上陽賦~運命の王妃~あらすじ53話・54話・55話・56話、ネタバレ

第53話あらすじとネタバレ

王儇(おうけん)の馬車が都を出ようとしたその時、太后の手下が駆けつけ、蕭綦(しょうき)が皇帝暗殺を企て楝羽山で包囲されていると告げた。王儇(おうけん)は蕭綦(しょうき)の死を信じることができず、龐癸(ほうけい)の命がけの護衛のもと、抵抗を続けた。幸いにも守備隊長は蕭綦(しょうき)の旧部下で、城門を開き、太后の追っ手を阻んでくれた。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、53話ネタバレ

都を脱出した後、王儇(おうけん)と龐癸(ほうけい)は別行動をとることにした。龐癸(ほうけい)は王儇(おうけん)と共に楝羽山へ向かい蕭綦(しょうき)の生死を確認し、残りの者は江南へ行き王夙(おうしゅく)を探す。しかし、誰も王儇(おうけん)から離れたがらず、協議の結果、蘇錦児(そきんじ)は王儇(おうけん)と龐癸(ほうけい)に同行し、徐姑姑(じょこくこ)と阿越は子供を連れて江南の王夙(おうしゅく)を頼ることに決まった。

ところが、蘇錦児(そきんじ)は既に裏切り、密かに道しるべを残して一行の行方を知らせていた。王儇の馬車が去った後、賀蘭箴(がらんしん)一行が追いつき、その記号を発見する。賀蘭箴(がらんしん)は忽耶奇(こつや き)に王儇の馬車を追わせ、無傷で連れ帰るよう命じ、自身は追っ手を食い止めるため残った。王儇を追う大成の兵士を始末した後、賀蘭箴(がらんしん)は計画を進めた。一方、金全も王儇を追跡しており、江南の王夙(おうしゅく)を頼ると推測し、その方向へ向かった。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、53話ネタバレ

王夙(おうしゅく)は道中、物乞いと出会い、その手には王(おう)氏一族の印があった。王夙(おうしゅく)はその者を天幕に招き入れ、王藺(おうりん)が追っ手を逃れるため死を偽装したことを知る。王藺(おうりん)は疫病に罹患したという。王夙(おうしゅく)はすぐさまその者を連れ王藺(おうりん)の元へ向かった。病のため人に近づくなと言われても、王夙は躊躇なく傍らに跪いた。

道中の休憩時、蘇錦児(そきんじ)は密かに王儇に薬を盛った。彼女は元々子澹(したん)の命で王儇を連れ出すつもりだったが、子澹(したん)が即位すれば民の不満を買うであろう王儇を娶るだろうと考えた。そこで、賀蘭箴(がらんしん)の指示に従い、薬で王儇を昏睡させ、その結婚を阻止しようとしたのだ。忽耶奇(こつや き)が追いつき王儇を連れ去ろうとした時、蘇錦児(そきんじ)は彼らとの縁を切ることを宣言したが、忽耶奇(こつや き)は蘇錦児(そきんじ)を馬車に引きずり込み、暴行した。

皇陵に子隆(しろう)崩御の知らせが届き、子澹(したん)はすぐさま軍を率いて都へ戻った。重傷を負っていた蕭綦(しょうき)は農家の助けで目を覚まし、豫章(よしょう)王謀仮失敗の知らせや、その首が城門に晒されていることなどを聞かされる。蕭綦(しょうき)は起き上がり詳しい情報を求め、豫章(よしょう)王妃が都を脱出し、官府が捜索していることを知った。

一方、王儇は目を覚ますと、賀蘭箴(がらんしん)の馬車の中にいた。停車を求めた時、既に草原へ連れ戻されていることに気づいた。

第54話あらすじとネタバレ

王儇(おうけん)は昏睡から覚めると、賀蘭箴(がらんしん)の馬車の中にいることに気づいた。辺りを見回し、草原の中にいることを悟り、慌てて龐癸(ほうけい)と蘇錦児(そきんじ)の行方を尋ねた。賀蘭箴(がらんしん)は王儇(おうけん)に昏睡前の状況を思い出させ、蘇錦児(そきんじ)の裏切りと、彼女に対するお尋ね者の掲示を見せた。そして、唯一の安全な場所である忽蘭(くらん)へ共に帰るよう説得した。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、54話ネタバレ

一方、安平王の馬車は都の城門に到著した。朝廷の臣下たちは小皇子が連れ去られたことで不安を抱き、皇位継承問題に頭を悩ませていた。温相は安平王を新たな皇太子(たいし)に立てることを提案し、他の臣下たちもこれに同意した。安平王の到著を知ると、臣下たちは城門に駆けつけ、「儲君おかえりなさいませ!」と歓呼の声を上げた。宮殿に戻った安平王は、まず病に伏せる太后を見舞い、子隆(しろう)の本当の死因を告げた。このことで、すでに意識が朦朧としていた太后はさらに衰弱した。

