第49話あらすじとネタバレ
宮廷の波乱
王儇(おうけん)は皇子と謝宛如(しゃえんじょ)を見舞うため宮中を訪れ、皇子は王儇(おうけん)の腕の中で安らかに眠っていた。その時、太后が謝宛如(しゃえんじょ)を召しているという知らせが届く。王儇(おうけん)は退出を試みるも、謝宛如(しゃえんじょ)は皇子難得に静かにしているので、一緒にいてほしいと頼む。王儇(おうけん)は皇子への愛情から、皇后宮に残ることにした。
一方、太后は温宗慎(おんしゅうしん)と蕭綦(しょうき)の兵権削減について話し合っていた。温宗慎(おんしゅうしん)は、今こそ蕭綦(しょうき)の権力を徐々に回収する好機だと考え、士族に兵権を握らせることで寒族と士族の均衡を保つことを提案する。しかし太后は、蕭綦(しょうき)がそのような均衡が成り立つまで待たないのではないかと危惧し、直接的な強硬策を取ることを提案する。温宗慎(おんしゅうしん)は失敗した場合、蕭綦(しょうき)の怒りを誰にも抑えられないと懸念するが、太后は意に介さない様子だった。
争いの兆し
ある日、鄭嬷嬷は隙を見て宮中に忍び込み、眠っている皇子を起こしてしまう。王儇(おうけん)はすぐさま止めに入るが、戻ってきた謝宛如(しゃえんじょ)は王儇(おうけん)の言葉を信じず、挑発だと決めつける。王儇は心中で不満を抱きながらも、皇子の安全のため、謝宛如(しゃえんじょ)に鄭嬷嬷を警戒するよう忠告する。謝宛如(しゃえんじょ)は表面上は聞き入れないものの、王儇が去った後、自ら皇子を世話することに決め、王儇の言葉の真偽を考え始める。
江南の洪水
江南では、宋懐恩(そうかいおん)が民衆を率いて堤防を築き、洪水と闘っていた。王夙(おうしゅく)はそれを見て、宋懐恩(そうかいおん)の安全を案じ、水の中から引き上げる。二人は苦労を重ね、洪水のピークを乗り越える。しかし、王夙(おうしゅく)は宿営で太后からの密書を受け取る。それは宋懐恩(そうかいおん)を排除せよという指示だった。一方、京城では、竇夫人が殺し屋に殺害され、その息子も拉緻される。
狩猟場での陰謀
子隆(しろう)と百官は狩猟場に到著する。太后は半月前からここに刺客を配置し、蕭綦(しょうき)を森に誘い込み暗殺する計画を立てていた。計画通り、子隆(しろう)は蕭綦(しょうき)を森の奥へ誘導する。蕭綦(しょうき)が追跡する最中、子隆(しろう)は突然落馬する。刺客たちはその隙に蕭綦(しょうき)を襲撃するが、蕭綦(しょうき)は巧みに応戦し、刺客たちを撤退させる。その後、蕭綦(しょうき)は子隆(しろう)が毒矢で負傷しているのを発見し、竇夫人の息子の助けを求める声を聞く。
援軍が到著し、子隆(しろう)が毒矢で負傷していることが分かると、太医はすぐに治療を開始する。蕭綦(しょうき)は部下に刺客の追跡を指示する。間もなく、刺客は太后が手配した者ではなく、子隆(しろう)の体に刺さった矢には蕭綦(しょうき)の姓が刻まれており、明らかに濡れ衣であることが判明する。太後の側近は太後の令符を使って蕭綦に謀仮の罪を著せ、寧朔(ねいさく)軍の兵営を包囲し、蕭綦を追跡するよう軍に指示を出す。
危機的状況
蕭綦は胡光烈(ここうれつ)、胡瑶(こよう)と共に刺客を追跡するが、前方に待ち伏せがあることに気づく。さらに悪いことに、蕭綦は戦闘中に毒を受けてしまう。それでも蕭綦は刺客を追うことを決意し、胡瑶(こよう)に援軍を要請するために戻るよう指示する。胡瑶(こよう)は部下の子虎に援軍要請をさせるが、途中で太後の部下に阻まれ、逃走を余儀なくされる。
第50話あらすじとネタバレ
蕭綦(しょうき)が軍を率いて穀に入り、橋のたもとに著くと、賀蘭箴(がらんしん)の一味が竇夫人の子供を人質に取っているのを発見した。賀蘭箴(がらんしん)は子隆(しろう)暗殺の罪を否定するばかりか、蕭綦(しょうき)に罪をなすりつけた。皆が戸惑う中、小虎子が駆け戻り、禁軍が追ってきていること、そして蕭綦(しょうき)が子隆(しろう)を暗殺したと吹聴していることを伝えた。この事態に一同は驚愕する。賀蘭箴(がらんしん)は立ち去ろうとするが、胡光烈(ここうれつ)と胡瑶(こよう)が阻もうとする。しかし、賀蘭箴(がらんしん)は竇夫人の子供の命を盾に脅し、二人は諦めざるを得なかった。蕭綦(しょうき)は子供を解放するよう懇願するが、賀蘭箴(がらんしん)は蕭綦(しょうき)の命と引き換えだと告げ、もし遺言があれば忽蘭(くらん)で子供を育てると約束する。
