江湖英雄伝あらすじ33話・34話、ネタバレ

第33話あらすじとネタバレ

洞房花燭夜(どうぼうかしょくや)

このめでたい夜、溫柔(おんじゅう)(ウェンロウ) は静かに床辺に腰掛けていました。王小石(しょうせき) が歩み寄り、花嫁の頭から紅い蓋頭をそっと上げると、目には深い愛情が満ちていました。彼は優しく溫柔(おんじゅう)の顔を両手で包み込み、二人は甘い時間に浸っていました。

白愁飛(はくしゅうひ) の孤独(はくしゅうひのこどく)

同じ頃、別の場所で、白愁飛(はくしゅうひ) は一人で部屋に閉じこもり、酒を呷っていました。その姿は寂しげで、今日の祝いの日とは裏腹に、彼の心の中の愛は報われませんでした。彼は人を得ても、心を得ることができず、ただ酒に悲しみを紛らわせるしかありませんでした。

雷媚(らいび)の想い(らいびのおもい)

白愁飛(はくしゅうひ) の部屋の灯りがまだついているのに気づいた雷媚(らいび) は、彼を見舞いに訪れました。彼女は白愁飛(はくしゅうひ) に、心に既に代わりがいない人がいることを告白し、その人に身を捧げたいという思いを伝えました。雷媚(らいび)は白愁飛(はくしゅうひ) の前で帯を解きました。しかし、白愁飛(はくしゅうひ) は立ち上がり、雷媚(らいび)の傍らへ行き、床に落ちた衣服を拾い上げて彼女に羽織らせました。彼は、二人とも身分の低い人間であり、互いに軽んじるべきではないと考えたのです。

蘇夢枕(そむちん)の心事(そむちんのこころごと)

無邪(ウーシェ) は蘇夢枕(そむちん) を探し回り、ついに議事庁で見つけました。蘇夢枕(そむちん)はかつて雷純(らいじゅん) との結婚式をここで挙げることを夢見て、金風細雨(きんぷうさいう)楼(きんぷうさいうろう) の最上階で一緒に日月星辰を眺めたいと思っていました。この婚礼の話になると、無邪は蔡京(さいきょう) が義理の娘を嫁がせる際、式典が盛大で贈り物をする人が後を絶たなかったことに触れ、白愁飛(はくしゅうひ) が雷純(らいじゅん)に贈ったのはありふれた定物だったことを話しました。無邪は蘇夢枕(そむちん)に、そんなことで悩むなと諭しました。

会見と警告(かいけんとけいこく)

蘇夢枕(そむちん)は特別な客、白愁飛(はくしゅうひ) を待っていました。彼は白愁飛(はくしゅうひ) が雷純(らいじゅん)を連れて来ると知っていました。白愁飛(はくしゅうひ) は雷純(らいじゅん)に、自分の指示に完全に従うように警告しました。蘇夢枕(そむちん)は病が重く、雷純(らいじゅん)が逆らえば、その場で殺されるかもしれないからです。蘇夢枕(そむちん)を刺激するために、白愁飛(はくしゅうひ) は雷純(らいじゅん)にお茶を勧め、わざと二人を苦しめ、そこから復讐の快感を得ました。雷純(らいじゅん)は贈り物の中の玉佩が壊れているのを見て、白愁飛(はくしゅうひ) に激しい怒りを覚えました。

内心の解放(ないしんのかいほう)

蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ) に、人生に越えられない試練はない、自分を縛っているのは心の執著だと諭しました。一歩引いて考えれば、答えが見つかると。この時、蘇夢枕(そむちん)は王小石(しょうせき)がまだ生きているという知らせを受け、そこに希望の光を見出しました。

局勢の変化(きょくせいのへんか)

無邪は、白愁飛(はくしゅうひ)が橋集団(チャオしゅうだん) の力を使って「一零八公案(ひゃくはちこうあん)」という名の死士部隊を育成し、蔡京(さいきょう)と手を組んで江湖を支配し、京城市内(けいじょうしない) の情勢が悪化しているという知らせをもたらしました。朱小腰(しゅしょうよう) は蘇夢枕(そむちん)の身を案じ、白愁飛(はくしゅうひ)が彼に危害を加えるのではないかと恐れました。蘇夢枕(そむちん)は白愁飛(はくしゅうひ)が副楼主の地位に甘んじないこと、昼間の試探は機会を伺っていたに過ぎないことを理解していました。彼は部下に自分のために犠牲になってほしくなく、彼らには自分のために生きてほしいと思っていました。今は、時が来るのを待つだけです。

