第41話あらすじとネタバレ
御書房での言い争い
太后は御書房で子隆(しろう)を見舞う。彼は江南の水害対策に頭を悩ませていた。太后はこの件で来たと言い、宋懐恩(そうかいおん)と王夙(おうしゅく)を推薦する。しかし、子隆(しろう)は二人とも治水の経験がないと強く仮対する。一人は身分の低い武将、もう一人は放蕩息子であり、特に王夙(おうしゅく)は王藺(おうりん)の息子であることが彼を不安にさせる。子隆(しろう)の懸念に対し、太后は根気強く説得し、自分がすべて子隆(しろう)と大成のためにしているのだと強調する。今の最大の脅威は戦乱や水害ではなく、蕭綦(しょうき)だと主張する。子隆(しろう)は天下が安定したばかりで蕭綦(しょうき)の力が必要だと考えるが、太后は皇帝以外誰も不可欠ではないと譲らない。宋懐恩(そうかいおん)を治水に送り、蕭綦(しょうき)の勢力を削ぐ計画だが、子隆(しろう)は王儇(おうけん)の身を案じ、心を痛める。
皇后の不安
同じ頃、昭陽殿では、太医が皇后の脈を診て、胎児が安定していないと告げる。出産前に心労を避けなければ、胎児に影響が出ると忠告する。皇后はこの言葉を聞き、不安に駆られる。
忽耶奇(こつや き)の発見
忽耶奇(こつや き)は蘇錦児(そきんじ)を試したところ、彼女が謝宛如(しゃえんじょ)の言う通り豫章(よしょう)王府のスパイだと確信する。彼女はすぐに賀蘭箴(がらんしん)に報告する。蘇錦児(そきんじ)は屋敷に戻ってから落ち著かず、王儇(おうけん)がまた賀蘭箴(がらんしん)に会うと聞いた時、恐怖に襲われる。彼女は暉州での出来事を口実に王儇(おうけん)を止めようとするが、失敗に終わる。
夕食会での密謀
蕭綦(しょうき)は屋敷で夕食会を開き、王氏親子を招待する。席で、王儇(おうけん)の叔母は王倩(おうせん)に蕭綦(しょうき)に媚びを売るよう密かに指示する。蕭綦(しょうき)と王儇(おうけん)は太后が王夙(おうしゅく)と宋懐恩(そうかいおん)を治水に送る件で話し合い、親密な様子を見せる。しかし、王倩(おうせん)は計画を実行する機会を見つけられない。劉管家(りゅう かんり)が胡光烈(ここうれつ)と宋懐恩(そうかいおん)の来訪を告げ、蕭綦(しょうき)は席を外す。胡光烈(ここうれつ)たちは兵の削減に不満を抱いている。蕭綦(しょうき)はすぐには返答せず、まず太後の治水の指示について話し、宋懐恩(そうかいおん)にいくつか指示を出す。そして、宋懐恩(そうかいおん)が江南へ行く前に玉秀(ぎょくしゅう)との結婚式を挙げることを決める。
賀蘭箴(がらんしん)と子澹(したん)の密会
都では、賀蘭箴(がらんしん)と子澹(したん)が密会する。当初、子澹(したん)は賀蘭箴(がらんしん)との協力を考えていたが、王儇(おうけん)を傷つけた賀蘭箴(がらんしん)を目の前にし、ためらう。賀蘭箴(がらんしん)は子澹(したん)を嘲笑い、もし子澹(したん)が権力を握れば王儇を取り戻すのは容易だと示唆する。心は揺らぐものの、子澹(したん)は自分に実権がないことを自覚し、なぜ賀蘭箴(がらんしん)が自分を選んだのか疑問を呈する。賀蘭箴(がらんしん)は蕭綦(しょうき)を倒すには王儇の存在を考慮する必要があり、子澹(したん)が王儇を一番よく理解している人物だと説明する。最終的に子澹(したん)は賀蘭箴(がらんしん)に協力し蕭綦(しょうき)と戦うことに同意する。条件は賀蘭箴(がらんしん)が天下を取る手助けをすることだった。
