第31話あらすじとネタバレ
蘇夢枕(そむちん)は、救出に向かった仲間たちが白愁飛(はくしゅうひ) に殺害されたという知らせを受けます。白愁飛(はくしゅうひ) は殺害しただけでなく、楓橋酒楼へ蘇夢枕(そむちん)を呼び出しました。蘇夢枕(そむちん)はすぐに無邪に馬車を用意させ、酒楼へ向かいます。二人が対面すると、白愁飛(はくしゅうひ) は龍嘯天と莫北辰(ばくほくしん)が既に死亡し、朱小腰(しゅしょうよう)だけがまだ息があることを告げます。
蘇夢枕(そむちん)の詰問に対し、白愁飛(はくしゅうひ) は刑部大牢での拷問の苦しみ、そして王小石(しょうせき)の死の悲しみを語ります。そして、蘇夢枕(そむちん)のこれまでの傲慢な態度を非難し、今の自分には蘇夢枕(そむちん)が何をくれても欲しくないと言い放ちます。かつて雷媚(らいび)にこの酒楼に来る資格がないと蔑まれたことも語り、有橋集団に加わった今、立場は変わり、江湖の頂点はただ一人、自分だけが立つべき場所だと宣言します。
蘇夢枕(そむちん)は蔡京(さいきょう)の真の目的を説こうとしますが、白愁飛(はくしゅうひ) は二人とも互いに仲間ではないことを承知しており、王小石(しょうせき)がいたからこそ兄弟の契りを保っていたのだと指摘します。王小石(しょうせき)が死んだ今、もはや遠慮はいらないと、断義の酒を飲み幹します。そして、蘇夢枕(そむちん)との縁を切り、これからは敵同士として容赦しないと告げます。蘇夢枕(そむちん)は悲痛のうちに酒を飲み、酒楼を出ると、雷媚(らいび)から「苦水鋪貧民窟路地」と書かれた紙切れを受け取ります。
雷媚(らいび)は、白愁飛(はくしゅうひ) が断義を宣言しながらも朱小腰(しゅしょうよう)の居場所を教えたのは、彼女に特別な感情があるからではないかと推測します。しかし白愁飛(はくしゅうひ) はそれを否定し、蘇夢枕(そむちん)を精神的に追い詰めるための策略だと主張します。断義の酒を飲んだ以上、情などないと言い切ります。その後、任労(じんろう)と任怨(じんえん)によって瀕死の朱小腰(しゅしょうよう)が苦水鋪に捨てられますが、蘇夢枕(そむちん)が駆けつけ、間一髪で救出します。
一方、未だに意識が戻らない溫柔(おんじゅう)を案じ、王小石(しょうせき)は白毛堡の願掛け石に祈りを捧げます。その真心は天に通じたのか、溫柔(おんじゅう)は目を覚まします。知らせを聞いた王小石(しょうせき)は喜び、溫柔(おんじゅう)と穏やかな時間を過ごします。
師匠は王小石(しょうせき)に、証拠を持って蔡京(さいきょう)を訴えるために、まだしばらくの間、身を隠す必要があると告げます。溫柔(おんじゅう)の安全のため、関外の厳しい地であっても、危険を避けるようにと諭します。王小石(しょうせき)は全てが終わったら、溫柔(おんじゅう)と共に白須(はくす)園に戻り、師匠に仕えると約束します。
白愁飛(はくしゅうひ) は王小石(しょうせき)と暮らした家に戻り、かつての幸せな日々を思い出し、王小石(しょうせき)が帰ってきたかのような幻覚を見ます。しかし、すぐにそれが幻だと気づき、酒を二杯注ぎます。一杯は王小石(しょうせき)への供養、もう一杯は有橋集団に仕えることを誓い、金風細雨(きんぷうさいう)楼を裏切った自分への罰です。
三兄弟の義兄弟の誓いを思い出し、王小石(しょうせき)の死と蘇夢枕(そむちん)との断絶により、敵同士になってしまったことを嘆きます。王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)との出会いは、迷わぬように照らしてくれる灯火のようでしたが、王小石(しょうせき)の死と共にその灯火も消えてしまいました。白愁飛(はくしゅうひ) は過去と決別し、後悔することなく、本当の自分として生きていくことを決意します。
雪の中、王小石(しょうせき)は天坑で習得した剣法を鍛錬しています。それは父である大侠客、方歌吟(ほうかぎん)が編み出した血河神剣です。王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)にその経緯を話し、今後の計画を話し合います。二人は劉世安(りゅうせいあん)が持ってくる重要な証拠を待ち、蔡京(さいきょう)を倒す機会を伺うことにします。