間もなく禁軍が追いつき、賀蘭箴(がらんしん)は橋を渡ると橋を切り落とし、対岸から戦況を見守る。寧朔(ねいさく)営は禁軍に包囲され、多勢に無勢ながらも寧朔(ねいさく)軍は一歩も引かず、激しい戦闘を繰り広げる。蕭綦(しょうき)は毒に侵されながらも奮戦するが、次第に劣勢となり、崖っぷちに追い詰められる。それを見た賀蘭箴(がらんしん)は蕭綦(しょうき)の死を確信し、その場を去る。しかし、蕭綦(しょうき)と部下たちは抵抗を続け、ついに寧朔(ねいさく)営の援軍が到著し、希望が繋がる。両軍は夜まで激戦を繰り広げた。蕭綦(しょうき)は毒と疲労で限界に達し、自身を守るために胡光烈(ここうれつ)が犠牲になったことを悲しみ、ついに力尽きて倒れる。
翌朝、穀に残された生存者はわずかだった。胡瑶(こよう)はよろめきながら起き上がると、瀕死の胡光烈(ここうれつ)を見つける。蕭綦(しょうき)の安全を確保するため、胡光烈(ここうれつ)は胡瑶(こよう)に蕭綦(しょうき)の死を敵に信じ込ませるよう指示する。彼は胡瑶(こよう)に苦痛を終わらせるよう頼み、自分の首を蕭綦(しょうき)の死体に見せかけるように言う。胡瑶(こよう)は断腸の思いで胡光烈(ここうれつ)の願いを聞き入れ、気絶した蕭綦を連れて静かにその場を離れた。
一方、子隆(しろう)は曽太医の懸命な治療により一命を取り留めるが、重傷を負い、京城に戻るまで薬で命をつなぐしかない状態だった。衛侯(えいこう)は子隆(しろう)を適切に治療するため、すぐに京城へ戻ることを決める。京城では、王儇(おうけん)が鍼治療と薬湯で治療を受けており、蕭綦の帰りを待ちわび、共に未来を過ごすことを夢見ていた。
宮中の謝宛如(しゃえんじょ)はこの数日、幼い皇子の世話を甲斐甲斐しくしていた。ある日、皇子を寝かしつけた後、疲れ果てて眠りに落ちる。鄭嬷嬷は隙を見て朝食を運んでくる。謝宛如(しゃえんじょ)はこの出来事をきっかけに鄭嬷嬷の日頃の苦労を深く理解し、疑念を払拭する。鄭嬷嬷は罪悪感を抱きながらも謝宛如(しゃえんじょ)の気持ちを理解する。その後、謝宛如(しゃえんじょ)は鄭嬷嬷に王儇(おうけん)を呼ぶように頼み、今後のことを相談しようと考える。
第51話あらすじとネタバレ
後宮の権力争いが激化します。
謝宛如(しゃえんじょ)は鄭嬷嬷を使い、王儇(おうけん)を呼びつけました。王儇(おうけん)が自分の部下を陥れたとして、説明を求めます。昨日、王儇(おうけん)の情に心を動かされたように見せかけながらも、実際は信じていなかったことを明かします。皇帝と賀蘭箴(がらんしん)が豫章(よしょう)王蕭綦(しょうき)の排除を狙っていることに触れ、皇后は蕭綦(しょうき)の死を確信している様子。豫章(よしょう)王が失脚すれば、王儇(おうけん)と王(おう)氏一族は後ろ盾を失うと見ています。
知らせを受けた王儇(おうけん)は、謝宛如(しゃえんじょ)の真意を測りかねます。徐姑姑(じょこくこ)は謝宛如(しゃえんじょ)が王儇(おうけん)を信じ始めたのではと推測しますが、王儇はもしそうなら直接鳳池宮に来るはずだと仮論。後宮では誰にも頼るべきではないと考え、太后に助けを求めるという徐姑姑(じょこくこ)の提案を拒否します。
昭陽殿へ向かう道中、王儇は不安に駆られます。対面すると、謝宛如(しゃえんじょ)は王儇にやましいところがないか問いただします。しかし、王儇は身に覚えがないため、堂々としています。謝宛如(しゃえんじょ)は王儇への信頼を失い、彼女がわざと仲たがいさせようとしているのではないかと疑います。王儇が小皇子の様子を見たいと申し出ると、鄭嬷嬷は動揺しますが、謝宛如(しゃえんじょ)は許可します。念入りに調べますが、王儇は異常に気づきません。謝宛如(しゃえんじょ)は王儇に鄭嬷嬷への謝罪を求めますが、鄭嬷嬷はそれを辞退します。
