第45話あらすじとネタバレ
王府の動乱
子澹(したん)は王儇(おうけん)を訪ね、豫章(よしょう)王蕭綦(しょうき)が彼女によくしてくれるか尋ねた。その様子を見た蘇錦児(そきんじ)は心中で少し悲しみを感じながらも、豫章(よしょう)王は王儇(おうけん)をとても大切にしていると子澹(したん)に告げた。蕭綦(しょうき)が朝廷で王儇(おうけん)だけを愛すると誓ったという噂を聞いた子澹(したん)は、皮肉を込めて蕭綦(しょうき)の賢さを認めた。蘇錦児(そきんじ)は王儇(おうけん)が既に他人の妻になったのだから諦めるように子澹(したん)を説得するが、子澹(したん)は蘇錦児(そきんじ)に王儇(おうけん)を裏切り、自分の望みを葉えるための協力を求めた。蘇錦児(そきんじ)は最終的に彼の頼みを受け入れた。
王妃の苦境
太医の診断によると、王儇(おうけん)は重傷を負った上に流産で体力の根幹を損ない、精神的にも大きな打撃を受けているという。王妃の容態は深刻で、長くは持たないだろうと告げられた。しかし、氷綃花という薬を使えば寿命を延ばせる可能性があるが、この薬は極寒の地でしか採れず、服用後は妊娠すれば必ず死に至るとのことだった。蕭綦(しょうき)は子孫を諦めても王儇の命を救いたいと願った。
宮廷の陰謀
蘇錦児(そきんじ)は、皇后に子澹(したん)を利用され、皇后のために情報を伝えていることを明かした。蘇錦児(そきんじ)が豫章(よしょう)王府に潜入すれば、皇后は子澹(したん)の安全を保証し、京城へ戻れるように手助けすると約束したという。子澹(したん)は蘇錦児(そきんじ)に、豫章(よしょう)王府と皇后の動向を逐一報告するように命じた。
過去と現実の交錯
王儇は夢の中で、兄と楽しく遊んでいた無邪気な幼少期を思い出していた。蕭綦(しょうき)は自ら王儇に氷綃花を飲ませ、互いに両親を失った悲しみを語り合った。蕭綦(しょうき)は自分には子孫ができないのは、多くの血を流してきた罰だと考えており、生まれてくる子供に母親を亡くさせたくないと語った。
朝廷内外
子隆(しろう)は昭陽殿を訪れ、謝宛如(しゃえんじょ)は先日見た恐ろしい夢の話をし、子隆(しろう)に用心するように忠告した。太后は多くの女性の中から顧採薇を選び、嬪妃にはなれなくても王夙(おうしゅく)に嫁がせるのは良い考えだと考えた。胡光烈(ここうれつ)は宋懐恩(そうかいおん)に、粛毅伯府の準備が整ったので、玉秀(ぎょくしゅう)との婚礼の準備に戻るように伝えた。馬車に乗った宋懐恩(そうかいおん)は野心を隠すことなく、新しい屋敷の表札を見て満足げな表情を浮かべた。同じ頃、王倩(おうせん)は忽蘭(くらん)へ向かう馬車の中で涙を流していた。この日は玉秀(ぎょくしゅう)の結婚式の日でもあった。王儇は涙ながらに玉秀(ぎょくしゅう)の花嫁行列を見送り、別れを惜しんだ。
江南の治水
結婚式の翌日、宋懐恩(そうかいおん)は江南の治水工事へと派遣され、玉秀(ぎょくしゅう)は落胆した。事態を収拾するため、宋懐恩(そうかいおん)と王夙(おうしゅく)は、能力のある流民を工事作業員として雇い、労働時間に応じて食料を配給することにした。これは兵士の負担を軽減し、流民の暴動を防ぐためでもあった。京の都の大雨を見ながら、王儇は王夙(おうしゅく)と宋懐恩(そうかいおん)の無事を祈ってひざまずいた。
第46話あらすじとネタバレ