王小石(しょうせき)の選択(わんしゃおしーのせんたく)

大胡子(ダー・フーズ) は王小石(しょうせき)に一時的に立ち去ることを提案しましたが、王小石(しょうせき)は劉世安(りゅうせいあん) 大人の安全が確認されるまで残ることを決めました。ある日、彼らは見張り台へ補給物資を運ぶ途中、見張り員全員が殺害されているのを発見しました。現場には元十三限(げんじゅうさんげん) の痕跡と馬の蹄の跡が残されており、追手が迫っていることを示していました。王小石(しょうせき)は大胡子に他の見張り台へ知らせに行くように指示し、同時に白毛堡(バイマオほう) へ戻り師匠に報告することにしました。

方應看的行動(ほうおうかんのこうどう)

方應看(ファン・インカン) は劉世安(りゅうせいあん)を探している途中で元十三限(げんじゅうさんげん)に遭遇しました。元十三限(げんじゅうさんげん)は劉世安(りゅうせいあん)が江湖の人々の助けを得ていることを明かし、白衣居士(はくいいこじ) 許笑一(きょしょういつ) の拠点が白毛堡にあることを仄めかしました。元十三限(げんじゅうさんげん)はこの功績を方應看のものとしましたが、許笑一(きょしょういつ)を自分に処理させてほしいと要求しました。彼はまた、蔡京(さいきょう)の意向を伝え、方應看に調令を渡すよう命じました。

危機四伏(ききしふく)

方應看は白毛堡へ向かう計画を立てました。劉世安(りゅうせいあん)を捕らえ、調令を手に入れることができれば、元十三限(げんじゅうさんげん)を残しておく必要はありません。大胡子は任務を終えて戻る途中、方應看の手下に捕らえられました。忠誠心を試すため、方應看は彼らに氷の上を渡って逃げるよう仕向け、結果、大胡子は氷水に落ちてしまいました。劉世安(りゅうせいあん)の情報を漏らした伝令も、凍える湖に投げ込まれました。劉世安(りゅうせいあん)がもうすぐ白毛堡に到著すると知った方應看は、北上を続け、彼を迎え撃つことにしました。白毛堡は元十三限(げんじゅうさんげん)に任せることにしました。

第34話あらすじとネタバレ

湖に落ちた大胡子は、方応看(ほうおうかん)たちが去った後、何とか生き延びて這い上がりました。よろめきながら白毛堡に戻り、白衣居士と王小石(しょうせき)に緊急の知らせを伝えました。劉世安(りゅうせいあん)の南下ルートが漏洩し、官兵の襲撃が懸念されるというのです。

師匠はかつて王小石(しょうせき)に、なぜ白須(はくす)園から出なかったのかを説明していました。自在門の人間は江湖にほとんど出入りしませんが、かつて元十三限(げんじゅうさんげん)が有橋集団に寝返ったことで、自在門の名声を汚しただけでなく、王小石(しょうせき)の父、方歌吟(ほうかぎん)が率いる義軍を壊滅状態に追い込んだのです。師匠は門派の名誉を守るため、遠くまで元十三限(げんじゅうさんげん)を探しに行きましたが、元十三限(げんじゅうさんげん)の武芸は高く、敵いませんでした。さらに不幸なことに、小鏡(しょうきょう)が師匠を庇って死に、それが元十三限(げんじゅうさんげん)の師匠への憎しみをさらに深めてしまいました。自責の念に駆られた白衣居士は、二度と白須(はくす)園を出ないという戒律を自らに課したのです。

今、白衣居士が山を降りたという知らせが広まり、元十三限(げんじゅうさんげん)も現れました。二人の因縁はついに決著をつけるときが来たのです。かつて、方歌吟(ほうかぎん)の生死は不明となり、蔡京(さいきょう)は朝廷の名義で方応看(ほうおうかん)を養子に迎えましたが、実際は方歌吟(ほうかぎん)を殺害するために兵を動かした事実を隠蔽するためでした。王小石(しょうせき)は方応看(ほうおうかん)から、父を天坑に突き落としたのは自分だと聞かされ、二人の因縁はさらに複雑なものとなりました。