昭陽殿を後にした王儇は、小皇子の身を案じます。その時、突然手に赤い発疹が現れます。異変を感じた王儇は昭陽殿へ引き返します。鄭嬷嬷が小皇子を連れて偏殿に行ったと知り、急いで向かうと、鄭嬷嬷が何かを捨てようとしているのを発見します。駆けつけた謝宛如(しゃえんじょ)に、王儇は自分が山桃の毛に触れると発疹が出ること、そして小皇子の衣服に山桃の毛が入っていたことが夜泣きの原因だと説明します。証拠は明白で、鄭嬷嬷は言い逃れできません。謝宛如(しゃえんじょ)は激怒し、黒幕を問い詰めますが、鄭嬷嬷は沈黙を守り、拷問にかけられます。
その頃、子隆(しろう)が狩猟場で刺客に襲われたという知らせが届きます。太后は王儇の遅刻を叱責し、鳳池宮へ帰そうとしますが、子隆(しろう)の容態が急変したため、式乾殿へ向かいます。この知らせを聞いた謝宛如(しゃえんじょ)も式乾殿へ急ぎます。式乾殿で、子隆(しろう)は息を引き取る前に皇長子馬静(ばせい)を太子(たいし)に立て、皇后謝宛如(しゃえんじょ)に殉葬を命じます。自分の運命を知った謝宛如(しゃえんじょ)は絶望しますが、これが馬静(ばせい)を守る最善の方法だと理解します。
昭陽殿に戻った謝宛如は、王儇に馬静(ばせい)の将来を託すため、もう一度会いたいと頼みます。王儇は承諾し、昭陽殿へ。殉葬を控えた謝宛如に対し、馬静(ばせい)を守ると約束します。
第52話あらすじとネタバレ
皇后・謝宛如(しゃえんじょ)は王儇(おうけん)に深い謝罪の意を伝え、過去の行いを悔いました。許しを乞うと共に、馬静(ばせい)を王儇(おうけん)に託し、朝廷の争いから離れた穏やかな暮らしをさせてほしいと懇願しました。その真剣さを示すため、謝宛如(しゃえんじょ)は王儇(おうけん)の前に跪き、今後は馬静(ばせい)を王儇(おうけん)の実子同然に育て、自身は一切関与しないと誓いました。王儇(おうけん)は複雑な思いを抱えながらも、その願いを受け入れ、馬静(ばせい)の面倒を見ると約束しました。
そして、謝宛如(しゃえんじょ)は最愛の子に最後の視線を送り、自らの命を絶ちました。王儇(おうけん)は馬静(ばせい)を抱きかかえその場を去ろうとした時、偶然にも襁褓の中から皇后的位牌を見つけ、謝宛如(しゃえんじょ)の言う「お返し」の真意を悟りました。
子隆(しろう)は病を押して王儇と馬静(ばせい)を出迎えました。謝宛如(しゃえんじょ)の訃報を聞き、かつて王儇を裏切ったこと、そして今の自分の行動が蕭綦(しょうき)を傷つけるかもしれないことへの罪悪感に苛まれました。刺客の正体は明かせないものの、全ての元凶は権力への欲望だと告白しました。そして、馬静(ばせい)を皇位に就けるという以前の決定を悔やみ、子を危険な境地に追いやったと嘆きました。深宮の中で、もはや太后を含め誰一人として信じられない子隆(しろう)は、ただ一人王儇だけを信じ、馬静を連れて遠くへ逃げるよう頼みました。子の未来は王儇に託されたのです。
王儇は子隆(しろう)の願いに従い、馬静を連れて都を離れました。道中、龐癸(ほうけい)と遭遇します。寧朔(ねいさく)軍壊滅の報を聞いた龐癸(ほうけい)は、豫章(よしょう)王府の使用人たちを解散させ、王儇と共に馬車に乗り込み逃亡しました。一方、宮中では緊張が高まっていました。温宗慎(おんしゅうしん)は太后に国事の重要性を説き、豫章(よしょう)王の死を伝えました。太后は蕭綦(しょうき)が子隆(しろう)を殺したと思い込みますが、王儇が子を連れて宮中を出たことを知り、すぐに追跡を命じました。動揺のあまり、太后はまもなく気を失ってしまいます。
李将軍(りしょうぐん)は王儇追跡の命を受け、魏邯(ぎかん)は門番の立場を利用し、王儇が皇后的位牌を持っている事実を隠蔽し、出宮したのは皇後の侍女だと偽りました。李将軍(りしょうぐん)は追跡を急ぎ、それ以上問いただすことなくその場を去りました。
宮中に戻った温宗慎(おんしゅうしん)は、太後の容態を確認後、再び謁見し国事を話し合います。太后は皇位の正統性を守るため馬静を連れ戻すべきだと主張しますが、温宗慎(おんしゅうしん)は馬静が見つからない場合の皇位空席の危険性を懸念し、子澹(したん)を新帝に推戴することを提案します。しかし、この提案は太后の激しい仮発を受けました。太后の問いかけに対し、温宗慎(おんしゅうしん)は大成と皇帝への忠誠を改めて誓いました。
コメントする