第3話あらすじとネタバレ
朱顔(しゅがん)はまだ目の前で起こった出来事を理解できないうちに、時影(じえい)が素早く手を出して、術を使い彼女の背後の追っ手を撃退した。最初は、朱顔(しゅがん)はこれらの人々は自分を追ってきたのだと勘違いしていたが、状況が明らかになるにつれて、これは誤解だと気づいた。時影(じえい)はこの一見か弱く無力な女性を守るため、一人で危険に立ち向かい、朱顔(しゅがん)を安全な場所に連れて行った。
激しい戦闘の中、朱顔(しゅがん)はうっかり白雪鶯(はくせつおう)の大切な舞衣を傷つけてしまったが、時影(じえい)はそれで気を散らすことなく、敵と渡り合った。敵が援軍の到著を見て撤退しようとした時、朱顔(しゅがん)は時影(じえい)に事情の経緯を尋ねようとしたが、そのまま別の誰もいない場所に連れて行かれた。
一方、時影(じえい)は外で師匠と会い、巧みに話題をそらし、先ほど起きた襲撃事件について話すのを避けた。師匠と大司命(だいしめい)は空桑(くうそう)内部に内通者がいるのではないかと疑い始め、時影(じえい)にこのことを口外しないよう警告した。その頃、朱顔(しゅがん)は目の前の時影(じえい)がただの幻だと気づき、相手に触れたことでそれを確信した。
外の時影は何かに気づいたようだったが、大司命(だいしめい)の前では知らないふりをせざるを得なかった。本当の時影に手を引かれるまで、朱顔(しゅがん)は目の前の人物が幻ではないことを理解していなかった。しかし、朱顔は真相を探ろうとする前に、時影に額を撫でられ記憶を消され、静かに休むように言われた。
重明(ちょうめい)が時影に、朱顔こそが彼の命劫(めいこう)における災星かもしれないと忠告した時、時影は聞き入れなかった。そして朱顔が目を覚ました時には、記憶はすでに曖昧になっていた。
一方、白雪鷺(はくせつろ)は何かを探しに、一人で深淵(しんえん)の底へ向かった。重明(ちょうめい)は彼女を気絶させ、時影は彼女から母の消息を聞き出した。母の悲惨な境遇を知った時影は深い悲しみに暮れ、全て自分のせいだと考えた。大司命(だいしめい)は弟子を慰め、母のために復讐し、気を取り直して帝位(ていい)を取り戻すよう励ました。
深く自責する時影を見て、大司命(だいしめい)は彼に世間が白皇后(はくこうごう)にどういった態度をとっているかを見せ、復讐心を掻き立てた。ついに時影は母のために復讐を決意し、行動を起こす準備を始めた。
第4話あらすじとネタバレ
母后を陥れた奸人たちへの怒りで、時影(じえい)の心は乱れ、駆けつけた重明(ちょうめい)さえも攻撃してしまう。
一方、帝王穀に一人で潜り込んだ朱顔(しゅがん)は、景色と花に見覚えを感じていた。その時、以前出会った重明(ちょうめい)と再会。重明(ちょうめい)は時影(じえい)の危機を察知し、朱顔(しゅがん)を連れて急行する。血まみれの時影(じえい)は、重明(ちょうめい)を母后の悪口を言った奸人と勘違いし、攻撃しようとする。
異変を感じた朱顔(しゅがん)は、重明(ちょうめい)を庇い、時影(じえい)の一撃を受けて倒れてしまう。目の前で人を傷つけてしまったことで、時影(じえい)は我に帰る。重傷を負った朱顔(しゅがん)に憐憫の情を抱き、その場を連れ去る。
治療中、時影(じえい)は朱顔(しゅがん)の額にある瑠璃花に気づき、運命の劫を持つ人物を思い出す。しかし、朱顔(しゅがん)がその劫であることを信じたくない気持ちで葛藤する。全てを目撃した重明(ちょうめい)は、時影のために劫を断ち切ろうとするが、彼の頑なさに怒り、その場を去る。
時影は、朱顔がかつて自分のために祈りを捧げた少女ではないかと考える。二人は時影の亡き母、白皇后の墓標に辿り著く。朱顔は白皇后に祈りを捧げ、時影に母后の想いと共に生きていくよう諭す。
朱顔は自分の本当の生年月日を時影に明かし、それを聞いた重明(ちょうめい)は、彼女が時影の劫であることを確信する。重明(ちょうめい)が行動を起こそうとした時、時影に止められる。時影もまた、朱顔が五年前祈りを捧げた少女だと気づいていたのだ。劫だと知りながらも、彼女に手をかけることができない。
時影は朱顔の記憶を消そうとするが、彼女との約束を思い出し、思いとどまる。重明(ちょうめい)に頼み、朱顔を穀の外へ送り届けさせ、この出来事を口外しないよう言い聞かせる。別れ際、朱顔は弟子入りを誌願するが、時影の悲しみを察し、後日改めて申し出ると約束する。そして、この出来事を誰にも話さないと誓う。
重明(ちょうめい)は時影の元に戻り、彼の優柔不断さを責める。時影は母后の遺誌に従い、天下蒼生を守ると誓う。大祭司は時影の様子を見舞い、彼の平静さに驚き、誰かが彼を救ったのではないかと疑う。
目を覚ました朱顔は、重明(ちょうめい)から贈られた羽根を眺め、その不思議な力を持つ神鳥に、五年前助けた小世子(せいし)のために枯木逢春*の術を教えてもらいたいと願う。彼女は興奮しながら、師への贈り物を用意するため外出する。一方、時影も心を落ち著かせ、未来の試練に立ち向かう準備を始める。
*枯木逢春(こぼくほうしゅん): 枯れ木が春に芽吹くこと。転じて、衰えたものが再び盛んになることのたとえ。
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