第42話あらすじとネタバレ
賀蘭箴(がらんしん)は安平王と手を組み、子隆(しろう)に対抗することを決意した。両者は互いの利害が一緻したのだ。賀蘭箴(がらんしん)は部下を遣わし、王儇(おうけん)に南郊の鹿苑で後日会う約束を伝えた。王儇(おうけん)はこの知らせを受け、約束の場所へ向かうことにした。しかし、この頃、謝宛如(しゃえんじょ)は毎晩同じ悪夢にうなされていた。何者かが宮中に侵入し、彼女を暗殺しようとする夢だ。太医は皇后をこれ以上驚かせてはならず、心労をかけるようなことも避けるべきだと警告した。
翌日、朝議にて皇帝は重要人事を発表した。王夙(おうしゅく)は正式に王氏の家主となり、江夏王に封じられた。宋懐恩(そうかいおん)は功績を認められ、粛毅伯・右衛将軍の爵位と七十裏の領地を賜った。続いて皇帝は江南地方で長らく続いている疫病と水害の問題を取り上げた。これらの問題を根本的に解決するため、500万両の黄金を災害救済と治水工事に充てる計画を打ち出した。しかし、朝廷の役人たちは国庫が空虚で、これほどの巨額の支出は不可能だと指摘した。それでも皇帝は宋懐恩(そうかいおん)と江夏王を江南に派遣し、治水工事を監督させることを決定した。王夙(おうしゅく)は河道総督を兼任し、宋懐恩(そうかいおん)は副都督を務めることになった。
一方、謝宛如(しゃえんじょ)は悪夢に悩まされ続け、蕭綦(しょうき)が自分を害そうとしているのだと確信するようになっていた。管家は賀蘭箴(がらんしん)が王儇(おうけん)に会おうとしていることを蕭綦(しょうき)に報告した。その時、王儇(おうけん)は心を込めて仏経を書き写しており、徐姑姑(じょこくこ)は傍らで慰め、真心で祈れば願いは必ず葉うと励ましていた。蕭綦(しょうき)は王儇(おうけん)が賀蘭箴(がらんしん)に会いに行くことを知り、激怒し、砂盤を蹴り倒した。管家は事態に介入すべきか迷っていた。その後、蕭綦(しょうき)は王儇(おうけん)のもとを訪れ、自分に何か言うことはないかと問いただした。蕭綦(しょうき)の厳しい態度に王儇は戸惑い、南郊の鹿苑での約束の話を持ち出されて初めて彼の怒りの理由を理解した。蕭綦(しょうき)は王儇が一人で賀蘭箴(がらんしん)に会いに行くことを責め、王儇は王倩(おうせん)が忽蘭(くらん)へ遠嫁させられるのを阻止するために賀蘭箴(がらんしん)に頼もうとしたのだと説明した。さらに王儇は蕭綦(しょうき)が家族のことを考えていないと非難し、自分は一族全体の利益を考えなければならないと主張した。この会話は結局、口論となって終わった。
蕭綦(しょうき)は帰る途中、王倩(おうせん)と出会った。王倩(おうせん)は忽蘭(くらん)への遠嫁を恐れていること、そして蕭綦(しょうき)への想いを口にし、もう二度と会えなくなることを心配していた。しかし蕭綦(しょうき)は王倩(おうせん)の気持ちを見抜き、きっぱりと立ち去った。王倩(おうせん)は自分の部屋に戻り、これが実は母親の考えで、豫章(よしょう)王府に嫁ぐことで王儇のように安定した暮らしを手に入れさせようとしているのだと気づいた。
