双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆(最終回)あらすじ35話・36話・37話、ネタバレ

第35話あらすじとネタバレ

萬嘉桂(ばんかげつ)が茉喜(まき)捜索を命じた部下から、駅舎外の林で女の遺体が発見されたとの報告が入る。遺体の布包みの中には刺繍途中の蓮の花模様の靴下があり、茉喜(まき)のものだと判断された。報告を受けた萬嘉桂(ばんかげつ)は、持っていた帽子を落とすのも構わず遺体のもとへ駆けつける。しかし、遺体は損傷が激しく身元確認は不可能だった。この事態に萬嘉桂(ばんかげつ)は衝撃を受け、その場で気を失ってしまう。後から駆けつけた白鳳瑶(ほうよう)も、茉喜(まき)だと信じる遺体を抱きしめ、泣き崩れた。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、35話ネタバレ

茉喜(まき)の死の知らせを聞いた呉吟(くれ・ぎん)は、深い自責の念と悲しみに苛まれ、胸が引き裂かれるような苦痛に襲われ、倒れこんでしまう。

一方、茉喜(まき)は陳文徳と共に身を隠していた。周囲の惨状を目の当たりにし、茉喜(まき)を守るため陳文徳は命を落とす。雪の上に座り込む茉喜(まき)は、朝廷内の仮乱分子を排除しようと尽力し、証拠を残してくれた陳文徳の行いを思い返し、涙を流しながら彼の名誉を回復することを誓う。そこに小武(しょうぶ)が現れ、陳文徳が遺した財宝を茉喜(まき)に渡す。陳文徳の死を知った小武(しょうぶ)は、自責のあまり自分を何度も叩き、陳文徳が生き返ることを願う。茉喜(まき)は小武(しょうぶ)を慰め、陳文徳を埋葬しようと決意するが、土石流が発生し、埋葬を断念して避難を余儀なくされる。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、35話ネタバレ

一年後、万府の門前で白鳳瑶(ほうよう)は萬嘉桂(ばんかげつ)を出迎える。薄著の白鳳瑶(ほうよう)を見た萬嘉桂(ばんかげつ)は、すぐに披風をかけさせる。この二人のよそよそしい様子を見た万母(ばんぼ)は、二人に一緒に灯籠見物に行くよう促す。たくさんの灯籠を目にした白鳳瑶(ほうよう)は、萬嘉桂(ばんかげつ)がかつて茉喜(まき)に贈った灯籠を思い出し、その類価性に驚く。その時、通りかかった馬車の中に茉喜(まき)に価た女性の姿を目撃した白鳳瑶(ほうよう)は、思わず声を上げる。萬嘉桂(ばんかげつ)はすぐに馬を走らせて追いかけるが、追いつくことはできず、白鳳瑶(ほうよう)の見間違いだと考える。しかし、茉喜(まき)の名前が出た途端にすぐに行動を起こす萬嘉桂(ばんかげつ)の様子を見て、白鳳瑶は暗い気持ちになる。

現在、茉喜は唐娘子と名を変え、宝慶楼の新しい主人となっていた。宮廷の品評会に自ら参加し、戦乱でしばらく休業していた宝慶楼だが、精巧な装飾品で買い付け担当の女官の心を掴む。京州城に宝慶楼の支店を開いた茉喜だが、地元の宝石商組合の妨害に遭う。それでも営業を続け、貴人への贈り物を通して二人の伯爺の支持を取り付けることに成功する。それを見た人々は、家族の女性のために宝飾品を買おうと店に押し寄せる。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、35話ネタバレ

罄州から逃れた茉喜と小武(しょうぶ)は、母の病気を治すため腰牌を売っていた宝慶楼の相続人と偶然出会う。茉喜は三本の金塊で腰牌を買い取り、腕の立つ職人たちを集め、宝慶楼を再建する。京州城の馴染みの路地を歩くたびに、茉喜は生き延びるために塀を乗り越えて食べ物を探していた頃を思い出し、貧しいながらも楽しかった日々を懐かしむ。小武(しょうぶ)は茉喜を「将軍夫人」と呼ぶが、その度に陳文徳を思い出し、茉喜は涙を流す。茉喜は翌日、宝石組合の役員たちを宴に招き、自らの財力と美貌を見せつけ、呉朗の注意を引き、彼に近づく計画を立てる。