また、安平王に助けられた胡瑶(こよう)も意識を取り戻した。八月十五日が近づき、豫章(よしょう)王府の元使用人たちは行方不明の王妃を心配していた。安平王も王儇(おうけん)の行方を捜索しながら、彼女との過去の思い出を振り返り、世の移り変わりを嘆いた。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、54話ネタバレ

承康二年八月、安平王子澹(したん)は太極殿にて即位し、亡き母、謝(しゃ)氏を孝純昱寧皇太后として追諡した。わずか二年で三人の皇帝が交代した大成王朝は、不安定な情勢にあった。王藺(おうりん)と王夙(おうしゅく)は対策を練りながら、蕭綦(しょうき)謀仮の噂を信じないでいた。忽蘭(くらん)に戻った賀蘭箴(がらんしん)は、忽蘭(くらん)王からケル部との政略結婚を迫られたが、愛する女性を二度と失いたくないと拒絶した。彼はすでに母と妹を失っていたのだ。

王儇(おうけん)は賀蘭箴(がらんしん)が自分の運命を勝手に決めたことに怒り、冷たく接した。「豫章(よしょう)王妃」という自分の立場を主張し、「箴王子大妃」と呼ばれることを拒んだ。胡瑶(こよう)は回復後、新皇帝に謁見し、狩猟場での事件の真相を伝え、豫章(よしょう)王と寧朔(ねいさく)軍の名誉回復を誓った。忽蘭(くらん)王は王儇(おうけん)が賀蘭箴(がらんしん)との結婚を拒んでいることを知り、その夜、城から出すことを提案したが、一度出たら二度と戻ってはならないと警告した。

第55話あらすじとネタバレ

救出と誓い

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、55話ネタバレ

蕭綦(しょうき)は村人に助けられた後、すぐに馬で城へ急いだ。城壁には寧朔(ねいさく)軍兵士の首が残酷にも晒されており、道端の屋台では豫章(よしょう)王妃(よしょうおうひ)が忽蘭(くらん)へ送られたという噂が飛び交っていた。忽蘭(くらん)王の真意は測りかねるも、王儇(おうけん)は彼の指示に従い城を離れた。しかし、彼女は人裏離れた森に置き去りにされてしまう。真夜中の狼の遠吠えに、王儇(おうけん)は恐怖に震えた。一方蕭綦(しょうき)は、仲間たちの首を取り戻し、丁重に葬儀を執り行った。そして、寧朔(ねいさく)軍の兄弟たちの死を無駄にしないと誓った。

王氏兄弟の決意

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、55話ネタバレ

一方、王夙(おうしゅく)と王藺(おうりん)は、宋懐恩(そうかいおん)が信頼に足る味方だと判断し、命を助けることにした。王藺(おうりん)は王夙(おうしゅく)に、今頼れるのはお前だけだと語り、二人で大きな夢を実現しようと持ちかけた。葛藤の末、王夙(おうしゅく)は王藺(おうりん)と共に王氏の栄光を取り戻すことを決意する。しかし、自分たちの力はまだ弱いと自覚し、更なる後ろ盾が必要だと考えた。

賀蘭箴(がらんしん)の固い意誌

賀蘭箴(がらんしん)は忽蘭(くらん)王のもとへ行き、王儇(おうけん)に危害を加える者は誰であろうと許さないと強く迫った。賀蘭箴(がらんしん)の強硬な態度に対し、忽蘭(くらん)王は新たな忽蘭(くらん)王になるには他の部族の力が必要だと警告した。しかし賀蘭箴(がらんしん)は、王儇(おうけん)こそが自分の唯一の王妃だと断言した。

政局の動き

温相は皇帝に謁見を求めたが、門前払いされた。侍衛は、皇帝は一日中書物を読んでいることが多いと告げた。不安を抱えながら、温相は立ち去った。忽蘭(くらん)王の譲位まであと十日。賀蘭箴(がらんしん)の王儇(おうけん)への強い想いを危惧した忽蘭王は、それが新しい忽蘭王としての立場に影響することを懸念した。そこで、王儇(おうけん)を邪魔者とみなし、大成にとって既に無用な存在だと考えて、彼女を排除しようと企んだ。