謝宛如(しゃえんじょ)は過去を思い返し、かつて王儇と親友だった頃を思い出した。運命のいたずらでなければ、二人は今のような敵同士になることはなかったかもしれない。慈安寺で、王儇は王夙(おうしゅく)と共に長公主(ちょうこうしゅ)の冥福を祈り、かつて王夙(おうしゅく)が心を込めて書いた治水策を書き写したものを贈り、今回の治水事業への支持を表明した。
第43話あらすじとネタバレ
王夙(おうしゅく)は、かつての野心溢れる若者ではなくなっていた。今回の治水計画が失敗すれば、王(おう)氏一族は都での立場を失うかもしれない。しかし、王儇(おうけん)は兄の成功を信じ、賀蘭箴(がらんしん)との新たな会見場所を江夏王府に変更するよう伝えた。一方、豫章(よしょう)王府では、王倩(おうせん)母娘が王儇(おうけん)の江夏王府への帰還を知り、好機と捉える。王倩(おうせん)の母は、皇帝の冊封詔書が下る前に事を成すよう娘を急き立てる。
賀蘭箴(がらんしん)は約束通り江夏王府に現れるが、場所の変更には不満で、王倩(おうせん)の件は自分の機嫌次第だと暗に脅す。そして、王儇(おうけん)に庭園での散歩を要求し、王儇(おうけん)は仕方なく応じる。王倩(おうせん)は入念な支度をし、京城に残るため全てを賭ける覚悟を決める。賀蘭箴(がらんしん)は散歩中、王儇(おうけん)と蕭綦(しょうき)の関係を巧みに挑発する。その頃、王儇(おうけん)は遠くの鳶灯に気づき、賀蘭箴(がらんしん)の執拗な言動に耐えながら、管家の宴の準備完瞭の知らせでようやく解放される。
同時に、王倩(おうせん)の母は蕭綦(しょうき)の部屋の護衛の気を逸らし、王倩(おうせん)は部屋に侵入し、蕭綦(しょうき)の茶碗に薬を盛る。江夏王府の宴では、王夙(おうしゅく)が賀蘭箴(がらんしん)に王倩以外の和親相手を検討するよう説得を試みるが、賀蘭箴(がらんしん)は要求をエスカレートさせ、王儇に一緒に踊るよう誘う。この傲慢な態度に王夙(おうしゅく)は激怒し、衝突寸前となる。王儇が仲裁に入り、真の友人ならこのような振る舞いはしないと諭す。
夜になり、蕭綦(しょうき)が部屋に戻ると、王倩が待っていた。賀蘭箴(がらんしん)を宥めるため、王儇は彼のために舞を披露することに。蕭綦(しょうき)の部屋に隠れていた王倩は、蕭綦(しょうき)と太医の会話から、王儇がもう子供を産めないこと、そして蕭綦(しょうき)がその事実を隠そうとしていることを知る。王儇が自分を恨んでいても、ただ彼女が生きていてくれれば良いと願う蕭綦(しょうき)。賀蘭箴(がらんしん)は帰還後、和親の相手を再考しつつも、安平王と手を組み蕭綦(しょうき)を陥れる計画を練る。
蕭綦(しょうき)は茶を飲み、異変を感じ始める。王倩は隙を見て蕭綦(しょうき)を騙そうとする。その時、王儇が戻り、蕭綦(しょうき)は状況を察知し、王倩に激怒する。しかし、王儇の親族であることを考慮し、王倩とその母に翌日出ていくよう命じるだけにとどめる。
王倩は必死に蕭綦に懇願するが聞き入れられず、助けを求めて叫びながら湖に飛び込み、自殺を偽装する。知らせを聞いた王儇は湖畔に駆けつけ、蕭綦を王倩の部屋に向かわせ、直接対決することを決意する。
第44話あらすじとネタバレ
蕭綦(しょうき)は腕を傷つけ、かなりの出血がありました。彼は騒ぎになるのを避け、家令が太医を呼ぶのを止めました。少し前、蕭綦(しょうき)の顔色が悪いことに気づいた王夙(おうしゅく)は豫章(よしょう)王府へ行き、徐姑姑(じょこくこ)に事情を尋ねました。徐姑姑(じょこくこ)は、蕭綦(しょうき)が王儇(おうけん)に飲ませていた薬について調べた結果も含め、全てを打ち明けました。王儇(おうけん)はずっと辛い思いをしていたと。それを聞いた王夙(おうしゅく)は激怒し、蕭綦(しょうき)に詰め寄ることにしました。
