祈今朝(ききんちょう)あらすじ15話・16話、ネタバレ

第15話あらすじとネタバレ

葛老大(かろうだい)は祈(き)と母親の再会に警戒心を抱いている。長年、衡道衆(こうどうしゅう)と天晴之海は牽製し合い、互いに警戒してきたからだ。葛清霏(かつせいひ)は啓元(けいげん)宗(けいげんしゅう)の問題を早急に処理するよう進言する。越今朝(えつきんちょう)が既に彼女と扁絡桓(へんらっかん)の容姿の類価に気づいており、面倒なことになる可能性があるからだ。扁絡桓(へんらっかん)は自身の不注意で身元が露呈したことを認め、問題解決の責任を取る姿勢を見せる。しかし、葛老大的は彼を信用しておらず、再び予想外の行動に出ることを懸念している。

祈は大殿で柷敔(きゅうき)を探し、扈生之術(ほせいじゅつ)を学びたいと申し出るが、柷敔(きゅうき)は何やら思うところがあるようで、言葉を濁して彼女を追い返してしまう。一方、越今朝(えつきんちょう)は落ち込んでおり、居十方(きょじゅうほう)と閑卿(しずか)が酒を酌み交わして慰めている。禺族(ぎょぞく)の少君である祈は記憶を失っており、自分の出自を知らない。そのことが越今朝(えつきんちょう)を悲しませている。それでも閑卿(しずか)は、祈が親族を見つけたのだから喜ぶべきだと、彼を励ます。夜も更けた頃、閑卿(しずか)は居十方に、想いを寄せる相手がいるなら伝えるべきだと助言する。その頃、洛昭言(らくしょうげん)は再び呪いの仮動に苦しめられており、それを見た閑卿(しずか)は心を痛め、洛家(らくけ)の双子の夭逝の真相を尋ねるが、洛昭言(らくしょうげん)は沈黙を守る。閑卿(しずか)はそれ以上追及せず、ただ彼女への同情を伝える。洛昭言(らくしょうげん)は内心で動揺しながらも、冗談めかして話題を逸らそうとする。

閑卿(しずか)に励まされた居十方は、意を決して遡漩(そせん)に告白する。しかし遡漩は彼に勝負を挑み、負けたら自分の前から姿を消すようにと言い渡す。勝ち目は薄いことを承知の上で、居十方はその挑戦を受ける。一方、閑卿(しずか)は洛昭言(らくしょうげん)に、兄弟や友人の関係に留まらず、もっと深い関係になりたいと打ち明ける。洛昭言(らくしょうげん)は自分の余命が長くないことを悟っており、その想いに応えられないと感じるが、閑卿(しずか)はそれを意に介さない。

閑卿(しずか)の真剣な想いにどう返答すべきか迷う洛昭言(らくしょうげん)のもとに、洛埋名(らくまいめい)からの伝言が届き、閑卿(しずか)は一旦その場を離れる。去り際に、必ず彼女の答えを聞くと約束する。洛埋名(らくまいめい)は屋敷から出ないにも関わらず、外界の情勢に精通しており、祈が禺族(ぎょぞく)の少君であること、そして熱海鑰環(ねつみようかん)の異変についても知っている。彼は洛昭言(らくしょうげん)が外で元気に過ごしていることを知り、彼女が恋する乙女へと成長したことも感じ取っている。

祈は偶然、今朝と柷敔(きゅうき)の会話を耳にする。今朝は祈に天晴之海に留まり、少君としての栄華を享受し、もう風雨に晒される生活を送らなくていいと言う。その言葉に祈は胸を締め付けられる。彼女は今朝と離れたくないのだ。一緒にいるため、祈は扈生之術の影響を消そうと霊犀之術(れいさいじゅつ)を発動しようとするが、激しい仮動に見舞われてしまう。祈が自分のために苦しむ姿を見て、越今朝(えつきんちょう)は心を痛め、彼女を強く抱きしめる。祈の母親への想いを理解した越今朝(えつきんちょう)は、祈が小魚(しょうぎょ)のペンダントを探しに行く隙に、天晴之海を密かに去る決意をする。