最後に、白愁飛(はくしゅうひ) は六分半(ろくぶはん)堂を訪ね、雷純(らいじゅん)と会います。雷純(らいじゅん)は白愁飛(はくしゅうひ) の新たな地位を祝い、白愁飛(はくしゅうひ) は権力への野心を露わにし、六分半(ろくぶはん)堂を江湖の頂点に導くと約束します。しかし雷純(らいじゅん)は、どんなに野心を抱いても、六分半(ろくぶはん)堂は雷家のものだということを忘れるなと釘を刺します。
第32話あらすじとネタバレ
白愁飛(はくしゅうひ) と雷純(らいじゅん)
白愁飛(はくしゅうひ) は長年雷純(らいじゅん)に想いを寄せ、ついに蔡京(さいきょう)に結婚の許しを請いました。しかし、雷純(らいじゅん)は即座に拒絶し、白愁飛(はくしゅうひ) の真の野望を指摘します。彼は江湖での地位は重視しないと言いながら、実際は江湖全体の支配を望んでいると。義父である蔡京(さいきょう)が六分半(ろくぶはん)堂を譲ったとしても、白愁飛(はくしゅうひ) は人心を掌握するのは難しい。しかし、結婚によって六分半(ろくぶはん)堂を手に入れることは、彼にとって権力を握る近道だと雷純(らいじゅん)は見抜いていました。意外にも蔡京(さいきょう)はこの結婚を承諾します。女性には限界があると考える蔡京(さいきょう)は、白愁飛(はくしゅうひ) が雷純(らいじゅん)の夫になれば、彼の野心を製御できると考えたようです。
任労(じんろう)は蔡京(さいきょう)に、白愁飛(はくしゅうひ) の野心を警戒するよう進言します。六分半(ろくぶはん)堂を手に入れれば、江湖全体を支配しかねないと。しかし蔡京(さいきょう)は意に介しません。白愁飛(はくしゅうひ)には欲望があるからこそ、製御しやすいと考えており、自分のそばに置いておくことで安全と利益を確保できると確信していました。
王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)
一方、王小石(しょうせき)は都を離れる前に、溫柔(おんじゅう)との結婚を決意します。溫柔(おんじゅう)の体調も回復し、師匠は王小石(しょうせき)がまだお尋ね者であることを心配し、二人に早く出発するよう促します。王小石(しょうせき)は溫柔(おんじゅう)をかつて二人が誓いを立てた場所へ連れて行き、天坑での約束を思い出しながらプロポーズをします。溫柔(おんじゅう)は承諾し、二人は雪の中で抱き合い、結婚を祝いました。
婚礼前夜
婚礼当日、六分半(ろくぶはん)堂は華やかな飾りつけで祝賀ムードに包まれていますが、雷純(らいじゅん)の顔には笑顔がありません。彼女は今回の結婚の意味、そして自分が窮地に立たされていることを理解していました。狄飛驚(てきひきょう)は雷純(らいじゅん)に逃げることを勧めますが、彼女は六分半(ろくぶはん)堂に残ることを選び、狄飛驚(てきひきょう)には自分の安全のために去るよう頼みます。狄飛驚(てきひきょう)は彼女の願いを聞き入れ、方応看(ほうおうかん)の動向を探るため北へ向かうことにしました。
二つの婚礼
重苦しい雰囲気に包まれる白愁飛(はくしゅうひ)と雷純(らいじゅん)の婚礼。一方、王小石(しょうせき)と溫柔(おんじゅう)の祝いの席は、笑い声で溢れていました。白愁飛(はくしゅうひ)は自ら作った指輪を雷純(らいじゅん)に贈りますが、祝いの日に仏頂面をしていることを咎めます。雷純(らいじゅん)は冷笑し、この祝いの日は自分にとって苦難の始まりだと暗に示します。白愁飛(はくしゅうひ)は妻になったのだから喜ぶべきだと雷純(らいじゅん)を戒めます。
夜になり、夜空に咲く花火を見ながら、雷純(らいじゅん)は蘇夢枕(そむちん)と夢見た婚礼を思い出します。雷純の心中を察した白愁飛(はくしゅうひ)は嫉妬に駆られ、今は自分の女であることを理解させようとします。雷純は決して白愁飛(はくしゅうひ)のものにはならないと断言し、彼が怒りに任せて蘇夢枕(そむちん)から贈られた玉佩を壊すのを目撃します。同じ頃、雷純の婚礼を知った蘇夢枕(そむちん)は一人で酒に酔い、悲しみに暮れていました。
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