一方、王倩(おうせん)は王儇(おうけん)が子を産めないことを知り、豫章(よしょう)王府に嫁ぐ好機と捉えました。王儇(おうけん)は王倩(おうせん)を見舞い、もし蕭綦(しょうき)の仕業であれば王府できちんと対応すると約束しました。すると王倩(おうせん)は、蕭綦(しょうき)が王儇(おうけん)の毎日の薬に避子湯を混ぜていたことを暴露しました。王儇(おうけん)にとって晴天の霹靂で、とてもショックを受けました。王倩(おうせん)は事実を歪め、王儇のために真相を明らかにしようとしたまでで、蕭綦(しょうき)がまさかこんなことをするとは思わなかったと主張しました。さらに、王倩(おうせん)と母は、蕭綦(しょうき)が王倩(おうせん)に子供を産ませ、王儇の子として育てるつもりだと嘘を吐きました。
その時、王夙(おうしゅく)が蕭綦(しょうき)の書斎に押し入り、王儇と王倩への仕打ちを責め、蕭綦(しょうき)を殴りました。徐姑姑(じょこくこ)はすぐに王儇を呼び、王儇は蕭綦(しょうき)の元へ詰め寄りました。蕭綦(しょうき)の傷ついた腕を見た王儇は全てを理解し、涙を流しました。徐姑姑(じょこくこ)も、蕭綦が王儇を守るためにしたことだと気づきました。豫章(よしょう)王府に太医が到著し、王夙(おうしゅく)は王儇を診た太医に直接尋ね、彼女の体が本当に弱っていることを確認しました。王儇は蕭綦の傷の手当てをし、なぜ避子湯を飲ませたのか、子供は欲しくないのかと問いただしました。蕭綦は、子孫のことよりも王儇がずっと傍にいてくれることの方が大切だと答えました。王儇は、もう蕭綦を疑わないと答えました。
太医によると、蕭綦は強い催情薬を盛られ、大量に服用したことで血の流れが逆流し、体に大きなダメージを受けていました。蕭綦は自ら出血させて解毒したため、大事に至らずに済みました。避子湯の件で二人の信頼関係は揺らぎませんでしたが、太医のおかげで、王倩母娘の陰謀だという真相が明らかになりました。王倩母娘が焦っているところに、王儇は王倩の部屋を訪ね、なぜ侍衛たちは誰も王倩の出入りを見ていないのかと問いただしました。王儇の指摘した矛盾点と薬の匂いで、王倩母娘は言い逃れできませんでした。王夙(おうしゅく)も蕭綦が濡れ衣を著せられたと信じ、二人は和解しました。
王夙(おうしゅく)は賀蘭箴(がらんしん)が書いた、王儇との友情のために忽蘭(くらん)との和親の相手を貴女の中から選ぶという誓約書を持っていました。王倩母娘は大喜びし、すぐに謝罪し、愚かなことをしたと認めました。しかし、王儇はその誓約書を燃やし、王倩が忽蘭(くらん)へ嫁ぐと宣言しました。太后はこのことを知り、王倩は自業自得だと考えました。賀蘭箴(がらんしん)も不審に思いながらも、皇帝が一晩で心変わりし、王倩を忽蘭(くらん)へ嫁がせるよう命じたことで、全てが決著しました。最後に、蕭綦は王儇に王藺(おうりん)が亡くなったことを伝え、王儇は深い悲しみに暮れました。
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