激しい雨の中、謝宛如(しゃえんじょ)は急に産気づいた。皇后の難産という緊急事態に、太医院の全員が昭陽殿へ急行した。既に三杯もの催生湯を飲んでいたにも関わらず、出産は難航した。しかし、太后が自ら陣頭指揮を執り、皇帝に冷静を保ち龍体第一にと諭す中、ようやく皇子が無事に誕生した。皇帝夫妻にとって初めての子供であり、皇帝の喜びはひとしおであった。
一方、王藺(おうりん)は疫病の流行する地域へと向かう困難な旅を続けていた。江南で治水工事を行う王夙(おうしゅく)を探し出すため、危険を顧みず突き進んでいた。そこで王夙(おうしゅく)は顧采薇(こさいび)と出会う。長雨で顧家の祖墳が被害を受けたため、兄の代わりに修復工事を指揮するために来ていたのだ。江夏王が人手を必要としていることを知った顧采薇(こさいび)は、顧家に恩義のある一族の名簿を王夙(おうしゅく)に渡し、必要であれば協力を求められると伝えた。
皇子の誕生を祝うため、皇帝と太后は盛大な宴を催した。王儇(おうけん)と蕭綦(しょうき)たちも宮殿へ赴いたが、皇子が泣き止まないため、謝宛如(しゃえんじょ)は不安で文武百官に会う予定の儀式を行うことができなかった。侍女の機転でようやく皇子は泣き止んだ。王儇(おうけん)が皇子を抱き上げた時、かすかに酒の匂いを感じたが、徐姑姑(じょこくこ)は気にしないようにと告げた。
その夜、王儇(おうけん)はかつて宮中に住んでいた頃の寝殿に泊まり、昔埋めた桃花酒のことを思い出した。彼女たちが酒壺を掘り起こしていると、太后が思いがけず訪ねてきた。上質な酒を携えて現れた太后は、王儇(おうけん)が酒を欲しがっていることを見抜いていた。しかし、王儇(おうけん)はその酒を受け取らなかった。太后の真の目的は、王儇(おうけん)の家族の悲劇は自分のせいだと認め、許しを請うことだったのだ。太后の謝罪に対し、王儇は冷淡な態度を示し、太后は不満を抱えたまま立ち去った。
その後まもなく、皇子の体に赤い発疹が多数現れた。太医の診断によると、それは酒疹によく似た症状だった。この知らせを聞いた子隆(しろう)は激怒した。皇子の身の回りの物は全て厳選されたものであり、酒に触れるはずがないと考えていたからだ。その傍らで、謝宛如(しゃえんじょ)は何も言わず、皇帝の問いに答えることができなかった。
第47話あらすじとネタバレ
宮廷の波紋と秘めたる思い
申太医(しんたいい)は、医女に小皇子のための醒酒湯を用意させたことを子隆(しろう)に告げた。子隆(しろう)は謝宛如(しゃえんじょ)に小皇子に酒を飲ませたのかと詰問するが、謝宛如(しゃえんじょ)はきっぱりと否定し、小皇子は乳母の母乳しか飲んでいないと主張した。 子隆(しろう)は乳母の過失を疑い始める。乳母は必死に弁解するも、醒酒湯が効いて小皇子の赤い発疹が引いていくのを見て、子隆(しろう)は乳母の不注意が原因だと決めつけ、杖刑に命じた。謝宛如(しゃえんじょ)と鄭嬷嬷は、その様子を恐れ慄きながら見守っていた。
小皇子の無事を確認した後、申太医(しんたいい)は、小皇子の夜泣きはおそらく驚きによるもので、体質が弱いのは先天的なものだろうと説明した。申太医(しんたいい)たちが去ると、昭陽殿には子隆(しろう)と謝宛如(しゃえんじょ)だけが残された。産後の情緒不安定から、謝宛如(しゃえんじょ)は泣き続け、子隆(しろう)は苛立ちを隠せない。それでも子隆は謝宛如(しゃえんじょ)に同情するが、同時に彼女の性格の変化にも気づいていた。かつて温かい雰囲気だった昭陽殿は、今では彼にとって煩わしい場所になっていた。謝宛如(しゃえんじょ)はすぐに態度を改め、子隆をなだめ、自分の関心を伝えようとした。
