第23話あらすじとネタバレ
陳文徳は以前、部下に民を苦しめるなと戒めていたが、多くの負傷兵を前に、韓林は彼らを空家に収容せざるを得なかった。運び出された兵士の唇が紫色になっているのを見た陳文徳は事情を問い詰め、数種類の薬を誤って服用したことが原因だと知る。彼はすぐに萬嘉桂(ばんかげつ)が共同水源に毒を盛ったのだと判断するが、この薬は致命的なものではなく、数日静養すれば回復するとのことだった。負傷兵の数が八、九百人にものぼると知り、陳文徳の表情は曇った。その時、神鴉火箭の奇襲を受け、負傷兵の収容所は大混乱に陥り、負傷兵たちは逃げ惑う。陳文徳は屋根に飛び上がり火箭の出所を探り、萬嘉桂(ばんかげつ)の潜伏場所を特定し、部下に包囲を命じた。
包囲網を突破した萬嘉桂(ばんかげつ)は小江(しょうこう)と偶然出会い、驚きと喜びを隠せない。白鳳瑶(ほうよう)と茉喜(まき)が捕らえられ、陳文徳の屋敷にいると知り、萬嘉桂(ばんかげつ)はいてもたってもいられずすぐに救出しようとするが、小江(しょうこう)の冷静な説得により、軽率な行動に出れば白鳳瑶(ほうよう)と茉喜(まき)を救える者は誰もいなくなると諭される。
駅化県に駐留する萬嘉桂(ばんかげつ)の逃亡に、陳文徳の機嫌は悪い。屋敷に戻った陳文徳は、茉喜(まき)が誰かを叱っている声を聞きつけ、様子を見に行く。白鳳瑶(ほうよう)の病状は重く、茉喜(まき)は先に人を遣わして陳文徳に助けを求めていたが、当時陳文徳は外出中で取り合わなかった。今、陳文徳が戻ってきたことで、茉喜(まき)は強がってはいるものの、陳文徳が手を貸さなければ白鳳瑶(ほうよう)の命は危ないと理解していた。結局、陳文徳は茉喜(まき)への昔の情から、厚手の布団を送らせ、医者も手配した。白鳳瑶(ほうよう)は薬を飲んで容態がやや回復し、茉喜(まき)も萬嘉桂(ばんかげつ)がまだ無事であるという知らせを受け、救出の機会を伺うと同時に、万が一に備えて白鳳瑶(ほうよう)を連れて逃げる計画を立てる。
駅化県城に立てこもった萬嘉桂(ばんかげつ)は守勢をとり、攻めもせず退きもしない。小江(しょうこう)はこれに焦り、罄州城が陳文徳の手に落ちることを心配する。萬嘉桂(ばんかげつ)は呉朗が既に密かに罄州に介入し、わざと援軍を送っていないことを知らず、朝廷が各勢力の利害を天秤にかけていると考えていた。畢竟、罄州は今や各勢力が奪い合う地となっているのだ。
蕭布語から送られてきた錬器秘法に陳文徳は大喜びし、秘法に従って錬成するように命じる。岫州、夏州、堯州の使者が謁見を求め、物資の交換を条件に提示してきた。新しい衣装に身を包んだ陳文徳は使者たちと面会し、馬蹄羹を振る舞いながら分け与えるつもりはないことをそれとなく伝える。使者たちは胡餅を例えに脅しをかけようとするが、かえって陳文徳の怒りを買い、策略を変えて物々交換を提案する羽目になる。朝廷と手を組んで敵を滅ぼすリスクを考慮し、使者たちは陳文徳に萬嘉桂(ばんかげつ)の妻である白鳳瑶との結婚を勧め、龍襄軍と敵対関係を築くことを提案する。
使者から持ちかけられた結婚話に陳文徳は不満を抱くが、自分の財政状況ではあと一ヶ月しか持たず、鉄器の生産にもまだ時間がかかると気づく。そのため、馬と兵糧が至急必要だったことから、使者の提案を検討せざるを得ない状況に追い込まれる。茉喜(まき)がまだ脱出の方法を考えあぐねているうちに、彼女と白鳳瑶は広間に連れて行かれ、身なりを整えさせられる。白鳳瑶は不安で胸が張り裂けそうになる。陳文徳は白鳳瑶と二人きりになり、自分と結婚する意思があるか尋ねる。白鳳瑶はきっぱりと拒絶し、自分は萬嘉桂(ばんかげつ)の妻であり、死んでも貞節を守る覚悟だと伝える。陳文徳は彼女の同意があろうとなかろうと既に関係ないと警告し、茉喜(まき)はこの夫婦の別れを嘆き涙を流す。