第16話あらすじとネタバレ

洛昭言(らくしょうげん)は明繡と共に正武盟の左盟主への挨拶に向かった。一方、越今朝(えつきんちょう)は居十方に付き添い、広場にてかつて彼を見下していた勇武堂のメンバーに公開挑戦状を叩きつけた。彼は正々堂々実力で己の力を証明しようと決意する。こうして、越今朝(えつきんちょう)と居十方は協力し、勇武堂の徐啓明(じょ けいめい)と千軍に立ち向かう。戦闘中、居十方は威力が増幅された豆包を駆使し、その驚異的な力と越今朝(えつきんちょう)からの援護もあり、勇武堂の二人は全く歯が立たず、敗北を喫する。約束通り、二人は居十方に公の場で謝罪することになったが、居十方は彼らに屈辱的な罰を与えることをせず、寛大な態度で過去を水に流すと宣言し、正武盟のメンバーから新たな尊敬を集めた。

その後、左盟主は越今朝(えつきんちょう)一行を招き入れ、重要な話を持ちかけた。彼らの剛柔併せ持つ行動に感銘を受け、さらに顧寒江(こかんこう)からの書状による後押しもあり、左盟主は若き英雄たちとの同盟を承諾し、共に啓元(けいげん)宗に対抗することを決めた。当初、左盟主の態度に落胆していた居十方だったが、すぐに左盟主が彼の勝利を喜んでいることを知り、生活の世話をする約束と共に、これからの啓元(けいげん)宗との戦いでの活躍と、堂々たる凱旋を果たして機巧堂の堂主となるよう激励されたことで、再び元気を取り戻した。

その頃、祈は扈生之術を解く方法を探し続け、常に越今朝(えつきんちょう)を想っていた。仲間たちは祈への贈り物を遡漩に託し、祈は贈り物を開ける度に仲間たちとの思い出に浸っていた。居十方も遡漩に精巧な仕掛けを贈ったが、遡漩はまだその使い方を理解していなかった。街を歩く越今朝(えつきんちょう)は祈のことで頭がいっぱいで、菓子屋の老人に祈への土産まで頼んでいた。宿に戻った越今朝は一人で酒を飲み、居十方は慰めようとするも言葉が見つからない。最後は、今朝が祈と離れられない胸の内を明かした。こうして、正武盟、西域洛家、そして若き英雄たちは正式に同盟を結び、啓元(けいげん)宗と戦うことを誓った。

啓元(けいげん)宗の浪隠閣では、高骁(こう ぎょう)が聖宣からの召喚を受け、啓元(けいげん)珠を持って総壇へ来るよう命じられる。孟教使はすぐさま高骁(こう ぎょう)に取り入り、これは彼への信頼の証だと述べた。上機嫌の高骁(こう ぎょう)は孟教使を浪隠閣の新たな司昭に任命し、その場を後にした。越今朝、居十方、徐啓明(じょ けいめい)、千軍は浪隠閣付近に潜入し、入り口を探っていた。洞窟に近付いた際、啓明が仕掛けに引っかかりそうになるが、越今朝が間一髪で救う。啓元(けいげん)宗の厳重な警備を前に、越今朝は扁絡桓(へんらっかん)に扮して潜入することを決意する。事前に用意した仮面を装著し、彼らは無事に浪隠閣へ侵入した。

偽物の“扁絡桓(へんらっかん)”に気付かない孟教使は恭しく出迎える。越今朝と居十方は孟教使を誘導し、徐啓明(じょ けいめい)と千軍たちに突入の機会を与えた。越今朝は孟教使を崖っぷちまで追い詰め、そこでようやく孟教使は相手が越今朝だと気付く。遠くからこの様子を見ていた本物の扁絡桓(へんらっかん)は、越今朝の実力の向上に感嘆する。

一方、祈は未だ扈生之術を解く方法を探し求めていた。街で尋ね歩くも成果が得られず、ある老人の助言で図書館を訪れる。そこで彼女は『冥想之術』という本を見つけ、他人の意識に入り込む方法を知ることになる。祈は柷敔(きゅうき)の識海に入り、扈生之術を解く秘密を探ろうと考えた。本の教えに従い、祈は壁灯の識海に侵入することに成功し、その内面を知ることになる。壁灯は運命を変えたいと願い、何十年も光り輝き続けることを望んでいなかった。壁灯の識海から戻った祈は喜びに満ちていた。彼女の冥想之術の実験は成功したのだ。