王儇(おうけん)の心境と宮廷政治
風池宮で、王儇(おうけん)は一人で庭の大樹に向かって孤独と疲れを吐露していた。徐姑姑(じょこくこ)は、王(おう)氏一族が衰えている今、太后との関係を改善するよう勧めるが、王儇(おうけん)は太后が自分と家族に仕掛けた過去の策略を許せずにいた。
一方、子隆は太史令の盧子雲を呼び出し、盧子雲は天体の運行を理由に、廉貞星が蕭綦(しょうき)の脅威を示していると警告する。子隆は深く憂慮するが、盧子雲の言葉が実は謝宛如(しゃえんじょ)の指示によるものだとは知らない。その後、子隆は太后と対策を話し合い、狩猟の機会を利用して蕭綦(しょうき)を排除しようと企てる。しかし、蕭綦(しょうき)はすぐに子隆に辞意を表明し、辺境へ戻ることを申し出た。この行動は子隆を驚かせた。
江南からの知らせと豫章(よしょう)王府の新しい命
江南の王夙(おうしゅく)は、「夙」の一文字だけが書かれた手紙を受け取る。その筆跡は王藺(おうりん)のものと思われた。この謎めいた手紙は、王夙(おうしゅく)に王藺(おうりん)がまだ生きているのではないかという疑念を抱かせる。
宋懐恩(そうかいおん)が都を離れた後、玉秀(ぎょくしゅう)は自分が妊娠していることに気づき、三ヶ月が過ぎた頃、豫章(よしょう)王府を訪れた。王儇(おうけん)は玉秀(ぎょくしゅう)の様子に羨望と好奇心を抱き、彼女の気持ちを尋ねる。徐姑姑(じょこくこ)はこれに難色を示すが、王儇(おうけん)は気に留めない。
蕭綦(しょうき)の秘密と真実の解明
龐癸(ほうけい)は蕭綦(しょうき)を尾行し、ある家を訪ねているのを発見する。蕭綦(しょうき)は竇という名の女性とその二人の子供に会っていた。調査の結果、龐癸(ほうけい)はその人々の身元を突き止め、徐姑姑(じょこくこ)に報告する。翌日、徐姑姑(じょこくこ)は王儇(おうけん)を竇夫人の家へ連れて行き、蕭綦(しょうき)が義兄弟の遺児を引き取っていたという事実を明らかにする。王儇はその二人の子供を見て複雑な感情を抱き、屋敷に戻るとすぐに申太医(しんたいい)を呼び出した。何か慰めを求めているのか、あるいは答えを探しているのかもしれない。
第48話あらすじとネタバレ
王儇(おうけん)の決意
王儇(おうけん)は密かに申太医(しんたいい)を訪ね、子を授かりたいと願い、病の治療法を尋ねた。申太医(しんたいい)は、蕭綦(しょうき)が王儇(おうけん)の寿命を延ばすため、氷綃花を服用させていると説明した。この花の寒性は極めて強く、相剋する薬はほとんどない。しかし、大きな危険を承知の上で、王儇(おうけん)は命懸けで試したいと告げた。申太医(しんたいい)が協力しなくても、彼女は他の医者を探し続け、たとえ天涯海角まで行っても、この願いを葉えるつもりだと断言した。
鄭嬷嬷の暗躍
一方、鄭嬷嬷は青楼で索拉に会い、賀蘭箴(がらんしん)に謝宛如(しゃえんじょ)が準備を整え、時機を見て蕭綦(しょうき)を討つ計画だと伝えるよう依頼した。青楼を出た後、鄭嬷嬷は別の人物と密会し、錦囊を渡し、必ず子澹(したん)に渡すよう指示した。その人物は鄭嬷嬷に、謝宛如(しゃえんじょ)の側では特に用心するよう忠告した。その後、皇陵にいる子澹(したん)は京城からの手紙を受け取り、時機が熟したと判断すると直ちに人々を集め、皇陵の守備隊と衝突した。
宮廷内の不穏な動き