宴席では、宝石組合の役員たちは茉喜の出現に不満を示し、脅しをかける者もいた。茉喜は表向きは怯えた様子を見せるが、すぐに二人の伯爺を楼上に案内し、非常に珍しい大粒の真珠を贈り物として渡すことで、彼らの支持を得る。偶然にも、白鳳瑶と萬嘉桂(ばんかげつ)も同じ飛月軒で食事をしていた。白鳳瑶は茉喜の姿を一目で見抜き、追いかけようとするが、周囲の人々に阻まれてしまう。萬嘉桂(ばんかげつ)は、自分たちが茉喜の葬儀を執り行ったのだから、白鳳瑶の見間違いだと考える。

第36話あらすじとネタバレ

白鳳瑤(しらほうよう)は茉喜(まき)の死を深く悔やみ、萬嘉桂(ばんかげつ)も同じく、呉吟(くれ・ぎん)を止められず茉喜(まき)を失ったことを後悔していた。二人は互いに好意を抱いていたが、茉喜(まき)の死は越えられない溝となって二人を隔てていた。ある日、白鳳瑤(しらほうよう)は酒を飲み過ぎ、飛月軒を出た際に空から舞い落ちる雪を見て、茉喜(まき)が亡くなった日の雪景色を思い出した。悲しみに耐えきれず、白鳳瑤(しらほうよう)は泣きながら茉喜(まき)に帰ってきてほしいと訴え、萬嘉桂(ばんかげつ)をそっくりそのまま返すと誓った。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、36話ネタバレ

少し離れた場所で、茉喜(まき)は全てを見ていた。小武(しょうぶ)は茉喜(まき)に、もし名乗り出たいのであれば白鳳瑤(しらほうよう)と萬嘉桂(ばんかげつ)に連絡を取ると提案した。しかし、茉喜(まき)は今は未亡人である唐娘子として生きていくことを選び、白茉喜(まき)という名前に戻るつもりはなかった。白鳳瑤(しらほうよう)が風邪を引くことを心配した萬嘉桂(ばんかげつ)は、ためらうことなく彼女を抱き上げて馬車に乗せ、万府へ戻った。

一方、茉喜(まき)は景寿伯と常平伯の目に留まり、二人は共に彼女を妻に迎えたいと思っていた。小武(しょうぶ)はこの状況が面倒なことになると懸念したが、茉喜(まき)はわざとそうしており、呉朗に自分の存在を気づかせる狙いがあった。呉吟(くれ・ぎん)は仕事での失敗により呉朗から疎まれ脅され、下女の子と蔑まれ、尊厳を踏みにじられていた。呉朗の私生子とはいえ、呉吟(くれ・ぎん)はただの使い走りに過ぎなかった。茉喜(まき)は高価な贈り物を持って相府を訪れ、悲しみに暮れる呉吟(くれ・ぎん)と出会った。彼女は案内人をうまく遠ざけ、呉吟(くれ・ぎん)と再会を果たした。かつて茉喜(まき)を死に追いやった罪悪感から、呉吟(くれ・ぎん)は安堵と同時に茉喜(まき)に恨まれているのではないかと尋ねた。茉喜(まき)は呉朗への憎しみを露わにし、呉吟(くれ・ぎん)が呉朗にとってただの犬であることを指摘し、協力を求めた。呉吟(くれ・ぎん)は一度だけならと茉喜(まき)との同盟を受け入れた。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、36話ネタバレ

茉喜(まき)は呉朗に対し、景寿伯は女好きで、常平伯は財産を狙っていると説明し、二人は共に結婚を申し込んできたものの、どちらも理想の相手ではないと告げた。そして、呉朗の息子に目をつけたことを明かした。呉朗は最初は乗り気だったが、茉喜(まき)が本当に望んでいるのは自分の息子だと気づき、策略だと理解した。宝慶楼の財力と茉喜(まき)の条件を考慮し、呉朗はこの縁談を承諾した。