現状を考慮し、白衣居士は劉世安(りゅうせいあん)を迎えに行くことが最優先だと判断しました。楊家舗子は既に廃墟となっており、劉世安(りゅうせいあん)はそこで夜を明かすだろうと推測しました。大胡子は新婚の王小石(しょうせき)に危険を冒させたくないと心配しましたが、溫柔(おんじゅう)は夫が大仕事をすることを支持しました。王小石(しょうせき)は自ら劉世安(りゅうせいあん)を迎えに行くことを決意します。

道中、王小石(しょうせき)は狄飛驚(てきひきょう)に遭遇しました。狄飛驚(てきひきょう)は王小石(しょうせき)が生きていることに驚きを隠せません。王小石(しょうせき)の死は京城で大きな騒ぎになっていたからです。狄飛驚(てきひきょう)は雷純(らいじゅん)の仇を討つために来ており、方応看(ほうおうかん)がたとえ天涯海角に逃げても、必ず償いをさせると誓っていました。狄飛驚(てきひきょう)は王小石(しょうせき)に方応看(ほうおうかん)の強大な武功に注意するよう忠告しましたが、できる限り方応看(ほうおうかん)を引き留め、王小石(しょうせき)に時間を稼ぐと約束しました。

楊家舗子に到著後、王小石(しょうせき)は劉世安(りゅうせいあん)を守る唐宝牛(とうほうぎゅう)と方恨少(ほうこんしょう)と合流しました。大勢の官兵が追ってくると、王小石(しょうせき)たちはすぐに劉世安(りゅうせいあん)を連れて撤退し、三人が殿を務めました。王小石(しょうせき)は方応看(ほうおうかん)に父の命の償いを要求し、たいまつで追っ手を阻み、方応看(ほうおうかん)とその部下を振り切ることに成功しました。

しかし、白毛堡で待っていた溫柔(おんじゅう)は、元十三限(げんじゅうさんげん)に襲われていました。白衣居士は元十三限(げんじゅうさんげん)に無関係の人間を巻き込むなと説得しようとしましたが、元十三限(げんじゅうさんげん)は欲しいものが手に入らないため、諦めようとしませんでした。溫柔(おんじゅう)が縄を解こうとしているのを見つけると、それは死にに行くようなものだと警告しました。結局、元十三限(げんじゅうさんげん)は白衣居士と溫柔(おんじゅう)を連れ去り、劉世安(りゅうせいあん)に証拠と引き換えに二人の命を要求しました。

王小石(しょうせき)が白毛堡に戻ると、そこは荒れ果てており、大胡子だけがいました。師匠と溫柔(おんじゅう)が元十三限(げんじゅうさんげん)に連れ去られたと知ると、王小石(しょうせき)は元十三限(げんじゅうさんげん)を探しに行くことを決意しました。劉世安(りゅうせいあん)は実は調兵の手令など存在せず、たとえあったとしても既に処分されていることを明かしました。しかし、王小石(しょうせき)はどんな犠牲を払っても師匠と溫柔(おんじゅう)を助け出す決意でした。

元十三限(げんじゅうさんげん)との対決で、王小石(しょうせき)は剣で元十三限が放った矢の一本を受け止めましたが、もう一本の矢は彼の右肩を貫通し、師匠へと向かいました。それでも、王小石(しょうせき)は元十三限を倒すことに成功しました。師匠は王小石(しょうせき)を責めず、これが自分にとって最良の結果だと考えました。王小石(しょうせき)は愛する師匠を失い、深い悲しみに暮れました。

一方、方応看(ほうおうかん)は途中で狄飛驚(てきひきょう)の待ち伏せに遭いました。方応看(ほうおうかん)はすべては王小石(しょうせき)のせいだと考え、自分が得るべきだった名声と権力を失ったと思い込んでいました。激しい戦いの末、方応看(ほうおうかん)は狄飛驚(てきひきょう)に傷つけられ、両目を失明しました。最後に、王小石(しょうせき)は夢の中で習得した剣法で、一撃で方応看(ほうおうかん)を倒し、彼の血河神剣の中から蔡京(さいきょう)の調兵の手令を見つけました。

物語は裏切り、復讐、そして犠牲に満ちており、江湖の恩讐を描いています。王小石(しょうせき)は方応看(ほうおうかん)との個人的な因縁に決著をつけただけでなく、師匠と溫柔(おんじゅう)を救い出し、蔡京(さいきょう)の陰謀を暴くことにも成功しました。