんせい)を訪ね、義父に会いたいと頼みます。十三先生(じゅうさんせんせい)は急を要する事ではないと考え、方應看を帰らせます。

方應看と王小石(しょうせき)の対決

方應看は溫柔(おんじゅう)と会う約束をし、香袋を返すと言います。溫柔(おんじゅう)は激怒し、必ず方應看に仕返しをすると誓います。王小石(しょうせき)は方應看をチンピラだと考え、相手にするほどつけあがると思い、溫柔(おんじゅう)のために自分が対応することにします。王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)の代わりに約束の場所に行きますが、方應看は溫柔(おんじゅう)が来ないばかりか、王小石(しょうせき)をからかいます。王小石(しょうせき)は方應看に溫柔(おんじゅう)の香袋を返し、彼女に付きまとうのをやめるように要求します。

方應看はわざと香袋を井戸に投げ込み、仕掛けを動かして井戸の蓋を閉め、王小石(しょうせき)を閉じ込めてしまいます。ここは六分半(ろくぶはん)堂の秘密の場所で、半刻後には誰かが来ます。王小石(しょうせき)が脱出方法を考えていると、関七(かんしち)の声が聞こえ、井戸の蓋が閉まるとすぐに水が満ちてくると知らされます。関七(かんしち)は王小石(しょうせき)に仕掛けの位置を教え、王小石(しょうせき)は仕掛けを動かして扉を開け、そこに閉じ込められていた関七(かんしち)と出会います。外に出るため、王小石(しょうせき)は関七(かんしち)の背の鉤を外し、彼を解放します。天下第一の高手である関七(かんしち)の解放は、江湖が混乱に陥ることを予感させます。