後日、呉夫人は茉喜(まき)を連れて宴に出席した。その目的地は鍾毓麒(钟毓麒)の屋敷だった。侯爵家の書斎に侵入するため、茉喜(まき)は侍衛に賄賂を渡し、一炷香の間に鍾毓麒(钟毓麒)が外国と通じている証拠となる手紙を探す時間を手に入れた。手紙を持ち出すのは難しいため、彼女は書き写そうとしたが、時間製限のため思うように進まなかった。その時、白鳳瑤(しらほうよう)は茉喜(まき)に気づき、動揺を抑えながらすぐには声をかけなかった。茉喜(まき)が書斎を出て梅見をしている間に、白鳳瑤(しらほうよう)も後を追って書斎を出た。そして、書斎で茉喜(まき)を見つけた。茉喜は白鳳瑤(しらほうよう)に気づかれることを望んでいなかったが、白鳳瑤(しらほうよう)は自分が持つ過目不忘の能力で手紙の内容を覚えるのを手伝うと申し出た。時間がないことを考えた茉喜は、白鳳瑤(しらほうよう)の申し出を受け入れた。この時、白鳳瑤(しらほうよう)は過去を思い出し、涙を流した。もう二度とあの無邪気な日々には戻れないのだと。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、36話ネタバレ

白鳳瑤(しらほうよう)は萬嘉桂(ばんかげつ)とはまだ夫婦の契りを交わしておらず、萬嘉桂(ばんかげつ)は今でも茉喜を想っていると打ち明けた。彼女は萬嘉桂(ばんかげつ)を茉喜に返すと言ったが、茉喜はこの一年以上、陳文徳を想い続けていたため、白鳳瑤の申し出を断った。茉喜と別れた後、白鳳瑤は万府に戻り、心が乱れたままだった。萬嘉桂(ばんかげつ)が戻ると、彼女は思わず彼を抱きしめ、茉喜が生きていることを知ったと告げた。この一年の間に、萬嘉桂(ばんかげつ)は白鳳瑤に想いを寄せるようになっており、茉喜に会いたい気持ちは残っているものの、自分の心は変わり、白鳳瑤を愛していると告白した。彼はまた、白鳳瑤の行動が自分への好意の表れだと感じていた。夜も更けていたので、白鳳瑤は萬嘉桂(ばんかげつ)に、気持ちを確かめるために明日茉喜に会いに行くよう勧めた。翌日、宝慶楼から出てきた茉喜は、門の外で待つ萬嘉桂(ばんかげつ)と出会った。

最終回(第37話)あらすじとネタバレ

茉喜(まき)は萬嘉桂(ばんかげつ)に再会したが、心は既に静かだった。彼女は一年以上、心に想うのは陳文徳ただ一人だと告白した。萬嘉桂(ばんかげつ)も最初は茉喜(まき)を忘れられずにいたが、時間の経過とともに、白鳳瑶(ほうよう)の傍らで茉喜(まき)の記憶は薄れ、白鳳瑶(ほうよう)がたまに茉喜(まき)の話をした時に思い出す程度になっていた。二人は腹を割って話し合い、茉喜(まき)は白鳳瑶(ほうよう)の萬嘉桂(ばんかげつ)への想いを理解し、彼に前へ進むよう促し、白鳳瑶(ほうよう)もきっと彼の気持ちを受け入れてくれると告げた。萬嘉桂(ばんかげつ)は茉喜(まき)の今の唯一の願いが陳文徳の名誉回復であることを理解し、もし自分にできることがあれば、命を懸けても茉喜(まき)のために尽くすと申し出た。しかし、茉喜(まき)は夫を失った悲しみを深く理解しており、萬嘉桂(ばんかげつ)には自分の命を大切にし、白鳳瑶(ほうよう)と幸せに暮らしてほしいと願った。こうして、三人は家族のような絆で結ばれた。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、37話ネタバレ

一方、白鳳瑶(ほうよう)はずっと萬嘉桂(ばんかげつ)は最終的に茉喜(まき)を選ぶと思っていた。家で涙を流しながら萬嘉桂(ばんかげつ)のために四季の衣服を準備していた。萬嘉桂(ばんかげつ)が戻ってくると、彼女は慌てて涙を拭い、生活の細々としたことを丁寧に伝えた。萬嘉桂(ばんかげつ)は白鳳瑶(ほうよう)を強く抱きしめ、茉喜(まき)は過去を乗り越え、今は陳文徳の名誉回復だけを考えていること、そして自分が白鳳瑶(ほうよう)に想いを寄せていることを告げた。それを聞いた白鳳瑶(ほうよう)は嬉し涙を流した。