第24話あらすじとネタバレ
白鳳瑶(ほうよう)は、萬嘉桂(ばんかげつ)の妻という立場でありながら、陳文徳との結婚を強製され、深く悲しみに暮れていた。茉喜(まき)は、白鳳瑶(ほうよう)が貞節を非常に重んじていることを知っており、自害するのではないかと案じ、陳文徳を説得しようと試みた。しかし、茉喜(まき)の機転の利いた言葉は、かえって陳文徳の興味を引いてしまい、激しい言い争いの最中、陳文徳は茉喜(まき)に口づけをしようとした。茉喜(まき)は唇は避けられたものの、頬にキスされてしまい、強い嫌悪感を抱いた。
白鳳瑶(ほうよう)は、自分がまるで俎板の鯉のような状況だと理解し、抵抗を試みながらも逃れる術を見出せずにいた。熟慮の末、母の形見である銀の簪で、陳文徳を殺すか、自害するかのどちらかを選び、結婚を拒否しようと決意する。夜、茉喜(まき)は日中の出来事、特に陳文徳のキスを思い出し、顔を拭った。そして、白鳳瑶(ほうよう)が銀の簪を気にしている様子に気づき、異変を察知し、急いで白鳳瑶(ほうよう)を探しに向かった。茉喜(まき)が白鳳瑶(ほうよう)を見つけ出した時、彼女はまさに簪で自害しようとしていた。間一髪で茉喜(まき)が止めに入り、もみ合う中で茉喜(まき)の手は簪で傷ついてしまった。茉喜(まき)は罪悪感に苛まれる白鳳瑶を強く抱きしめ、生きていかなければならないと励まし、必ず助け出すと約束した。
一方、萬嘉桂(ばんかげつ)は小李を街に遣い、情報を集めさせていた。門番は小李の手の傷に異変を感じながらも、泳がせて様子を見るため、わざと街へ入ることを許可した。小李はすぐに陳文徳が白鳳瑶と結婚しようとしていることを知り、急いで萬嘉桂(ばんかげつ)のもとへ戻った。この知らせを聞いた萬嘉桂(ばんかげつ)は激怒し、龍襄軍を率いて救出作戦の準備を始めた。小李は萬嘉桂(ばんかげつ)に、軍への影響を考慮し、自ら危険を冒すべきではないと進言したが、萬嘉桂(ばんかげつ)は自らの責任だと考え、攻撃計画を立て、変装して罄州城へ潜入した。
結婚式当日、白鳳瑶は無理やり花嫁衣装を著せられ、出発前に母の簪を身につけたいと申し出たが、女官に縁起が悪いと拒否された。白鳳瑶は皮肉を込めて、自分こそがこの婚礼に最もふさわしくない存在だと仮論した。結局、女官は折れて簪を許した。茉喜(まき)は白鳳瑶の身を案じ、簪と彼女の目に浮かぶ涙を見て、白鳳瑶が死を決意していることを悟った。茉喜(まき)は白鳳瑶を止めるため、玉佩を取り出し、婚礼の場へ乱入した。そして、自分と萬嘉桂(ばんかげつ)の婚姻関係を証明する婚書を掲げ、自分が萬嘉桂(ばんかげつ)の正妻であり、白鳳瑶は妾にしか過ぎないと主張した。茉喜(まき)の行動により、結婚式は中断され、陳文徳は激怒した。
混乱の中、萬嘉桂(ばんかげつ)は軍勢を率いて城内へ攻め入り、二人の女性を救出しようとした。物音を聞いた茉喜は陳文徳に何が起こったのか尋ね、萬嘉桂(ばんかげつ)が助けに来たことを知った。しかし、陳文徳は全て想定内だと語り、萬嘉桂(ばんかげつ)が自ら罠に飛び込んできたと嘲笑した。茉喜は焦燥感を募らせた。陳文徳は明らかに彼女に特別な感情を抱いていたが、茉喜の心は既に萬嘉桂(ばんかげつ)のものだったからだ。陳文徳はそれを悟り、白鳳瑶と茉喜の両方を妻として迎えると言い、萬嘉桂(ばんかげつ)を侮辱しようとした。茉喜は断固として仮対したが、陳文徳の強硬な態度に、何もできず、ただ目を瞪るばかりだった。
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