陰謀と行動

王夙(おうしゅく)は宋懐恩(そうかいおん)に密旨を見せ、宋懐恩(そうかいおん)を暗殺するように命じられていたことを明かした。しかし、宋懐恩(そうかいおん)は王夙(おうしゅく)を信じ、共に都へ行くことに同意した。一方、忽蘭の占い師の予言によると、賀蘭箴(がらんしん)の婚礼の日に争いが起こるとされており、賀蘭拓(がらんたく)はその日を利用して、賀蘭箴(がらんしん)の婚礼を葬式に変えようと画策した。

宮廷の悲しみ

蘇錦児(そきんじ)は宮廷に戻り、子澹(したん)は王儇の行方を急いで尋ねた。蘇錦児(そきんじ)は沈痛な面持ちで、王儇は既に亡くなり、祭祀の際に山から身を投げたと告げた。信じられない子澹(したん)は、蘇錦児(そきんじ)を連れ出すように大声で命じた。

第56話あらすじとネタバレ

王儇(おうけん)が崖から身を投げたという知らせを聞いた子澹(したん)は、ショックのあまり倒れてしまった。医官は皇帝に、これ以上の刺激には耐えられないと警告した。事情を知った朝廷の臣下たちは、豫章(よしょう)王妃の殉情に驚きを隠せなかった。王妃がそのような選択をするとは信じられなかった。蘇錦児(そきんじ)はずっと子澹(したん)の傍らにひざまずいていた。子澹(したん)が目を覚ますと、残酷な事実を受け入れ、蘇錦児(そきんじ)を問い詰めることはしなかった。王儇(おうけん)との十数年にわたる幼馴染としての日々を思い返し、子澹(したん)は結局自分は蕭綦(しょうき)には敵わないのだと嘆き、苦労して手に入れた皇位も意味を失ったように感じた。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、56話ネタバレ

一方、蕭綦(しょうき)は旅の途中で人々が国事について議論する声を耳にする。皆、豫章(よしょう)王の「死」を悼み、豫章(よしょう)王がいなくなったことで皆の心にぽっかりと穴が空いたかのようだった。彼が宿屋に著くと、楝羽山を捜索するよう命じられた兵士たちがやってくる。その中の一人が、噂で聞いた豫章(よしょう)王妃の投身自殺について語り、ついでに王儇(おうけん)と子澹(したん)の過去の話を持ち出す。蕭綦(しょうき)は戸口の外で、じっとそれらの話を聞いていた。

忽蘭(くらん)では、王倩(おうせん)が野営地で偶然王儇(おうけん)の姿を見かける。その時、王儇(おうけん)はちょうど馬車に乗り込んで出発するところだった。王倩(おうせん)の目に憎しみが浮かび上がる。徐姑姑(じょこくこ)は阿越を連れて王夙(おうしゅく)のもとを訪れ、王妃を救うよう懇願し、前の太子(たいし)である王静を連れてきた。賀蘭箴(がらんしん)は王儇(おうけん)に彼女のために特別に作った花園を案内し、現実を受け入れ、亡くなった人のことを忘れさせようとする。しかし、王儇は蕭綦(しょうき)の死をまだ信じていない。誰も彼の死を直接見ていないからだ。賀蘭箴(がらんしん)は王儇に忽蘭(くらん)に留まり、心身を休め、過去をゆっくりと忘れ去るよう説得する。

上陽賦~運命の王妃~あらすじ、56話ネタバレ

王夙(おうしゅく)は子供を採薇の家に預け、育ててくれるよう頼む。しかし、子供については何も語らず、自分が京城で酔った勢いで作った子供だとだけ伝える。採薇は悲しむが、王夙(おうしゅく)の頼みを引き受ける。しかし、王夙(おうしゅく)が顧家を訪ねたことが露見し、宮中の人間は小皇子の居場所を知ってしまう。

王倩(おうせん)は拓司于の吉凶を占うふりをして方士のもとを訪れ、方士が持っているサソリが猛毒で解毒剤がないことを知る。そこで彼女は一計を案じ、王儇に布団を贈り、侍女にそれを敷かせ、布団の中にこっそりと猛毒のサソリを潜ませる。

夜、二組の人間が別々に顧家に忍び込み、小皇子を連れ去ろうとする。そこに別の何者かが現れ、彼らを阻もうとする。しかし、意外なことに、清雲道長の部下が現れ、小皇子を連れ去っていく。その夜、王儇が寝ていると、サソリが彼女の首筋に這い上がってくる。間一髪、賀蘭箴(がらんしん)が駆けつけ、サソリを掴み、王儇は中毒を免れる。王儇を守るため、賀蘭箴(がらんしん)は方士を殺し、その首を拓司于の前に突きつけ、二度と王儇を傷つける考えを起こさないよう警告する。