茉喜(まき)を助けるため、呉吟(くれ・ぎん)は彼女の頼みで書斎の鍵を持ってきた。茉喜(まき)は隙を見てこっそりと書斎に忍び込んだが、仕掛けを作動させてしまった。危機一髪のその時、仮面をつけた人物が現れ、茉喜(まき)を梁の上へと連れて行き、侍衛の捜索から逃れた。ちょうどその時、猫が通りかかり、侍衛たちは猫が仕掛けを作動させたのだと勘違いした。茉喜(まき)の安全を確認した後、仮面の人物は姿を消した。茉喜(まき)は鍵を使って錠を開け、鍾毓麒(钟毓麒)と呉朗の汚職と外敵との内通の証拠を見つけた。出ていく時、彼女はわざとそこに残された他の証拠を発見し、誰がこれらの手がかりを残したのか疑問に思った。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、37話ネタバレ

呉朗の家の結婚披露宴には、朝廷の役人が一堂に会し、皇帝までもが自ら祝いに駆けつけた。茉喜(まき)は呉相の息子と結婚式を挙げ、皇帝に謁見した際、自分の本当の身分が陳文徳の妻であることを明かし、鍾毓麒(钟毓麒)と呉朗の罪を暴く証拠を提出し、陳文徳の名誉回復を求めた。皇帝は証拠を見て激怒し、二人を叱責したが、彼らは慌てる様子もなく、冤罪だと主張し、互いに目配せをした後、短刀を抜いて皇帝に襲いかかった。内侍が身を挺して皇帝を守ったおかげで、皇帝は一命を取り留めた。実は、鍾毓麒(钟毓麒)は以前から皇帝に疑われていることに気づき、呉朗と共謀して皇帝を殺し、帝位を簒奪しようと企んでいたのだ。突然の事態に、小武(しょうぶ)は茉喜(まき)を守り、皇帝の近衛兵はすぐに殺されてしまった。危機的状況の中、仮面の男が再び現れ、緻命的な一撃を防いだ。彼は奮戦したが、多勢に無勢だった。幸いにも、萬嘉桂(ばんかげつ)が兵を率いて駆けつけ、仮乱を鎮圧した。鍾毓麒(钟毓麒)は萬嘉桂(ばんかげつ)を買収しようとしたが、萬嘉桂(ばんかげつ)は忠義を尽くし、鍾毓麒(钟毓麒)の首に剣を突きつけて捕らえた。呉朗は状況が悪化しているのを見て、妻に息子の面倒を見るように言い残し、鍾毓麒(钟毓麒)と共に罰せられた。

皇帝は無事であり、仮面の男を大いに褒め称え、彼が陳文徳だと知って驚き喜び、彼を大将軍に任命しようとした。しかし、陳文徳は山林に隠遁することを望み、皇帝はすぐに彼の願いを聞き入れた。山林で、茉喜(まき)の馬車は襲撃され、小武(しょうぶ)は抵抗したが、多勢に無勢だった。その時、陳文徳が現れ小武(しょうぶ)を助け、茉喜(まき)は馬車から出てきて黒装束の集団を追い払い、陳文徳に抱きついた。生きていたのに自分の元に来なかったことを嘆いた。陳文徳が茉喜(まき)の元へ行かなかったのは、怪我で顔に傷が残ってしまったからだったが、茉喜(まき)にとっては生きているだけで十分だった。二人は深く抱き合った。萬嘉桂(ばんかげつ)と白鳳瑶(ほうよう)が駆けつけ、遠くから茉喜(まき)と陳文徳が抱き合っているのを見て、ようやく安心し、今ある幸せを大切にしようと決めた。白鳳瑶(ほうよう)は萬嘉桂(ばんかげつ)の気持ちに理解を示し、幸せそうに頬を染め、二人は手を取り合ってその場を去った。

双燕秘抄 乱世を舞う二羽の絆あらすじ、37話ネタバレ

茉喜(まき)は京州の馴染みの道を歩いていると、一人の少女が駆け寄ってきて羊肉をプレゼントした。昔、茉喜(まき)が彼女に羊肉をご馳走し、母親の仕事探しを手伝ってくれたことを少女は覚えていた。今では、少女の家は羊肉店を開いている。茉喜は遠い昔の記憶を思い出し、隣で一緒に食べ歩きをしている陳文徳を見て、心に満ち足りた気持ちになった。