宮中では、子隆(しろう)は小皇子の病弱な様子に帝王の風格が欠けていると不満を抱いていた。謝宛如(しゃえんじょ)は侍従に小皇子を下げさせ、子隆(しろう)は蕭綦(しょうき)の辞官の申し出について触れた。彼は蕭綦(しょうき)を寧朔(ねいさく)に帰せば脅威はなくなると考えていた。しかし、謝宛如(しゃえんじょ)は蕭綦(しょうき)が寧朔(ねいさく)に戻れば、二度と手出しができなくなると分かっていたので、子隆(しろう)を愚かだと非難した。
深秋の狩猟と別れ
王儇(おうけん)は蕭綦(しょうき)が秋猟に参加すると聞き、何かが起こるのではないかと不安に駆られた。彼女は蕭綦(しょうき)に何度も気を付けるように念を押した。狩猟当日、蕭綦(しょうき)は子隆(しろう)が辞官を承諾したことを告げ、狩猟から戻ったら寧朔(ねいさく)へ出発し、新しい生活を始めると言った。王儇(おうけん)はこの日を心待ちにしていた。蕭綦(しょうき)が出発した後、王儇(おうけん)は宮中に残って治療を受け、妊娠するために鍼治療の痛みを耐え忍んだ。太后はこのことを知り、王儇(おうけん)が蕭綦(しょうき)の死を知って復讐することを防ぐため、子隆(しろう)が戻るまで王儇(おうけん)を宮中から出さないよう桂嬷嬷に命じた。
昭陽殿の憂い
昭陽殿では、謝宛如(しゃえんじょ)が泣き止まない小皇子をあやしていたが、子隆(しろう)が今夜来ないと知らされた。彼女は落胆した。子供を授かったことで宮中での地位は盤石になるはずだったが、子隆(しろう)は彼女にますます冷淡になっていた。鄭嬷嬷は彼女に我慢するよう諭し、時が解決してくれることを願った。
江南の治水と穏やかな時間
江南では、王夙(おうしゅく)は優れた治水能力で各地の水害を軽減し、顧家の協力で工事の進捗も早まった。ある日、顧採薇は酒を持って王夙(おうしゅく)を訪ね、二人は湖畔で酒を酌み交わし、旧交を温め、束の間の静かな時を過ごした。
太后の憂慮と王儇(おうけん)の回想
ある日、王儇(おうけん)は太后に挨拶するため宮殿を訪れた。謝宛如(しゃえんじょ)をはじめとする妃嬪たちも同席していた。太后は王儇(おうけん)を自分の隣に座らせ、この行動は謝宛如(しゃえんじょ)の不興を買った。王儇が寧朔(ねいさく)へ行くことについて、謝宛如(しゃえんじょ)は蕭綦(しょうき)の能力を皮肉ったが、王儇は仮論せず、蕭綦(しょうき)のために全てを捨てる価値があると断言した。太后は永安宮が久しぶりに賑やかになったと感慨深げだったが、王儇の心には喜びはなかった。今の皇宮はかつてとは違い、表面上の笑顔の裏には数々の争いが隠されていた。太后の宮殿を後にした王儇は、謝宛如(しゃえんじょ)を昭陽殿に招き、昔の友情を取り戻したいと願ったが、二人とも過去の美しい日々は二度と戻らないことを理解していた。王儇が小皇子を抱こうとすると、小皇子は不思議なほど静かだった。その時、謝宛如(しゃえんじょ)は太后に呼ばれ、部屋には王儇と小皇子だけが残された。
太后の葛藤
王儇が去った後、太后は一人で悲しみに暮れた。彼女は王儇を我が子のように育ててきた。王儇が真実を知って復讐することを恐れていなければ、彼女はこの娘のような存在を傷つけたくはなかった。そこで、彼女は桂嬷嬷に、この数日間、風池宮に良いものをたくさん送るよう命じた。それは、王儇への最後の愛情表現だった。
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